超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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不完全様より、我らが主人公、十六夜綾人くんのイラストを頂きました!ありがとうございます!
下を押して貰えばイラストが見られます。
十六夜綾人


VSビッグウェイブス ~箱のカギ~

「なぁ、フィディオ」

「どうしたんだい?アヤト」

「お前のプレーって視野が広いよな。まるでフィールド全体が見えているようなプレーの数々……何を意識しているんだ?」

「そうだね……ボールを見続けない……かな?正直、あんまり意識はしてないかも」

「意識してない……か」

「でも、アヤトだって、視野は広い方だと思うよ。特にディフェンスの時なんかは、よく見えてると思うけど……」

「うーん……オフェンスになるとどうしても視野が狭くなるからな……」

「じゃあさ、ボールを見るのを最小限にするのはどう?ドリブルやキープしている間も、下を極力見ずに辺りを見る……これを考えてやるんじゃなくて、癖にするとか」

「あー……何度か言われた気がするな。癖にする……か」

「そうだね。後はアヤトの場合……というより、これは皆かもしれないけど、考え事をし始めると視野がどんどん狭くなってしまうからね」

「あーだから意識しなくても、周りを見る癖をってことか……確かに。考え始めると、周り見えてないからな……」

「試合中、状況はどんどん変化しているんだ。その変化を知るためには周りを見ないとね」

「オッケー、もっと意識してみるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボックスロック・ディフェンス!」

 

 相手のボックスロック・ディフェンスの餌食になってしまう鬼道。堅いディフェンスによって、ボールを奪われてしまう。

 あれから、ヒロト、緑川もボックスロック・ディフェンスの餌食になり、破ることが出来ていない。そして、そこで奪われたボールは相手チームの前線に送られ、シュートを打たれる。幸いなのは、円堂の奮闘により、あれ以上の失点はなく、スコアが0-1のままだということだ。

 ……防戦一方、そんな中……

 

「まだ気付かないのか!」

 

 久遠監督の声が聞こえてきた。

 

「箱のカギはお前たちの中にある!」

 

 そう言って胸を親指で指す監督。箱のカギ……?どういうこと?

 スローインで試合再開。ボールはオレが運んでいるが……箱のカギ?箱って……何?しかも、そのカギ?箱……箱?

 

「ボックスロック・ディフェンス!ついに捕らえたぞ16番!」

「ん?…………あっ」

『あぁっと!遂に十六夜も囲まれてしまったぁ!』

 

 久遠監督の言葉の意味を考えていたら、ボックスロック・ディフェンスに捕まった。

 

「ッチ、さっきまでより囲うの早過ぎだろ……!」

「今まで上手く逃れていたようだが、今度は逃がさんぞ!」

 

 やべぇ、目を付けられていた。何でだよ……ってよく考えたら、オレだけまだこっちのMF、FW陣で引っかかっていなかったし、何なら上手く躱してたし……って、おいおいどうしよう。キープは出来るんだけど、ここ無茶苦茶狭いんだが…………あぁっ!ボックスロック……箱と錠か!つまり、ここがカギのかかった箱で……って閉じ込められているじゃん!そのカギが…………?いや、分からねぇや。

 

「おっと……」

 

 外から見てた通りダメなようだな。どこから突破しようとも2人がかりでコースを潰してくる。そいつらに手間取ったらフォローが来るから意味ないか……で、パスコースもないな。開いているように見えているところは、ワザと開けているだけ……そこに出そうものなら奪われるか。なるほど……ドリブル、パス、シュート……全部封じられたなら、やることなんてキープ一択なんだけど。

 

「何!?」

「何故だ!?」

「どうなってる!?」

「奪え!さっさと奪うんだ!」

『なんと十六夜!見事なボールタッチで、ボックスロック・ディフェンスの狭いスペースでボールをキープしているぞ!』

「そうか!十六夜!そのままキープしろ!」

「いや、それしか出来ないんだけど?」

「それでいい!箱が崩れるまでキープし続けるんだ!それ以外のことは無視していい!」

 

 え?無視していいの?……まぁ、司令塔が周りを無視していいって言うなら……

 

「んじゃ、取れるなら取ってみな?」

 

 パスという選択肢を消して、ボールを取られないことに力を注ぐ。……うーん、やっぱり考え事をしていると少し視野が狭くなってしまったな……4人で囲うんだから、接近に気付けたはずなんだけど……

 

「まだまだ甘いなぁ……」

 

 細かなタッチ、フェイントを織り交ぜつつボールを奪われないことに集中する。時にはリフティングも挟んで、相手を翻弄する。ただ、ボールを見る時間は最小限に。周りを見て状況を把握する。

 

「……っ!?」

「当たれ!激しく行くんだ!」

「もっと……ボールを見る時間を減らす……いや、このスピードじゃ遅い……もっと早く……」

 

 まだまだクセになるレベルに到達してない……でも、周りを見ることを意識しすぎるとフェイントのキレが落ちる……パスコースも突破口も見えているけど、もう少しここで練習するか……

 

(十六夜のキープ力……やはりアイツのテクニックは、留学する前と比べものにならない。いや、それだけじゃない。俺たちの中でもアイツの実力は頭一つ抜けている……どこまでレベルアップしているんだアイツは。でも、これならば……)

 

「クソが!」

 

 囲っていた4人の内1人が溜まらずタックルをしてくる……が。

 

「何だと!?」

 

 肩と肩がぶつかる……が、その威力を使い、ボールを足に乗せたまま回転して躱す。おぉっ、すげぇ。今ので体勢が崩れなかった……いや、崩れる気配もなかったな。行ける気しかしなかった。

 

「今だ!突破しろ!」

「分かってる」

 

 1人欠けた分、スペースが空いた。そこに向かって走り……

 

「悪いけど、見えてるから」

 

 その穴埋めに2人が来たので、アウトサイドで左側に弾く。そのまま、弾いたボールを回収し、足を伸ばしてきた抵抗しようとした相手をボールを相手の頭上を通過させることで躱した。

 

「バカな!?」

「嘘だろ!?」

『ボックスロック・ディフェンス破れる!十六夜の華麗なフェイントで4人を躱したぞ!』

「ありがとな鬼道。…………で、結局箱のカギって何だ?」

「お前……分かってなかったのか?」

「箱は分かった。カギは分かってない」

「……監督の練習禁止で、狭い部屋に閉じ込められただろ?その狭い部屋での練習が、狭いスペースでボールをキープすることの……」

「一度破ったくらいでいい気になるなよ!」

 

 と、鬼道が答えてくれている間に再びボックスロック・ディフェンスに捕まった。正確には捕まりにいったと言うべきか。

 

「こいつらの隙が出来るまで無理せず、キープし続ければいいってことだろ?」

「それでいい!豪炎寺!吹雪!」

「おう!」

「うん!」

 

 しかも、ボックスロック・ディフェンスの弱点は、1人の選手に4人の選手をぶつける点にある。どうやっても人数差が生まれてしまうことだ。奪えれば強いが、奪えなければフリーの選手に対するマークは甘くなる。だから……

 

「そこ」

「「なっ……!」」

「ナイスだよ、十六夜くん!」

 

 一瞬、DF2人の間に隙が生まれる。その隙を逃さず、吹雪へとパスを出す。一度破られたことで動揺したのだろう。さっきよりも隙が出来るのが早かった。

 

『イナズマジャパン!ボックスロック・ディフェンスを完全に攻略したぁ!』

 

 攻略法さえ分かれば、やりようはある。しかも、捕まった方が人数差が生まれるし、シュートチャンスが増える。

 

「ウルフレジェンド!」

 

 ボールを受け取った吹雪。そのまま必殺技を放った。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 ……が、相手キーパーの前に止められてしまう。そのキーパーからのパスを豪炎寺がカットして……

 

「爆熱ストーム!」

 

 必殺技を放つも……

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 再び阻まれてしまった。……まさか吹雪に豪炎寺までもが止められるとは……

 ボールを持った相手選手。だが、何を思ったのか外へとボールを出した。

 

『ここでビッグウェイブス2人の選手を交代』

 

 交代のために()()()外に出したのか?入ってくるのはMFとDF……でも、そんな早急に交代したかったのか?……何が狙いなんだ?

 スローインで試合再開。ボールは緑川が運ぶ……

 

「ボックスロック・ディフェンスをしてこない?」

 

 ただ、先ほどまでと違い、4人が集まる気配がない。対峙するのは交代したばかりのDFの選手……

 

「グレイブストーン!」

 

 その選手が大きく跳躍し、両手を地面に叩きつける。すると、地面から次々と大岩が生えてきて、あっという間に緑川を囲んだ。そして、逃げ道を塞いだところで、緑川の真下から岩が突き出て彼を吹き飛ばした。

 

「個人技でのディフェンス……」

 

 流石は優勝候補か。自分たちの使う戦術の弱点を的確に把握していたか。そして、切り替えるまでの判断の早さ……おいおい、まだオレが2回抜いただけだろうが……

 そして、ボールを奪ったDFは同じく先ほど交代したMFにパスを出す。木暮がマークについた……が。

 

「カンガルーキック!」

 

 ボールを軽く浮かせて、ボールに背を向ける。軽く跳び上がり、膝を曲げ、両足の裏でボールに力を溜める。そして、膝を伸ばすとともに、木暮の身体にボールをぶつけ吹き飛ばす。

 

「海だけじゃなかったの!?」

「どうやらリザーブとして、陸で鍛えた選手たちが控えていたようですね!」

 

 カンガルー……いや、物騒な技だな……おい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『互いに攻め手を欠き、試合は膠着状態だ!』

 

 前半終了間際。ボールは鬼道が運んでいた。

 あれから、一進一退の攻防が繰り広げられた。互いにシュートを放つもキーパーによって止められる。お互いの攻撃陣の方が強いのか、シュートまでは持ち運べるもののキーパーからゴールを奪えないでいた。

 肝心のオレは相手からの警戒が強いためか、中々ボールを持たせてもらえない状態になっている。前半の内に何とか1点取って追いつきたいんだが……どうしたものか。

 

「……っ!」

 

 鬼道に対し、7番と9番がスライディングをする。7番のスライディングはジャンプして躱したものの、9番のスライディングが着地した鬼道の足に当たってしまう。

 

 ピー!

 

「あっ……!」

「鬼道!」

 

 審判の笛により一時中断。右足首を押さえる鬼道の下へと駆け寄っていくオレたち。

 

「大丈夫か」

「大したことはない……!」

 

 風丸の手を掴んで立ち上がる鬼道。その顔は痛みを隠しているように見えた。

 

「……風丸。このフリーキック、オレにパスを出してくれ」

「十六夜……?」

「ここで点を決めるからさ……頼む」

 

 フリーキックが行われた後、いつ前半が終わってもおかしくない。前半をリードされて折り返すのと、同点で終えるのでは精神的にもかなり変わってくる。

 

「分かった。任せたぞ」

「おう。任された」

 

 そして、フリーキックで試合再開。ボールは風丸からオレに渡る。

 渡ると同時に蹴りの構えを取る。すると、背後に巨大な対物ライフルが現れる。

 

「ヴァルターペンギン!」

 

 足を振り抜くと同時に、いつもより小柄なペンギンがボールと共に発射される。威力はムーンフォースに劣るが、スナイプ・ザ・ペンギンの正確性、皇帝ペンギンTのスピードを掛け合わせたようなシュート。相手の必殺技が発動する前に決めればいいという発想のもとで生まれた、スピードに特化した一撃。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 シュートを放つと同時に、相手キーパーは咄嗟の判断で必殺技を放つ。……少しでも反応が遅れていたら必殺技を放つ前に決められたのに……けど。

 

「知っているか?ペンギンって、陸上より水中の方が速いってことをさ」

 

 確かにスピード重視だし、ペンギンが1匹しか放たれないから威力は高くない。けど、グレートバリアリーフとは()()()()()。相手の技は、海の壁を生成し、そこにボールが入ることでシュートを遅くし、威力を失わせるもの。

 

「何だと!?」

 

 確かにボールは海の中に入って減速した。だが、ボールを押していたペンギンは、海に入った途端()()()()。ただでさえスピードに特化した、速かったペンギンが更に加速する。そのペンギンが止まりそうになっていたボールを押して行き、相手のキーパーを避けて進み、そのままゴールに刺さった。

 

『ゴォール!ここでイナズマジャパン!十六夜の新必殺技で同点に追いついたぞぉ!』

 

 オレは右手の拳を握り締める。

 

「よし」

「ナイスシュート!十六夜!」

「やるな」

 

 ピ、ピー!

 

『ここで前半終了のホイッスル!1-1!同点でハーフタイムを迎える両チーム!果たして、後半はどのような展開を迎えるのか!』

 

「鬼道、肩貸すぞ」

「俺も!」

「あぁ、悪い……!」

 

 喜びも束の間というやつか。円堂と2人で支えながら鬼道をベンチまで運ぶ。1人で歩くことが困難か……これは後半は厳しいな。




習得技紹介

ヴァルターペンギン
シュート技
蹴りの構えをとったら背後から巨大な対物ライフルが出て、蹴りと共にペンギンが発射される。威力はムーンフォースよりは劣るが、スピードは3倍。現時点での十六夜くんの必殺技の中では最速です。
N-WXlGⅨW-N様より案をいただきました。ありがとうございます。
地味にオーストラリアにも生息しているリトルペンギンで放っています。(オーストラリア戦なので)

凄い私ごとですが、遂に今期、ブルーロックのアニメが放送……!
好きな作品だし、PVの作画も良かったし凄い期待している……!
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