ソードアートオンライン~二刀流使いの少年~   作:黑(不定期)

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第2話です


ラグーラビットとチーム結成

セルムブルグは、六十一層にある美しい城塞都市だ。そんな都市の転移門に到着した時にはすっかり陽もくれかかっていた

 

「うーん、広いし人は少ないし、開放感あるなぁ」

 

「同感だよ。なんか気分が落ち着くんだよね」

 

「なら君たちも引っ越せば?」

 

「金が足りません」「お金がないよ」

とまたしてもはもる僕達

 

「仲いいね」

 

「「まあね、一応親友だからな」ね」

 

その完璧にシンクロした答えにふふっと笑うアスナ

 

「……そりゃそうと、本当に大丈夫なのか?さっきの……」

 

「……わたし一人の時に何度か嫌な出来事があったのは確かだけど、護衛なんて行き過ぎだわ。要らないって言ったんだけど……ギルドの方針だから、って参謀職たちに押し切られちゃって……」

 

「まあ、アスナは可愛いからね。そういうこともあるよね」

 

「ふふっ、ありがとうユウ君」

 

「まぁ、何だろ。悩みとか困ったことがあった何でも言ってよ?必ず力になるからさ」

と真剣な表情でアスナにいう

 

「うん……ユウ君は優しいね」

 

「惚れた?」

さっきとは一転意地悪な顔になる

 

「な……なわけないでしょ!」

顔を赤らめてあわてて言う

 

「ざんねんだなぁ。まぁでも、アスナはキリトのことが好きなんだしなぁ」

とアスナにしか聞こえないように言う

 

「な……何で知ってるの!?」

 

もう、湯気が出そうなほど顔を赤らめてアスナはささやき返した

 

「僕はそういうのを見破るのが得意なのさ。まあ、さっきも言ったように何でも相談にのるからさ。応援してるよ?」

 

「ぁ…ありがと」

 

「おい、アスナ、ユウ、何をこそこそ話してるんだ?」

 

「なっ、何でもない!ほら、早く行かないと日が暮れちゃうわ」

キリトが首を傾げている……この鈍感野郎…アスナが可哀想だよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「お……お邪魔します」」

 

「どうぞ」

 

女子の部屋に入るのは、初めてではないが、緊張するものは緊張する。初めて入ったのはしーちゃんの部屋だったか……大丈夫かな、しーちゃん。対人恐怖症で僕以外とはあまり話そうとしなかったし

 

「着替えてくるからそのへん適当に座ってて」

とアスナは着替えに行った

 

考え事をしてるとキリトが話しかけてきた

「なあ……これ、いくらぐらいかかってると思う?」

 

「四千kは下らないをじゃないかな?」

というとキリトは苦笑した

 

「どうしたの?」

 

「いや、俺もそんくらいは稼いでると思うんだが、無駄遣いをついしちゃってな。それを自省してたのさ」

 

「ふーん……」

そんな会話をしていると簡素な白いチュニックと膝上丈のスカートに着替えたアスナが奥の部屋から現れた。そしてアスナは僕達に視線を投げ掛け

「君たちはいつまでそんな格好をしてるのよ」

 

……忘れてたよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナはわずか5分で豪華な食卓を整え僕、アスナ、キリトで食卓を囲んだ。ちなみに<<ラグー・ラビットの肉>>は文字どおり煮込み(ラグー)料理のシチューになった

そして僕達は食の誘惑に勝てず、いただきますを言うのももどかしくスプーンを使ってそれを頬張った

僕はうまいものは人を無口にするという言葉を完全に理解した気がする。僕達三人は一言もしゃべらずシチューを完食した

 

「ああ……いままでがんばって生き残っててよかった……」

僕も同感だった。キリトも満足したって顔をしている

 

「不思議ね……。なんだか、この世界で生まれて今までずっとくらしてきたみたいな、そんな気がする」

 

「……俺も最近、あっちの世界のことをまるで思い出さない日がある。俺だけじゃないな……この頃は、クリアだ脱出だって血眼になる奴が少なくなった」

 

「攻略のペース自体おちてるわ。今最前線で戦ってるプレイヤーなんて、五百人もいないでしょう。危険度のせいだけじゃない……みんな、馴染んできてる。この世界に……」

 

「僕は元から帰りたいとは思ってないよ。僕は現実世界よりもこのバーチャルの世界の方が居心地がいいんだ。現実世界とバーチャルの違いなんて多少の誤差しかないと思うんだよ。現にこうやって食事したり、匂いをかいだり、足で外を歩いたり……現実逃避って言われるかもしれない。でも、僕は総合的に考えてこっちの、バーチャルの世界の方で生活していきたいと思っているよ」

 

「俺もほとんどユウと同じ考えだ。バーチャルとリアルの違いは、情報量の多寡だけ……」

 

「わたしは帰りたい」

アスナは僕達に微笑みを見せると続けて言った

 

「だって、あっちでやり残したこと、いっぱいあるから」

その言葉に僕たちは素直に頷いていた。

 

「しーちゃん救ってやりたいからな……」

その言葉は空に消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、君たちはギルドに入る気はないの?」

 

「「え……」」

 

「ベータ出身者が集団に馴染まないのは解ってる。でもね、七十層を越えたあたりから、モンスターのアルゴリズムにイレギュラー性が増してきてるような気がするんだ」

それは、僕も感じていたけど、しかしなぁ……

 

「ソロだと、想定外の事態に対処できないことがあるわ。いつでも緊急脱出できるわけじゃないのよ。パーティーを組んでいれば安全性がずいぶん違う」

 

「安全マージンは十分取ってるよ。忠告は有り難く頂いておけけど……ギルドはちょっとな」

 

「同感だね。ギルドみたいに上からわーわー言われたりバカらしい命令を絶対に聞かないといけないなんてイヤだしね」

 

「…なら、しばらくわたしと組みなさい。ボス攻略パーティーの編集責任者として、君たちが噂ほど強い人なのか確かめたいと思ってたとこだし。今週のラッキーカラー黒だし」

 

「な、なんだそりゃ!」

 

「だが、断る!」

 

「お前…ギルドはどうするんだよ」

 

「うちは別にレベル上げノルマとかないし」

 

「じゃ、じゃああの護衛の二人は」

 

「置いてくるし」

 

「なるほどね……キリトとの仲をっ!?」

 

「それ以上は言わないで」

そこには目のハイライトが消えた阿修羅がいた

 

「……はい」

僕はそう答えるしかなかった

 

「じゃあ、明日朝9時、七十四層のゲートの前で待ってるわ」

 

「「了解……」」

 

一人暮らしの女性の部屋にいつまでも居座るといろいろ(主に倫理的な問題で)まずいので食事を終えるとすぐに暇を告げた

 

「……今のこの状態、この世界が、本当に茅場晶彦の作りたかったものなのかな……」

 

僕達三人はそれに答えることはできなかった

 

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