超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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半年ぶりです。気付けばお気に入り登録者が3000人超えていました……待たせてすまない。
こんな亀のように遅い作品を応援してくれてありがとうございます。
二、三話やったら世界編突入です。


十六夜、武者修行へ

 ダークエンペラーズとの戦いから数日が経とうとしていた。

 戻りつつある日常。あれから、あの黒い影は出そうとしても出なかった。まぁ、必殺技と呼ぶにはなんか違うらしいし、誰もあれの正体は分からなかった。ただ、ペラーは知っているっぽかったし、超久し振りに電話をかけた神様も正体は知っているけど教えないって感じだった。

 教えてくれないものは仕方ない。そう思うことにして、オレは別のことをずっと考えていた。

 エイリア学園との戦いを通して、フットボールフロンティアの時よりも大きく成長できたと思う。この戦いで、ペラーを始め、ペンギンたちを自力で呼べるようになったり、テクニックという面でも身体能力という面でも、前の自分からは進化しているだろう。

 

「……なるほど。それが君の考えか……」

「はい」

 

 現在、オレは理事長の下にいた。

 多くの学校が破壊されたり、いろいろあった中、ここ雷門中も、もうじきいつも通り授業が始まる。……一応、円堂たちも戦いの中、瞳子監督による勉強会もやっていたようでそこは心配いらないそう。……まぁ、オレは勉強なんかしていないけどね。

 

「円堂たちは日本中を巡ってサッカーをしていました。しかし、オレは巡っていない。代わりに、スパイとして潜入する中で、一度だけ海外の選手とサッカーをする機会がありました。……そこで会った選手は、オレが知る中では間違いなく最強の選手です。はっきり言うなら、ジェネシスやダークエンペラーズの選手よりも実力は上です」

「…………」

「こうして一段落ついた今、オレはあの時の熱をもう一度感じたい。そしてあの時に比べ、どれだけ自分がそのレベルに追いつけたか。まだどれだけ差があるのか知りたい。挑戦してみたいんですよ。世界レベルに」

「なるほど。君には今回の件でいろいろ迷惑をかけてしまった。本来なら、頼むことすらあり得ないような危険な任務を任せてしまった。君の働きのお陰で助かったのも事実。君がそれを望むなら我々としては支えるつもりだ。……一応、学校側としては留学という扱いで今回の件は話を通そう」

「はい。ありがとうございます」

「気にしないでくれ。それに、君はしばらく雲隠れをしておいた方がいいかもしれない。エイリア学園との戦いは世間にも広まっていた。当然、君がムーンとして出場していた試合も流れている。事情を知らない者からすれば君の行動は謎……君が敵に寝返っていたと誤解してしまっている人も居るかもしれない。言い方が悪くなるが、今回の事態が落ち着くまでは海外に逃げるというのもありだろう」

「確かにそうですね……」

 

 世間からの目……あんまり意識していなかったが確かにな。俺って世間からすれば一度雷門を裏切ったのにノコノコ帰ってきた……とか思われていてもおかしくないか。しばらくは雷門を持ち上げられるか、エイリア学園の話題で一杯か。……あれだけの日本中を巻き込んだ大騒動。落ち着くには時間がかかりそうだ。

 

「それに、君のような若者が自ら世界を知りたいと言ってくれたんだ。一人の大人として、応援しないわけにはいかないだろう?……それで。その話は円堂君たちに伝えてあるのかい?」

「いえ、まだですね」

 

 さすがに確定していないのに言うわけにはいかないし。

 

「言わなくていいのかい?」

「そうですね……明日ぐらいに言います」

「分かった。また明日、具体的な予定などを詰めようか」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、話も詰め予定が決まった。友人であり、キャプテンである円堂にも直接話しておきたいが……

 

「夕方だし……鉄塔広場かな」

 

 雷門中から出て、鉄塔広場に向けて歩を進める。

 そして鉄塔広場に到着する。そこには、円堂だけではなく、豪炎寺と吹雪がいた。

 

「十六夜!お前も来たのか!」

「ん?何かの集まりか?」

「明日、吹雪が北海道に帰るからな。ここ最近のことを振り返っていたところだ」

「あー明日だったか」

 

 吹雪を含めた途中で雷門に加入したヤツらは、各々のタイミングで地元に帰っている。確かに、ここにずっといるわけにはいかないか。

 

「うん。それで今は、十六夜君たちが敵として現れたところだね」

「ほんと、沖縄でいきなり現れたときは驚いたなぁ……」

「ああ。俺もその少し前に助けてもらったから余計に……な?」

「あはは……いや、ほんと、アレは違うんだって」

「しかも、試合の時はキーパーとして出場してたし……」

「アレも、うちのキーパー陣が不慮の事故で出場できなかったからだし……」

「でも、君は楽しんでいるように見えたよ」

「否定はしない」

 

 うん。否定はしないな。あの試合が楽しかったのは本音だし。

 

「でも、あの試合は雷門を変えたよな」

「ああ、円堂がキーパーからリベロにポジションチェンジ」

「いつもキーパーとしていたから余計にな」

「そして、ネオ・カオス戦で十六夜君が帰ってきた」

「あの試合、確かヒロトが止めて終わったんだよな」

「最後までやっていたらどうなっていたことか……」

 

 というか、クララがキーパーとして強すぎて笑えなかった記憶がある。いや、ホントね?悪気はなかったんですよ。悪気はなかったんですけど……ねぇ?

 

「そして、ジェネシス戦だね。あの試合……キャプテン、豪炎寺君……皆のおかげで、僕は大切なことに気付けたよ」

「まぁ、オレもお前らのお陰で助かった。それにあの時はありがとな、豪炎寺。……もっとも、いきなりファイアトルネードをぶつけてくるのは勘弁して欲しいけどな」

「ふっ、それは今後のお前次第……だな」

「あはは……まぁ、怪我しない程度ならいいんじゃないか?」

「よくねぇよ」

 

 ほんと、マジで他に方法がなかったのか聞きてぇが……まぁいいや。もし今後、豪炎寺が不抜けるようなことがあれば、お返ししてやろう。

 

「エイリア学園を倒す旅は、辛くて、苦しくて、悲しいこともたくさんあった。でも、それ以上に多くの仲間と出会って、その一つ一つが俺たちを強くしてくれた。な?豪炎寺、十六夜?」

「ああ、そうだな」

「まぁな」

 

 ここでオレは旅に出ていないとか言うのは野暮だろう。その指摘は、心の中だけにとどめておくことにする。

 

「僕こそ皆に出会えてよかった。豪炎寺君、キャプテン……君たちと出会えていなければ、僕は本当の僕を取り戻せなかったと思う。だから……」

「いいや。取り戻せたのは、吹雪。お前がそうありたいと願ったからだ。俺や皆はそれを手伝っただけだ」

「豪炎寺君……僕、サッカーやっていてよかった」

「当たり前だろ?」

「そうだね。また会えるよね」

「今度、俺たちが北海道に行って、雷門と白恋として試合ができるといいな」

「うん。やろう!」

「面白そうだな」

「じゃあ、約束だ!」

 

 そう言って、円堂が差し出したボールの上に、吹雪、豪炎寺、オレ、そして円堂が手を乗せる。

 

「皆でまた」

「「「サッカーやろうぜ」」」

 

 そう宣言を交わす……と、ここで、重要なことを思い出した。何のためにここに来たのかその目的を。

 

「あ、円堂。そういや言い忘れてたことがあった」

「何だ?十六夜」

「オレ、明後日からイタリアに行くわ」

「……はい?」

 

 固まる円堂。心なしか、吹雪と豪炎寺も驚いている様子だ。

 

「…………はあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!?」

 

 そして円堂の絶叫が響く。いやぁ……あはは。

 

「驚かせたか?」

「いやいやいや!?吹雪が帰るのは分かるよ?分かるし、他の皆もだったからいいけどさ?十六夜!?何で急に海外に!?」

「……俺も驚いている」

「僕もだよ……十六夜君っていつもこうなの?」

「まぁ、コイツは人を驚かせることに定評があるからな」

 

 いや、ないけど?ないと思うけど?何、コイツはいつも唐突に意味分からんことを言い出すみたいに言うの?

 

「まぁ、理由はいろいろあるけど……一つは事が落ち着くのを静かに待ちたいからだな」

「事が……落ち着く?」

「円堂。エイリア学園の騒動は解決した。だが、ニュースや世間は今もその騒動で持ち上がっている」

「確かにね……まだ解決して日が浅いから。それに、彼らが残した痕はあまりにも大きすぎるしね」

「俺たちやエイリア学園として戦っていた選手は、当然注目の的だ」

「で、でもだからって……」

「十六夜だけが違う点。それは、エイリア学園側としても、雷門側としても試合に出ていたこと。スパイ……というのは俺たちが知っている事実だが、それを公表するのはあまりに危険だ」

「どうして……?」

「キャプテン。忘れたかもしれないけど、今回の事件は総理大臣も関わった事件……あまりにも規模が大きいんだよ?」

「そうそう。そんな大事件に一介の中学生をスパイとして敵側に送り込んだーなんて話したら、それこそ厄介だろ?」

「確かに……でも……」

「それに十六夜のことだ。ただ事件が落ち着くのを待つためだけに海外に逃げるとは考えにくい。……他にもあるんだろ?」

「まぁな。海外でしか出来ない、そこでやりたいことがある……その内容は今はいいかな」

 

 語り始めるときりがねぇし。それに、既に豪炎寺と吹雪は納得してくれた感じだしな。多分、鬼道がこの場にいてもすぐに納得してくれただろう。……後は円堂か。

 

「分かった!十六夜がやりたいことなら俺は応援する!」

「ありがとな」

「ちなみに期間はどのくらいだ?」

「約3ヶ月ってとこだ。理事長には話してある」

「そうか……」

 

 そう思うと長いかもしれないが、人の噂も七十五日という言葉があるように、今回の事件も3ヶ月くらいしたら話題に挙がらなくなるだろう。それくらい、この世界もいろいろな出来事にあふれているからな。

 

「よし!今から雷雷軒行こうぜ!皆で飯食おう!」

「いいね。僕は賛成だよ」

「ああ。吹雪の送別会と、十六夜の送り出しを兼ねてな」

「断る道理がねぇな」

 

 こうして、オレたちは雷雷軒に行った。そこでは、色んな話が出て楽しい一時を過ごせた。

 

 

 

 

 

 そして……

 

「じゃ、行ってくるわ」

 

 オレはイタリアへと向かうのだった。




最近、イナイレの別の作品を思うこの頃。地味に二つ思いついていたりいなかったり。

一つはRTAではないが縛りプレイで、雷門で一試合につき必ず一点以上取らないと次へ進めないという縛りを受けた主人公が、何度かループしながら世界一を目指して頑張るやつ。
基本は失敗すれば前回の試合直後に戻る。ただし、最初の帝国との練習試合だけ二年生最初か雷門中入学までもどるという鬼畜ゲー仕様。

で、もう一つはパワサカというゲーム(パワプロのサッカー版)とのクロスオーバーではないが主人公はパワサカ基準で成長していくけど、ここは必殺技飛び交う世界だから……って感じで苦しむやつ。パワサカ基準では最強を超えてチートクラスの能力を持って行くことになるけど……。

まぁ、もしかしたら既にあるかもしれないけど。というか、この作品を頑張れって話なんだけどね。
ちなみに、明日はキャラ紹介(という名の作者用まとめ)を1話のところに投稿します。本編ではないので、Twitterでの告知は行いません。
キャラ紹介をあげる理由は……特にないですね。
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