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凄い待たせてしまい申し訳ない……!本年もどうぞよろしくお願いします。
ネオ・カオス戦翌日の朝8時前。
あの日は結局お嬢様たちに話して帰って寝たため他の奴らと全く会ってない。
「瞳子監督。おそらくオレは今までのことを聞かれます。何か隠した方がいいことはありますか?」
「大丈夫よ。覚悟はできているわ」
「十六夜」
瞳子監督と話していると一人の男性が現れた。
「彼女自身が話すべき事もある。そこはお前から言うべきじゃない」
「分かりましたよ。響木監督」
響木監督。勿論オレがスパイとして潜り込んでいたことを知っている人物の一人である。
「時間だ」
「ええ。行きましょう」
時計は8時を指していた。キャラバンに向けて二人の監督と共に歩いて行く……今思ったがオレ場違い?
そう思っているとキャラバンの前には皆がいた。
「瞳子監督に……響木監督!響木監督も一緒に?」
「ああ」
「皆そろってるわね……行きましょう」
バスに乗り込むオレたち。オレの隣にはアフロディが座っていた。
そして富士山に向けて出発するバス。出発したとほぼ同時に、
「なぁ十六夜。話してくれないか?お前は一体何者で、今まで何をしていたのかを」
早かった。質問が早かった。まぁいいか。
「じゃあ、話していくか……ああ、長くなるから好きに聞いてくれりゃいい。質問も勝手にしておけ」
昨日話してみて、大体何が質問としてくるかとかどういう順番で話せばいいかは知っている。
「まず初めに言っておくと、アイツらエイリア学園は人間だ。オレたちと同じな」
「「「えぇぇっ!?」」」
そして車内に衝撃が走った。…………あーこれもっと後に言った方がよかったか?いやこれ言わないと色々と聞かれるし……。
「宇宙人じゃない……?」
「人間だと……?」
「でもアイツら自分たちのことを宇宙人って……」
「それはあれだ。彼らは目的のために素性を隠す必要があった。あんな絶大な力を持っているのは、宇宙人ってした方が都合が良かったんだよ。いろいろとな。まぁ信じるも信じないもどっちでもいい。進めるぞ」
昨日のお嬢様の反応で分かってた。こいつらは本気でエイリア学園を宇宙人の集まりだと思っていたことを。
「オレがエイリア学園と関わりだしたのは、帝国学園との練習試合。あの前だ」
「……は?え?帝国学園との練習試合って」
「ああ。豪炎寺が加入するきっかけになったあれだ」
「なぁなぁ。それって何時の話なん?」
「フットボールフロンティアが始まる前ですね……」
「だから相当前の話だな」
「まぁ、正確にはオレはその時、相手がエイリア学園の選手だとは思ってなかったんだよ。一切そんな事情も知らず、ずーっと関わってきた」
「でもそんなこと何時……」
「夜だよ。夜の河川敷。お前らとの部活終わりに毎晩のように一緒に練習していた……そいつがウルビダと名乗ってる選手だ」
皆からすれば思いもよらないだろう。何せ、まさかそんな前からオレがザ・ジェネシスとエイリア学園と関わりを持っていたなんて。…………まぁ、当時のオレも知らなかったが。
「で、時間は跳んでフットボールフロンティア決勝戦から一週間が経った時、ちょうどエイリア学園が本格的に学校破壊を始めた日だな。オレはウルビダから呼び出されてスタジアムに行っていた」
「だからあの時お前はいなかったのか……」
「そこでオレに与えらえられた選択肢はエイリア学園につくかお前らにつくか。まぁ、有り体に言えばスカウトされたわけだ。エイリア学園からな」
ほんと、あの時は八神の頭が急におかしくなったのではと思ったわ。
「これで分かるだろ?オレがあの試合でジェミニストームを圧倒できた理由が」
「ザ・ジェネシスに所属していた選手からずっと鍛え上げられていた。だからジェミニストームのスピード、パワーに最初から慣れていた……ってことか」
「そーいうこと。自分でも驚いたけどな」
いやはや。あの時はえ?嘘だろ?って思ったなぁ……まぁ、過去の自分から見れば今のオレなんて嘘みたいな存在だろうな。
「で、お前らを病院なり家なりに送り込んだ後、オレは響木監督に連れられ理事長、鬼瓦刑事、瞳子監督の元に行った。そこで告げたんだよ。オレはエイリア学園から勧誘を受けているってな」
「お前……そうか。気付いたら家にいたのはお前が運んだからなのか」
「まぁ運ぶって言っても理事長たちの力を借りたけどな。で、そこで話し合った結果ある策を思いついたんだよ。それがオレをスパイとして潜入させること」
「なるほど……正体不明の敵の懐に潜り込んで情報を探ったわけか」
「当然、反対意見もあった。だが、どのみちオレはあのまま雷門にいられなかったんだよ」
「どうしてだ?そのまま雷門で戦えばよかったんじゃないのか?」
「よく考えてもみろ。お前ら、あのままオレと一緒に戦っていて強くなれるのか?」
「なるほど。唯一対抗……いえ、上回っていたからこそどうしても十六夜君を頼りにしてしまう」
「確かに……十六夜のワンマンチームに成ってしまう可能性はあるな……」
そう。勿論情報収集も大事だがそこだ。サッカーは11人でやるもの。一人に頼り切ったチームなんてすぐに限界を迎える。オレがチームの実力を上げるのに足を引っ張ってしまう……言わば足枷になってしまうから。
「いや、でもそんなこと……」
「確かにそうはならなかったかもな。でも、スカウトが来るほどだ。断れば豪炎寺のように、オレも脅されてチームを離れざる状況を作られていただろう」
「……どのみち、お前が残れる可能性はゼロに等しかったのか……」
「そう。だからチームを離れる決断をした。奴らを倒すために」
スカウトが来た時点でもう、オレに道はほとんど残っていなかった。だったら、正体不明の敵を少しでも知るために乗り込んだ方がいい、そう判断したまでだ。
「後は知ってるだろ?急に消えると行方不明だの誘拐だのそんなこと考えられてもお互いに困る。だから、お前らに形式的なお別れをしてエイリア学園に単身乗り込んだ……っと、ここまでがオレが向こうにいた理由だ。質問は?」
「なるほどな……腑に落ちた。エイリア学園の力に絶望したわけじゃなくて倒すために動いていたわけか」
「はぁ……何というか」
「想像も出来ませんね……」
「向こうでもまずは場所の把握、施設の内容、メンバー構成に人数に関係者に……本当に全部調べていたからな。そのくせして練習はクソみてぇに疲れるし、ああ、お前らの大半も経験したあの大阪のマシーン。あれ全部クリアするの疲れたわ」
「え?お前もあれをやっていたのか?」
「というか全部って……え?あれを全部か?」
「まぁな」
あのマシーンの凶悪さを知っている面々は顔を引きつっている。ああ、オレも頭おかしいと思うけどな。それに加えて八神が難易度上げたからな。
「で、何でも情報が漏れてる危険があるからそこを廃棄しようか迷ってたらしいんだ。ははっ、最後のダメ押しじゃないけど最終的に情報漏らしたのオレだけど」
「アンタだったんか……急にここに来たら面白いもんがあるって送ってきたのは」
「そうそう。無論送ったのはオレが全部クリアした後だけど」
ほんと、漏れてる危険があるから廃棄しようという考えは、リスクを管理する上ではいい策だろう。だからダメ押ししても足が付かなかったわけだが……まぁ、落書きするとは思わなかったけど。
「そんな感じだな。瞳子監督から何か動きがあった時は連絡もらってたし、こっちも次の襲撃予告地とか流してたし……後聞きたいことはあるか?」
「いやお前。福岡でのことやカオス戦のことは……」
「あれな……いやな?オレの所属はジェネシスだったんだよ。で?福岡でお前らと戦うってグランのヤツが言うし、オレも出ろって言うし……。容赦なくグランは流星ブレード打つし、吹雪は飛び込もうとするし……もう勘弁してくれって感じだったな」
「なるほどな……お前が助けた理由はそれか。スパイとして潜入していたとはいえ、雷門サッカー部のメンバーが目の前で負傷されるのはマイナスになると」
「そりゃそうだ。吹雪は必要な人材だからな」
まぁ、この中にいるメンバーも、離脱してしまったメンバーも。決して、誰かが不必要って訳でもないけど。
「で、カオス戦のことだが……あれはオレのミスだった。バーンとガゼル、そしてグランの三人が率いるチームは本来競い合ってトップを目指していたんだよ。で、グランがトップに立ちそうだからってバーンとガゼルが手を組んでそれで巻き込まれて……あはは。何やってるんだろうな」
周りの反応は……まぁ苦笑いだよな。スパイとして潜入してるやつが引っかき回したあげく、自分たちの前に敵として現れてるからな。
「後はネオ・カオスがお前らに宣戦布告したって言うから、状況を見てどうするか決めようかと思ったら、思いの外やばいから頃合いかなって思って戻ってきたって話だ。以上かな。何かあるか?」
まぁ困惑するよな普通。というかよくばれなかったものだ。
「なぁ十六夜。俺の事情は最初から知っていたのか?」
「妹のことだろ?お前が離れた直後に知った。ただ悪かったと思ってる。どうしてもばれないように助けるには無理があった。本当はもう少し早く助けられれば良かったんだが……」
「いや、気にしなくていい。無事だったんだ。…………なるほどな。あの時一瞬で消えたのはそういうことか」
「あはは……さすがにあそこで戻るわけにはいかなくてな」
あの時はまだ早かった。だから戻ることをしなかった。
「いやぁ……何というか……十六夜。お前ってすっげぇヤツだったんだな。まさかそんなに動いてるとは……」
「ははっ。まぁ、敵を騙すにはまず味方からってな」
おかげさまで疑われることはほぼなく順調に行ったし。
「ただ、お前を敵に回すのは二度と考えたくないな」
「ああ、本当に厄介すぎる」
「そうッスよ」
ははは……。
「オレからすりゃあ雷門ほど敵に回したくない相手はいねぇよ……」
「そこは僕も同感だよ。ああ、そうだ十六夜君。一ついいかな」
そんな感じでオレたちは着実に敵の本拠地へと近づいていくのであった。
……雷門の強さは知っている……だが、それでも、これから戦うであろうザ・ジェネシス。彼らの力も、恐ろしさもある程度は知っている。一緒にやってきたから分かるあの強さ。だが、それでもオレはアイツらの本気を知らない。もし、アイツらが本気を出したら……いや、十中八九本気を出してくるだろうが、今のオレでは……オレたち雷門は勝てるのか?
……いいや、そんな後ろ向きな考えはよそう。オレたちなら止められる。きっとそうだ。オレたちは勝つ。何が何でも勝つ。……勝たなきゃならないのだから。勝たなければ……
ちなみに誰かさんのおかげかせいか、響木監督の黒幕はお前だ的なシーンはないです。
活動報告にてこの作品の今後について重要な話をしています。
もし、都合がよければ見てください。
活動報告URLです。
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