超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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忘れた頃にやってくる。……ということで、長いことお待たせしました。約11ヶ月ぶりです。
これより第3章、世界への挑戦編開始です。


FFI編
代表候補集結


 そして、翌日の朝……

 

「んじゃ、行ってくるわ」

「そうだな。行ってこい」

 

 招集されたのがオレだけだったので、八神には留守番を頼んだ。

 さて……久し振りの雷門中か。約3ヶ月ぶりってとこだな……そういや、帰国したことまだアイツらに伝えてないな。まぁ……なるようになるか。

 

「時間的には余裕があるし……先に、理事長のところに行ってみるか。もし居なかったら、明日以降に会いに行けばいいだろうし」

 

 報告は定期的にしていたものの、帰国してからまだ挨拶を済ませていなかった。時間的な余裕を考えると、行くタイミングとしてはいいかもしれない。でも、話す時間を考えるとギリギリか?いや、そこまで長話をする気もないし、そもそも居るかどうか分からないし行くだけ行ってみよう。

 ということで、雷門中にやって来た。何処か懐かしさを感じながら、校舎の中に入っていくことにする。なんというか、卒業した後に久し振りに母校を訪れる人の気分を味わってる。……まだ、卒業してないけど。

 

 コンコンコン

 

「どうぞ」

「失礼します。十六夜綾人です」

「おぉ、君か」

「お久しぶりです、理事長。……あれ?雷門もいたんだな」

「えぇ。3ヶ月ぶりね、十六夜君。ところで、私たちサッカー部の誰かに帰国の連絡はしたかしら?」

「あはは……一昨日帰ってきたばかりだし……色々忙しかったんで……」

「御託は結構よ」

「別にいいやと後回しにしていました。サプライズということで、どうか手を打ってください」

 

 手を合わせ頭を下げる。だって、これ以上言い訳しても意味なさそうだし……。

 

「……まぁいいわ。あなたのそういうところは今に始まったことじゃないもの」

「そういうところ?」

「皆に黙って裏で自由にするところ。……でも、会えて良かったわ。今日会えなかったら、次会うのは当分先になったもの」

「はぁ?どういうことだ?」

「……私も海外留学に行くのよ。今夜発つわ」

「へぇ……そうか」

 

 随分と急な話に思えるが、よく考えれば理事長以外と連絡を取ったのは3ヶ月前が最後。その間に何かが起きていても不思議じゃないか。

 

「円堂たちには言ってあるのか?」

「まだよ。後で言うつもり」

「そう……それって、人のこと言えなくね?」

 

 オレも留学に関しては直前で言っていたから(尚、帰国に関しての報告はまだしていない)あまり変わらない気が……

 

「そうね。でも、あなたと違って、もっと計画的なものだから」

「計画的……ねぇ。勉強以外の目的でもあるのか?」

「そうね。詳しくは言えないけど」

 

 このタイミングでの訳あり海外留学。ただ学びに行くわけではない……か。だが、これ以上深く聞いても、オレにできることなんてないか。

 

「頑張れよ。応援している」

「えぇ、ありがとう。あなたも頑張りなさいよ」

「へいへい。そういや、招集された理由は知っているのか?」

「そうね。知っているわ」

「それって……?」

「後でまとめて説明があるから、それまで待っていなさい」

 

 まとめて……ねぇ。やっぱりアレしかないだろう。

 

「1つ言っておくなら、あなたのいない3ヶ月間で彼らは成長しているわよ」

「はっ。オレだって、この3ヶ月、遊んでいたわけじゃないからな」

「えぇ、精々がっかりさせないようにね。では、お父様。私は木野さんと音無さんのところに行くわ」

 

 そう言って出て行く雷門。閉じられた扉を見た後に、理事長の方に身体を向ける。

 

「何か、タイミングが悪くてすみません」

「いいや、話は終わっていたから大丈夫だよ。それより、十六夜君もお疲れ様だったね」

「今回の留学はオレにとって大きなものになりました。とても感謝しています」

「そうか……そう言ってくれるとありがたい。積もる話もあるだろう。だが、響木監督の招集した時間を過ぎているし、話はまた後でいいかい?」

「はい。……え?過ぎてる?」

 

 時計を見ると……うわ、本当に過ぎているんだけど?

 

「帰国してすぐなのに、すまないね」

「いえ、大丈夫です」

「頑張って行ってきてくれ」

「はい」

 

 そう言って部屋から出て行く。なるほど、どうやら思ったよりも時間が経っていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、ギリギリセーフっと」

「あぁっ!十六夜!すっげぇ久しぶりだな!」

 

 体育館に入ると同時に円堂から声を掛けられる。ということで片手を挙げながら答える。

 

「おう、久し振り」

「遅刻だぞ。十六夜」

「フッ、これで全員か?」

 

 そのまま豪炎寺と鬼道にも……あはは。

 

「いやー集合時間前には雷門中に来ていたよ?ちょっと理事長と話していて……な」

「へぇーこっちにはいつ帰ってきたんだ?」

「一昨日だな。まだ半分、時差ぼけしてるかも」

「しっかりしろ……と言いたいが、3ヶ月も向こうにいたんだったらしょうがないか」

「イタリアだったか?確かに、日本とは時差がそこそこあるからな」

「まぁ、その内戻るさ」

「くぅ……!またお前とサッカーできるんだな!」

「おう。改めてよろしくな」

 

 ということで円堂と握手を交わす。

 見たところ3人以外に招集されているのは、雷門の壁山、風丸、栗松、染岡に吹雪や木暮、立向居、綱海といったエイリア学園と戦ったメンバーや、昨日八神が言っていたヒロトと緑川……それに木戸川の青いのに、帝国の佐久間、眼鏡、ダークエンペラーズにいたシャドウ、豪炎寺がお世話になっていた土方……後は分からない人が3人ほど。

 見たところオレを含めて22人……22?何か、ちょうど2チーム出来たな。うん。しかも、何だか強者揃いだし……

 

「十六夜も居るとなると、招集された理由はアレか?」

「ああ。このメンバーを集めたんだったら、そう考えるぐらいしかないだろう」

「何となくは分かるけど……眼鏡のせいで、違う気がするんだよなぁ……」

 

 向こうでフィディオたちにもうすぐアレが始まるって聞いていたから、ここのメンバーを見て、何となくは分かるけど……何で眼鏡が居るんだろうか?確かに、ダークエンペラーズ戦までベンチには居たけど……アレの選考に選ばれる程の実力を持っているとは考えにくい。まさか、3ヶ月の間に想像をこえるレベルアップをして、ただの眼鏡から覚醒した目金に変わったのか?

 

「えぇっ!?集めた理由分かるのか!?」

 

 ちなみに円堂は一切分かっていないらしい。

 そう思っていると、響木監督とマネージャーたちが入ってくる。

 

「全員揃っているか?」

 

 オレたち22人は、響木監督の前に集合する。

 

「いいかよく聞け。今からお前たちを日本代表候補の強化選手に任命する」

 

 あー何となく想像通りだ。

 

「に、日本代表!?一体何の!?」

「サッカー以外にあるか?」

「えと、えーっと……早食い?」

「なわけねぇだろ。それはお前と壁山だけだ」

「た、確かに……!」

「今年からフットボールフロンティアの世界大会、フットボールフロンティアインターナショナル、通称『FFI』が開催される。少年サッカー世界一を決める大会……お前たちはその代表候補なのだ」

 

 FFIに関しては、向こうでも話が出たから知っている。それにしても、世界大会か……勝ち進めばアイツらと戦えるのかな。

 

「うっ……」

「う?」

「うぉぉおおおおおお!すげぇぞ皆!次は世界だぁ!」

 

 円堂の咆哮。まぁ、確かに1年前なんて、世界とか想像も出来なかったからな。

 

「世界か……」

「ついに世界と戦えるんだな」

「ああ。このチームで……」

「腕が鳴るぜぇ!日本一の次は宇宙一!宇宙一の次は世界一だ!」

 

 染岡さん?順番おかしくないですか?

 

「そもそも宇宙一にはなっていないけどね。うっしっし」

 

 木暮の正論が刺さる。まぁ、その通りなんだが……言い方というものが……ねぇ?

 

「いいか?あくまでこの22人は候補だ。ここから17人まで絞り込む」

「まず11人ずつ2チームに分けます。そして、2日後にその2チームで日本代表選手選考試合を行います」

 

 ここから5人減るのか……全員入れるだけの枠がないのは残念だな。

 

「それではメンバー発表を行います」

 

 ということで、1人1人名前を呼ばれてチーム分けがされた。

 同じチームには、円堂、壁山、染岡、吹雪、綱海、ヒロト、土方、武方、佐久間、飛鷹。

 もう一つのチームには、鬼道、豪炎寺、風丸、栗松、木暮、立向居、目金、シャドウ、緑川、虎丸、不動。

 便宜上、円堂やオレがいるチームはAチーム。鬼道や豪炎寺がいるチームをBチームと呼ぶことにするらしい。

 

「円堂、鬼道。お前たちがそれぞれのチームのキャプテンだ」

「はい!」

 

 まぁ、妥当なところだな。というか、2人以外にキャプテンってあまり考えられないしな。

 

「どうぞヨロシク。鬼道クン」

 

 そんなことを考えていると不動(と呼ばれていた人)が鬼道に声をかける。

 

「……黙れ」

 

 おっと、いきなり空気が悪いな。鬼道と不動……なにか因縁でもあるのか?

 

「また、個人の能力を見るために、選考試合では連携技は禁止とする。持てる力を全て出し切れ」

「「「はい!」」」

 

 連携技の禁止……そういや、オレって連携技豊富だったなぁ……うんうん。……それ全部禁止されるのか。……まぁ、連携技の練習したの前回いつ?ってレベルだから問題ないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後は円堂たちと明日の簡単な打ち合わせをし、理事長に報告の続きをして帰路につく。

 不動に関しては、エイリア学園の騒動の最中に、真・帝国のキャプテンとして試合をしたらしい。とりあえず、その時の因縁というか何というかが、オレが思っていた以上にあるらしい。……らしいっていうのは、全部聞いたことだからで……まぁ、元々敵側だったヒロトや緑川が呼ばれたんだし、不動も改心(?)したから呼ばれたんだろう……多分。

 後は、目金が実は眼鏡の双子の弟で、運動できる方の眼鏡だとか、飛鷹、虎丸の2人については一切情報がないとか。あーそういや、この場にいなくて疑問に思った、一ノ瀬と土門はアメリカに行くって聞いたな。ただ、アフロディが呼ばれなかった理由はよく分かっていない。他にもバーンとかガゼルとか……うーん。考えてもしょうがないか。呼べるヤツが22人しか居なかったと考えると、オレが想定しているヤツが全員居なくてもしょうがないのか。監督には監督の選考基準があっただろうし。

 

「ただいまー」

「おかえり」

「居ない間、何かあった?」

「特に何もなかったぞ」

「そう?……あー食材やっぱり少ないな。買い出し行ってくるわ」

「いや、私も行こう」

「んー分かった」

 

 ということで、八神と一緒に買い出しに行くことに。リフティングしながら歩いて行く。

 

「そういや、集まりの件はどうだったんだ?」

「あー日本代表の候補だと。2日後に選考試合してメンバーを決めるって」

「ふーん。集まっているメンバーにもよるが、お前なら9割方いけそうだけどな」

「あはは、高評価どうも。まぁ、オレはオレの出来ることをするだけだ」

「そうだな。油断して腑抜けたプレーをすれば、お前とはいえ落ちるだろうな」

 

 あはは……相変わらず手厳しいなぁ。

 そう思ってリフティングをしていると、八神の手が何というか……こっちに近づいては離れてって感じで、ぎこちなく動いているのに気付く。あー……ね。

 

「手……繋ぐか?」

「なっ……べ、別に……どうしてもって言うなら繋がないこともないけど……」

「じゃ、どうしてもってことで」

「い、いきなり……!?」

「嫌だったか?」

「い、嫌なわけがないだろう!」

 

 ボールを閉まって手を繋ぐ。何処か口調は荒々しいが、顔を真っ赤にして……やっぱりこの彼女、可愛いのでは?

 そう思いながら、買い物をする。そして、河川敷に寄って行くことにする。まぁ、丁度外に出たし、元々八神に相談したいこともあったし。

 

「今から練習するのか?」

「いいや。そこまではしないけど……ちょっと案が欲しくて」

「案?」

「向こうでずっと練習していた必殺技があってさ。その時の周りの意見を参考に7割ぐらいできたと思うんだけど……そこから行き詰まって」

「……なるほどな。とりあえず見せてみろ」

「分かった」

 

 ということで、ボールを持ってセンターライン付近に、ゴールを正面にして立つ。

 

「シュート技なのか?」

「まぁな」

「……お前、本職はCB……DFじゃなかったのか?コンバートしたのか?」

「……ノーコメントで」

 

 分かるよその気持ち。もはやDFがメインとは思えないくらい、シュート技持っているからな。そして、今完成させようとしているのもシュート技……あれ?オレってDFだっけ?まぁ、何処のポジションでも出来るって言うのが売りの万能型DFってことでどうかよろしくお願いします。

 片足を振り上げて、振り下ろす。振り下ろすと同時に、辺り一帯の地面には氷が張り、背後には巨大な氷山がそびえ立つ。そして、ボールを強烈な縦回転を加えながら、蹴り上げる。ある一定の高さまで打ち上げたら、跳びあがりオーバーヘッドキックの体勢になりながら、右足で縦回転させたボールの下側を蹴って、ボールに右回転を加える。激しく回転するボールは、辺りの冷気と小さな氷塊を巻き込み、竜巻を発生させる。竜巻ができたところで、ボールを両足の裏で押し出すようにして斜め下へと蹴り出す。

 ボールは一度氷の床を砕き、地面を砕いて地中へ沈み込む。そして、地面から勢いよく出て来ると同時に、ペンギンたちも現れボールと共にゴールへと飛んでいく……が。

 

「……くっ」

 

 ゴール手前でボールの勢いが段々と消えて行き、そのせいで制御が効かなくなったのか、あらぬ方向へとボールは飛んでいった。

 

「……なるほどな。威力は今まで見てきた技と比べて桁違い。完成すればムーンフォースと比べられないレベルになるかもな……ただ」

「悪いけど、このシュートが最後まで勢いを保てたことはないな。ここ1ヶ月試行錯誤して、今のが1番威力が高い」

 

 ……まぁ、その試行錯誤の過程で色んな技が生まれたけど。

 

「だが、もう少しゴール手前から打てば……いや、ダメか。今の技は完成すれば、フィールドを砕き、その砕いた塊をも巻き込んでしまうような……言ってしまえば破壊的なシュートになる。どのみち手前から打っても、不安定な現状ではゴールに入るとは限らないか」

「一応、最後の両足で押し出すのをゴールに向けてやることも考えたが……」

「それだと今度は両足の力加減や向きなど、細かいところがズレれば制御が効かなくなる……ってとこか?」

「ああ。地面に叩きつけて出てくるボール……それをペンギンたちがコースとか制御してくれているからな。最初から呼ぶことも考えたが……」

「最初の状態では勢いが強すぎて、並のペンギンたちではコースを正すことが難しい……か」

「そういうこと。だから、どうしたらボールの勢いを保てつつゴールを狙えるか……ちょっとアイデアが欲しくてな」

「うーん、いきなり言われてもな……結構難易度高いぞ、この技」

「いつもの頭のおかしな意見をどうか1つお願いします!」

「うむ……おい、ちょっと待て。今、いつもの頭のおかしなって言ったな?私がいつ頭のおかしいことを言ったんだ?」

「え?常に言ってるだろう?」

「ふふふっ、お前が海外に行っている間。レベルが上がっているのがお前だけだと思うなよ?」

 

 この後、超久しぶりに彼女による鬼のスパルタ特訓をしました。あー懐かしいなー(白目)夕食?その後に頑張って作って食べたよ(涙目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、各チームでの練習をして、2日後……代表選考試合当日を迎えるのだった。




唐突ですが、今週からしばらく(少なくとも年内)は毎週月曜日朝6時に投稿予定(トラブルが起きなければ)です。
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