超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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VSチームK ~X~

「じゃあ、皆!ちょっと行ってくる!」

「うん、気をつけてね」

「いってらっしゃい」

 

 アルゼンチン戦前日の朝、円堂、鬼道、佐久間、不動の4人が宿舎からイタリアエリアに向けて出発する。

 昨日は練習の途中から行方不明になっていた4人が夕食前に帰宅。夕食の場で、円堂たち4人と十六夜の計5人が、今日イタリア代表の座を賭けて影山が監督のチームKと試合をすることが伝えられた。本当は響木さんもついて行きたかったそうだが、今日は本部から呼び出しを受けたとかで、彼らだけで行くことになった。

 ちなみに十六夜は宣言通り昨日は帰らず、おそらくチームKとの決着がついてから来るのだろう。

 

「……まったく……十六夜のバカ、勝手に動いて……」

「まさか、イタリア代表のメンバーを守るために動いていたとはね……」

 

 朝食の片付けも終わり午前の練習がスタートする。久遠監督は皆に指示だけ伝えて、本部に向けて出発した。

 

「でも、影山は危険な男ってお父様も言っていたからね。十六夜くんの判断は正しかったと思うよ」

「他人を巻き込まないように黙って……か。やれやれとしか言いようがないな……」

 

 多分、エイリア学園の時もそうだろう。十六夜が単身で乗り込んできた裏には、多くの人を巻き込まないように……まったく、お人好しというかバカというか……

 

「た、大変です!」

 

 すると、目金が大声をあげながらグラウンドに入ってきた。

 

「騒々しい。一体どうしたんだ?」

「じ、実は今、本部から連絡があって――」

 

 目金からの報告は衝撃的なものだった。

 

「…………ねぇ、八神。これって……」

「……まさかこんなことが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 円堂たちとオルフェウスの選手のメンバーの挨拶も終え、怪我したメンバーを含めた全員でミスターKの下へと行く。

 

「ククク……久しぶりだな鬼道!」

「影山!」

 

 ミスターKは正体を隠すつもりがないらしい。……隠れてこそこそってわけじゃないのか。

 

「私の最高作品……お前は必ず来ると思っていた」

 

 ……ん?必ず来る……知っていたというのか?

 

「黙れ!貴様には聞きたいことが山ほどある!」

「常に冷静であれと教えたはずだぞ」

 

 後ろに並んでいるのはチームK。彼らが今日の対戦相手……だが……

 

「……引っかかる言い方だな……」

 

 この代表交代を賭けた1戦……狙いはイタリア代表の座だと思っていた。だが、それだけでは腑に落ちない点は確かに存在していた……が、来ると思っていた……か。

 

「……っ!?な、なんだ!?」

「鬼道に……そっくり!?」

 

 そんな影山の後ろから出て来た男は、髪型、ゴーグル、マント……なんというか鬼道にそっくりな男だった。

 

「紹介しよう。これが私の新たな作品、デモーニオ・ストラーダだ」

 

 ……鬼道とそっくりだけど、名前は全然違った。生き別れの双子説がワンチャンあるかと思ったが、鬼道の出生を考えればその可能性は限りなく低かったわ。

 

「鬼道より鋭く、速くそして強く!私の作品はここまで進化したのだ!」

「……そこまでするかね」

「未練が残ってんのか?」

 

 鬼道を基準としているあたり、この男は何としても鬼道を自分の手に置いておきたいのか?

 

「私はこのチームKで世界の頂点を極め、全てのサッカーを否定し破壊する。お前たちの未来は彼らによって破壊されるのだ」

 

 ……サッカーを否定し破壊するって……前から思うがコイツ、サッカーにどんな感情を抱いているんだよ……色々と重すぎだろ。

 

「ミスターK!約束です、この試合で勝った方がイタリア代表になると!」

「安心しろ、約束は守る。サッカーは勝つことが全て……負ければ存在する意味がないからな」

 

 負ければ存在価値なし……か。その点は共感できるな。ただ、だからと言って勝つために何でもするってのはあんまり分かりたくないな。

 

「お前……!まだそんなことを!」

「鬼道有人!この試合でお前には消えてもらう。俺たちこそが総帥の理想!究極のチーム!そして、俺が究極だ!」

「…………」

 

 究極ってなんだっけ?

 

「さぁ、勝負を始めよう」

 

 ということでチームKとオルフェウス・イナズマジャパンの混合チームはそれぞれアップを始める。……あ、いきなり試合開始じゃないのね。しっかり時間を取ってくれるのね。

 

「アヤト、昨日言っていたフォーメーションで問題ないかな?」

「……ああ。それで大丈夫だ」

「……考え事かい?」

「まぁな……ちょっと気になる言葉があってな。試合では切り換える」

「そう……マモル!」

「……ん?」

「あ、君のことエンドウじゃなくてマモルって呼んでもいいか?」

「もちろん!フィディオ!」

「ありがとう!それじゃあ、今日の試合のことなんだけど……」

 

 と円堂と打ち合わせをしているのを尻目に見つつ、ミスターKの方を見る。

 鬼道は必ず来る……そう言っていた。でも、鬼道とオレたちが会ったのは偶然なはず……いや、その前にワザと鬼道の前に姿を現したとか?アイツが現れれば、鬼道は嫌でもそっちに行ってしまうから……それを見越してワザと?イタリアエリアまで来てくれれば、後はどうにかしてオルフェウスと出会わせて……そう考えると引き返させるべきだったか?……いや、影山のことだ。自分を餌に鬼道を釣った……クソ、面倒なことをやってくれる。

 

 パンッ!

 

「……ん?」

「な、何をする!?」

 

 見ると、同じく何かを考えていた鬼道に不動がビンタしていた。……はい?

 

「どうだ、少しは頭が冷えたか?あ?」

 

 ビンタした不動は謝ることなく続ける。

 

「いつもチームでどうの言っているわりには、周りのことが目に入っていないんじゃねぇの?影山を倒すのはお前じゃない。()()()じゃなきゃいけねぇ……そうだろ?」

「…………」

「……鬼道、()()()をやってみないか?」

 

 あ、不動が珍しく鬼道のことをクン付けじゃなく呼び捨てにした……じゃなくて、あの技?

 

「あの技?まさか、お前!皇帝ペンギン1号を使うつもりか!?」

「冗談キツイぜ。あんなおっかねー技、使い手はそこのバカだけで十分だろ」

 

 え?あの技っておっかないの?……こわぁ……使うのやめよかな?(今更である)

 

「今の俺たちでやろうぜ、皇帝ペンギン1号の威力と皇帝ペンギン2号のバランスをもった技をな」

「なっ!そんな技があるのか!?」

「え?佐久間も初耳なのか?」

「……っ!まさか、あの幻の究極奥義を……!」

 

 佐久間が驚く中、鬼道には思い当たる節があったよう。え?何、幻って……

 

「出来るのか?不可能だと言われ続けた皇帝ペンギン3号が……!」

 

 あれ?幻だからてっきり0号だと思ったけど、3号なのね。0の方が幻だと思うけど……その内4号出たらどうするんだろうか。

 

「この島で影山を見つけたときは驚いたぜ。でも、同時に思った。……アイツを見返してやりたい、俺に二流って言いやがったアイツを見返してやりたいってね。そのためには習得不可能だと言われていた皇帝ペンギン3号を完成させるのがいいと思ってな。だが、そんなことを考えていると知られ、特訓も邪魔をされたらかなわない。それどころか、ヒントを掴まれて先に完成されたら癪だからな。そこで、影山を油断させるため、寝返ったフリをしたわけ」

「え?アッキー、寝返ってたの?」

「コソコソ調査していたお前には言われたくねぇーよ。あと、アッキー言うな」

 

 なるほど……昨日、鬼道が不動を怪しんでいたのはそれか……

 

「だがなぜ本当のことを黙っていた?俺たちに話してくれていても……」

「まったくーそうしていれば少なくとも仲間内ですれ違いはなかっただろうに……やれやれだ。何でお前らは面倒ごとを拾ってくるのが上手なんだよ」

「「お前が言うな」」

「え?」

「……それに、本当のことを言ったところで、お前らは信じていたのかよ」

 

 ……まぁ、円堂はともかく、鬼道と佐久間には疑われていただろうな……そんなの出任せだって。

 

「まぁいいさ。どうせ俺はチームでの嫌われ者だからな」

「ふ、不動……」

「なんてな。しかし見ものだったぜ鬼道クン。お前の焦った顔はよ」

「これからは不動にもっと優しくしないとな……」

「気持ちわりぃこと言うんじゃねぇ」

「不動……疑って、すまなかった」

「鬼道……」

 

 鬼道が不動に素直に謝った。自分の非を認めるって大事だね。

 

「……こっちも気持ちわりーな。お前はいつも通り、偉そうにしてりゃいいんだよ」

「……ツンデレか?」

「うっせぇぞアホペンギン!」

 

 いやー……ねぇ?なんというか……不動っていいやつだなーって改めて思ったわけですよ。決してからかいたい気持ちがあったからではない。

 

「ああもう、鬼道!お前の能力が俺の期待通りなら皇帝ペンギン3号は必ず完成する!」

「面白い、やってみる価値はあるな。遅れは取るなよ、不動」

「俺にも協力させてくれ!俺たち3人なら完成させられるはずだ!」

「フッ……」

「さぁ、行くよ皆!必ず勝つんだ!」

「「「おう!」」」

 

 何処か吹っ切れた様子の鬼道……それだけじゃないか。不動も佐久間も……イナズマジャパンのメンバー全員が同じところを見ている。

 

「ブラージ、これ置いといて」

 

 そう言っておもりを投げ渡す。

 

「おう!って重いな!?……さっきまでコレつけてウォーミングアップしてたのかよ」

「まぁな。試合じゃ流石につけねぇよ」

 

 グローブをつけながら考える。この試合、オレはオレに出来ることをする……イタリア代表の座はフィディオたちのものだ。

 

「それではイタリア代表決定戦を始める!」

 

 それぞれポジションにつく。今回はこんな感じだ。

 

 FW フィディオ 佐久間

 

 MF ダンテ 鬼道 不動 アンジェロ

 

 DF マルコ 十六夜 ガッツ ベント

 

 GK 円堂

 

 フィディオたちと相談した結果、こんな感じだが……どうなることやら。

 そして、チームKボールで試合が始まった。ボールはデモーニオが持った。

 

「真イリュージョンボール!」

「なっ……!」

「鬼道が抜かれた!?」

「あの技は……!」

「鬼道の……っ!来るぞ、マルコ!」

「……っ!ああ!」

 

 ワンテンポ遅れてマルコがブロックに行く……くっそ、彼らのことは知っているがそれでも合わせるのは初めて……イナズマジャパンとオルフェウスの選手で上手く連携が取れていない。

 

「円堂!来るぞ!」

「ああ!」

 

 マルコが抜かれたのでカバーに入る……が、10番とのワンツーで抜かれてしまう……クッ、合わせるのが初めてのメンバーだから動きが噛み合わねぇ……!

 

「これが究極のシュートだ!」

 

 ピーー!

 

 デモーニオは5匹のペンギンを呼び出した。ペンギンは宙を舞い、ボールの周りを飛ぶ。ボールには赤黒い力が込められていき、デモーニオの右足へと食いついた。そして、そのまま……

 

「皇帝ペンギンX!」

 

 シュートを放つ。皇帝ペンギン1号を超えた威力のシュートは真っ直ぐ円堂の守るゴールへと迫っていく。

 

「いかりの……っ!速い!」

 

 いかりのてっついを繰り出そうとした円堂の背中にシュートが直撃。そのままゴールに刺さった。

 

「何だ……今の……!」

「皇帝ペンギン1号……?いや、それ以上の技……」

「そんな技なのに……アイツは」

「見たか!これが究極のペンギン、皇帝ペンギンXだ!」

 

 デモーニオの叫び……アレが……

 

「皇帝ペンギン1号を超えた必殺技……か」

「おい、アホペンギン」

「何だい?アッキー」

「――――――」

 

 不動からあることを言われる。

 

「……行けるか?」

「……面白そうだな。乗ってやるよ、その策に」

 

 試合開始直後、デモーニオの力を見せつけるような一撃。0-1で試合は始まるのだった。




不動と十六夜……何をするつもりなんですかね?

チームK戦の原作との変更点(ざっくり)
強化ポイント
・十六夜加入。
・十六夜により、オルフェウス・イナズマジャパン双方が原作より強化。
弱体化ポイント
・イナズマジャパンの4人の合流が遅れたため、オルフェウスとイナズマジャパンの連携が取りにくくなる。
???ポイント
・影山の想定の中に十六夜も入っていること。

さて、どうなるんでしょうかね?
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