超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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今回で一日おき投稿は一旦終わりです。


雷門VSダークエンペラーズ ~光~

「何をしているのです!何のためにエイリア石の力を与えてやったと思っているのですか!」

 

 後半に入ってオレたちが優勢で試合が進んだこと。そして、遂に同点に追いついたことに対し、ベンチに居た研崎が立ち上がり声をあげる。

 

「お前たちの能力を見せつけてやりなさい!」

 

 その声に呼応するように、ダークエンペラーズの面々の胸元のエイリア石が輝きを増す。

 

「……何か起きるのか……?」

 

 今更、何かが起きようと凄い動じるつもりもないが……何だろう。嫌な予感がする。

 そう思っている中、ダークエンペラーズのキックオフで試合再開。ドリブルで攻め上がるシャドウからボールを奪い、円堂へとパスを出す。

 

「分身ディフェンス!」

 

 しかし、ブロックに行った風丸の必殺技によって呆気なく取られてしまった。

 

「見せてやる。オレたちの最強の必殺シュートを」

 

 最強の……必殺シュートだと?ただでさえ、こっちはさっきまでのを止めるのに精一杯だと言うのにその上があるのかよ……

 そんななか、染岡とマックスの二人が風丸の下へと集う。そして、三人が同時にボールを蹴り上げる。禍々しい力が込められたそのボールは天高く登っていくと……

 

「あれは……!?」

「フェニックス……!?」

「いや、色が違う!」

 

 円堂、土門、一ノ瀬の必殺技、ザ・フェニックスのフェニックスにそっくりだ。違うのは、こっちのフェニックスは紫色の炎で出来ていることだろうか。

 

「「「ダークフェニックス!」」」

 

 三人同時のオーバーヘッドキック。それによりボールはフェニックスと共にゴールへと向かう。

 そのシュートの力強さ、恐ろしさをあのフェニックスが物語っている。まるで、全てを闇に落とさんとするその禍々しさ。

 

「……っ!止めろ!立向居!」

 

 そのせいでオレたちディフェンス陣の反応が遅れる。ボールは既にゴール前。

 

「ムゲン・ザ・ハンドG4!」

 

 立向居が必殺技で止めようとする……が、そのシュートは明らかに今までのシュートとパワーの桁が違った。全てを砕き、ボールはゴールへと突き刺さる。

 

「どうだ円堂!オレたちは誰にも負けない!」

 

 2ー3で、ダークエンペラーズの勝ち越す。たぐり寄せた流れを一気に持っていかれる一撃だった。

 雷門ボールでのキックオフ。しかし、さっきまでと違いあっさりと奪われてしまった。

 

「「「トリプルブースト!」」」

 

 栗松、宍戸、風丸の必殺技。

 

「これ以上の得点を許すな!」

「分かっているよ!」

 

 そのシュートを辛うじて弾く鬼道とアフロディ。だが、弾いた後に二人とも膝を突いてしまう。

 

「「レボリューションV!」」

 

 半田とマックスのシュートを、土門と一ノ瀬が弾く。

 

「ダークトルネード!」

 

 シャドウのシュートを綱海が弾く。

 

「ワイバーンクラッシュ!」

 

 染岡のシュートを吹雪と壁山が弾く。

 ダークエンペラーズの猛攻、シュートの嵐を辛うじて防いでいるものの、その代償は大きい。一人、また一人と倒れて行ってしまう。

 

「「「ダークフェニックス!」」」

「アイギスペンギン!」

 

 先ほど点を奪ったシュートに対して、必殺技を放つ。

 

「なんつーパワーだよ……!」

 

 だが、前に受けたスーパーノヴァ、あれとは比較にならないパワー。少しずつ押され、盾にもヒビが入る。

 

「十六夜!」

 

 豪炎寺がそのシュートを弾こうと横から蹴りを入れる。少しの拮抗。

 

「「くっ……!」」

 

 そして、盾が砕けると同時に吹き飛ばされるオレと豪炎寺。そのままボールも弾かれた。

 だが、その代償は大きく、オレも豪炎寺も立ち上がることが出来ない。

 

「もう一発だ!」

 

 そんなことをアイツらが考慮するはずもなく、もう一回ダークフェニックスの体勢に入る三人。

 

「「「ダークフェニックス!」」」

 

 それをオレは立ち上がる事ができずに眺めるだけだった。

 

「ムゲン・ザ・ハンドG4!」

 

 立向居の必殺技が炸裂する。しかし、その威力の前に押され始めてしまう。

 

「立向居!」

 

 そこに円堂が割って入り、彼を支える。ムゲン・ザ・ハンドは砕かれたもののボールはゴールバーを超えて、外に出た。

 すると、立向居に駆け寄る円堂。何やら立向居の付けているグローブを取っているが……

 

『おぉっと!立向居が負傷か!?』

 

 くっ……そりゃ、こんなえげつないもん何発も喰らえば……手にかかるダメージは計り知れないか……!

 

「どうする円堂。まだ続けるか?見てみろ、この無様な姿を。……もう諦めろ」

 

 円堂以外誰も立ち上がれていない現状。確かに……無様と言われても仕方ないかもしれない。

 

「……いいや。諦めない。……諦めないぞ!」

「それでこそ……お前だ」

 

 ガンッ!

 

 拳を地面に叩きつけて、何とか立ち上がる。正直、さっきの一撃が予想以上に重かった。

 

「ゴールは俺が守る!」

「いいや……オレたちで……だろ?」

「円堂……十六夜……!」

 

 円堂がユニフォームを着替えるために少しだけ試合が中断する。本当に僅かな休憩時間だったが、それでもありがたかった。息を少しでも整え、次来るであろう展開をイメージする。

 

「久々に見るな……お前のキーパー姿」

「もう一点もやらせねぇぞ!」

 

 ダークエンペラーズのコーナーキックで試合再開。だが、雷門はキーパーの円堂と辛うじて立ち上がっているオレしか残っていないため、ボールは誰にも取られる心配もなく風丸の下へ。

 

「行くぞ!」

 

 そう言って放たれたシュート。その狙いは……

 

「だろうな!」

 

 ゴール前にいたオレだった。そのシュートを蹴り返そうと踏ん張る。

 

「オラァ!」

 

 何とか蹴り返したものの、今のでバランスを崩し倒れてしまう。

 

「次だ!」

 

 そのまま、ダイレクトシュートを放つ風丸。今度は円堂の正面に行った。円堂が止めようと手を前に出す……が、弾かれてしまい、ボールはゴールへ。

 

「まだだ!」

 

 しかし、上体が逸れた状態で円堂は後ろへと跳ぶ。何とかボールをキャッチし、ゴールラインはギリギリ割っていなかった。

 

「……円堂……」

「風丸……お前、どうしてエイリア石なんかに!」

「オレは強くなりたかった!円堂、お前のように!」

 

 円堂のように……?その言葉の真意を考えていると、円堂は風丸にボールを軽く投げ渡す。

 

「円堂……どういうつもりだ?」

「十六夜……悪い。ここは俺にやらせてくれ」

「…………分かった」

 

 円堂の目には決意が見えた。何があったのかは分からないが、アイツに何か思うところがあったようだ。

 オレは、少しだけゴールから離れることにする。といっても、すぐに立ち上がることが出来ない以上、ペラーたちペンギンに乗せてもらう形で。

 

「来い!お前の全てを受け止める!」

「……っ!」

 

 その言葉に風丸が反応。勢いよくシュートを放つ。

 

「ゴッドハンド!」

 

 そのシュートを円堂の右手が受け止めた。そして、再び風丸へとボールを転がす。

 

「風丸……思い出してくれ!」

「黙れぇっ!」

 

 風丸が怒りをあらわにする。ボールは栗松に渡り、そこから宍戸、そして風丸へとシュートが繋がる。

 

「「「トリプルブースト!」」」

「ゴッドハンド!」

 

 そのシュートを先ほどよりも金色に光り輝く手が受け止めようとする。

 

「思い出してくれ……!皆!俺たちのサッカーを……!」

 

 少しずつ押されていく円堂。しかし、その言葉に、表情に諦めはない。

 ゴールラインギリギリでボールを止める円堂。だが、円堂も限界を迎えたのか倒れてしまった。

 

「皆立ちなさい!立ち上がって!」

 

 雷門の言葉が聞こえる。だが、身体に力が入らない。他の皆も同じようで、立ち上がることが出来ない。

 

 

 

 

 

 ……このまま、終わってしまうのか?

 

 

 

 

 

 このまま、全て終わってしまうのか?

 

 

 

 

 

「雷門!雷門!雷門!雷門!」

 

 

 

 

 

 そんな時、声が聞こえてくる。

 

 

 

 

「「「雷門!雷門!雷門!雷門!」」」

 

 

 

 

 

 その声は、一つの声から始まり、やがて雷門ベンチ全体から。

 

 

 

 

 

「「「雷門!雷門!雷門!雷門!」」」

 

 

 

 

 

 それだけじゃない。雷門中の外から見ている人たちからも聞こえてくる。

 

 

 

 

 

「「「雷門!雷門!雷門!雷門!」」」

 

 

 

 

 聞こえてこないはずなのに、その声はまるで日本中から聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 その声はもう立ち上がる力さえないと思っていたのに、その力を分けてくれるようなものだった。

 

 

 

 

 

 倒れていた仲間が次々と立ち上がっていく。皆、限界を迎えていたはずなのに。

 そのことにはダークエンペラーズの面々も驚きを隠せない様子だった。

 立ち上がったオレたちは、まだ立ち上がっていない男の方を見る。そして、

 

 

 

 

 

「円堂……!」

「円堂!」

「円堂君!」

「円堂!」

「キャプテン!」

「円堂さん!」

 

 

 

 

 

 その言葉に反応するように、ゆっくりと立ち上がる円堂。そして、ふらふらになりながらもボールを風丸の方に投げた。

 

「まだまだ終わってねぇぞ!」

 

 身体は限界を迎えている。だが、心までは折れていなかった。

 

「「「ダークフェニックス!」」」

 

 その様子に風丸は吼えるように叫び、必殺シュートを放つ。

 

「はぁぁぁああああっ!ゴッドハンド!」

 

 円堂の右手から、虹色の輝きを放つゴッドハンドが現れる。その輝きは、まるで全ての闇を浄化するような強くも優しい光。シュートはその右手によって完全に止められた。

 

「思い出せぇ!皆ぁっ!」

 

 そして両手でボールを掲げる円堂。そのボールは緑色に輝き、いくつもの幻影のボールが飛び出していく。

 

 

 

 

 

『サッカーやろうぜ!』

 

 

 

 

 

 そのボールから聞こえてくるのは円堂の声。アイツの真っ直ぐなサッカーへの思い。

 それが伝わっているのはオレだけじゃない。立ち上がった雷門メンバーや、ダークエンペラーズの面々にも伝わっている。

 その光を受けてか、ダークエンペラーズの面々の胸元にあるエイリア石が一つ、また一つと粉々に砕けていく。

 

「……円堂」

 

 雲の切れ間から太陽の光が差し込んでくる。円堂は力を使い果たしたのか、そのまま倒れ込んでしまう。

 そして、エイリア石の力を失ったメンバーも一人、また一人と倒れていく……そんな中、

 

「ま、まだです!まだエイリア石の力は終わっていない!」

 

 研崎が一人吠えていた。

 

「……これ以上……テメェの都合で……サッカーを汚すんじゃねぇ!!」

 

 これ以上、アイツらを……サッカーを汚させてたまるものか。

 その思いが大きくなると共に、背中から黒い影が現れる。その影は大きく膨れ上がりながら研崎のもとへと向かっていく。

 

「や、やめろぉ!来るんじゃない!」

 

 その影は研崎の持っているアタッシュケースを飲み込んだ。

 数秒の後、影は跡形もなく消え去る。

 

「くっ……」

 

 一気に全身の力が抜けていく感覚。抵抗することが出来ないと本能的に悟り、その感覚に身を委ねながら倒れていくことにする。

 倒れる寸前で見えたのは、アタッシュケースに入っていたエイリア石が力を失い、粉々に砕けた様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しそうだな」

「あら?目が醒めたの?」

 

 目を開けると眩しい光が入ってくる。それに背くようにグラウンドを見ると、わいわいとサッカーをやっている様子が目に入ってきた。

 

「戻ったんだな……」

「そうね……あなたも混ざってきたら?」

「さっきの黒い影のせいか……ごっそり体力持ってかれたわ。当分、動けねぇよ」

 

 ベンチで横たわっていると雷門が話しかけてくる。ただまぁ、身体がちっとも動かねぇ。

 そのまま試合が終わる。試合の結果は一応3ー3の引き分け。あの後、豪炎寺が点を決めたらしく、オレの代わりには財前が出ていたよう。

 

「よぉし!円堂を胴上げだぁ!」

 

 綱海の一言で多くのメンバーが円堂の周りに集まる。

 

「十六夜も行くぞ」

「動けねぇっての」

「これなら行けるだろう?」

 

 豪炎寺と鬼道の肩を借りながら立ち上がる。そのまま歩いて行く過程で財前が円堂の頬にキスをしていたが……なんというか、大胆なことで。

 そのまま円堂の胴上げが始まる。オレは力が入らない関係で、鬼道と豪炎寺と共に少し外から眺めることに。

 

「たく、アイツはやっぱり、すげぇよな」

「ああ。そうだな」

「フッ、それもそうだろう。なんたってアイツは日本一のサッカーバカだからな」

「日本一で収まる器じゃねぇだろ」

「宇宙一のサッカーバカ……なんてどうだ?」

「それぐらいの方が相応しいかもな」

 

 天高く上げられる円堂。

 

「皆!サッカーやろうぜ!」

「「「おう!」」」




エイリア編……完結。
数話ほど閑話挟んで世界編に行きます。
ちなみに、主人公の化身の描写を出していますが、世界編の予選や本戦で化身が出てくることはないです。
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