ちなみにナイツオブクイーン戦は早くてGW明けくらいかも?
そんなこんなで3週間くらいのリハビリ、療養生活を終え、遂に運動が解禁された。そんな昼……
「次、10本目」
「へーい」
ピー!
ペンギンを呼び出して足に喰い付かせる。
「皇帝ペンギン1号!」
真紅に染まったペンギンたちがボールとともに無人のゴールへと突き進んでいく。
「十六夜、身体に異常は?」
「一切ないな」
「これでいいんじゃないか?鬼道クン」
「ああ。間違いないだろうな」
ボールを取りに行っていると、不動と鬼道が後ろで話している。
「試合中で気付かなかったわけではない。十六夜は皇帝ペンギン1号を放っても、一切身体に負担が掛からないことがこれで確定した」
「常人なら1本ですらキツく、3本撃とうものならサッカー人生を左右され病院行きだが、コイツは10本撃っても何ともない……影山もビックリだろうよ。禁断の必殺技をポンポン撃つヤツが居るなんてな」
「想定されていない……イレギュラーだろうな」
「間違いねぇ。イレギュラーと言うべきか……人間とは思えない、バケモノとでも言うべきか」
「バケモノとはひでぇなおい……これでも歴とした人間だと自負しているんだが……まぁいいや。で?結局この技は試合中に使っても問題ないのか?」
「ああ、大丈夫だ」
「
「まぁ、アッキーの頼みなら聞いてやらんこともない」
「……ちょっと待てクソペンギン。今、俺のことなんて呼んだ?」
「え?アッキー……ん?アッキーこそ今なんて呼んだ?」
「……おいクソペンギン。その呼び方はやめろ。つぅか、誰に聞いた!」
「すげぇ……よく聞いたって分かったな。えっと、この前、豪炎寺に勧められて行った、髪切るところの人。イナズマジャパンの試合を見てたって話から発展して……」
「豪炎寺だと……!?アイツも同じところに……いや、待て。俺の方が後に行ったってことか……!?」
「どうしたアッキー?」
「アッキーやめろ!」
「えぇーいいじゃん、アッキーで」
と、不動が急にオレの胸当たりにパスを出した。
「ん?どうし……」
「ジャッジスルー2!」
「あーね。ボス」
不動がボールを蹴るより速く、オレは後ろに下がり代わりにボスがボールを受ける。
『盾にするな』
「ちょっ!?」
「まぁまぁ、アッキーの気が済むまで付き合ってやってくれ」
「はぁ……お前たちなぁ……」
ボスのお腹にボール越しに蹴りを加え続けるもビクともしない。ジャッジスルー2……って2?2って見たことあったっけ?2がどんな技か忘れたような知らないような……とにかく、しばらくすると不動は諦めたようだ。
「ケッ、もう知らねぇ」
「ヘイ、鬼道。アッキー呼びが公認されたぜ」
「認めてねぇよ!次は絶対ぶっ殺す!」
そう言って立ち去っていくアッキー……もとい不動。やれやれ、そんなにいらついてもいいことないのに。
「お前なぁ……まぁ、いいか」
「お前の諦めるスピード上がってね?」
「もうどうしようもないって悟ったからな」
「ひでぇ」
「おーい!十六夜!」
と、そこに現れたのは円堂と豪炎寺だった。
「おーどうした?円堂」
「俺にシュートを打ってくれ!」
「はぁ?……って何かこの流れ前にもあったな。
「お前のオーバーサイクロンPを止められるか試してみたい!」
ということで円堂がゴールまで走っていって構える。いや、もう撃つこと確定かよ。誰も承諾してねぇぞ?
「よし来い!」
「たく……分かったよ」
こっちもシュートを撃つために場所を移動する。そして……
「オーバーサイクロンP!」
現時点でオレの放てる最強のシュートを放つ。
「いかりのてっつい!」
一方の円堂は、この前の試合で習得した必殺技で対抗する。ボールを地面に叩きつけ止めようとする……が、
「うわああああああっ!」
シュートによって生み出された風が円堂を吹き飛ばし、ゴールへと押し込んだ。
「今のイナズマジャパンで最強の必殺シュートだな、鬼道」
「ああ。現時点でこの必殺シュートを越えるものはない。だが……」
「世界一になるためには、この技を越える必要があるか……面白い」
「フッ、ストライカーとしての血が騒ぐってところか?」
「そんなところだ」
「おーい、円堂ー大丈夫かー?」
円堂は立ち上がると、こちらへやって来る。
「すっげぇ必殺技だよな十六夜!俺のいかりのてっついでも止められなかった……くぅ!やっぱりすげぇよ!お前はさ!」
「ははっ、まだまだ満足してねぇよ」
「むしろ、その意気じゃないと困る」
「オレはもっと強くなる。モタモタしていると置いていくぞ、お前ら」
「フッ、すぐに追いついてやるさ」
「ああ!ってそうだった、お前に聞きたいことがあったんだよ」
「ん?」
ということで、円堂について行って宿舎のヤツの部屋へと入っていく。豪炎寺、鬼道も一緒だ。
「コレなんだけどさ……」
「うわぁ……なんだコレ?暗号か?」
「お前も見覚えがあるはずだぞ、この字はな」
「この字って……ああ!この汚くて読めねぇヤバさの次元が違う字は円堂のノートの字か!」
「正確には、円堂のお爺さんの字だな」
「はぁ……で?これがどうした?」
「頂上で待っている……そう書かれたこの手紙が韓国戦の数日前に送られて来たんだ」
「……ちょっと待て。円堂、お前の爺さんは……」
「ああ、昔に亡くなっている……」
死者からの手紙……?そんな非現実的なこと……この世界だとあっても不思議じゃないのか?いや、周りの反応的に流石にあり得ない……のか?自信を持って断言できないんだけど……とりあえずあり得ない体で進めるか。
「一応、お前以外は全員知っている。手紙が届いたタイミングで居たからな」
「……え?オレだけハブられた?」
「お前だけ個人練習だったからだろ」
「はぁ……で?お前らの見解は?」
「頂上……FFIのって考えると、何処かの国のチームが関わっている可能性がある。しかも、この字は紛れもなく円堂大介の字だろう」
「まぁ、こんな字を真似するなんてほぼ無理だし、メリットがねぇ……」
「ただ、当の本人が昔に亡くなっている以上、そんなことはないはずだ」
「なるほどねぇ。絶対にあり得ない結論に至ったせいで、困惑中と……」
思ったが、円堂の不調の原因ってこの手紙もなのか?おいおい……
「それでお前ならって……」
「悪いがさっぱりだ。ただ、この字は円堂大介の字で間違いないんだろ?」
「ああ……何度も見てきたんだ。間違いないと思う」
「だったら、可能性として挙げられるのは円堂大介が本当は生きていたってパターンだな」
「でも!……でも、それだったら、何で爺ちゃんは連絡一つなかったんだ?」
「表面上は死んだ人間だからじゃないのか?」
「なるほど。円堂大介は確かに死んだとされているな」
「ああ、それは間違いない」
「生きていたら誰かにとって都合の悪い存在……だから、死んだってことにしている。そして、そうしている以上、家族でさえ生存していることを伝えられなかった……まぁ、オレの想像だけどな。そういう系の事件を昔に見たことがあるだけだ」
「昔って……お前、いくつだよ」
「オレにとってはお前らと
「まぁ、あれからエイリア学園との激闘をする中、お前はスパイ活動。そこから3カ月の間、俺たちは各々学園生活を送りながらサッカーをやっていて、お前は留学。FFIの予選で世界を相手に力を合わせようとする中、お前はずっと独りで挙げ句暴走状態に陥ることに。そして、決勝戦から3週間近く、俺たちは各々のレベルアップと本戦に向けて特訓を重ねる中、お前は療養とリハビリで……」
「……何かオレだけやってること違くね?」
「バカだからだろ」
「オイコラ」
「ただ、昔に感じるには十分濃いな」
危ねぇ……思い切り前世でそういう事件が題材の推理モノを見たって意味だったが、上手くごまかせたな。
「と言ってもこれだけじゃ真実は分からねぇ。この手紙に何かしらの意味があるならFFIで優勝すれば分かるんじゃないか?もちろん、これが誰かの仕組んだ罠だったとしても、何かは分かるはずだ」
「そっか……そうだよな!FFIで勝ち進めばこの手紙の意味も分かるんだ!」
そう言うと何処か吹っ切れた顔をする円堂。
「よぉし、この勢いでFFIを優勝しようぜ!」
「そのつもりだ」
「ああ」
「もちろん」
「よし、今から特訓だぁ!行くぞぉ!」
そして部屋を飛び出す円堂。
「全く……というか、お前ら知ってたのかよ」
「寧ろ、お前が知らなさ過ぎだ」
「本当にな。この感じだと、飛鷹のアレも知らないんじゃないか?」
「アレって何だよ」
「俺たちも行くぞ」
「だな」
「ちょっ、おいって。え?おい何かあったのかよ!まさか、お前らのバスが遅れた時に何か……って鬼道!お前、気にしなくていい的なこと言ってなかったか!?というか、豪炎寺!お前も結局何があったんだよ!」
「「もう終わったことだ」」
「お前ら隠し事多くねぇか!?」
「「お前には一番言われたくない」」
「オレたちチームじゃなかったのかよ!?……ってよく考えるとこの台詞をオレが言うと物凄い違和感で吐きそうに……って置いてくなよ!おいぃぃぃぃぃっ!」
「なぁ、八神」
「どうした?」
「どこに向かってるんだ?」
「内緒だ」
「…………」
円堂の手紙の件を教えてもらった次の日……八神に連れられて何処かに向かっていた。
『まぁ、治ったと言ってもまだ無理は出来ないからね。世界大会まではペースを落とすんだよ?』
「……前向きに善処する方向で検討したいかと思います」
『うわぁ……絶対ペース落とさないなぁ……』
頭の上に乗ってるペラーがそう言う。まぁ、無理はしないようにしますか。……と言っても昨日は常人なら身体を壊す技を何回も撃ったんですけどね。
「そこのところをどうか……教えては頂けませんか?」
「秘密……というか言ってなかったか?」
「言ってないです。言ってないからあなたはもったいぶっているのでは?」
「それもそうか。姉さん……ネオジャパンのところだ」
「はい?」
一体どういうことだろう……新たな疑問を抱きながら、八神に連れて行かれるのだった。
次回、連行された十六夜の行く先では何が……?