超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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この世界、SNSが現代くらい発達していたらとんでもないことになりそう……
多分ネット上で議論がやばいことになってると思う。


VSファイアードラゴン ~世界への切符~

 ボールは弾かれ、外に出た。

 

「わわっ!?豪炎寺さんが吹き飛ばされたッス!」

「い、十六夜!?」

「何しているんですか!?」

 

 ゆっくりと降り立つ十六夜。その目は吹き飛ばされた豪炎寺を見ていた。

 

「オレが言えた立場でもねぇってのは重々承知だ。でもさぁ……そろそろ起きろよ。オレも寝過ごしたけど、これ以上寝てたら試合が終わるぞ?お前はこのイナズマジャパンのエースストライカーなんだろ?」

「…………」

「そうじゃねぇとオレがその座を奪い取る。オレが次の1点取って、イナズマジャパンを勝利させる」

 

 そう言うと、十六夜は豪炎寺から背を向けて歩き出す。もうそれ以上言うつもりはないって事だろう。

 立ち上がった豪炎寺。そこに別の声が届く。

 

「そうだぜ豪炎寺!」

 

 円堂だ。ゴール前から豪炎寺の方へ歩いてきた。

 

「お前の親父さんにも見せてやろうぜ、サッカーの素晴らしさを!」

「十六夜……円堂……」

 

 すると目を閉じて何かを考える豪炎寺。少しして目を開けると、何処か吹っ切れた様子を見せる。その様子を察してか、全員がポジションにつく。

 

「さっきの……まるであの時と同じ光景だったね」

「そうですね……」

「まぁ、立場が逆転してましたけど」

「あの時……?」

「うん。前にね、十六夜くんが今の豪炎寺くんみたいに自分のプレーが出来ていないなぁってことがあったの。もちろん、理由は違ったと思うけどね」

「その時なんですよ!豪炎寺先輩が十六夜先輩にファイアトルネードを当てたんです!」

「豪炎寺くんの説教を受けて、十六夜くんが少し変わったんです」

「そうなんだ……でも、確かにさっきまでより吹っ切れたみたいだね」

 

 十六夜の件は詳しく知らないが……おそらく、雷門とジェネシスが富士山で戦ったあの時だろう。……なんというか、十六夜がああなった原因を作った身としては触れにくい話題だな。

 ファイアードラゴンボールで試合再開。ボールはチャンスウが持った。

 

「十六夜!」

 

 そんな状態で豪炎寺は、ブロックに行った十六夜からボールを要求する。まだボールを奪えていないのにだ。

 

「早すぎだろ……まぁ、いいけどさ」

「ならく落とし!」

 

 十六夜がチャンスウに向かっていく。そんなアイツを見てチャンスウはならく落としを放ち、ボールをぶつけようとする。

 

(ボールにぶつかっても、ボールを避けても相手の思う壺……だけど、もう負けない。コイツが何を考えていたとしても、もう抜かせない)

 

 十六夜は軽く跳び上がる。しかし、アレではボールにぶつかったときに衝撃で飛ばされる……何を考えているんだ?

 

「残念ながら、軽く当たっただけでもボールは私の下に帰ってきますよ」

「んな事想定内だバーカ……豪炎寺、今度は受け取れよ」

「なっ……!なんて力業を……!」

 

 自分に向かってくるボールに対し、蹴りを加える十六夜。その回転の勢いが強かったためか蹴った瞬間、空中に居た十六夜は弾かれてしまいフィールドの外まで吹っ飛ぶ……が、代わりにボールは豪炎寺のもとへ飛んでいった。

 

「ナイスパス……虎丸!今度こそ決めるぞ!ついてこい!」

「はい!」

 

 そのボールをしっかり受け取った豪炎寺は虎丸と共にゴールへと走って行く。

 

「タイガー!」

「ストーム!」

 

 そして、2人の連携技タイガーストームがゴールへと向かう。炎を纏ったボールの後ろを虎が咆哮をあげながら走って行く。

 

「大爆発張り手!」

 

 ボールは相手キーパーの正面。威力は先ほどまでと違い、しっかり保たれている。

 ボールに対し繰り出される張り手……しかし、放たれたシュートは止まることなく、キーパーを吹き飛ばしてゴールへと刺さった。

 

「豪炎寺さん!」

「ああ、やったな」

 

 遂に完成した必殺技で8-7と逆転する私たち。残り時間もあとわずか……だが、ファイアードラゴン側は諦めていなかった。

 

「ナイスシュート、豪炎寺」

「ありがとな、十六夜」

 

 そして、ファイアードラゴンのキックオフで試合再開。

 

「まだだ……まだだ!」

「うぇ!?お前、目あったの!?」

 

 フィールドでは失礼な驚き(多分素だろう)をする十六夜。なんと、チャンスウの目が開いたのだ(多分閉じていたわけではない)。

 そして、チャンスウ、アフロディ、バーン、ガゼルの4人が速攻を仕掛ける。ボールはアフロディが持った。

 

『カオスブレイク!』

 

 放たれたシュートがゴールへと迫る。先ほどまでのカオスブレイクよりも威力が上がって見える。

 

「「「キャプテン!」」」

「円堂!」

 

 フィールド、ベンチにいる全員が円堂の方を見る。

 

「この一点……絶対に守ってみせる!」

 

 先ほど見せたように、右手に力を込め、跳び上がる円堂。

 

「いかりのてっつい!」

 

 振り下ろした拳。先ほどと違い、地面に叩きつけられてもなお、ボールは勢いを保ったままだ。

 

 

 

 

 

 ゴール前で光の爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 力と力がぶつかり合い、何かが爆ぜた。

 巻き起こった煙……それが晴れるとそこには……

 

 

 

 

 

 ピ、ピー!

 

 

 

 

 

 地面にめり込んだボールはゴールラインを割っておらず、衝撃で飛ばされた円堂だけがゴールの中で尻もちをついていた。

 つまり、ボールはゴールに入っておらず点は入れられていない……

 

『ここで試合終了!8-7と壮絶な点の取り合い!この激戦を制し、世界への切符を手にしたのは、イナズマジャパンだぁ!』

 

 最終スコア8-7でイナズマジャパンは決勝戦を勝利し、世界大会進出を決めたのだった。

 

「勝ったぞぉぉおおおお!」

「「「おおおおおぉぉぉ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、円堂。あの人は?」

「豪炎寺の親父さん……だな」

 

 ベンチで世界大会進出の喜びを分かち合う中、観客席の方へと向かった豪炎寺のもとに1人の男の人がやって来る。

 

「父さん、ありがとう」

 

 豪炎寺が何を抱えていたかは分かっていないが……観客席を気にしていたことや、円堂が豪炎寺に対しお父さんに見せるとか言ってたし……あの人が関係しているのか?

 

「……いい試合だった。世界大会も楽しみにしている」

「な、なぁ、十六夜。今のって……」

「いや、普通に祝福じゃねぇの?何があったかよく知らんけど……」

「歩いて行くがいい。お前はお前自身の道をな」

 

 そう言って立ち去っていく豪炎寺のお父さん。

 

「どうした円堂。すげぇ、嬉しそうだけど」

「だってぇ……だって!これで豪炎寺も一緒に世界で戦えるんだぜ!」

「はぁ?どういう――」

 

 ――ことって聞こうとしたが、きっと豪炎寺と円堂しか分からない何かがあったんだろう。見る限りでは、解決したようだしここで蒸し返す話でもねぇだろ。

 

「豪炎寺!よかったな」

「ああ!」

 

 結果オーライってことでよかったよかった。

 

「十六夜」

「何だ?」

「ありがとな。お前のお陰で目が醒めた」

「オレだけのお陰じゃねぇだろ」

「フッ、だがあの一撃は中々効いた」

「それならよかった」

「それと、このチームのエースストライカーは俺だ。お前には譲らないぞ」

「ハッ、その座は奪うモノだろ?……次、同じ事があったら容赦なく奪うからな」

「そっちこそ。またぶつける嵌めにならないといいな」

「うっせぇー次あの状態になったら多分、円堂から正義の鉄拳が飛んでくるわ」

「それか、鬼道からのオーバーヘッドペンギンかもな」

「というか、お前は吹雪にもぶつけたことあるし、エターナルブリザードでも飛んでくるんじゃね?」

「じゃあ、お前にはヒロトの流星ブレードってとこか?一応、グランと同じチームだったこともあるし」

「……ははっ」

「……フッ」

 

 思わず笑ってしまう。ただまぁ、そういうことが起きないよう肝に銘じよう。 

 

「……まぁ、よくよく考えると世間的にはお前の方がエースストライカーに見えるだろうがな」

「え?何で?」

「この試合ではハットトリックを決めたし、個人での強力な必殺シュート持ちだろ?」

「おぉ……言われてみれば」

「自覚無かったのか……まぁいい。とりあえず……」

 

 豪炎寺が手を挙げたので、オレも手を挙げる。そして、軽くハイタッチをすると……

 

「って無茶苦茶いてぇ!?お前ハイタッチの威力どうなってるの!?」

「……お前の怪我も考えて、触れるか触れないかぐらいにしたんだが……」

「な、なんだこの激痛……!今まで感じたことのないような感覚……!」

「……これは世界大会の前に病院行きだな……」

 

 何とも締まらないが、この試合で怪我をしたメンバーと共に、病院送りが決定したのだった。

 そして表彰式も終わり、病院にて……

 

「しばらく運動禁止ね」

「What?」

 

 ……世界大会まで残り1ヶ月。そんな中で、オレは運動を禁止されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~NGシーン(ネタ)~

 

「十六夜さん!」

 

 アイツの前に出た虎丸からのボール要求の声。豪炎寺も虎丸の近くで準備している……

 

「…………」

 

 しかし、十六夜は虎丸に出すことなくシュート体勢に入る。

 

「オーバーサイクロンP!」

 

 十六夜の打てる最強の必殺技。地面を抉りながらペンギンたちと共にシュートはゴールへと向かうことなく、ある1人の選手……豪炎寺へと向かっていった。そして……

 

「豪炎寺!?」

 

 十六夜のシュートは豪炎寺を直撃した。

 

 ゴンッ!

 

 直撃し、彼をフィールドの外まで吹き飛ばし、観客席のところへと激突させた。

 

「わわっ!?豪炎寺さんが吹き飛ばされたッス!」

「い、十六夜!?」

「何しているんですか!?」

 

 ゆっくりと歩いて行く十六夜。その目は吹き飛ばされた豪炎寺を見ていた。

 

「オレが言えた立場でもねぇってのは重々承知だ。でもさぁ……そろそろ起きろよ。オレも寝過ごしたけど、これ以上寝てたら試合が終わるぞ?お前はこのイナズマジャパンのエースストライカーなんだろ?」

「…………」

「そうじゃねぇとオレがその座を奪い取る。オレが次の1点取って、イナズマジャパンを勝利させる」

 

 そう言うと、十六夜は豪炎寺から背を向けて歩き出す。もうそれ以上言うつもりはないって事だろう。

 

「「「…………」」」

「…………」

「……ん?どうしたんだお前ら?」

 

 と、ここでようやく十六夜は気付く。何かがおかしいことに……そう、

 

「ご、豪炎寺さん!しっかりして下さい!」

「き、気絶してる……!目を覚ませ!豪炎寺!」

「タンカー!誰かタンカーを!」

「無理もない……十六夜の本気のシュートを喰らって、吹き飛ばされて、壁に激突したんだ」

「…………」

 

 豪炎寺が起き上がる気配を見せないことに。

 

「あー……オレ、なんかやっちゃったか?」

「「「やり過ぎた馬鹿野郎!」」」




NGルートでは十六夜くん、なろう系主人公になりましたね。ちなみに、このルートではそのまま豪炎寺が離脱(復帰は絶望的)してしまうので、控えめに言ってヤバいルートです。流石に世界大会本戦を豪炎寺抜きでは詰むポイントがいくつか……



世界編を考えるときに一番最初に思いついたこと、この試合で豪炎寺にファイアトルネードを当てること。
そのために、ジェネシス戦では最初の構想を少し変え、十六夜くんを精神的に追い詰めて、豪炎寺にファイアトルネードをぶつけてもらったのは内緒。十六夜くんはこの3ヶ月、陰でファイアトルネードを自力で習得した模様。(まぁ正確には、陰で身に付けた数ある必殺技の内の1つがファイアトルネードだったわけだが)
ちなみに、豪炎寺の事情を知らないようにするため、十六夜くんは徹底的に隔離された模様。そのために、アジア予選はずっと個人練習だったんだから(超メタ発言)。だって、流石に知ってたらそんなことやらないだろうし…………多分。え?やらないよな?……怪しいけど、多分大丈夫でしょう(何が?)。


当初の予定では、週1投稿はファイアードラゴン戦までにする予定でしたが、続けられる限り続けていきます。……唐突に切れたら察して下さい。
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