超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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いやぁ……葬送のフリーレン良かったですね(バイトでリアタイ視聴は出来なかったが後で見た)秋アニメのワクワク感が高まっていきますね。
それにスパイ教室の最終話も良かった……!本当に推しが可愛いです。最新刊が1ヶ月延期になったけど、しっかり待たせて貰います。

と、過去編も気付けばその4ですね。その10までに……終わる気しないけどなぁ……まぁいっか。というわけでどうぞ。


過去編 ~1年生の終わり~

 冬休みに入る直前の12月中旬。十六夜綾人、自宅にて……

 

「それで綾人さん。私は一ヶ月程海外出張ですので、年末年始はお1人ですが、大丈夫ですか?」

「問題ない。で、いつも通り父さんは赴任先から帰ってこねぇんだろ?」

「えぇ、その通りです。あの人もお忙しいのでしょう」

 

 十六夜はリビングにて、母親と話をしていた。

 

「1年生も終わりに向かっていますが綾人さん?()()は覚えていますね?」

「……覚えている」

「それなら結構。それが私があなたにサッカーを許可している条件ですからね」

「……分かってるよ」

「定期考査で総合学年3位以内。受ける全ての模試で各教科偏差値60以上が最低条件です。もし、守れなかった場合はサッカーは即座にやめてもらいますから」

「何度も言わなくていい」

「そうですか。綾人さんは興味のないことはすぐに忘れてしまいますので、何度も言わないといざという時、約束を覚えていないなどと主張されては困りますので」

「……アンタの前で約束を反故する命知らずな真似はしねぇよ」

「あら?どういう意味でしょう?もし、よければ教えてもらえますか?」

「…………」

 

 十六夜母は笑顔だった。ただし、眼鏡の奥の瞳は一切笑っていなかったが。

 

「これでも譲歩した方です。本来なら高校入学時点でサッカーをやめてもらう予定だったんですから」

「…………」

「第一、綾人さん。あなたは協調性がない。協力することが嫌い。他者と手を取り合うのが苦手。……あなたの性格上、サッカーというチームスポーツとは根本から合っていない。それなのにまだ続けるのですか?」

「……悪いかよ」

「いいえ、悪いとは思いません。ですが、時間の使い方の問題です。あなたのサッカーはあくまで趣味の範疇に留めておくのがよいでしょう。練習に時間を費やすだけ費やして、あなたは何もなしていない」

「…………」

「中学から現在に至るまで、試合に出場していない。練習とは本番があるから行うものではないのですか?そして、サッカーにおいては試合のために練習をしているのではないのですか?それに加えてあなたは何も目指していない」

「…………」

「あなたがサッカー選手を目指すのなら話は別です。研鑽を積み重ねる必要は当然あるでしょう。ですが、あなたはそういうわけではない。サッカーで職を得る、お金を稼ぐわけではない以上、これ以上あなたがサッカーに費やすのは無駄と言わざるを得ない。それなら、別のことに費やした方が効率的で賢明です。……違いますか?」

「……反論はねぇよ」

「私も鬼ではないですので、勉強の息抜き程度なら許容してもよいと思っています。……ですが、あなたのこれまでを考えると中途半端では意味が無いですので、禁止に踏み切っていることを理解してください」

「……分かってる」

 

 そう言って十六夜は立ち上がり、自分の部屋に戻ろうとする。

 

「時に綾人さん。志望する大学及び学部等は決めましたか?」

「決めてねぇよ」

「そうですか。一度、進路については話し合った方が良さそうですね」

「今度にしてくれ」

「分かりました。では、またの機会にしましょうか。これも何回か言っていますが、私はあなたがどの進路を選ぼうと口出しはしません。理由さえあれば文句は言いませんし、金銭面は心配しなくても大丈夫ですよ」

「分かった」

「……ですが、先に言っておきます。高校の時の選び方ではいずれ後悔しますよ」

「…………」

「他人が敷いたレールを歩くなんてつまらない。流されるまま生きる、自分の意思がないなんて以ての外。……何かを選択するとき、自分の考えがないと、あなたはその選択に絶対後悔しますよ」

「……説教か?」

「いいえ、そんなつもりはありません」

「……なら、自分の話か?」

「えぇ。私は今まで多少の後悔はありますが、選択自体に後悔はありませんので」

「……あっそう」

 

 そのまま部屋に戻っていく。そして、部屋に戻ったことを確認すると、十六夜母は眼鏡を外して電話する。

 

『もしもし?どうしたんだい?』

「いや、綾人と話してよぉ……サッカーとか進路とか。ただ、上手く話せなくてなぁ……」

『あはは……本性出てるよ?』

「あ?それがどうしたよ」

『全く……その状態で綾人と話せばいいのに』

「……こっちだと制御効かねぇんだよ。熱くなりやすいからな……そのまま喧嘩になりかねねぇ」

『やめてよ?綾人も高校生だし、流石の僕たちでも殴り合いじゃ勝てないよ?』

「息子を殴る親に成り下がりたくねぇよ。そして、勝手に負けるって決めつけんな。悪いけど、アイツとは場数がちげぇんだ。ただ運動神経の良くて頭の出来た高校生くらい圧勝してやんよ」

『そこは張り合うんだ……いい歳なのに現役男子高校生に対して張り合うって……』

「つぅか、アイツに熱くぶつかってもどうしようもねぇだろ。殴り合って和解できるなら苦労してねぇっての。どこまでも冷めてるんだから」

『そうかな?綾人もきっと応えると思うよ。だから一回、本気で正面から向き合うことも必要だと思うけど……』

「テメェに言われたくねぇよ、ちっとも帰ってこねぇし」

『それはゴメンって……』

「……とりあえず、頭冷やしてくる。しばらく海外に出るからそこで考えるわ」

『それがいい。僕もその内帰るから……』

「……テメェのその内は一体いつになるんだろうなぁ?」

『うぐっ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2月14日……世間で言うところのバレンタインというヤツである。

 

「へい綾人~!チョコは何個貰ったんだい?」

「10個以上」

「そうかいそうかい……え?10個も?え?以上って言った?」

 

 その放課後。十六夜が自主練習する中、いつもよりテンションが壊れた陽向がやって来た。

 

「ど、どうして……?え?おかしい……ボクの分析では綾人の貰えるチョコの数は0のはず……い、一体何処で計算が狂ったんだ……!?」

「…………」

 

 と、何か考え込んだ彼女を無視して十六夜は練習を続けた。

 

「はっ!もしかして、母親からもらう分を計算し損ねた……?いや、もっと別の要因が……?」

 

 十六夜は陽向と接する時は本音、本性で接している。しかし、この男は他の人が相手だと優等生を演じているのだ。つまり、優等生を演じて真摯な姿を見せることが多く、コミュニケーション能力が高くて頭が良く、割と何でも出来るタイプだと周りから認識されている。

 

「な、何故だ……!何故綾人がそんなに貰えているんだ……!」

 

 十六夜は陽向と過ごす時間は長いが、24時間ずっとと言うわけではない。1人の時間も当然存在している。陽向と過ごしていない時間の中で、他の人の手伝いなり勉強を教えたりなど、如何にもな優等生を演じた結果、義理チョコが貰える程度には交友を深めていた……が、

 

「おかしい……まさか、このマイペースでサッカー以外録に興味ないくせして頭と顔がちょっといい男が何故貰えるんだ……!性格は悪いんだぞ……!?スペックは良くても、差し引きしたらマイナスなはず……い、一体どういうことなんだ……!?」

 

 そんなある種の理想の十六夜綾人を、4月の最初の段階で崩された陽向にとっては、いつもの十六夜のイメージが先行して計算に入ることがなかったのだ。

 

「うぅ……ボク以外には貰えないって思っていたのに……え?綾人って意外に人気なの?え?え?」

 

 困惑している彼女を無視して、練習を続ける十六夜。

 

「ま、まさか脅して……!?い、いやそれならもっと問題になっているはず……!?どういうこと……いや、本当にどういうこと……!?もしかして、騙されて……ハッ!見栄を張っているのか!0個なのに見栄を張って貰えたと……そうなんだろ綾人!そうだと言って下さいお願いします!」

「いや、何の話だよ。というか、鞄の中見れば一発だろ」

 

 サッと十六夜の鞄を奪い去り、ガバッと開ける。そこには教科書たち以外に包装された何かがいくつも……

 

「うええええええええええええええええええええええええええええん!」

「……え?……え??」

 

 急に泣き出した陽向を前にとうとう困惑を隠せなくなった十六夜。

 

(どうしようか……今朝からコイツのテンションおかしいんだよな……話し掛けると何処かに逃げていたくせして、そう思えばさっきは変なテンションで絡んできて、挙げ句泣かれたんだけど……え?マジでどういうこと?情緒不安定過ぎて怖いんだけど?)

 

「あー……神奈さん?えーっと……オレ何かした?」

「してないけどした!」

「どっちだよ!?」

 

 唐突に泣き出した友人を前に、十六夜が狼狽する。というのも、何が原因で泣かれて、自分はどうすればいいのかさっぱり分からないのだ。

 

「チョコ!」

「チョコを貰ったのが原因なのか!?はぁ!?意味分かんねぇって!?……と、とりあえず落ち着け?ほら、ハンカチ貸すから涙拭け?な?何かオレが泣かせたみたいになるからとりあえず、涙拭いてくれ?」

「ぐすん……」

「ほら、スポドリだけど飲むか?それともお茶の方がいいか?」

「お茶……」

「はいはい……」

 

 そう言って鞄から自分の水筒を取り出し、一杯注ぐ。

 

「ほら、熱いから気をつけろよ」

「うん……」

 

 息を2、3回吹きかけ、そして一杯飲む。

 

「落ち着いたか?」

「うん……」

「で?どうしたんだよ……」

「綾人……そのチョコどうやって貰ったの……?」

「どうやってって……普通に手渡しだな。日頃の感謝~とか、義理チョコあげるね~とか」

「ボク知ってるもん!よく見るパターンだもん!義理って言っておいて本命を渡したパターンなんだもん!絶対そうだもん!うわああああああああああああああん!」

「えぇぇぇぇっ!?何でまた泣き始めたぁ!?ちょっ、神奈さん!?落ち着いて?な?」

 

 彼女は知識が偏っているオタクだった。十六夜が貰ったのは正真正銘の義理チョコなのだが、二次元だと割と見かける、義理だと言って実は本命というパターンだと信じて疑わなかったのだ。

 そして、十六夜はその思考が理解出来ないため、この男も内心半泣き状態であった。何が原因か分からず、そしてどこを進んでも何かの地雷を踏み抜きそうで、もう八方ふさがりではないかと思っていた。

 

「とりあえず落ち着いて……な?」

「うぅ……」

「ほら、ティッシュ」

「うん……」

 

 そんな内心の動揺を隠し、彼女が落ち着くよう宥める十六夜。流石の彼でも狂乱状態の彼女を放置してサッカーの練習に戻ることは出来なかった。

 

「落ち着いたか?」

「うん……」

「えっと……その……一緒に帰るか?というか、家まで送る」

「うん……」

 

 もうサッカーどころではない……十六夜は陽向の不安定さが心配になって、家まで送ることにする。

 

「今日はどうしたんだよ……」

「……何でもない」

「何でもって……そんなわけないだろ。何かあったんなら話聞くぞ?」

「…………綾人は……その……他の子からチョコ貰えてどう思った?」

「どうって……意外と貰えたなって」

「そう言いながら嬉しいとかそういうのもあるんでしょ!」

「と言われてもなぁ……まぁ、一切嬉しくないって言ったら嘘になるのは確かだな。ただ、義理だし、オレにも配ってくれただけだろ?そんなに気にすることか?」

「き、気にする……じゃ、じゃあさ。ボクからもチョコあげるって言ったら……嬉しい?」

「…………まぁな」

「今変な間があった!ほんとは嬉しくないんだ!ほんとはいらないんだ!」

「被害妄想激しいな!?何で今日はこんなにめんどくせぇんだ!?」

「めんど……ひぐっ……」

「泣くなって!ああもう、素直に認めてやるよ!お前から貰えるなら嬉しい!これは嘘じゃねぇよ!」

「……ほんと?」

「ホントだ」

「えっとね…………はい」

 

 彼女の鞄から出て来た小さな包み。

 

「ありがとな」

「……うん」

 

 包みを受け取る十六夜。

 そのまま、いつもに比べるとぎこちない帰り道。そして、神奈の家の前まで到着する。

 

「じゃあ、また明日な」

「うん……あ、えっとね……綾人。耳貸して」

「何だよ」

 

 耳を傾ける十六夜にそっと陽向が呟く。

 

「ボクのチョコ……本命だから」

 

「……っ!」

 

 そう呟くと逃げるようにして、家の中に入る陽向。

 

「…………」

 

 そして、足早に自宅へと向かう十六夜。その頬は紅く染まったいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3月……それは春休み前のことだった。

 

「ねぇ、綾人」

「なんだ?」

 

 陽向の部屋でラノベを読む2人の姿があった。

 

「ボクらの関係って何?」

「友人かコマとプレイヤー」

「後者の関係が歪過ぎる!?ぼ、ボク的には相棒とか格好良くていいんじゃない?ほら綾人もノってるとボクのこと相棒って言ってくれるじゃん!」

「うーん、結構的確だと思ったが……」

「って、そうじゃない!綾人……えっとね……ゴメン、深呼吸していい?」

「どうぞ」

「……すーはー……すーはー……すーはー……」

「…………」

「えっとね……ボク気付いたんだ」

「何をだ?」

「いや、正確には気付いていたんだよ?うん、ずっと前から気付いていたんだ。ただどうしても言い出す勇気が出なくてそのここまでずるずる来たと言うかこの関係性が壊れてしまうんじゃないかってでもやっぱりこのままじゃ」

「前置きが長い」

「……綾人のことが好きなんだ」

「…………」

 

 ラノベを読んでいた手が止まる。十六夜が顔を上げるとそこには……

 

「…………」

 

 耳を真っ赤にし、持っていた本に顔を埋める陽向の姿があった。

 

「……だからその…………ボクと付き合ってくれませんか?」

「…………」

「や、やっぱり忘れて!今のなしなし!」

「……そうか」

「うん…………」

「じゃあ、神奈。オレと付き合ってくれないか?」

「ふぇ……?」

「お前って、テンションの上下が激しく情緒不安定だし、絡みが面倒くさいところあるし、天才故に意味分からん発言するし、というかムカつく発言を何度も何度もしてくるし、恐怖というか無茶苦茶怖く感じるときあるし、ついでに運動音痴だし……」

「泣くよ!?期待させておいてボクのダメなところ挙げるとかキミは鬼畜か悪魔か!?」

「……でも、お前のこと好きなんだよ。オレに対して、真正面から意見をぶつけてくれて、傍に居て応援してくれる。……お前のお陰でオレは独りじゃない……だからさ、付き合ってくれよ」

「…………」

 

 本を置き、陽向と向き直る十六夜。

 

「綾人はさ……凄い負けず嫌いで勝負ってなると熱くなりやすくて、面倒くさがりで冷たくあしらうこともあって、八方美人というか二面性みたいなものもあって、優等生に見せているけど誰にも心を開こうとしないような一匹狼で、暴走すると手に負えなくて……」

「そうだな」

「……でも、誰よりも努力家で、何だかんだで折れてくれて、一緒に付き合ってくれて……そして、ボクを救ってくれた」

「…………」

 

 陽向も本を置き、十六夜と向き直る。

 

「……こんなボクでよければ……よろしくお願いします」

 

 そして、十六夜はそっと陽向の頬に手を延ばす。陽向もこれからすることを理解し、そっと目を閉じる。

 

「「…………」」

 

 そのまま2人の唇が重なる。そっと離れて……

 

「あれぇ!?思ったより短い!?」

「あぁ?10秒くらいしてなかったか?」

「いやいや、ボク的には一瞬だったかと」

「そんな一瞬ではなかったと思うけどな」

「でもでも、ラブコメのキスシーンはもっと長いと思います。ほら、もう一回しよ!」

「へいへい……っておかしいだろ」

「何が?」

「こんないつものノリでキスってするものか?」

「……確かに。キスの価値が下がる気がするね」

「雰囲気とか空気感とか……もっとこう、何かあるんじゃないか?」

「だね……じゃあ、ディープな方をもっと雰囲気のある……って綾人の変態!そういうのはボクらにはまだ早いよ!」

「1人で言って1人で突っ込むな」

「うぅ……でも、もう1回したいもん……」

「……たく」

 

 30分後……

 

「よ、よし!じゃあ、これから2人で過ごす時間を増やすためにも色々と見直すよ!」

「分かったよ。……そうなると、分析力の練習時間を増やして、サッカーの練習は少し減らすとかか?」

「ボールを使ったり、筋トレだったりの時間をもっと効率的にしよう!……ってよく考えるとその時間も2人だけど……うん!それから勉強方法も少し改善したらどうかな?」

「どうかな?と言われましてもねぇ……お前のスケジュール通り動いているんだけどな」

「もっと、効率化出来るはずだよ!例えば、昼休みの雑談タイムを勉強時間に変えるとか。休み時間も勉強するとか……」

「ただ、クラスが別になると中々大変そうだな……」

「ふぇ?何を言ってるの綾人。ボクらって2年次理系のトップクラス志望でしょ?」

「あの難関大学進学を目指すヤツな」

「それって1クラスしか出来ないから自動的にボクらは同じクラスになるよ!」

「と言っても希望が通るか……いや、通るに決まっているか。お前ってこう見えて学年トップだったわ」

「おいこら!そっちこそ、学年2位の癖に!ずっとボクのお尻を眺めている位置に居るくせに!」

「待てコラ!それだとただの変態だろうが!つぅか、学年末は総合得点1点差だったろうが!」

「フッフッフッ、綾人の詰めが甘かったんだよ!大体全国模試もボクの方がちょっと高かったしね!」

「次のテスト覚えてろよ……次こそ勝つ……!」

「ボクこそ、キミという好敵手のお陰で勉強しているからね……負ける気はないよ!……ってそうじゃない!」

「はい」

「例えばだけど、授業を受ける。その後の5分でその授業をまとめる。午前中の分は昼休みに共有して教え合う。午後の分は部活に行く前に教え合うってやって、土日のどちらかで1週間分をまとめて……ってやればよさそうじゃない?ボクが勉強を口実に綾人の傍に居られる!」

「お前は勉強を口実にしなくても傍から離れないだろうが」

「えへへ……」

「……まぁ、いいんじゃないか。やってみて適宜修正……だろ?要は普段の勉強時間を少し減らす代わりに効率を上げていくって話だ」

「うん!それと分析力の練習は……そうだなぁ。先生の行動を見てみるのも追加はどう?」

「……なるほど。HRとかそういうくだらない時間を有効活用しようと」

「……綾人ってそう考えていたんだ……うわぁ」

「引くな」

「目標はイチャつく時間とデートの時間の確保だよ!というか、何で青春物のカップルはそういう時間を平然と作れるんだ……!?」

「彼女がオタクじゃないから」

「むかっ!彼氏がサッカーバカじゃないからだよ!そんなんだから彼女出来なかったんでしょ!」

「いや、一応出来たぞ」

「え……?」

「サッカーを優先すると大体怒られて、興味ないって言ったら何か言ってきて別れたんだけどな」

「……うわぁ……でも、綾人に彼女居たんだ……ボクが初めてじゃないんだ……」

「……ある意味初めてだけどな。……サッカーより優先しようと思えるヤツなんて」

「た、確かに……!()()綾人がボクとの時間を作るためにサッカーの練習を減らすって言うんだもん!……綾人ってボクが思っている以上にボクのこと好きでしょ?」

「……るっせぇ」

「えへへ……ボクも綾人のこと大好き。もうずっとこのまま離れないもん」

 

 こうして2人は付き合うことになり、そのまま春休みに突入したのだった。




 韓国戦での回想が、十六夜が陽向が泣いたのが始めてと言っていましたが、あくまでその時点で思い出せる記憶の中では、過去に彼女は泣いていないって言う意味ですね。もっとも、あまりにも陽向の情緒が不安定すぎて忘れたかったというのもありますが……
 また、十六夜が親が居ないことに慣れているのは、父親は単身赴任で母親は出張が多く、家に誰も居ないことが多かったからですね。それと、主に母親や父親とのコミュニケーションがうまく行っていないっていうのもあります。


陽向神奈
 情緒不安定なオタク。色々と面倒な部分がある残念な少女。十六夜の前でしか、あそこまで取り乱す姿を見せない……が、彼に取り乱す姿を見せすぎて心配されている。恋愛関係……もとい、勉学面以外の知識は二次元からが多いため偏っている部分がある。
 春休み前に十六夜と付き合い始めた。

十六夜綾人
 成績優秀、運動神経抜群、コミュ力高めで、何事にも動じず、困っている人に手を差し伸べ、他人の相談を受けたり、問題を解決したりで奔走する優等生……という演技をしていて、一部を除く周りからもそう思われている。サッカー中は黙っていれば、努力を重ねる真面目な努力家に見られているため、今のところはプラスに働いている。
 家族との関係は良好とは言い難い。反抗期……というわけではないが、本音で話すことがそこまで出来ていない。ちなみに両親が元不良であることは知っている。
 サッカーをやる理由を負けたくない以外に見つけられていない。一応、中学から現時点までで、公式戦出場回数1回で未だにフル出場は愚か、録に試合にすら出ていません。練習試合は何回か出ている模様。
 春休み前に陽向と付き合い始めた。

十六夜母
 知的で冷徹な印象を受ける。ただし、割と暴力的で凶暴な面があるが、十六夜には手を上げない。息子に手を上げるような親はクズだと思っている。
 元不良で中学・高校時代は喧嘩に明け暮れていて、喧嘩ではほぼ負けなし。息子に対しても敬語と堅い言葉を使うが、緩んでしまえば荒れた凶暴な姿を見せてしまうため彼女なりに気を使っている。十六夜と本音で話すことがほとんど出来ていない。
 基本的には納得できる理由があれば味方になってくれる存在。十六夜にサッカーを続けるための条件を出しているが、十六夜やサッカーのことが嫌いではなく、本人のやりたい思いが強くないことを問題視しているためである。
 ちなみに陽向の存在を知らない。

十六夜父
 単身赴任中で家にほとんど帰ってこない。運動神経は良く、頭も良い。
 今でこそ温和で尻に敷かれているが、元不良で中学時代は喧嘩に明け暮れる。高校時代には足を洗うも、暴力沙汰に巻き込まれがち。ちなみに、十六夜母に喧嘩をふっかけられて、喧嘩に勝つ。そこから交流が始まり、喧嘩を通して和解し、現在に至る。
 不器用な母と息子のやり取りを電話越しに聞いている。自分もなんとかしたいが中々帰れず、息子には避けられているわけではないが、踏み込んだ話が出来ていない状態。
 ちなみに陽向の存在を知らない。
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