グラウンドに出るオレたち。屋根が宙に浮き、フィールドのセッティングも今までにないものとなっている。
「とうとう来たね、円堂君」
「ああ、お前たちを倒すためにな」
「俺はこの戦いでジェネシスが最強だと証明してみせる」
「最強だけを求めたサッカーが楽しいか?」
「…………それが父さんの望みだから。俺は父さんのために最強でなくちゃいけないんだ」
グランが答えるがジェネシスの他のメンバーも同じ気持ちだろう。彼らにとっての父さん……吉良星二郎のために、最強のチームとしてオレらと戦う。
「「………………」」
円堂と共に並び立ち、ジェネシスのメンバーを、特にウルビダを見る。向こうもオレを見ているがお互いに何かを言うことはない。
「君たちの相手は最強にして最後のチーム、ザ・ジェネシスだ」
グランのその一言を残してザ・ジェネシスは彼らのベンチへと戻っていく。
「行くぞ、円堂」
「ああ」
オレたちも自分たちのベンチへと戻っていく。
そして今回のスターティングメンバーとポジションが言い渡された。
FW アフロディ 豪炎寺
MF 一ノ瀬 鬼道 財前 土門
DF 壁山 十六夜 円堂 綱海
GK 立向居
『皆さん!いよいよこの時がやって来ました!』
…………すげぇどうでもいいが、何で
『今や地上最強と言っても過言ではない雷門イレブンがエイリア学園最強のザ・ジェネシスと雌雄を決するのです!』
……とりあえずこいつの事を無視して、お互いの選手がポジションに着いた。
ピ──!
ジェネシスボールで試合開始。ボールはアークからウルビダへと渡り、ウィーズへ。
そしてそのままシュートを打つ。
「舐めすぎだっての!円堂!」
「任せろ!」
シュートコースに割って入る円堂。そして、
「メガトンヘッド!」
メガトンヘッドでシュートを跳ね返す。
「鬼道!」
空中でそのボールを確保して鬼道へとパスを出す。
「イリュージョンボール!」
鬼道は必殺技でコーマを抜き去った。
「一ノ瀬!」
そして一ノ瀬へとパスが繋がる。マークに来たのはキープ。それをアフロディとのワンツーで躱して、
「豪炎寺!」
豪炎寺へとパスが繋がる。
「爆熱ストーム!」
そのまま必殺技を放つ。だが、
「プロキオンネット!」
ネロを中心とし宇宙空間が現れる。そして、ネロの前には三つの光が現れ、正三角形を作り出す。その内部にはネットのようなものが貼られ、シュートはその衝撃とかパワーを吸収され片手で止められてしまった。
「クッ……」
やはり一筋縄ではいかないようだ。ボールはキープに渡りそのままウルビダにパスを出す。
『おっと!ウルビダの速攻だ!』
そして素早いドリブルでドンドンと上がってくる。確かに速い。だが、そのスピードならついて行ける。
「行かせるか!」
ウルビダのドリブルを止めるべく立ち塞がる。軽く左右に揺さぶりを掛けてくる。この動きなら……右からの突破か!
「ふっ」
「なっ……!」
次の瞬間、左サイドへとパスを出す。……嘘だろ?ドリブルして突破しようとして一瞬で切り替えた……!それに今、こいつは左サイドへ意識を向けていなかっただろ?
「グラン!」
パスを受けたウィーズ、そのまま跳んでいたグランへとダイレクトでパスを出す。
「流星ブレード!」
パスを受けたグランは必殺シュートを放つ。
「止めろ!立向居!」
ダメだ……!誰もフォローが間に合わない!
「ムゲン・ザ・ハンド!」
立向居のムゲン・ザ・ハンド。しかし、グランの流星ブレードには通用せず、ボールはゴールへと突き刺さった。
『ゴール!試合開始早々、先取点はジェネシスだぁっ!』
マジかよ……ここまであっさり決められるなんて……!
「十六夜。貴様の動きなど手に取るように分かる」
「…………っ!」
「貴様じゃ私に勝てない」
そう言い残し、自分のポジションへと戻っていくウルビダ。一瞬見えたその目には、憎悪と失望の色が見えた気がした。
「……ははっ」
「……大丈夫ッスか?十六夜さん?」
「……大丈夫だ。悪い。簡単に突破されて」
言ってくれんじゃねぇか……!
「ヒロト!お前たちのサッカーは間違っている!本当の力は努力して身につけるものなんだ!」
「果たしてそうかな?我らジェネシスこそ最強なんだ」
グランの言葉とそれを裏付けるような今のプレー。何人かが顔をうつむかせ、未だ埋められていない力の差に絶望を感じ始める。
……そんな時だった。
「顔を上げなさい!」
監督の声が聞こえてきたのは。
「貴方たちは強くなっている!諦めず立ち止まらず一歩一歩ここまでやって来た!自分を信じなさい!そうすれば貴方たちは勝てる!私は信じているわ!」
「瞳子監督……」
…………ふぅ。冷静になれ。いったん落ち着こう。この勝負は負けられない……がむしゃらに突っ込んで勝てるほどアイツは……アイツらは弱くない。だから落ち着け。
「監督の言うとおりだ!絶対に勝つぞ!」
『おう!』
気付けば周りも顔を上げ、前を見ている。たった一言でオレたちの空気を変えるとは……監督の言葉って、ここまで大きな影響を与えるんだな。
雷門ボールで試合再開。豪炎寺がボールを持って上がるのと同時に、オレたちDF陣も前へと上がっていく。
「爆熱ストーム!」
そして豪炎寺がそのままシュートを放った……ゴールとは逆方向に。……あれ?似た光景をどこかで見たことがあるような……
「円堂!」
「おう!メガトンヘッド!」
そして、そのシュートを円堂がメガトンヘッドで跳ね返す。ボールはネロの守るゴールへと突き進む。なるほど。ただ爆熱ストームを打っても突破できない。だからシュートを重ねたわけか。
「プロキオンネット!」
だが、それをネロはしっかりとキャッチし、止めてしまう。
「戻れ!」
「グランをマークだ!」
カウンターを警戒して戻らせる。そして、グランには円堂と鬼道のダブルディフェンスがついた。
それを見てか、ボールはウルビダが持って攻め上がる。
「今度こそ止める!」
その前に立ち塞がるオレ。ウルビダはそれを見るなり、一瞬ボールを足の裏で止めて……
「遅い!」
そして、すぐさまボールを蹴り出し、そのスピードでオレの横を突破する。
ッチ!緩急をつけることで、オレの動きが止まった瞬間を見計らい、最高速で抜き去っていきやがった!完全にやられた!
「グラン!」
そして、大きくボールを蹴り上げる。円堂と鬼道のダブルディフェンスが付いていたにも関わらず、そのボールに対し、グランは大きく跳び上がり……
「流星ブレード!」
ダイレクトでシュートを放った。
「ザ・タワー!」
「ザ・ウォール!」
塔子と壁山のダブルブロック。ボールはその絶大な威力を持って、ダブルブロックを打ち破った。
「ムゲン・ザ・ハンド!」
そこに立向居のムゲン・ザ・ハンドがそのシュートを止めにかかる。だが……
「うわぁっ!」
止めようと出された四本の手は、無情にも砕け散る。ボールはそのままゴールへと向かうが……
「おりゃぁっ!」
綱海が間一髪のところでボールを弾く。代わりに綱海はゴールに入ったが……
「綱海さん……!」
「いいぞ!綱海!」
「おう!」
ジェネシスのコーナーキックで、試合再開。あげられたボールに対し、グランがボレーを放つ。
「くっ……!」
それを何とか弾く。弾かれたボールは円堂の元に行った。
「鬼道!」
「アフロディ!」
そこから鬼道を経由してアフロディへと繋がる。そこにゾーハンとハウザーの二人が迫る。
「ヘブンズタイム!」
豪炎寺がキープによってマークされており、ドリブルを選んだアフロディ。だが……
「……っ!」
次の瞬間。ボールはゾーハンが持っていた。……ネッパーだけじゃなくてザ・ジェネシスにもヘブンズタイムが通用しないのか……!
そこからボールはコーマへ。コーマからクイール、そしてウィ-ズへ。
「そこだ!」
ウィーズがボールを受け取った瞬間にボールを奪い去る。よし。ここから反げ──
「遅い」
「なっ……!」
そこから更にボールをカットしてくるウルビダ。嘘だろ……?ここまであっさり取られるのかよ……!
「はぁっ!」
そしてそのままシュートを放つ。
「通さないッス!」
壁山がそのシュートを腹で受け、壁山を円堂と綱海が支える。
ボールの勢いはゼロとなり足下へ落ちる。そのボールを壁山が大きく前線へと蹴った。
「土門!」
「鬼道!」
「豪炎寺!」
ボールは空中で一ノ瀬が確保する。そこから土門、鬼道、豪炎寺へと渡っていった。
「アフロディ!」
そしてボールを蹴り上げる豪炎寺。そこにはアフロディがシュート体勢で構えていた。
「ゴッドノウズ!」
繰り出されるそのシュート。だが、
「プロキオンネット!」
ネロの前には通用しなかった。ネロを破るにはどうすれば……!いや、その前にどうやってウルビダに勝てばいいんだ……!確かに今までコイツに勝ったことはほとんどない。だが、ここまで圧倒的にやられるとは思いもしなかった。一体どうすれば……!
ボールはアークからウルビダへと渡る。
目の前にはボールを持ったウルビダが。この試合始まって以来何度目かの相対。ダメだ……!どうやっても勝てるビジョンが見えない……!オレでは彼女を止められないのか……?いや、弱気になっては……!
「…………っ!」
そう思った瞬間、軽いフェイントを挟み横を突破していくウルビダ。クソ!また抜かれた……!
「まだだよ!」
突破された直後、前にいたはずのアフロディがスライディングをし、ボールを外へと出した。
「…………悪い。助かった」
「気にしないで」
「……ああ」
(吹雪君も問題として残ってるけど……十六夜君。今の君からはいつもの迫力がない)
ジェネシスのスローインで試合再開。ボールはクイールが持っている。
「行かせない!」
クイールの前に立ち塞がる。だが、クイールはそのままコーマへとパスを出す。
「攻めるんだ!十六夜君!」
そのパスをカットしたアフロディ。カットしたボールをオレにパスを出してくる。
「ああ!」
オレはドリブルをして前へと進んでいく。マークに来たゾーハンをアフロディとのワンツーで抜き去っていく。
「行くぞっ!」
そしてボールを蹴り上げ、背後には満月が現れる。
ピ──!
そしてその満月から10の光がボールへと注がれ、
「ムーンフォース──」
オレはそのボールを……
「ふんっ!」
「なっ……!」
蹴りつけた同じタイミングで逆方向からボールから蹴りつけられる。
空中で蹴り合いになるオレとウルビダ。そして……
「堕ちろ」
「くそっ……!」
その蹴り合いに負け、オレは地面に背中から叩きつけられそうになる。
『危ないっ!』
幸い、ペラーがクッションになってくれたお陰で、そこまでダメージはない。
「…………この程度か」
そして、地面に倒れ込むオレを一瞥し、そのままドリブルで攻め上がるウルビダ。マークに来た土門や一ノ瀬を抜かす。
「ジェネシスはグランだけのチームではないぞ!」
グランをマ-クしているのは円堂と綱海。だが、ウルビダはグランへとパスを出すことなく、ボールを上へと蹴り上げる。
「はぁあああああ!」
そして、ウルビダは濃い赤に染まるペンギンたちを6匹呼び出す。そのペンギンたちはボールへと喰らい付くと、ボールを縦回転させる。
「ブラッドムーン!」
そのボールにオーバーヘッドキックをし、その血のように紅く染まったボールは6匹のペンギンと共にゴールを目指す。
シュートを放ち、空中にいるウルビダの後ろには血のように赤い月が浮かんでいた。
「ザ・タワー!」
「ザ・ウォール!」
そのシュートを前に塔子と壁山が立ち塞がるも、敗れ去ってしまう。
「ムゲン・ザ・ハンド!」
そして立向居のムゲン・ザ・ハンド。その四本の手はペンギンたちによって崩され、ボールはゴールへと刺さった。
「……貴様のムーンフォースと対を為す私の技だ」
ゴールへと刺さったボールを見ているオレに対し、淡々と告げてくるその言葉。
「…………思い違いをしていたようだ。貴様ごときもう眼中にない」
その目にはもう、オレが映っていなかった。
オリジナル技解説
ブラッドムーン
シュート技
使用者 ウルビダ
十六夜のムーンフォースと対を為すペンギン技。
威力は流星ブレードと同等かそれ以上。
モチーフはそのままブラッドムーン(調べたら出てきます)。
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