超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
本年は自分が大学院を修了(予定)、並びに就職(予定)の年ですので、どこまで投稿出来るか分かりませんが、よろしくお願いします。


遺したもの

 試合終了のホイッスルが鳴り響き、十六夜は膝を地面につき、胸を鷲掴みにしていた。

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁっっ!!!!」

 

 十六夜の叫びがフィールドに響き渡る。

 

(クソがクソがクソがぁ!!オレはフィディオに勝てなかった!ナカタに勝てなかった!アイツらに最後持ってかれた!)

 

 試合ラスト、ナカタのラストパスとフィディオによる一撃……最後の最後に2人にこの試合を持って行かれた。主役はあの2人で、十六夜は主役たちの前に最後に立ちはだかった壁に過ぎない。描いていた理想の結末を叶えたのは彼らで、十六夜の描いた理想は現実になることはなかった。

 

(それだけじゃねぇ、この試合中に何度も良いようにやられた!思考が届かなかった!技術が足りなかった!能力が劣っていた!何もかもが未熟だった!)

 

 吼えた十六夜以外のメンバーも下を向いたりして悔しさを表している。

 

(この敗北という絶望(現実)はオレが引き起こしたものだ……!オレの弱さが招いた結果……!オレが無価値で無力だったから……畜生が……!オレはアイツらのための引き立て役に過ぎなかった……!オレという存在は主役が輝くためのただの舞台装置に過ぎなかった……!)

 

 混沌とした暗闇が十六夜を引きずり込もうとする。息が上手く出来ない。もがいても足掻いても沈んでいくのみ。だが、その悲劇(敗北)は弱かったから招いたもの。全ては彼自身の弱さが招いた覆しようがない現実。

 

「胸をはろうぜ!皆!」

 

 そんな中、円堂の声が響き渡る。

 

「俺たちやるべき事は一生懸命やった!最後の一秒まで全力で戦い抜いた!だから、最後は前を向いて、胸をはって終わろうぜ!」

 

 太陽のような笑顔とかけられた温かな言葉。それを受け取ったイナズマジャパンのメンバーは1人、また1人と顔を上げ、前を向き立ち上がる。

 

「…………はぁ?」

 

 だが、十六夜だけはその言葉()理解出来ない(届かない)

 

(何言ってるんだコイツは……?負けたんだぞ?敗北したんだぞ?一生懸命やったからなんだ?全力で戦い抜いたからなんだ?現実(結果)を見ろよ、オレたちはこの試合で目の前の相手に負けているんだぞ?そんな甘い言葉で、この絶望(苦しみ)を誤魔化しているのか?)

 

 そして、膝をついたまま周りを見渡す。

 

(何でお前らは満足そうなんだ?何でお前らは明るい表情が出来るんだ?意味が分からねぇ……理解できねぇよ……オレたちは敗北者なんだぞ?この戦場(フィールド)で負けたんだぞ?それなのに……何でお前らはそんな顔ができるんだよ……)

 

「ほら、十六夜も立てよ!」

「お前……何でそんな顔が出来るんだよ……何でそんなことが言えるんだよ……」

「ん?何でって……」

「自分が非力で無力だったことが悔しくて、自分という存在が無価値であることが分かってしまって、苦しくて痛くて辛くてぐちゃぐちゃで最悪の気分で……何より負けたことが絶望的じゃねぇのかよ……」

「あー……よく分かんないけど、俺だって負けたのはすげぇ悔しい!」

「だったら……」

「でもさ!こんな凄い奴らと俺たちは戦い抜いた!全力と全力のぶつかり合いをしたんだ!最後の最後までどっちが勝ってもおかしくない激闘……そりゃ負けて悔しいのは俺も分かる!けどさ、それ以上に心の底から熱くなれた試合だった!最高に楽しかったって言える試合だった!」

 

 そうだろ?……そう笑顔を向ける円堂。その言葉に同意する空気を出すチームメイト。観客の人たちもよくやった、最高の試合だったとイナズマジャパンのメンバーを称えている。

 十六夜は改めて周りを見渡す。

 

(ああ……そうか。円堂……お前の光はこの絶望を和らげてくれるんだな。……1人沈み込もうとしているオレをすくい上げようとしてくれるんだな。いや、お前だけじゃないか……お前らがくれる光はオレを引っ張り上げようとしてくれるんだな)

 

「だからさ!」

 

 円堂が右手を差し伸べる。

 

「最後の挨拶だ!一緒に行こうぜ、十六夜!」

 

 その手は絶望に差す一筋の希望の光。暗く冷たい闇の中に差した太陽のような温かで眩しい光。十六夜はその光に手を伸ばし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

「…………」

「い、十六夜……?」

 

 その光を拒絶した。差し伸べられた手を振り払うと1人で黙って立ち上がる。困惑する仲間たちを差し置いて整列をしにいくが、仲間の誰とも目すら合わせようとしない。かけられる言葉は何一つ届かない。

 そのまま、何事もない様子で挨拶を交わすと試合は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フィディオよ、1つ聞きたい。なぜ、私の為にここまでした?」

 

 試合終了後、スタジアムには警察が入ってきて影山を連行しようとしている。

 

「……思い出したからです。俺の父もサッカー選手で、才能に悩み苦しみ続けました。そんな姿や深い悲しみを子どもの頃から見ていました。だから……」

「ふふ、私がこの言葉を口にすることはないと思っていたのだが……ありがとう、フィディオ、鬼道……そして十六夜」

「ミスターK……」

「影山総帥……」

「……ところで、十六夜はどうした?姿が見えないようだが」

「それが……荷物を纏めてさっさと帰りました……」

 

 十六夜は挨拶が終わった後、久遠監督と話すと1人で帰って行った。イナズマジャパンのメンバーが引き止めたりついて行こうとするのを久遠監督が阻止し、1人で先に帰ったのだ。

 

「……そうか。不動、アイツに伝言を頼む」

「おっと、俺かよ」

「お前が適任だろうな。……十六夜、お前の気持ちは間違っていない。……たとえ、誰にも理解されなくとも、私はお前を肯定してやる……とな」

「へーへー……つぅか、アンタにはアイツの気持ちが分かるのか?」

「そうだな。アレは一歩間違えれば破滅する……円堂」

「お、おう」

「……お前にとって十六夜は仲間か?」

「もちろんだ!」

「だったら、アイツから手を放さないことだ。……たとえ、何があろうとな」

「お、おう……?」

 

 そう言い残すと連れて行かれる影山。

 

「フィディオ!次は決勝トーナメントで勝負だ!今度は絶対に負けないぞ!」

「うん!お互い、決勝戦でまた会おう!」

「おう!」

 

 そして、別れるイナズマジャパンのメンバーとオルフェウスのメンバー。

 

「十六夜綾人……想像以上に危ういな」

「キャプテン……」

「彼の思想は恐らく、円堂くんと対極に位置している。そして、イナズマジャパンは円堂くんの思想に賛同、共感しているメンバーばかり。この敗北で分裂しなければいいのだが……」

「……大丈夫ですよ。アヤトもマモルも、きっと大丈夫です」

「そうだな。さぁ、帰ろうか」

「「「はい!」」」

 

(アヤトに声をかけられなかったな……いや、勝者が敗者に気休めの言葉なんてかけるべきじゃないか。それに……)

 

「俺はあの瞬間……アヤトに僅かな差でしか勝てなかった。もしもあの時……キャプテンのフォローがなければ……あのシュートが撃てなかったら……」

 

 勝つことは叶わなかった。負けていたのは自分の方だった……そんなギリギリの戦いだったのだ。

 

「次も俺たちが勝つよ、アヤト。キミがどれだけ強くなろうとね」

 

 気を引き締め、フィディオは戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 一方のイナズマジャパン。

 

「でも、本当にどうしたんだろうな、十六夜のヤツ。何ですぐに帰ったんだ?」

 

 帰りの船の中では十六夜の話が出ていた。1人でさっさと帰ってしまった十六夜。何故そんなことをしたのか、多くの者が理解出来ていなかった。

 

「円堂……」

 

 振り払われた右手を見る円堂。

 

「俺……何か怒らせちゃったのかな……」

「……アイツが何を考えているのかは分からない。だが、総帥にも言われただろう?手を放すなって」

「でも……」

「……お前たち」

「何ですか?久遠監督」

「この試合、十六夜綾人はオルフェウスに通用しなかったと思うか?」

 

 監督の問いかけに選手たちはすぐに答える。

 

「そんなわけないです!十六夜の力は通用していました!」

「だな、単独で2点取って、それ以外も3点分関わっていて……」

「それに守りも十六夜さんが居なかったら、もっとやられていたッス!」

「フィディオやナカタのシュート阻止はデカかったな」

「だが、十六夜はそうは考えていない。この試合で負けたのは自分の実力不足……自分が弱かったから負けた。彼らに通用しなかったから負けた。そう本気で考えている」

「そんな……そんなの間違っています!アイツに比べれば俺はもっと……」

「円堂……それにお前たちも。この試合に負けたのは監督である私の責任だ。お前たちはこの試合、やれるだけのことをやった。選手たちが力を出し切った……それなのに結果がついてこなかったのは、私の采配ミス。監督としての力量が足りなかったからだ」

「だったら余計……!十六夜だけが背負い込むなんてそんなの……」

「いいか、円堂。その間違っているというのはお前の感覚だ。お前たちの多くが持っている感覚だ。それは私も尊重するし、否定はしない。だが他人に……アイツにそれを押し付けるな。無理やり押し付けようとするな。……今はそっとしておけ」

「……っ!……分かり……ました」

「だからと言って無視しろってわけじゃない。歩み寄る努力は必要だ。お前たちは若い……特に円堂。お前と十六夜は考えがまるで異なる。この先も何度もぶつかることになるだろう。対立することになるだろう。……だけど、仲間であることに変わりは無い。いいな?」

「……はい」

 

 船の中は静まり返る。

 

「いいかお前たち。我々は確かに負けた。だが、まだ決勝トーナメントが残っている。後2つで世界一だ。本気で世界一を目指すなら残り2つは負けられないものになる。明日は休みにするが、明後日からはまた厳しく行くぞ」

「「「はい!」」」

 

 久遠監督の言葉に全員が答える。

 

「やはり、円堂と十六夜……このチームは2人がカギだな」

「えぇ……ただ……」

「十六夜の考え……か」

「……はい。この試合、十六夜が居なければ間違いなく大差で負けていました。確かにもっとうまくやれた場面があるでしょう。ただ、そんなこと言ってしまったら、他の選手の方がそういう場面は多い。ですが、それらを踏まえた上で彼らは出せる力を出し切った。やりきったと胸を張っても誰も責めないでしょう」

「それなのに、アイツはこの敗北を重く受け止める……独りで背負い込んでいる。思えば、世界大会でアイツが試合に勝ってもそこまで喜んでいなかったな」

「えぇ……試合に勝って勝負に負けている。喜びより悔しさがある……そして、結果でも今回は負けた。……協力を嫌い個人プレーを好むのは性格としてまだ分かります。ですが、勝負に関する強すぎる執着とこの敗北を強すぎるくらい刻むその精神……異常の一言ですね。とても一介の中学生とは思えません」

「……俺は見抜けなかったな……雷門時代にはそんな空気ほとんどなかった。円堂と同じサッカーバカ……そう思っていたんだが……」

「私もです……ですが、円堂と十六夜は違うからこそ、このチームには両方必要です」

「円堂が負けたけど最高の試合をした……自分たちを認めると同時に十六夜が通用しなかった結果が変わらない……自分たちは足りていないと皆にも思わせる。やってきたことは間違いじゃないが、世界一になるには足りない……2人とも沈むわけでも、あげるわけでもない。円堂が光を見せるなら十六夜が闇を見せる」

「そこまで狙ったキャプテンと副キャプテンではないんですがね……ただ、それでもアジア予選決勝に比べれば考え方が少しマシになりました。独りで戦って勝つが、自分についてこれる選手と連携して勝つに」

「これがチーム全員と……になればいいんだが、それは無理だろうな。決して円堂の光に染まったからじゃなく、十六夜の闇が洗練されただけに過ぎない」

「円堂の光と十六夜の闇……今は入り乱れる2つが、同じ方向を向けば……」

 

(十六夜……お前は、何でそんなに変わったんだ?イタリアで何かあったのか?いや……オルフェウスのメンバーを見る限りそんな空気じゃない。じゃあお前に、何が起きたんだ……?)

 

 船はゆっくり港へとつく。そして、バスで宿舎まで帰る。

 

「十六夜。お前だけ先帰ったから皆心配しているぞ……って」

『爆睡中だね』

「……そのようだな。今はそっとしておくか」

 

 そこには既に就寝していた十六夜の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、影山が死亡したニュースが流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、フィディオお兄ちゃん!それにアヤトお兄ちゃんも!」

 

 その日、イタリアエリアにて……フィディオと十六夜はルシェと会っていた。

 

「ねぇ!見てこれ!Kのおじさんが私にプレゼントを贈ってくれたんだよ!そのお手紙にね!サッカーのこともっと知ってねって書いてあったんだ!だから、ほら!」

 

 そう言って笑顔で2人に見せたのは1通の手紙と1冊の本。

 

「サッカーの本か?」

「うん!サッカーのお勉強のために!覚えることが一杯でちょっと大変かも」

「そうだな……確かに、覚えることは多いかもな」

「そうなんだよ!」

「でも、覚えた分だけサッカーが楽しくなるからな。頑張るんだぞ?」

「うん!Kのおじさんは今、お仕事に行ってるんだよね?いつ帰ってくるのかな?」

 

 ルシェはまだ知らない。影山が連行されたことを……そして、護送中に事故に遭い、死亡したことを。だから、二度と帰ってくることはない……だが、その事実は純粋無垢な少女にとって、余りにも重く辛いものだ。

 

「ルシェ……Kのおじさんは……用事が済んだらきっと帰ってくるさ」

「私、頑張って勉強する!そしてKのおじさんといーっぱいお話しするんだ!」

「……っ!」

 

 その言葉に思わずフィディオはルシェを抱き締める。

 

「お兄ちゃん?どうしたの?」

「ルシェ。サッカーのこと、俺たちと一緒に勉強しよう」

「お兄ちゃんたちと?」

「ああ。そしてもっと好きになってくれ。ミスターKが愛したサッカーを」

「うん!じゃあ、早速勉強しに行こう!」

 

 フィディオが抱き締めるのをやめると代わりに、フィディオの手と十六夜の手を繋ぎ、2人を引っ張るように歩き出す。

 

「キャプテンが、多分伝えないようにしているんだと思う」

「そうか……辛過ぎるからな。この真実は……」

「うん……」

「それにアイツも分かっていたんだ……だから、死ぬ前にルシェに贈り物をしていた。二度と会えないことを分かって……」

「そうだね……」

「……悔しいな。もう少しだったのにな……」

 

 フィディオと十六夜が悲しそうな悔しそうな顔を見せる中、ルシェは笑顔で……

 

「楽しみだな~早く会えないかな~」

 

 そう言っていた。その言葉に2人は各々の心情を悟られぬよう笑顔を向け、3人で歩いて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方のイナズマジャパン宿舎。夕食時になったが、その場に十六夜は居なかった。

 

「十六夜のヤツ……大丈夫かな?」

「大丈夫だろうよ。あのルシェって子のフォローに飛び出して行ったんだろ?」

「そうだけど……鬼道もだいぶ落ち込んでいるし」

「ハッ……まぁ、オルフェウス戦がなければ、アイツの死にここまで動かされることはなかっただろうにな」

「うん……」

 

 不動と円堂という珍しい2人組が話している。

 

「つぅか、結局十六夜の野郎とルシェって子の関係やら、何していたやら分からずじまいだな。こりゃ、落ち着いたら話してもらわねぇとな」

「そうだな……」

 

 と、何処か暗い雰囲気のところに、鬼瓦刑事がやってくる。

 

「ありゃ?十六夜はいねぇのか?」

「事情があって……刑事さんはどうして十六夜を?」

「影山から頼まれた品を渡しにな」

「「「影山から!?」」」 

 

 その言葉にその場に居たメンバーが立ち上がる。

 

「おう、護送前にこれを十六夜にって直で受け取っていた。怪しいもんじゃねぇか確認のために、こんな時間になったが……」

 

 そう言って鬼瓦刑事が机の上に置いたのは何冊かのノート。しっかり、ナンバリングがされている。

 

「えっと……このノートの束は」

「そうだな……大介さんにあやかるなら、影山のノートって言うべきだろうな」

「見ても?」

「いいんじゃないか?後で十六夜に渡れば文句言わねぇだろ」

 

 その言葉で鬼道が立ち上がり、やってきて1冊のノートを手に取る。

 

「こ、これは……!?」

 

 鬼道が驚きの表情を向ける。

 

「影山総帥が……書き留めた必殺技……?」

「ああ……理由は分からないんだが、影山の中にあった必殺技の構想……それを書き連ねたんだろう。ペンギンが関する技が多かったが、それ以外もある」

「だから、影山のノート……」

「ハッ、なんて置き土産残してんだよ……」

「しかも凄ぇなこれ……円堂のじいさんのノートより、字が丁寧で読みやすい。その上、図解までついている」

「ほんとだな。擬音語も一切無くて理解しやすい……まぁ、出来るかは別問題だが」

「な、何だと染岡!風丸!じいちゃんのノートだって分かりやすいだろ!」

「「何処がだよ」」

 

 どんよりしていた空気が明るくなっていく。

 

「というわけだ。影山曰く0巻は十六夜以外手を出すな、らしい」

「何でですか?」

「禁断の技に分類される必殺技らしい。常人が使えば最低でも病院送りとのことだ」

 

 そう言った瞬間、0巻だけはけられる。そして紙に十六夜専用と書いて、ノートの表紙に貼られた。

 

「それから、響木に久遠。テレビをつけてみろ」

「何だ、鬼瓦。何かあったのか?」

「見たら分かる」

「私がつけます」

 

 盛り上がっている選手たちをよそに、久遠監督はテレビをつける。

 

『速報です。大会運営委員長のガルシルド・ベイハン氏が逮捕されました』

 

 映っていたのはガルシルドが捕まり、連行されているところだった。




 試合が終わり、一気に動きましたね。取り敢えず1つ1つ解説を。


 十六夜と他のメンバーの感覚の差。
 アニメを観ている人は分かるかもしれませんが、円堂の言葉で前を向いているんですよね。しかも、アニメとの違いは、この試合の結果がどうであれ決勝トーナメント進出が確定しているんです。だから、敗北はしたものの絶望感はアニメほどないんですが……まぁ、過去編見てたら分かりますかね。十六夜だけが円堂の言葉で立ち上がるどころかって感じですね。教祖様の力が通用しない主人公……ちなみに翌日にはある程度整理をつけて立ち直っています。いつまでもクヨクヨしている方が時間の無駄なので切り替えてはいますね。ちなみに影山たち大人は何となく十六夜の感覚を分かっています。分かっていますが何故その感覚になっているかは理解していません。


 十六夜、どうやって帰った?
 スカイウォークっていう必殺技を身に付けまして……えぇ、空飛んで帰ってます。アルゼンチン戦に近いことやらかしてます。ただし、イナズマジャパンの宿舎に到達した頃には疲れたのでシャワー浴びて寝ました。そもそもこの男徹夜してますし、爆睡です。気持ちの整理は、大海原を飛んでいる最中に行っていますね。


 ルシェとの絡み
 翌朝、目を覚ますと影山が死んでいた……そのニュースを見た途端、十六夜はフィディオに連絡を取って動き出します。流石に、ルシェが心配になったので文字通り飛び出しました。このニュースはヒデナカタたちによってルシェには届かないようにされていました。そして、そのままフィディオたちと共に勉強会……当然のように外泊しますね。……この主人公ほんとに外泊多過ぎだろ……ちなみにガルシルド逮捕のニュースのせいで大人たちはそれどころではなかった様子。ガルシルド逮捕のニュースは彼の耳にも入ったようです。


 十六夜(イナズマジャパン)は影山のノートセットを手に入れた!
 ――まぁ、メタ的に言えば皆様から頂いている必殺技を登場しやすくするためですね。イナズマジャパンのメンバーがオルフェウス戦で弱さを痛感し、新たな必殺技を覚えるためのきっかけになる……感じで説明できますかね。だから、ここから先、急に新必殺技を身に付けたら、その技の多くはこのノートたちのどっかに書いてあったもしくはヒントがあったんでしょ。多分、影山のお陰です。

 ちなみに主人公がこの影山のノートが貰える条件を、ゲーム風に書くと……
 1巻~がもらえる条件
・ペンギン技が使えること。
・ゼウス戦までに認知されていること。
・チームK戦に参戦していること。
・イタリア戦の前日までに接触し、真実を伝え、黒幕打破の可能性を感じさせること。

 はい、最後の条件が何かおかしいですね。ちなみに0巻がもらえる条件は……
・上記に加え、影山の想像を超えるペンギン技使いであること。

 なので、何故か禁断の技をノーリスクで使え、何故か見ただけで皇帝ペンギンXを習得し、何故かペンギンと意思疎通可能で自由自在に扱いすぎている主人公は影山の想像を超えていますね。


 ガルシルド、逮捕。
 まぁ、十六夜たちの作戦通りですね。尚、円堂たちはそんなこと気にも留めていない様子です。だって、ガルシルドが何で逮捕されたのかよく分かっていないですし、影山のノートの方で盛り上がっていますから。おい、黒幕そんな扱いでいいのか?
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