超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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雷門VSネオ・カオス ~前半戦終了~

 二得点に絡む活躍……って言われているけど。

 

「流石に警戒はされるよなぁ……」

 

 試合再開早々ガゼルとバーンを中心に攻め上がるもディフェンス陣が奮闘し、攻撃をシャットアウト。

 対して、こっちが攻めようとするとバーンかガゼルのどちらか、もしくは両方がオレをマークしてくる。いやぁ、やりづらいことこの上ない。

 

「十六夜。どうだ?突破できそうか?」

「いいや、振り払える気がしねぇ……今はな」

「そうか。なら、ディフェンスに専念していてくれ」

「そうすると、攻撃力が……ああそうか。アイツが代わりに攻めれば問題ないか」

「その通りだ」

 

 それにしてもすげぇ違和感。キーパー以外の円堂がレア過ぎる件について。

 記憶が正しければ戦国伊賀島以外で、コイツがフィールドプレイヤーとして戦っている姿を見たことがない。というか更に思い出せばあの試合が、ある意味オレにとってディフェンス以外のポジションでの初試合だった気もする。

 今思うと、コイツとこうやって肩を並べて戦うのって初めてというか……新鮮?

 

「円堂。交代だ」

「おう!任せたぞ!」

「お前もな」

 

 現状このチームにはリベロが二人いる。オレと円堂。

 オレと円堂は二人同時に攻めることをすれば、攻撃力は飛躍的に上がるだろうが反面カウンターにクソほど弱くなる。まぁ、諸刃の剣だな。オレと円堂の同時攻撃は。

 で、そんなことだから、鬼道から一応、オレたちは片方が攻めたらもう片方が守るというごく普通のことを言われている。初めての試みだから臨機応変にコロコロ変えられない可能性があったため、オレが攻め、円堂が守りで固定した。

 だから攻守交代。もともとオレはキーパーのフォローから攻めまで何でもこなしに行く、文字通り自由人ではあるが、チームプレーを重んじてはいるつもり。

 

「ただ……」

 

 カオスからは正直オレたち二人が攻めなくとも点は取れるだろうし、頑張れば守ることも出来るはず。

 この先を考えると、グランたちには柔軟に動けなければ戦うことは出来ない……まぁアイツらと渡り合うにはまだピースが足りないが。

 

「いや、今はこの試合だ」

 

 ともかく、今回は円堂のリベロ移行が初なんだ。いきなり難しい動きまでは出来ないし、8点差を覆すには正直ギリギリの状況だ。

 クソっ。本当に初期のカオスであれば、連携の隙を突けばこの点差でも容易にひっくり返せるだろう。だが、今のこいつらはそんな弱点存在しない。

 それにどちらかと言うと8点を取ることが難しいというよりこれ以上点を取られないことの方が難しい。これ以上の点を取られることはなんとしても避けたいが……。

 

「そろそろあの二人がアレを打ってもおかしくない」

 

 前の試合では制約というか、本気を見せないようにするため封印していた(本人たち曰く)が、今回はそんなことしないだろう。

 あれを打たれたら現状の戦力では止めることは至難のワザだ。

 そもそも立向居があの挑戦していた新必殺技を完成させない限り厳しい現状は変わらない。マジン・ザ・ハンドが一切通用しない以上その技の完成に賭けたいが……。

 

「そう上手くいくのやら」

「何を言っている!」

「こっちの話だ!」

 

 ボールを持ったバーンとの激突。改めて思うがパワーが上がっている。少なくとも前に一緒にやったときよりもだ。

 短期間でのパワーアップ……エイリア石か。ただえさえ強いのに加えてエイリア石の力を使うとか……そこまで追い込まれているのか?いいや、違うな。

 

「俺たちは認めねぇ!」

 

 そこまでしてでも認めてほしいのだ。彼らは自分たちの力をあの人に。

 全てを犠牲にしてでもきっと……ああそうか。

 

「お前らの覚悟は分かった。でもな……」

 

 悪いな。お前らの覚悟は分かったし、気持ちも分かった。その上でオレは……

 

「負けるわけにはいかねぇんだよ!」

 

 オレはお前らエイリア学園を全力で叩き潰す。そう決めたんだ。

 ウルビダを……お前らを救うために。この闇から救うために……お前らを倒す。例え恨まれようと、さげすまれようと、これがオレの答えだ。

 

「ッチ!ガゼル!」

 

 激しいぶつかり合い。バーンはこのままではシュートを撃つのは無理だと判断しガゼルへとパスを出す。

 

「綱海!」

「おうよ!」

 

 だが、そんなぶつかり合いの中で出したパスは普段より精度が落ちる。ガゼルをマークしていた綱海がそのボールに食らいつき。

 

「円堂!」

 

 ダイレクトで中盤に居た円堂へと繋げる。

 

「行かせない!フローズンスティール!」

「っ!鬼道!」

 

 ブロックにやって来たドロルを躱すために鬼道へとボールを流す。

 

「行くぞ!円堂!土門!」

 

 鬼道の元に円堂と土門の二人が集まり、鬼道は高くボールをあげた。

 そして三人が同時にジャンプし、回転を始める。

 

「雷門版のデスゾーンってとこか」

 

 この前(こっそり)見たときと違い、三人の回転はバラバラ。だがしっかりと三人のパワーは中央にあるボールに集まってる。

 そして三人が同時に中央にあるボールに寄って行く。なるほど。これだったら決まるのでは……

 

「…………は?」

 

 次の瞬間。中央に集まっていた三人は再びボールから離れて跳び上がる。

 ボールに集まってたパワーはさらに増幅され、巨大なパワーの塊となったボールを三人が同時に蹴り出した。

 

『デスゾーン2!』

 

 デスゾーンを超えたデスゾーン。だからデスゾーン2……名前は安直(人のこといえない)だがパワーは桁違いだ。

 

「バーンアウト!」

 

 そのパワーの前にグレントは押し込まれそのままゴールに突き刺さった。

 

『決まったぁっ!新必殺技デスゾーン2で雷門の得点!』

 

 ははっ……この技ならネロから点を取ることも夢じゃない……たく。

 

「どんだけ強くなって行くんだよ……」

 

 流石としか言い様がない。だが、オレも負けるつもりはないがな。

 

「よし!もう一点取っていくぞ!」

「「「おう!」」」

 

 そしてカオスのキックオフで試合が再開する。

 

「はっ!突き放してやるよ!」

 

 バーンの速攻に鬼道が抜かれてしまう。

 

「行かせるか!」

 

 そしてマークに行く円堂。だが、

 

「甘い!」

 

 バーンは跳び上がって回避する。その高さはアトミックフレアを撃つには十分な高さだった。

 

「止めてやる!」

 

 シュートが来ると思い跳び上がる。だが、

 

「ガゼル!」

 

 空中で体制を整え、下にいたガゼルにパスを出す。フリーだったガゼルはそのままシュート体制に入った。

 

「立向居!」

「ノーザンインパクト!」

 

 放たれるシュート。綱海や壁山がそのシュートを止めようと走って向かうが間に合わない。オレもブロックを仕掛ける前にはシュートがゴールに到達されてしまう。

 

「立向居っ!」

 

 立向居はそのシュートを見て、一瞬目を閉じる。そして目を開き、両手を大きく広げながら頭の上で合わせた。

 合わせたまま胸の前に持って来る。すると彼の背後から黄金に輝く四本の手が……

 

「……は?」

 

 そしてその四本の手はシュートを止めようと向かっていく。

 

「ムゲン・ザ・ハンド!」

 

 現れた四本の手によってシュートは威力をなくしていき、ボールは立向居の手に収まった。

 

「…………出来た……!」

 

 え?これだったの?なんかやろうとしていた新必殺って?いや、ムゲンとか言っときながら四本しかなくねとか言えばいい?というか、

 

 ピ、ピ──!

 

『ここで前半終了です!3ー10。果たして試合はどのような展開を迎えるのでしょうか!』

 

 前半戦終了のホイッスルが鳴る。それと同時に立向居の元へと駆けていく雷門の面々。

 

「立向居!」

「やったな!」

「はい!」

 

 ……ま、まぁ、色々と置いといて前半の終え方としては最高の形だろう。

 得点差は7点と大きいものの、円堂たちの得点からの立向居のセーブ。

 後半に向けて絶望はない。勝利への道筋は確かに残されているのだから。

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