超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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試合終了後と協力者

 試合終了後……

 

「うぅ……勝てなかったでヤンス……!」

「すまない、円堂。勝てなくて……」

 

 円堂たちがスタジアムに合流してくる。

 

「いや、俺たちこそすまなかった。試合に出られなくて……」

「事情は十六夜くんにすべて聞いたよ。あれじゃ、しょうがないよ」

「すみません……!俺がイナズマジャパンのゴールを守れていれば……!」

「何言ってるんだよ!勝てなかったけど結果は引き分け!後2戦残ってるんだぞ!」

「ああ、そうだ。2試合を終えて勝ち点4……残りの2試合に勝てば勝ち点10で確実に決勝トーナメントに出られる」

「それに、やったじゃないか立向居!新必殺技で、アイツらのシュートを止めていたじゃないか!壁山たちも、俺たちが居ない中、立向居とゴールを守ってくれた!十六夜抜きでも相手に得点を与えなかった!」

「円堂さん……」

「キャプテン……」

「ああ。何より鉄壁の守りを誇る奴らからお前たちだけで1点取れたのは大きい。この1点は次へと繋がる1点だ」

 

 あはは……オレの分が除外されてるわ。まぁ、アレは1発限り、たった1人のものだからな……

 

「おい、イナズマジャパン!」

 

 と、そんな中でテレスの声が響き渡る。

 

「今度こそは絶対に負けねぇ!俺たちが勝利をもぎ取る!覚悟しておけよ!」

「テレス……ああ!次に勝つのは俺たちだ!」

「ふんっ、今度こそ点はやらない!」

 

 そして、引き返していく……と、途中でオレが座っているベンチの前で立ち止まり、こちらにやって来る。

 

「アイアンウォールを破ってゴールを決めたのはお前が初めてだ……次は必ず防いでやる」

「こっちこそ、次はお前のディフェンスを正面から抜いて点を決めてやる」

 

 立とうとするがそれを止めてくる。代わりに手を差し出し……

 

「次はしっかり整えてから戦えよ」

「言われなくても」

 

 握手を交わす。そして、歩いて去って行く……なんと言うか、テレスもイナズマジャパンを正式に認めてくれたって感じだな。

 

「……今の会話を聞くだけだと、お前ってFWみたいだな」

「……それを言わないでください、八神さん」

 

 にしても、試合も終わり緊張の糸が解けたせいか……

 

「そうだ……これは言っておかなくちゃな」

「何をだ?」

「ハーフタイムではありがとな。お陰で本気のプレーが出来た。……それと、お前の声、しっかり届いたから……ありがとう」

「フッ……そうか」

「……八神?」

 

 少し笑顔を見せる八神が手をオレの側頭部に持ってきて、そのまま頭を自身の膝……太股の上に乗せる。

 

「眠いんだろ?膝貸してやる」

「ありが…………すぅ」

「……秒だったな。……まぁいい。お疲れ様、十六夜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本の宿舎に帰ってきたオレたち(なお、オレは気付けば食堂に運ばれていたが)。夕食が作られる中、オレは外に出てある人と会っていた。

 

「……という感じですね。鬼瓦刑事」

「なるほどなぁ……響木たちにも話を聞いていたが……これは、運営が怪しいな」

「同意見です。影山1人にこんなこと出来るとは考えにくいです」

 

 メールで呼び出され、今回の件の話を聞きたいと言うことで合宿所を抜け出した。体力は少し戻ってきた。やっぱり、睡眠って大事なんだなと思いましたね、はい。

 

「それにしても、謎の集団に、交通事故での足止め、更には船のエンジントラブル……都合が良すぎるな」

「そうなんですよね……」

 

 分からないことだらけ……ってとこだな。

 

「それで、さっきの話で出て来たデモーニオという子だが……能力複製プログラムを受けていた可能性がある」

「能力複製プログラム……?確かに、デモーニオにはプログラムを与え、それに耐えきれず拒絶反応が出たと言っていたけど……」

 

 能力複製……まさか、鬼道の能力をコピーしようとしていたのか?でも、それなら影山の発言も納得できる。

 

「優秀な選手の能力をコピーした選手を作り、そいつらでチームを組めば強そうですね……ただ」

「ただ……何か気になることが?」

「はい。そのプログラムには拒絶反応を起こすリスクがある……それに、複製の元となった選手と同じ能力を持つって……リスクを負ってまでやる意味はあるのでしょうか?」

「何かしらの意味はあるんだろう。詳細は分からずじまいだがな。結局、響木たちも何で呼ばれたかうやむやらしい」

 

 ふむ……色んな選手の能力を……例えばイナズマジャパンなら、円堂と鬼道と豪炎寺を組み合わせれば、頭の回転が早い司令塔で、守護神としてキーパーにも君臨できるし、エースストライカーとして点を決めることが出来る……みたいな選手もできるだろう。

 だが、1人の選手を複製するのに拒絶反応というリスクを負う……何かコスパが悪いというか……試行錯誤で実験をしているように感じるな……

 

「……最後に、お前さんに言うかどうかは迷ったんだが……まぁ、どうせお前さんならすぐに気付くだろうしな」

「はい?」

「……影山と謎の男が会って話していた……そういう証言が得られている。ただ、信憑性はそこまでなんだが……」

「今回の件を考えると、そういうヤツが居ても不思議ではない……と」

「そういうことだ。じゃあな、また何かあったら連絡してくれ」

「はい」

 

 そう言って去って行く鬼瓦刑事。

 

「オレも戻るか……」

 

 ということで宿舎に戻る。そして、自分の部屋に戻ると……

 

「……なんだこれ?」

 

 1枚の紙切れが置いてあった。あれ?誰かが置いたのか?表には『十六夜綾人様』と書いてある。で、裏には……

 

『エントランスエリアの砂浜で待つ。

 ただし、1人で来ること。

 誰かにこのことを伝えた場合、破棄したものとみなす』

 

 ……差出人の名前はない……か。

 

「……誰が呼び出したんだ?というか……どうやってここに置いたんだ?」

 

 試合終了後に(円堂たちが)イタリアエリアで荷物を回収して、(円堂たちが)荷物を部屋に置いてから、オレは鬼瓦刑事と出会っている。(他の奴らが)荷物をこの部屋に置いたときには何かあったなんて聞かなかったぞ?それに、その前後にも誰からもこういうのが来てたって話も今のところ聞いてないし……

 

「罠の可能性か……」

 

 差出人不明の呼出状……呼び出す内容も時間も不明……ただ、しっかり脅しの一文はある……か。

 

 コンコン

 

「十六夜、ご飯だぞ」

「悪い、すぐ行く」

「後、監督から明日の朝は病院行きだと」

「うへぇ……」

 

 ここ最近、試合が終わる度に病院行きじゃないか?3試合連続なんですけど?え?疫病神でも()いているか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、夕食も食べ終わり、諸々と落ち着いた頃、オレは宿舎を抜け出して、紙に指定された場所へと向かう。

 

「というか、時間くらい指定しておけよ……まぁいいけどさ」

 

 夜風が頬を撫でる。差出人は不明……どころか、マネージャーズや八神にも軽く聞いたが、オレ宛の紙なんて届いてないし、居ない間も特になにもないって言っていた。じゃあ、どうやって差出人はオレの部屋に置いたのだろうか……?

 

「世界大会に潜む闇……か」

 

 それに、この島では何かが起きようとしている。今回は円堂たちを巻き込まないといいけど……アイツら、トラブルに首を突っ込みがちだからな……(特大ブーメラン)

 その前にオレが何とかしないと……

 

「やっぱり、来てくれたんだ」

 

 と、声をかけられる。この声は……

 

「昼間の女か」

「そうだよ」

「改めて感謝する。ありがとうな」

「別に、気にしなくていいよ」

 

 現れたのはフードを被った女だった。ただ、1人だけのようで男の方は一緒じゃないらしい。

 

「まぁ、十六夜綾人なら必ず来るって知ってたけど、一応言っておくわ。来てくれてよかった」

 

 ……ん?ちょっと待て?

 

「お前、何者だ。イナズマジャパンの関係者じゃないだろ?」

「そうだね」

「……どうやってこの紙をオレの部屋に置いた?」

 

 八神たちを経由して置いたわけではない。……じゃあ、コイツが置いたって話だが、どうやって侵入した?というか、どうやってオレの部屋を数ある部屋から特定した?しかも、部屋に置いた時間は、皆が宿舎内で自由にしていた時間……明らかに外部の人間が入ってくれば気付くだろ。誰にも気付かれず、オレの部屋にピンポイントに……

 

「その質問、意味ある?」

「オレの疑問が解決される」

「じゃ、どうでもいいよね?結果的にその紙は誰にも知られずにあなたの手元に渡って、あなたはここに来た。それでいいでしょ?これ以上、答える義理はない」

 

 フード越しで分からないが……どうやら、答える気は微塵もないらしい。

 

「……分かった。じゃあ、呼び出した理由を教えてくれ」

「あなたは、隠された闇を暴く覚悟はある?」

「はぁ?」

「あなたたちの多くは影山を基準に考えている……でもね、本当は違うの。影山はあくまで駒……そんなボスと対峙する気はある?」

「…………」

「どうせ、あなたのことだから、『何で影山のことを知っている?』とでも聞きたいんでしょう?でも、答えてあげない。だって、面倒だもん。知っているものは知っている……過程はどうでもいいでしょ?」

 

 1人で話を進めているが、それはオレが聞きたいと思ったことと合致している。……なんだ、この得体の知れないヤツは。

 

「……お前はそのボスとやらを知っているのか?」

「知っている。でも、教えてあげない」

「はぁ?」

「私が提案するのは、あなたがそのボスへ辿り着く手助けを私がすること。あなたが受けた時の条件は、私のことを他言しないこと……どう?受ける?」

 

 何を言っているんだ?敵の正体を知っているが教えない。でも、辿り着くための補助はする……意味が分からない。分からないが……何でこんなに、コイツの言葉は信じられるんだ?コイツはボスに関することを何一つ喋っていない。なのに、何でオレはコイツならボスを知っていると確信できているんだ?

 

「……断ればどうなる?」

「いいえ、あなたは断らない。だから、その質問は無意味……だけどそうね。あなたが1人で動いてバレて失敗。消されて終了でしょうね」

「……消される……か」

「当たり前でしょ?影山を駒として操るほどのヤツが、自分のことを嗅ぎまわる邪魔者を野放しにしておかないでしょう?」

「……じゃあ、お前が協力するメリットはなんだ?お前と居ても危険な橋を渡るだろ?」

「それは簡単、さっき言ったことを防ぐためだよ。私が協力すれば、あなたがバレずに秘密を入手できる確率が一気に上がる。そして、得たものをうまく使えば、事は上手く運ぶでしょうね」

「…………」

 

 なるほどねぇ……よくは分からねぇが、確かにそうか。表立って行動するわけにはいかないし、かと言ってただのサッカー選手が潜入調査しても捕まって消されるのがオチ……成功率が低いか。

 少し考えるが、1人で行動して成功するビジョンは見えない……別にその手のプロじゃないんだし、敵の強大さを考えると失敗して終わりか。そして、その失敗は命取り……

 

「いいだろう。受けてやるよその協力」

「そう来るのは知っていた。でも、ありがとうと言っておくね」

 

 そう言って、フードを取る女……いや、子どもか?

 

「失礼。今のあなたと同い年」

「ああ……って子どもじゃねぇか」

 

 それになんというか……見覚えがある雰囲気の女だな……初対面の気がしないが……まぁいい。

 

「お前のことはなんて呼べばいい?」

A(エー)。私のことはAと呼んで」

「A……ねぇ。コードネームってとこか?」

「どうでもいいでしょう?」

「1ついいか?」

「何?」

「お前はオレの味方か?」

「さぁ?あなたの選択次第で味方にも敵にもなる。でも、今は協力者……味方ってことじゃない?」

 

 ……イマイチ掴めないな、コイツ……

 

「じゃあ、明日の夜9時、雷門中の正門にて」

「いやちょっと待ておい!雷門中って……!」

「えぇ、あなたが想像している通り日本よ。来なかったら協力破棄と見なすから」

 

 そう言って何処かに消えていくA……

 

「…………」

 

 嘘だろ……初手が日本に帰るって……

 

「……でも、オレ1人がやれば、危険なことに巻き込まなくて済む……か。それに……」

 

 やれやれ、アイツの掌の上ってところか。どうやら、選択肢はすでにないらしい。さて……

 

「どういう言い訳をして日本に帰国しようか……」

 

 空を見上げると、月が空に浮かんでいた。




~オリキャラ簡易説明~

名前 ???(A(エー)
性別 女
所属 ???
年齢 今の十六夜と同い年
ポジション ???
備考 透明なペンギンを呼び出せる怪しい少女。一応、協力的だが……?

簡易過ぎて情報のほとんどが分かってないとかマジで?

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