超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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気になって十六夜くんの習得技の数を数えたんですよね……そしたら、シュート技が半分以上占めていたんです。お前……本当にDFか……?
ちなみにキャラ紹介に習得必殺技の数等も記載したので興味があればどうぞ。気が乗った時にアレは情報が増えているので……


VSファイアードラゴン ~噛み合う歯車~

 得点と同時に、選手交代の宣言。オレも着替えるためにベンチに向かう。ベンチを見ると円堂だけじゃなく、鬼道も準備を終えて入って来る。

 

「ナイスゴール、十六夜!」

「ありがと。でも、まだ負けてる……気を抜くなよ。キャプテン」

「ああ!一緒に勝とうぜ!」

「……そうだな。……後、悪いけどキャプテンマーク取ってくれない?」

「お、おう……」

 

 取ろうとしたが力が入らなかった。というか今更ながら痛みが増してきた……多分アレだ。一回試合の外に出るってことで、集中が少し切れたんだろうな。集中が切れて痛みが主張してきたんだろうな。

 

「まだ戦えるな?十六夜」

「手が限界なだけ、最後までやるさ。お前は?」

「無論だ。先に行ってるぞ」

 

 円堂、鬼道と軽く話し終えるとベンチに行き、グローブを脱ぐ……

 

「うわぁ……手が更に真っ赤……いや、赤を通り越してもはや青いかも。そりゃ痛いわけだ」

「両手を貸せ、十六夜。湿布と包帯と手袋を付ける」

「……痛くするなよ?絶対痛くするなよ?」

「知るか、手遅れだろ」

 

 ひでぇ。およそ彼女が、怪我をしている彼氏にかけるとは思えない言葉だ。でもまぁ、こんなぶっきらぼうな言い方はしているが、手つきやいつもより優しく、どことなく心配している空気を感じる……あれ?八神ってやっぱりツンデレか?

 

「……デレた?」

「黙れ」

「痛っ!?」

 

 軽くはたかれたがバカみたいに痛い。あれ?折れてないよな?折れてはいないよな?

 ベンチで処置を受けている中、フィールドに入っていった円堂が皆に声をかけている。

 

「みんな勝ちたくないのか!?」

「勝ちたいさ!でも……」

「だったらよく見るんだ!不動の言葉じゃなくアイツのプレーを!あいつは自分だけじゃない。お前たちを活かしたプレ-をしようとしている。さっきの十六夜の得点を見ただろ?」

「いや、アイツのあんなパスを取れるヤツなんて十六夜くらいだろ」

「そうッスよ。あんなパス嫌がらせッス」

「ボールは嘘をつかない。パスを受けてみれば全て分かる!」

 

 円堂の熱い言葉……理屈ではなく、感情に訴えかける言葉。円堂らしい……と言ったところか。少なくともオレじゃ無理だな。

 ファイアードラゴンのキックオフで試合再開。まだ治療中……というか処置が終わってないから、ベンチに下がって見ているが。あとキーパーのユニフォームから着替えないといけないし。

 相手チームからボールを奪う不動。だが、パスがオレ以外には通らないことを思ってか、不動1人に4人の選手が奪おうとする。

 

「流石、鬼道だな」

 

 鬼道がパスをもらおうとラインギリギリを走っている。そして、そこにパスを出す不動……パスが繋がった。

 

「もっと強くて速いパスで構わない!」

 

 そして、不動へとパスを出し、鬼道は相手の裏のスペースへ走って行く。

 

「なら、こいつでどうだ!」

 

 不動のパスが再び繋がった。そして、鬼道がダイレクトシュートを放つもキーパーに弾かれてボールはラインの外へ。

 

(今の一連のプレ-のお陰で、チームの不動への不信感がだいぶ払拭されたように思える。不動と一番因縁があり、確執があったであろう鬼道との連携が取れていたのだから)

 

「まぁ、お前と不動のプレーも凄かったけどな」

「そうか?……確かにオレもやってて楽しかったけどな。1人じゃ見えないもの、出来ないものはあった」

「まぁ、少なくとも1人で突破していた前半より、連携してたさっきの方が相手にとっては止められないだろうな」

「勝つために、自分の武器をどう使うか……もう少し味方をどう使うかも見直すか」

「アホか。今までが独りでやり過ぎなんだ、お前は」

 

 イナズマジャパンのスローイン、ボールは鬼道から不動へ。そして、壁山の方へとパスを出した。

 

「追いついたッス!」

 

 不動のパスを受け取った壁山。そのまま上がっていくことに。そして、壁山は不動へとパスを出す。今度は風丸に……

 

「パスが繋がっています!」

「皆、不動くんを信じ始めた……」

 

 その変化は大きく、ファイアードラゴンにも脅威に映ったようだ。

 

「不動がチームの歯車として機能し始めている。これ以上好き勝手なプレーをさせるのは危険ですね!」

 

 チャンスウが不動のマークにつく。先ほどまでとは違い、パスも出させないよう不動に貼りついている……

 

「不動!こっちだ!」

 

 そんな状況を見て、鬼道がフォローに向かった。

 

「……!チッ、仕切ってんじゃねぇ」

 

 そう言うと鬼道と不動が互い違いにボールを蹴る。スピンさせたボールからは紫色のオーラが出ており、その回転の余波でチャンスウが吹き飛んだ。

 

「フィールド上の相手選手の動きを殺してしまう技。名付けて――」

「キラーフィールズ」

「――って十六夜くん!?何で君まで先に言っちゃうんですかぁ!?」

 

 何となく思いついたから言ってみた。決して目金の出番を奪いたかったわけではない。

 

「でも凄い!あの2人が協力するなんて……」

「しかも、今のはお互いの動きが分かっていないと出来なかった技」

「分かってきたようだな……不動という選手との付き合い方が」

 

 八神からの処置も終わり、出られるように準備する。

 ボールは不動がゴール前へと高く蹴り上げていた。そのボールを取ろうと、相手チームの選手が2人、対してこちらからは、壁山と風丸が跳び上がっていた。

 風丸は空中で反転すると、壁山の方へと落ちていく。それを見た壁山は足の裏を空中に向けた。そこに着地する風丸。壁山が勢いよく蹴り出し、風丸は風を足に纏わせながらオーバーヘッドキックを決めた。

 

「大爆発張り手!」

 

 相手キーパーの必殺技、張り手を何回も繰り出すも徐々に押し込まれていき……

 

『ゴール!風丸と壁山の連携シュート炸裂!イナズマジャパン!遂に同点!』

 

「たつまき落とし!……ふっ、今回は僕の勝ちですね」

「お前は誰と戦っているんだ?」

 

 早かった。目金がゴールの感動よりも早く名前を付けていた。そのせいでゴールの感動が薄れた。というか壁山が高所恐怖症じゃなくなっている気がするな……懐かしいな。FFの最初の頃はあんなに怖がっていたのに……もう何回くらい空高く跳んだことやら。

 

「って今のは綱海さんと練習していた技じゃ?」

「関係ねぇって!よく決めてくれたぜ!」

 

 これで同点7-7、次の1点を決めた方が勝利に大きく近付くだろう。

 

「十六夜。目は醒めたようだな」

「おかげさまで。味方を頼らない……それが行き過ぎて、勝手に足手纏いだと切り捨ててしまっていたんですね」

「答えはプレーで見させてもらった。確かに、チームのメンバーとお前との間にはかなりの差がある。その上で、味方が本気のプレーをしなかったのなら、突っ走るのも無理はない」

「……でも、そこで諦めたんですね。取るべき選択を誤った。副キャプテンとして……いいえ、ゲームキャプテンを任されていたオレが取るべき選択は一人で戦うことじゃなかった」

「お前の突破力は、イナズマジャパンにとっても武器の1つだ。だが、それだけじゃ通用しないのが世界トップレベル……次は上手く使えるな?」

「はい。……どんなに上手くとも、絶対にパスしないって分かっているヤツを止めるほど楽なものはない。そんなことはよく知っています」

「行ってこい。これ以上の指示は必要か?」

「いいえ、残り時間でオレのやるべきことは分かっているんで。……では、行ってきます」

 

 そして、フィールドに戻っていく。これでイナズマジャパンは11人全員がフィールドに揃った。

 

『十六夜もフィールドに戻り、ここでイナズマジャパン11人全員揃いました!7-7の同点!勝つのはイナズマジャパンか!それともファイアードラゴンか!』

 

 何人の交代を経て現在のポジションはこうなっている。

 

 FW 豪炎寺 虎丸

 

 MF ヒロト 鬼道 不動 風丸

 

 DF 飛鷹 十六夜 壁山 木暮

 

 GK 円堂

 

 ベンチメンバーのほとんどが怪我人……それどころかフィールドに立っているメンバーも怪我をしたり、何処かを痛めたりしているが……まぁ、今取れる選択肢の中ではベストだろう。

 ファイアードラゴンのキックオフで試合再開。ボールはチャンスウが持って攻め上がる。

 

「不動!」

「分かってる!」

 

 チャンスウのもとには鬼道と不動の2人がマークについた。

 

「アフロディ、南雲、涼野!上がりなさい!」

 

 すかさずボールを前に走るアフロディのもとへ送る。

 

「ヒロトは涼野、木暮は南雲をマーク、壁山は後ろでフォロー」

「うん」

「分かった!」

「はいッス!」

 

 3人に指示を出し、オレ自身は……

 

「ようやく本気を出してくれたね」

「最初から本気だっての」

 

 ボールを持っているアフロディをブロックしに行く。

 

「君との勝負ならアレを使いたいけど……君の手が限界だから控えた方がいいかい?」

「いいや、1回くらいなら大丈夫だ」

「そうかい?じゃあ、遠慮無く」

 

 アフロディは足を止め、代わりに手を挙げる。オレもそれに習い、足を止めて手を挙げた。そして……

 

「ヘブンズ――」「イビルズ――」

「「タイム!」」

 

 鳴り響く指パッチンの音と共に、周りの全てが静止する。この世界で動くことができるのは、技の発動者であるオレとアフロディのみ。

 

「懐かしいね……FFの決勝戦。あの時の借りを返させてもらうよ」

 

 そう言ってドリブルで突っ込んでくる。

 

「こっちも負けるつもりはねぇよ」

「それでこそ倒しがいがあるってものだよ」

 

 フェイントで突破しようしてくるが……

 

「抜かせねぇよ」

「君も成長してるってことだね」

「お前こそ、前より動きにキレがある。少なくともダークエンペラーズと戦ったあの時よりも、上手くなっているな」

「お褒めに預かり光栄だね。ただ、そんな僕を1対1で止めるなんて君も流石と言ったところ。……だったら、これならどう?」

 

 そう言って左右に揺さぶりをかけようとしてくる……この動きなら……

 

「こっちだろ?」

「そうだね……でも、僕の勝ちだよ」

 

 アフロディが抜こうとした方向を見極め阻止することに成功した……ように思えた。

 

「なっ……!」

 

 アフロディの足下にはボールがなくなっていた。そして、気付けば周りの時が動き始めている。

 

「君の弱点は必殺技の最中にイレギュラーが混ざること……ヘブンズタイムで止まっている選手にパスを出すのは想定外のようだったね」

「……クソッ。だがパスを出された側からしても、それはイレギュラーだろ。オレとお前が必殺技を使った次の瞬間には自分の方にボールが飛んできているなんて……」

「そうだね。でも……」

 

 ボールはバーンのもとへ飛んでいく。木暮はいきなりやって来たボールに対し、驚いた表情を向ける中、バーンは想定内と言わんばかりに笑っていた。まさか……

 

「伝えておけばいいだけ……だよね?」

「アフロディ!」

 

 ダイレクトで返すバーン。そのボールはアフロディの足下ではなく、遙か上空へと返される。まさか……とアフロディの方を振り返ると、既に黄金の羽を生やして飛び立った後だった。

 

「円堂!」

「来い!アフロディ!」

「行くよ、円堂君……ゴッドブレイク!」

 

 今から跳んでも間に合わない……判断と同時に円堂に声をかけ、自陣ゴールへと走って行く。やられた……オレからすれば想定外でも、アイツらにとっては想定内。向こうはオレがイナズマジャパンのメンバーであることを知っていて、アフロディがオレと必殺技で作った誰にも邪魔されないであろう空間で戦うことが最初から想定されていた。ヘブンズタイム中でのパス……ボールを蹴った瞬間に時が動き始めたことから、ヘブンズタイム中でシュートを撃とうとしても同じ事が起こる……制約ってとこか?

 

「正義の鉄拳G5!」

 

 正義の鉄拳とゴッドブレイクがぶつかり合う。

 

「くっ……!」

 

 徐々に拳は押し込まれて行くも、必死に耐える円堂。

 

 パリンッ!

 

 拳の弾ける音がする。正義の鉄拳が破られてしまったのだろう。……だが、

 

「流石の粘りだ、キャプテン。お陰で間に合った」

「十六夜!」

 

 跳び上がると回し蹴りの要領でボールを弾く。弾いた先には飛鷹が居て、慌ててボールを確保する。

 

「クリアだ!来てるぞ!」

 

 そこにガゼルが素早くボールを奪おうとプレスをかける。初心者だから……というか、急に来たボールと相手の存在に慌ててしまったようで、あたふたしている。そして、そんな彼からボールを奪うガゼル。

 

「これで決める!」

 

 そしてシュートを放った。シュートを早く打つ為に必殺技ではなくノーマルシュートを採用したのだろう。こちらは、円堂が正義の鉄拳を打った直後で反応が遅れてしまい、オレ自身も先程のクリアでゴールの中に居て体勢を崩しているため、フォローが間に合わない。このままでは失点する……

 

「通さないッス!ザ・マウンテン!」

 

 そう思っていた時、シュートコースに割って入った陰が1つ。壁山だ。今までのような壁ではなく、彼の背後には山がいくつもそびえ立つ。その山によってシュートは弾かれ、ラインの外へと出て行った。

 

「ナイス壁山!」

「すげぇじゃねぇか!」

「おぉー!俺、やったッス!」

 

 ここに来て壁山が新必殺技を身につけたとか……すげぇなおい。今までのザ・ウォールよりも頑丈で隙が無い技……進化させやがった。

 

「……ただ、やっぱり止めるの苦労しそうだな……」

 

 キーパー視点とまた少し違う感覚……対峙して分かるが、やっぱりこいつらは油断ならねぇな。




今更だが、十六夜くんって絶対ラスボスに相応しい性能しているんだよな……
今まで使ってきた全ての必殺技・戦術が一切通用しない。出し抜くには、対峙する中で新たな必殺技を身に着けるか、今までの必殺技を進化させるしかないって……間違いなく主人公の前に立ちはだかる敵ポジションなんだよ……おまけにチームプレーが苦手っていうね。
ちなみに味方に居ると敵が突破するためにどんどん進化していくという……お前、難易度上げる天才か?ちなみにこの男のせいで、既にオルフェウスとリトルギガントは強化確定なのは察しがついているでしょう。他の世界大会出場チームも差はあれど強化されている可能性が……?
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