超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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過去編 ~清算とそれから~

 コーチと再会してから1週間後……

 

『1,930万、絶対に忘れるなよ?』

『はいはい。ただ、お前も約束を忘れるなよ?』

『フン、たった2ヶ月で勝てるわけねぇだろ?』

『そうかよ。その言葉、後悔しねぇようにな』

『言ってろ』

 

 そのまま去って行く男2人。残されたところには……

 

「クソが……」

「お疲れさま、綾人」

 

 大の字で寝ている十六夜と、飲み物を渡す陽向の姿があった。飲み物を飲んで、深呼吸を繰り返し、冷静さを取り戻すことに専念すること数分。

 

「ありがと……たった7勝。193回も負けた……か」

「そうなるね。分析するまで時間がかかりすぎて、最低限の分析が終わる頃には逆転は不可能だった」

「いや、それだけじゃねぇな。奪う才能ってのをもう少し意識してみたが……ダメだ。意識すればするほどうまくいかねぇ。オレ自身が何が奪えて何が奪えていないか、何が自分の手札にあるのかを頭で理解できてねぇ」

「今まで無意識にやっていたことを、ちゃんと頭で理解して使おうとすると難しいってことだね」

「そうなるな……」

「でも、その難しさを理解出来ている。全く何も分からないという状態からは脱却している。それは大きな一歩だよ」

「だとしても、ここからがなげぇ。意識……理解……言語化……把握……手札……」

 

 空を見上げながら今の戦いを振り返る十六夜。今出来ていることと出来ていないことを整理し、どうすれば良いかを頭の中で広げていく。そんな彼を尻目に彼女も思考を巡らせる。

 

(……あのコーチはどこまで見越しているんだろう。確かに先週は4勝、今週は7勝で200戦やった中で考えれば誤差。相手の人が再戦しても負けるわけないと高をくくることが出来るのは決して自惚れではなく、たった数ヶ月で埋まるはずがない差があるのは事実。この差を埋めるには年単位の月日が必要……ただ、これは凡人の話。先週に比べると対応までの速さがあがっているし、何より大きいのはこの戦いを受けて手札が更に増えたこと。もちろん、現段階では誤差と言ってしまえばそれまでだ。だけどもし……もし、コーチの考えていることが現実になる……いや、現実にするのなら、恐らくここから先……)

 

「神奈?」

「あ、ごめん。ちょっと考え事していたよ」

「そうか?」

「そうそう」

「……さてと、今日も部活に行こうか」

「え?ないけど?」

「……ん?……あぁ、来週の月曜からテストが始まるんだっけ?」

「そうそう。もうそんな時期だよ」

「だから今日は部活ねぇんだよな……うっかりしていたわ」

 

 よっ……と言いながら立ち上がる十六夜。

 

「じゃあ、この後は普通にテスト勉強だな。そろそろ勉強に切り替えないとマズい」

「あの試合の後からサッカーの方を重視していたからね……でも、最低限はやっていたんでしょ?」

「それはそうだが、流石にそれだけじゃ足りねぇよ」

「うーん、じゃあちょうど良い機会だと思って、少しサッカーから離れてみたら?サッカーの時間を一回短くしてみるのはどうかな?」

「なるほど……思考のリセット……一理あるな。闇雲にやっても強くなれねぇ。試行錯誤するにせよ、何にも考えなしじゃ無駄な時間が生まれてしまう。落ち着く時間も必要か。それに受験を見据えるなら勉強もしねぇとだし……」

「ここからは時間もシビアな問題になってくるからね……高校受験と違って、相手は全国。上を見たらキリはないけど、上を目指すなら相応の努力は必要だよ」

「今は同年代でもそこそこ上位に居るけど、手を抜けばあっという間に転落する。その上、来年からは受ける模試にも本格的に浪人生が参加し、レベルは嫌でも上がる。慢心なんて出来る立場には居ないしな」

「そうそう…………ってあれ?綾人さん、志望校決めたの?」

「情けないことにまだだな。自分を見つめ直すってことで、進路についても色々と考えてはいるんだが……結局、大学やその上に行くにせよ、今の自分が将来何をやりたいのかさっぱり分からない。分からないから、今は一つでも上のところを目指して、選択肢を広げておこう……っていう考えに落ち着いた」

「それでもいいかもね。やりたいことが出来たとき、その選択を取れるようにってことだね。……あれ?でも、来月には三者面談もあるし、進路について両親とは話さないの?」

「…………特にねぇな」

「そ、そうなんだ……とりあえず行こう?勉強会をしたいし、場所は……」

「オレの家でいいか?シャワー浴びたいし、家には誰も居ねぇからちょうど良いと思うけど」

「そう?じゃあボクの家に寄って、荷物を取ってからでいい?」

「分かった。行くか」

 

 そう言って歩き出す2人。

 

(そう言えば……綾人の両親ってどんな人なんだろう?綾人はボクの両親と何度か会っているけど、逆はなかったなぁ……確かお父さんが単身赴任で、お母さんが出張が多くて家に居ないことが多い……んだったかな?それでも、何というか綾人の反応的に、家族と話せていない感じがするけど……これ以上は綾人の家庭の問題か。そもそも、綾人の場合は色々と問題が多いからなぁ)

 

「そう言えば、雪ちゃんとの約束覚えている?」

「約束?美空と約束なんてしていたか?」

「……テストの結果で競うってヤツ」

「…………げ」

「……忘れていたんだね?全く……言っておくけど、油断したら負けるよ?」

「……分かっている。……そうだった……アイツが相手……これは本格的にサッカー封印だな。前日の午前がサッカーで潰れるとなると、他の時間は勉強に充てないと勝負にすらならねぇだろ。……負けたら何を命令されるか分からねぇし……」

 

(それに、あの人との約束を果たすためにも、勉強しねぇとマズいか……)

 

「そこはお互い様だと思うなーボクとしては綾人が勝ったときにどんな命令をするか気になるところだけど?」

「え?何で?」

「彼女が居る身でありながら、キミは女の子にどんな命令をするんだろうってね?」

「……何だろう。正解はないけど不正解はちゃんとありそうで嫌だなぁ……」

「言っておくけど、ダメだからね?雪ちゃんは本気の綾人と戦いたいから、ワザと負けるのはなしだからね?この前の試合でちょっと迷惑をかけちゃったとは言えね」

 

 十六夜は陽向と仲直りした翌日、美空に対して謝罪とお礼を告げた。本人は気にしていない様子で振る舞っていたが、迷惑をかけたのは事実。

 

「……いや、大丈夫だ。勝負は勝負。ワザと負けても向こうがすっきりしねぇだろ」

「そう……」

 

(まぁ、綾人の場合はそれ以上のやらかしをしているから今更なんだけどね……)

 

 友達の勝利か彼女の勝利か。結果がどちらに転ぶかは分からないが、自分は自分のやれることをするだけ。そう思いを固め、歩いて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、決戦当日ね」

 

 そして、テスト最終日より1週間が経過したとある放課後。空き教室にて美空と十六夜、陽向の3人が揃っていた。

 

「それにしてもわざわざ空き教室貸し切りかよ……」

「安心して頂戴。教室の鍵も閉めてある……誰も入ってこれないわ」

「誰もそんなこと心配してねぇよ。寧ろそこまでするのがこえぇわ」

 

 もちろん、生徒会に所属している美空にとって、放課後に使われていない教室を1つおさえることなど造作もないが、それを誇ることはしない。

 

「えっと……とりあえず全部持ってきたよね?」

「ああ」

「ええ」

 

 そう言って、2人は向かい合うように並べた机の上に9つの紙のセットを並べていく。それぞれ問題用紙を上にして科目が分かるように、答案は下に置いて隠してある。美空の提案により、テスト返しごとの比較ではなく勝負科目が揃った段階での比較。そして、そこまでお互いの点数は秘密にしておくことになっていた。もちろん、立会人の陽向にさえ伝えていないため、どちらが勝ったかまだ分からない。

 

「確認するけど、勝負科目は受験に必要となる科目のみを比較する。つまり、学校のテストでやった英数国理に該当する2科目ずつと社会1科目の5教科9科目での勝負。それぞれ100点満点で、言うまでも無いけど副教科は除外よ」

「もちろん、そんな野暮なことはしない。テスト前にもその辺はちゃんと確認した話だし……つぅか、当然ながら副教科はノー勉だから、点数はそんなに高くねぇし」

「…………当然ながらって、あなたね……学生なのだから、受験に必要不必要関係なく、全科目をしっかり勉強するべきだと思うけど……今はお小言はいいわ」

「ああ、お小言は終わってからにしてくれ。……じゃあ、比べようか」

 

 そう言って2人は同時に答案用紙を出していく。

 

「「「…………」」」

 

 3人がそれぞれ比較する。そして、一番最初に声に出したのは……

 

「私の負けね……2勝5敗2分」

「そのようだな」

 

 負けを確信した美空だった。

 

「一応、総合点数だとしても負けているわね。私は813だけどあなたは……」

「821だな」

「うっ……思ったより差があったわね……」

「そうでもねぇよ。引き分けになった2科目と1点差で勝ってるこの科目。少なくとも3科目が1問でも変わっていれば結果は違っただろ」

「それは結果論よ。それが出来なかったのがテストのときの私ってだけ。受験本番で同じ言い訳は出来ないわ」

「……そうか。ちなみに神奈は?持ってきているんだろ?」

「……えっと……見せて大丈夫なの?」

「勝負は終わったわ。私も神奈ちゃんの結果が気になるしね」

「そういうことだ」

「それなら……」

 

 そう言って陽向はテストを見せていく……

 

「1勝6敗2分……大差だな」

「私なんてもっとよ。ちなみに合計点数は?」

「838かな……えへへ」

「ッチ、2桁差があるのか……前より開いたな。クソ、勉強不足だったか……」

「もうすぐ順位が分かるけど、平均点や周りの様子から今回も学年1位は盤石そうね。いえ、ここがワンツーかしら?」

「どうせお前がスリーだろ。ここに差がねぇんだから」

「……でも悔しいわね。あなたはサッカーをしながらそれでしょ?」

「お前こそ生徒会活動しながらだろ。条件はそんなに変わらねぇよ」

「これ以上のあれこれは惨めになるだけ。で?命令は?私に出来ることなら何でもするわよ」

 

 テストそのものの反省は既に終わっている。そして、勝敗がついた以上、残るのは結果に対する清算のみ。

 

「あー……これはアリか分からねぇけどさ」

「え?そんなに言い出しにくいことを言うつもり?流石の私でもやりたくないことはいくらでもあるからね?」

「ど、どうしよう……綾人さんが……綾人さんが……!?」

「何を考えているかはスルーしたいが……いや、命令云々じゃなくてさ、何故お前は勝負をしたのか、お前は勝ったら何を命令するつもりだったか。それを命令権使わずに聞くのはアリかって話だ」

「なるほど、勝負の理由を知りたいわけね。なしって言ったら?」

「どうもしない。そっかで終わらせて、元々考えていた命令をするだけ」

「そう……あーあ、本当は勝って言いたかったんだけどなぁ……やっぱり、十六夜綾人は強いわね」

 

 そして、美空は腰を90度に曲げ頭を下げる。

 

「ごめんなさい!」

「…………は?」

 

 発せられたその言葉は十六夜を困惑させる。だが、それでも頭を上げようとしない。

 

「いや、何というか……はい?ごめん、どういうことかマジで分からん」

「あなたが中学1年生の終わり以降、孤立していたのに何もできなかった。いじめが起きかけていたのに、何もできなかった。だから、ごめんなさい。私が弱くて一歩踏み出す勇気も無くて何も出来なかったから、あなたを独りにして苦しめてしまった」

「待て待て待て。いや、どうしてそうなるんだよ?つぅか、それってまさかだけど……」

「それにごめん!今回の勝負の土俵にあげるためとは言え、最低な脅しもした。本当にごめんなさい!」

「ちょっ、顔をあげてくれ?あの、マジで整理させてくれ?」

 

 珍しくあわてふためく十六夜をよそに、美空は頑なに顔をあげない。

 

「えっと……まず、まさかとは思うけど……いや、本当にまさかなんだけど……え?そもそも美空って、中学校同じだったのか?」

「……そうね」

「…………」

「ちなみに綾人……雪ちゃんと綾人は小学校から一緒らしいよ?」

「…………」

 

 この瞬間、十六夜は無知は罪だという言葉を実感した。最近も実感したような気がするが、正確には無知が人を傷つけることがあるのだと痛感した。

 

「……すみませんでした。本気で忘れていました……」

 

 彼は出会いの時点でやらかした事実に気付いた。正確には再会ではあるのだが……その時点で十六夜はやらかし、剰え今の今まで全く、微塵も、一切気付かなかったのだ。

 

「いいのよ。あなたが私のことを認知していないことくらい知っていたわ」

「ごめん……いや、本当にごめんなさい……」

 

 昔の十六夜ならいざ知らず、今の十六夜にとって、よく分からん同盟は組まされているものの、比較的本音で相手できる、貴重な友人と思い始めていた人が相手だ。そんな相手が高校からはじめましてではなく、実は小学校から一緒でそれを向こうは覚えていたのにこちらは完全に忘れていたというのはやらかしもやらかしだろう。この時点で断罪されてもおかしくはない罪である。

 

「……あー……でも、何というか……お前は悪くねぇだろ。アレはオレが勝手に火種を大きくしたし……オレもアイツらで遊ぶことを楽しんでいた節もあるし……」

「それも知っていたわ。意気揚々と水を得た魚のように生き生きとした様子で遊んでいたことも知っていたわ」

「……綾人さんサイテー」

「…………ごめんなさい」

 

 どんどん小さくなる十六夜。その姿はサッカーでは絶対に見られないくらい弱々しく、頼りないものだった。

 

「……だからその……顔をあげてください……」

「でも、それらを全部踏まえた上でやっぱり謝りたい。確かに被害者であるあなたが何も思っていないならそれで良いかもしれない。だけど、私はあの時行動を起こせなかったことを後悔している」

「…………」

「これは私なりのケジメよ。あなたにとっては私の身勝手な自己満足に付き合わせていることになる。ごめんなさい。こんなことの為に、あなたの時間を取らせてしまったことも謝らないといけないわね」

「…………なぁ、さっきの話、お前何でもするって言ったよな」

「えぇ。もちろん、謝罪と勝負は別物。でも、これで言葉を濁すようでは、この謝罪の本気さは伝わらないでしょう?」

「……既に十分伝わっているんだけどな。……今後、オレと勉強会をすること。それがオレからの命令だ」

「……はい?」

 

 思わず顔を上げる美空。予想外の命令で困惑を隠せないでいた。

 

「……どういうこと?正直、色々と覚悟していたのだけど……」

「勘違いはするなよ。この命令は元々考えていたもの……謝罪を受けて、罪悪感から甘くした訳でも、適当な命令でお茶を濁そうとしている訳でもない。……いやまぁ、罪悪感はあるんだけど……本当にごめんなさい……」

「いや、勉強会をするって……え?どういうことなの?」

「そうだな……オレはサッカーで強くなりたい」

「それは見ていればなんとなく分かるけど……それと勉強会に何の繋がりが?」

「……オレの課題の1つは物事を言語化すること。サッカーにおける相手の技術や思考、自分の技術や思考……感覚頼りなところが多すぎて、いざ考えようとするとごちゃごちゃして上手くまとまっていない。だからオレは、サッカーもだけど普段から頭の中にあるモノをちゃんと理解して、言語化出来るようにしないといけない。そうなったときに、美空との勉強会は言語化することを鍛える場になるんじゃないかって思った」

「雪ちゃんは綾人と同程度の学力がある。それが、今回のテストの結果で改めて示されている。だから、雪ちゃんがどういう思考でその答えに辿り着いたのかを話すと言うのもタメになるだろうし、綾人が教えるってなったときもある程度雑でも通じる。そして、雑で通じた後にどう整理して、どういう風に言語化すれば良かったかを振り返ることも出来る」

「……つまり、今の十六夜綾人にとって必要なのは順序立てて考えることと、その考えを言語化すること。自分の中で何が分かっているのかを言葉にすること。……そう言った思考に関する部分を鍛えたいと考えている」

「そうだな」

「そして、思考の部分の強化ならサッカーである必要はない」

「ああ。幸い、技術面の強化は当てがあるからな」

「しかも、普段の勉強をサッカーで強くなる……今の自分が出来ていない欠点を克服するためにと考えれば、勉強の動機付けになる。もちろん、克服した後は志望校なんかがあればそっちが動機付けになるだろうし…………いや、勉強とサッカーを繋げるとか、つくづく呆れたサッカーバカね」

「知っている。でも、強くなるために弱点を直すのは理にかなっている。……それに、これなら勉強を疎かにしなくなるだろ?」

「……どんな動機であれ、あなたが学生の本分を全うしようとするのなら、否定するつもりはないし、止めるつもりもないわ。ただ、それなら神奈ちゃんだけで良いんじゃないの?私の存在は不必要に感じるけど?」

 

 十六夜の命令の意図を理解するが、美空が相手である必要性を見出せないでいた。

 

「あー少し違うな。オレは勉強会を開くならこの3人で、だと思っている。美空、お前も必要だし、神奈も必要だ」

「その必要な理由は?」

「大きく2つだ。1つはオレたちの志望校のレベルを考えると、解いていく問題の解き方は1通りだけってわけじゃない。1つの物事に対する複数からのアプローチ……他の解き方、思考の方法を理解するのも大事だろ?神奈にはよく教えてもらっているが、お前からも教えてもらった方が色んな視点で物事を見られる。神奈だけでは見えなかったものが、美空から得られるかもしれない……そういうことを期待しているからだ」

「なるほど、それはサッカー関係なく一理あるわね。1つの視点で行き詰まったときに、別の視点から見ること。物事を多角的に見ること……確かにそれは私にとっても凄く有益な話ね。特に相手があなたたち2人なら尚更。それで?もう1つは?」

「仮にオレがお前に2人きりで教えてもらうみたいな感じで神奈を抜きにすると、コイツが悲しくなる」

「んなっ!?ぼ、ボクだって彼氏と友達が2人で楽しそうに勉強会をするなんて……するなんて……!」

 

 目に涙を浮かべ、悲しげな雰囲気を醸し出す陽向。

 

「大丈夫よ。神奈ちゃんも一緒に勉強会しましょ?」

「うん!」

「ということだ。これで、両方必要な理由が分かってくれたか?」

「そうね。こんな捨てられたチワワみたいな空気を出されたら、放っておくなんて出来ないわ」

「後はまぁ…………何というか、生徒会やら何やらで、お前が困っていて手が必要って言うなら貸す。これはさっきの罪悪感もだし、今までも色々と迷惑かけているから……覚えていないところでもかけていそうだし…………だから、遠慮無く頼って欲しい」

「そうね……そうやって反省して、改善してくれるのなら、まずはクラスメイトの顔と名前をそろそろ全員一致させて欲しいのだけど?」

「それはごめん無理。2人以外全然覚えていない」

「「…………」」

「え?普通じゃないのか?だってさ、よく考えろよ。二、三十人の顔と名前を一致させるんだろ?無理無理、出来る気しない」

「「…………」」

「そんなことをたった3ヶ月で出来ている方が凄いわ。凡人には出来ない出来ない。名前の書いたタスキでも掛けてくれれば苦労しないのにな」

「…………ねぇ、神奈ちゃん。ダメ元で聞くけど同じ部活の人は覚えているの?」

「覚えていないね……皆、ゼッケンの番号で呼んでいるよ……後はお前とかそこのとかそんな感じ」

「……どうしてここまで他人に興味がないの、この男は?」

「うーん……興味が無いって言うか……そもそも、人間って皆同じに見えない?あ、流石に覚えている人たちはそんなこと思っていないけど……殆どの人が2つ目があって、鼻があって、口があってって、腕が2本生えていて、足も2本で……」

「「…………」」

 

 そんなことを言っている男に対し、頭を抱えるのは女子2人。

 

「この男……人を認識する回路がイカレているんじゃないの……?余りにも他人に興味がなさ過ぎて、人類の殆どが男性トイレのマークのようなシルエットの絵に見えているんじゃないの?」

「美空……天才か?……すげぇ、それオレの感覚に近いかも。そして顔の部分に顔文字みたいな感じで……ああ、そうやって言語化すれば良かったのか……」

「……殴って良い?何発か殴ったら人間になれるかもよ?」

「だ、ダメだよ!これ以上他人に興味なくしたら、本当にマズいんだって!」

「十分マズいでしょ」

「ま、まぁその分、ちゃんと覚えている人のことは綾人さんの中でも特別な立ち位置に居るので……」

「居ない人間が多すぎるのよ。どうせこの男のことだから、教科担任の顔もそうやって見えていて、ろくに覚えていないでしょ」

「職員室って『先生』って呼んでも全員が振り返るから困るよな。名前と席を見ても分からねぇし、顔見てもさっぱり分からないから担任か監督に何とかしてもらっている」

「…………いくら何でも学校生活に……いえ、日常生活に支障が出るでしょ。せめて、クラスメイトやチームメイト、学校の先生って枠組みくらい作りなさいよ」

「まぁまぁ、一応優等生モードのときは上手く立ち回っているので……本当に上手く立ち回っているだけだけど……」

「いつかその仮面が外れて痛い目にあうわよ……」

「じゃあ、そのときは助けてくれ」

「自分でなんとかする努力をしなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすぐ夏休みだけど、2人は夏期講習は受けるの?」

 

 7月中旬のとある日の放課後の教室にて。美空は十六夜と陽向との勉強会の休憩中にそんなことを聞いていた。

 

「受けねぇ」

「多分受けないかな」

「予想はしていたけど、そうなのね。でも、模試は受けるんでしょう?」

「そうだな」

「うん、ボクも綾人さんもちゃんと上の方の模試は学校指定以外も受ける予定だよ」

「神奈に言われたから仕方なく」

「……はぁ。この勉強会も気付けば5回目……思いの外、あなたがこちらの都合を優先して開いてくれるから私としてはありがたいのだけど……休憩中とは言え、スマホを弄って何をしているの?」

「ソシャゲ」

「ソシャゲって……ソーシャルゲームのこと?サッカーバカなあなたがやっているなんて正直意外なんだけど……どんなゲームをしているの?やっぱり、サッカに関するゲーム?」

「チェス」

「そうなのね。そもそも、あなたがゲームをしているってだけで意外なのだけど、チェスとはまた渋いところを……」

「ボクが勧めたからね」

「あ、そうだったんだ。……え?まさかとは思うけど、これもサッカーが関わっているとか?」

「正解です」

「……正解なのね」

 

 あまりの返答に何も言えなくなる。やっていることの全てをサッカーに帰結させるサッカーバカ……この勉強会もわざわざ先の勝負の命令権を行使していたが、サッカーのためだという男だ。やっているゲームがサッカーのためだと言われてもどこか納得してしまう。

 

「別に四六時中サッカーに捧げているわけじゃねぇよ。サッカーで強くなることの手段として実践しているかどうかって話だ」

「じゃあ、あなたがサッカー関係なくやっていることって何があるの?」

「……神奈から借りたラノベを読む?」

「えへへ……ちゃんと読んで感想を貰えるから勧めがいがあるのです」

「他には?」

「…………神奈とデート?」

「流石にデート中は、彼女を優先してほしいものです。何回か失敗していますが……」

「失敗しているのね……え?他には?出来れば神奈ちゃん以外で」

「…………思いつかないな」

「……いや、これ以上思いつかないのなら十分過ぎるわよ……」

 

 同年代でここまで何か1つのために生活の全てを賭ける……簡単に言っているが、そんなことできる人間など限られている。

 

「あくまで神奈ちゃん関連は綾人にとってのオフ……自身の精神状態を安定させるために必要であろうプライベートな部分と考えれば、それさえもサッカーに捧げていると言い換えることもできてしまう」

「そうだね……あくまで綾人さんにとっての精神のバランスや、1人の人間としてのバランスを保つためにやっていることって考えれば、それも綾人が成長するのに必要なことだと言えるね」

「人のこと何だと思っているんだよ」

「サッカー(ぐる)いのバケモノと言ったところね」

「ひでぇ言われようだ。こっちは純度100%の人間様だっての」

「普通の高校生は生活の全てを1つの物事に捧げるなんて出来ないわよ」

「まぁまぁ、それも1つの強みってことで……」

「それを言うなら神奈ちゃんの凄さも改めて知ったわ」

「ふぇ?」

「神奈ちゃんは相手を分析することが得意なんでしょう?既に分析されているからでしょうね。私の思考の過程を当てられているから、どういう道筋で考えているかを全部当てられて、まるで頭の中を覗かれているみたい」

「そ、そんなこと……」

「ううん、それだけ凄いってこと。それだけ凄いなら逆も可能そうって思って……」

「逆?」

「あープロファイリングって言うんだったかな?神奈ちゃんは特定の人物を分析して、その人の取る行動や考えを読んでいるんでしょう?だから、その逆。その人が取った行動を分析して、それをした人がどういう人なのか特定出来るんじゃないかって」

「確か警察でも出てくるようなことだよね?……どうだろう。そういうのは考えたことがなかったかも」

「まぁ、十分凄いのだけどね。ぶっちゃけ、前にやったゲームで正直引いたわ」

「あーあれか。休憩中にやっていたやつな」

「そうそう。出された5つの問題を私がどう答えるか、神奈ちゃんに先に解いてもらって私が後で解いたアレ。まさか、解答の道中まで殆ど同じなんて寒気を覚えるほどだったわ」

「そうだな。オレもチェスで対局したときに、開始たった数手で、最後のチェックメイトまでの道筋を何度も予言し当てられているからな」

「こ、これは褒められている……?それとも貶されている……?」

「圧倒的なまでの洞察力と確かな分析力……超がつくほどの頭脳派」

「その代償にコミュニケーション能力と身体能力を捨て去ったわけか」

「今のは貶しているよね!?」

「あなたも人のこと言えないわよ。最も、あなたは能力が無いと言うより、やる気がないと言うべきだろうけど」

「ぶぅ……綾人さんはやれば出来るのにやらないから……」

「割く時間に価値を感じなければやらねぇよ」

 

 能力が無いから出来ないのと能力があってもやる気がなくて出来ないのでは話が大きく異なる。コミュニケーション能力の話に関わらず、突出した天才たちは各々が各々の問題を抱えているのは端から見ても分かることだった。

 

「あなたは本当に……で?あれから部員の名前と顔は覚えた?」

「誠に残念ですが、真摯に取り組んだ結果、微塵も記憶に残っておりません」

「ダメじゃない。それっぽい言い訳で許されると思ったら大間違いよ」

「いやいや、雪さんや。オレは割と真面目に頑張ったけどダメだったんだ。人には出来ないこともあるってことだ」

「開き直っているんじゃないの。どうせ、頑張ったって3秒あれば良い方でしょう?」

「惜しいな。2秒だけ頑張って諦めた」

「それでよくつらつらと言い訳を並べられたわね……ねぇ、サッカーってチームスポーツでしょう?味方とのコミュニケーションは必須じゃないの?」

「そうだな。仲間とのコミュニケーションは必要だろうな」

「……じゃあ、今の仲間とは?」

「仲間?何言っているんだ、アレらは都合の良い駒どもだろ。そして、駒とコミュニケーションを取る必要はない。こちらの命令に従うならそれ以上は必要ない。しかも、都合が良いことに駒たちを識別するための番号も割り振られている。だから、番号とやれることを繋げれば良いから、やはりコミュニケーションを取る必要もなければ、名前も顔も覚える必要がない」

「……この男……背番号のことを識別番号って言ったわね。そんな認識しているの世界であなただけよ……」

「いや、オレ含めて7人は居るだろ」

「……居て欲しくないし、そもそもこれまでの発言が、とてもじゃないけど、チームスポーツをずっとやっている人間とは思えない発言ね」

「まぁまぁ……綾人さんのそういうところを直すには、今の環境じゃ無理なので……」

「寧ろ、どんなチームメイトならこの男は仲間だと思うのよ」

「うーん……自分と同格以上の相手か、格下でも同じかそれ以上のサッカーバカで、何より自分に挑戦し続け成長を促してくれる相手かな?」

「なるほど。今のチームメイトには圧倒的な格下しか居ないし、あくまで部活でやっているから熱意は高くない。……じゃあ、あなたは自分の思う仲間を作ろうとは思わないの?今の手駒を仲間だと思える相手に成長させるとか……」

「時間の無駄。そんなことをするほどの価値を見出せない。そんなことをするぐらいならオレがもっとゴミの使い方と使い道を学んだ方が効率的」

「今サラッとゴミって言ったわこの男。……はぁ、ここまで自分のことしか考えない男は見ていて清々しくなるわ。いえ、正確には自分と認めた相手のことしか考えない……か。どこまでも傲慢で認めさせるハードルが高いわね」

「それでも一度認めてしまえば、その後は割と考えてくれるので……」

「それはあくまで日常生活の話でしょ?サッカーだといつ切り捨てるか分かったものじゃないわ」

「流石に前例がないせいで分からないです……」

「そもそも、あなたがサッカーにおいて仲間だと思える相手は過去含めて何人居るのよ」

 

 その質問を受け、スマホを机に置いて真剣に考える十六夜。

 

「……5人」

「5人もと言うべきか、5人しかと言うべきか……それって少年団の話?」

「よく分かったな」

「いや、簡単に分かるわよ。中学の部活はアレで今も仲間ゼロなんでしょう?だったら小学生の時しかないじゃない」

「あの天王寺クンもその内の1人だよね?他には?」

「そうだな……当時の状況で話すなら、鍛え上げられたフィジカルが武器の天王寺将馬。速さとスタミナが武器の速水(はやみ)俊一(しゅんいち)。本能と嗅覚が武器の犬塚(いぬつか)直人(なおと)。正確無比のコントロールが武器の加々美(かがみ)(とおる)。柔軟性とトラップが武器の星崎(ほしざき)夏樹(なつき)……この5人がライバルであり認めている相手……だが、天王寺以外は少年団以降会っていないからどんな成長を遂げたか分からない」

「なんというか……癖が強そうね。あの天王寺って人とあなたの仲間でしょう?」

「そうだな。オレ以外が全員天才の怪物集団……凡人のオレは努力の量だけは負けるわけにはいかなかった。アイツら以上に努力して努力して……何とか互角まで行ければ上出来。常勝なんて出来なかったし、競うところを絞れば一回も勝てなかったことなんてザラ。しかも、あの人に言わせりゃオレはその5人より弱いらしいし、身を以て知った……が。いずれ、全員倒す。正面から倒し、跪かせ、オレの方が上だと示す」

「仲間と言うより好敵手ね……で?あの人って誰なの?」

「綾人さんを狂わせた少年団のコーチです」

「狂わせた……ね。もしかして、恩師を間違えたからこうなっているの?」

「あはは……綾人さんは出会う人が違えば、真っ当な人間になれた悲劇のバケモノなんです」

「そうなのね……その人に出会ってしまったから綾人はこんな悲しいモンスターに……」

「人間だって言っているだろうが」

「鏡を見てから言いなさい」

「どこからどう見ても人間だろうが」

 

 コンコンコン

 

「お話中、失礼するよ」

 

 と、教室の扉を叩きながら入ってくる先生。

 

「先生?どうしたんですか?」

「そこの十六夜綾人って男に雑用を頼みたくてね」

「えぇー雑用ですか?見て下さいよ監督。オレは今、学生の本分である勉強に集中していたんですよ?」

「スマホの画面ではチェスをしているように見えるが?」

「やっべ。対局中でした」

「……見たところ休憩中だったんだろう?こちらとしては文句はないよ。それに君たちは3人とも学年でもトップクラスの成績保持者。君たちがそうやって勉強する姿を見せることで、他の生徒たちにも良い刺激を与える」

「ありがとうございます。それで、綾人に頼みたい雑用とは?もしアレでしたら、私が代わりに……」

「いいよいいよ。ちょっとした力仕事を頼みたいんだ。そんなことで女の子たちの手を患わせるわけにはいかないよ」

「神奈と雪だけじゃなく、オレの手も考慮して欲しかったな……」

「ほら行くぞ。最近は、勉強会をするから部活を休むと言うワガママも聞いているし、休日も個別練習で遅刻するワガママも聞いている」

「元々、そんなに厳しくないでしょうに……」

「君ならさっさと終わらせられるだろ?軽い筋トレだと思って付き合ってくれ」

「へーい」

 

 そう言って立ち上がる十六夜。そのまま先生に連れられ教室の外へ行く。

 

「分かりやすい男ね」

「そうだね。認めている先生だからこそ、ちょっとしたお小言だけで、ちゃんと言うことを聞いているよ」

「そうそう。それにサッカー部の顧問として認めているんでしょ?中学時代は酷かったからね……あの先生のことは元々好きじゃなかったみたいだけど、決定的な亀裂が入ってからは、その先生の授業中は寝ているか保健室に行って授業は聞こうとしないし、すれ違っても挨拶すらなくガン無視。ただ、それでいてテストの点数はほぼ満点に近いものを叩き出すから何も言わせないっていうことをやっていたからね」

「何となくは聞いているよ。綾人さんは認めている相手と、拒絶している相手、その他の人間と大きく3つのグループがあるけどこの差が人の何倍も激しいからね」

「分かる。そう思うと担任の運は中学も良かったらしいわ。アイツ自身結構気を許していたし、懐いていたから、言うことは比較的聞いていたし、授業も比較的真面目に受けていた。十六夜綾人という問題児を唯一制御できるって、教師陣でも話題だったみたい」

「その点、今だと認めているのは顧問のあの先生と今の担任だけだね。去年の担任含めて他の先生たちはその他の人間に入っているから興味ないと思うよ」

「いいわよそれでも。この学校に拒絶している先生が居ないし、言うことを聞く先生が居るなら問題ないわ。それに、言うことを聞く先生が一人も居ないなんて大問題を起こさないだけマシね」

「仮に居なくても大丈夫だよ。ボクらが何とかすれば良いんだから」

「簡単に言ってくれるわね……」

 

 少しした後、十六夜が帰ってきて勉強会を再開する。

 

「綾人、ここを教えてもらえる?」

「ああ、ここは…………」

「…………ありがとう。最初に比べると、あなたの説明はかなり分かりやすくなったわ」

「ありがと。……確かに、前より言語化する能力が高くなって来たかもしれないな」

「そうやって、成果が出ているなら命令を使った意味があるかもしれないわね」

「そう……じゃあ、ここ教えてくれないか?何となくの解き方は分かるんだが、頭の中でまとまっていないんだ」

「ここはね…………」

 

 放課後の勉強会は今日も遅くまで続くのだった。




十六夜綾人
 無知は罪ということを自覚した男。なお、特定のこと以外、知ろうとする努力が圧倒的に欠如しているため、まだまだ問題を起こしそうである。ちなみに転生時にソシャゲをしていたと言っていたがチェスのことである。他のゲームをやらない理由は興味が無いから。
 また、興味のないことに対する記憶力はゼロであり、絶望的なまでに他人のことを覚えていない。高校でしっかり認識しているのは、陽向、美空、担任、監督の4人だけである。そのため、他の学校で関わる人間の顔や名前が分からないどころか、下手すると性別どころか学生と教師の区別すらついているか疑われる。もはや、この男は人をどうやって認識しているのか……致命的な欠落を抱えていそうなレベルである。
 記憶がない状態で転生したお陰で初期から周りの仲間の顔と名前を覚え、名前で呼んでいるし、今も名前で呼んでいる(尚、FFI後に増えているであろう雷門サッカー部や、この先出会う相手の名前を覚えるかは不明)。記憶が保持された状態で転生していたら、いつから名前を呼び始めていたか分からない。作中だと武方三兄弟を髪色で呼んでいたが、あのレベルかアレより更に酷いものがほとんど全員に適用される地獄が待ち受けていた。神様が記憶を封印した理由は、この男にちゃんと人を認識させ、名前で呼ばせるためだったかもしれない。
 
陽向神奈
 特化した才能を持っている反面、それ以外の多くのことを犠牲にしてしまった少女。コーチと出会わなければ、と言っていたが、彼女も十六夜を狂わせている存在の1人であることを忘れてはいけない。
 チェスのソシャゲを勧めた張本人。コーチのチェスを教えろというアドバイスを受け、彼がチェスに触れる時間を長くするために勧めた模様。彼氏が他人のことを覚えられないどころか、下手すると見分けすらついていなさそうなレベルで、生きていく上で致命的な域にいることを知っているが、自分のことが分かればそれでいっかと悟り、改善することを諦めた。

美空雪
 比較的常識人ポジションに収まることが多い少女。十六夜の1つに人生を捧げる姿勢は尊敬するが、それはそれとしてそれ以外のことが酷すぎるため頭を抱えている。彼女がもっと早くから関わることが出来ていれば更生できた可能性があるが、あくまで可能性の話である。彼女も十六夜に影響を与え始めたが、本人たちに自覚はない。
 勝負後は十六夜と話すことが増える。どちらかと言うと甘やかしがちな陽向に代わり、叱責することが多い様子。ただ、関わるようになって、十六夜綾人が想像以上の問題児で頭を抱えることが増えたとか。なお、優等生モードの十六夜に話しかけられると寒気がするようになったらしい。
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