超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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尾刈斗戦反省

 試合も終わり、染岡と豪炎寺のわだかまりも何だかんだで解けた。

 

「いやぁ勝てたな!十六夜!」

「そうだな」

「これでフットボールフロンティア出場かぁ……!」

 

 そして、その日の帰り道。たまたま円堂と一緒に帰ることになったのだが……凄い目を輝かせる円堂がいた。フットボールフロンティア出場と言ってもまだ予選だけどな。

 

「そういや十六夜」

「なんだ?」

「お前いつの間にあんな必殺技身につけたんだよ!教えてくれてもよかったじゃないか!」

「というかアレまだ未完成だぞ」

「ライド・ザ・ペンギンだっけ?もう完成間近だろ!」

「まぁな……」

 

 とはいえアレはまだまだ八神と特訓が必要っぽいな。あのレベルじゃ完成とは言えない……って、八神が言ってました。まぁ、今日の練習試合も木の辺りから見ていたっぽいけど……何と言われるのやら。

 

「でも、お前DFだろ?何でブロック技じゃなくてドリブル技を身につけようとしてるんだ?」

「あはは……」

 

 それを語るには数日前。まだ、染岡さんがドラゴンクラッシュという技を身に付ける前まで遡らなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ十六夜」

「何だ八神」

 

 ウォーミングアップがてらのパス練習中に話しかけてくる八神。

 

「前に必殺技が使えないと言ってたが、あのペラーを必殺技に組み込むというのはどうだ?」

「はい?」

 

 あまりのことに呆気を取られてしまう。え?ペラーを必殺技に?

 

「いや、その発想はないですわー。でも、仮に組み込むとしてどうやって?」

 

 ボールを八神にパスしておく。うんうん。さすがにそれは考えてなかった。

 ちょっと前に呼び出せるようになったペラー。特訓(?)の成果により、しっかり、地面から出てきて地に足が付けるようになったのだ。

 

「うーん。そうだな……」

 

 顎に手を置いて考える八神。あれ?こうして見ると凄い美人というか……

 

「ペンギンの上に乗ってみるというのはどうだ?」

 

「あ、やっぱり中身はただの残念さんだ」

 

「誰の中身が残念だ!」

 

 本気で撃ってくる八神。そのボールは当然、

 

「ふぎゃあああああああ!」

 

 オレに当たり、オレごとゴールに突き刺さった。……おかしいなぁ。ただのシュートなのに何でこんなに強いんだろう。オレなんかと比べ物にならないよ……

 

「そもそもやってみなくちゃ分からないだろ。ほら、ペラーを呼び出してやってみろ」

「やらなくても分かると思うんだけどなぁ……」

 

 ピー

 

 言われるがままに呼び出す。うん。こいつのサイズ的に乗るのは無理だ。

 

『それで?オレに乗れるかどうかって話?ご主人様』

 

 んーあーそうだね。というか、見た目は可愛いのに一人称が『オレ』って、

 

『オレはご主人様の一人称を真似しているだけ。つまりご主人様のせい』

 

 酷い。それはさすがに酷い。

 

『ほら、ペットは飼い主に似るって言葉があるでしょ?あれあれ』

 

 あーあれね。うん。あれか。

 

「……納得していいのだろうか」

「何を納得するかは知らんがとりあえず、乗ってみろ」

「いやいや八神さん。よく考えてくださいよ。この子子ども。小さい。乗れるサイズじゃない。そもそもペンギンに乗るもんじゃない。ドゥーユーアンダスタン?」

「……む。確かにそうだな」

 

 そうそう。ペンギンに乗るという発想すら動物愛護団体が発狂しそうだが、理解してくれて何よりだ。

 

「じゃあ、ペラー。十六夜が乗れるサイズまで大きくなってみろ」

 

「アンタ本当に頭大丈夫かぁっ!?」

 

 いやいや、今のままじゃ乗れない。じゃあ、大きくしよう。なんだこの考え!?というか無理だろ絶対!

 

『分かった~』

 

 そう言うと腹を地面に付けて大きくなるペラー。

 

「このサイズなら乗れるんじゃないか?」

 

「意味不明!」

 

 本当に大きくなったんですけど!もうこの世界嫌になりそう。いや、既に嫌気はさしてるけどさぁ。

 

『ほら、乗るんでしょ?さっさと乗ったら?』

 

 挙句、乗る対象に催促される始末。え?あ、はい。

 

「そうだな……」

 

 とりあえず、乗ってみた。動くことも考え、サーフボードというかスノボーというかそういうのに乗る感じで立っている。

 

「ペラー。とりあえず、飛んでみろ」

「え?ペンギンってお空飛べないよ?」

『分かった~』

 

 すると、陸から離れて飛び始めるペラー。……あれ……?飛んでるというより……

 

「浮いてる!?」

 

 どういう原理だ!?どういう原理なんだ!?

 

『そんなの分からないよ』

 

 お前が分からなくてどうするの!?

 

「よし、このままペラーが飛んで、十六夜は振り落とされないようにバランスを取るんだ」

『うん。分かった』

 

「分かってんじゃねぇえええええぇぇぇぇ!」

 

 そして、この日。オレは『空飛ぶペンギンの背に乗って空を飛ぶ』という前の世界ではまずあり得ないような体験をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、お前も熱血パンチだっけ?習得していたじゃないか」

 

 そして時間は現在に戻る。

 

「まぁな!特訓の成果だぜ」

 

 特訓の成果……ねぇ。その一言で済ますお前が凄い。

 

「あ、オレこっちだから」

「おう。じゃあ、また明日」

「はいはい。また明日」

 

 一旦家に帰って支度を整え河川敷に。すると、すでに八神が居た。

 

「じゃあ、始めようか」

「よろしく」

 

 ということで準備体操をしてからパスを始める。……最近八神のパスの威力とか速さが上がってる気がするけど、気のせいということで。

 

「今日の試合。そこそこの動きだったな」

「そりゃありがとさん」

 

 八神に言わせると今日の動きはそこそこらしい。

 

「ただまだ『ライド・ザ・ペンギン』あれは未完成だな」

「そうだな」

「色々と応用が効きそうなのが今日の試合で分かっただろう。改善点としては、ペラーに乗るまでの早さと空中でのバランス。十六夜が特訓すべきは大きくその2点だ」

 

 本当はもっとペラーの速さを上げるといいかもしれないとも言われたが、それはオレじゃどうにもできない。ていうか、ペラー曰く、まだまだ速く飛べるそうだからオレの能力がカギとなる。

 って、何でこんな話を真面目にしているんだろうか。というか、あの技(?)をどこまで進化させるつもりなのだろう。

 

「でも、バランス感覚を鍛えるって体幹を鍛えるってことか?」

「まぁ、そうとも言えるな」

 

 なるほど。どうやって鍛えようかな。

 

「何かいい練習メニューとかある?」

「うーん」

 

 考え込む八神。きっと彼女ならいいアイデアを……

 

「そうだ。ボールの上に乗ってバランスを取ったらどうだ?ほら、ピエロのようにボールの上で乗って移動するんだ」

 

「できるかぁぁぁぁぁああああ!」

 

 忘れてた。八神に意見を求めてもダメだということを。

 

「そうか?貸してみろ」

 

 そう言ってボールを貸す。

 八神は普通に上に乗って普通にボールの上に立つ。そして、普通に転がして……

 

「はぁ?」

 

「何だ。思ったよりも簡単すぎたな」

 

「はぁ?」

 

 彼女何言ってるの?というか、あのボールよく潰れないなぁ~この世界のボールって何と言うか凄いよね。燃やしてもパンクしたりしないで、最後は綺麗な形を保てるんだから。

 

「十六夜もやってみろ」

 

 というわけで挑戦。

 

 ズコッ

 

 そして、こける。

 

「下手くそか」

「お前がおかしいからな!?」

「まぁいい。もう1回だ」

「え?」

「バランス感覚を鍛えるにはピッタリだろ?もう1回だ」

 

 この後、出来るまで続けさせられました。まる。




主人公習得技

たまのりピエロ
ドリブル技

バランス感覚を身につける特訓中に本人の知らないところで身についた。
本人は必殺技と認識してない。
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