イナズマジャパン史上最も長い1日(恐らく?)が始まる……
オレの運動禁止令も解かれて数日。それは、心地よい風が吹き抜けるようなある晴れの日のことだった。
「Aグループ、予選お疲れー」
「「「お疲れー」」」
何故こうなったかを思い出す。
まず始めに、オレは先日の採血結果の確認の為に病院に行った。この段階では八神も一緒だった。そして、検査結果は特に大きな異常はなかったよう。様子見ともっと時間をかけ詳しく検査するとかで、血を更に抜かれ、定期的に通うという結論に落ち着いた。医者が詳しく調べたいと言うのなら従わない理由もないので、しばらくは言うことをちゃんと聞いておこう。
次に病院からの帰りでセントラルエリアにて、何故か大量の手荷物を持っている浦部と財前のペアに遭遇。買い物をしている彼女たちに巻き込まれかけたが、オレはパスをする。その代わりに八神が連れて行かれた。何でも女子同士交友を深めよう!昔のことは水に流そう!とか何とか言われて巻き込まれた。そういう交流も大事だと思うので、笑顔で彼女たちを見送った。
そして、1人になったオレは歩いてイナズマジャパンの宿舎に向かおうとすると、道中でエドガー、テレス、ディラン、マークの4人に遭遇。何でもフィディオとオレの所に行って、Aグループ代表として激励をするつもりだったらしい。そのまま5人でフィディオを探しに行こうとすると、ジャパンエリアの付近でフィディオとたまたま出会ったので、そのままの流れでジャパンエリア付近のグラウンドにて集まった。
「いやぁ、まさかイナズマジャパンが2位通過とはな」
「1番の驚き……流石に予想外だね」
「うっせぇーまるで、オルフェウスが1位通過は予想できていたみたいじゃねぇか」
「イタリア代表が強いのは前から言われていたからね」
「そうだよ!しかも、イナズマジャパン以外にはキャプテン抜きで勝ったなんてね!」
「あはは……ただ、キャプテンが居なかったらイナズマジャパンに勝てていたかどうか……」
「イフなんて興味ねぇよ。結果が全てだ」
「ほぅ?その理論なら、お前らと引き分けた俺たちは実質同格ってか?」
「ああ?今ここで決着つけてやろうか?テレス」
「望むところだっての。今度こそ体調は万全なんだろうな?」
「なら、私も混ぜてもらおうか。彼には因縁があるのでね」
「ミーも混ざりたいね!因縁とかは置いといて純粋にサッカーしたいね!」
「なら俺もやろう。フィディオはどうする?」
「もちろん!」
そう言って近くの空き地に移動し、ドサッ、と荷物を近くに置く。
「どうする?3対3を何度か繰り返すか?」
「それで構わない。シュートは禁止にしよう」
「いいぜ。でも、こうしていると思い出すな」
「うん!エドガー以外の5人でやったんだよね!」
「懐かしいな。でも、まさかこんな結果になるとは」
「よし、やろう!チーム分けは……」
何時間経っただろうか?適度に休憩を挟み、チームのメンバーを入れ替えながらオレたちは戦い続けた。
ゴロゴロ……
「曇ってきたな……」
「というか雷が鳴ってるね!」
「おかしいですね……今日は一日晴れ予報だったはずですが……」
「流石に降り出したらマズいか……どうする?酷くなる前に解散するか?」
「それがいいだろうね」
ゴロゴロ……
気付けば空模様は荒れていた。今すぐにでも降り出しそう……というか無茶苦茶光っているし、雷も鳴っている。
「もしアレだったらオレたちの宿舎に来るか?流石にこの雷じゃ、屋内に避難するのが最優先だろ?」
「いいのかい?じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」
「おぉ!じゃあ、イナズマジャパンのメンバーとお話したいね!」
「ああ、ドモンとニシガキがイチノセの所に行ったし、その時の寄せ書きの御礼を言わないとな」
寄せ書き……ああ、アレか。何か前に円堂から『手術を控えた一ノ瀬にメッセージを書いてくれ!』って言われたな。流石に書かないわけにはいかず、皆で書いたヤツ、無事に届けてくれたのか。
「それでは、お邪魔させてもらおう。彼らにもエールを贈りたいですし」
「ああ。コイツだとアイツらにも伝わるかわかんねぇし」
「しっかり伝えるっての……取り敢えず移動しようぜ」
ということでイナズマジャパンの宿舎に向けて、荷物を回収して移動する。その道中で……
ドカーン!
爆音が響き渡り、光が飛び込んでくる。落雷……勢いよく雷が落ちたのが見えた。
「ワッツ!?大丈夫なのかい!?」
「すぐ近く……グラウンドの方か!」
そう思うと同時に走り出す。落ちたのはグラウンド?いや、流石にこの天気なら中止……って考えたいが、急速に悪くなったし、まだ雨が一滴も降っていない。続行しているか、悩んでいる可能性もあるのか。
とにかく、一刻も早く状況を確認するため、雷が落ちたところまで走って行く。彼らもオレに続く形で着いてきて……
「何だよコレ……!?」
何故かイナズマジャパンの選手たちが吹き飛ばされていて、天使みたいなヤツが浦部の、悪魔みたいなヤツが音無の近くにいた。よく分からない光景が広がっているが、見たところ照明の1つに雷が落ちたよう。
「おい!リカに何するんだ!」
浦部を連れて行こうとする天使っぽい奴に対して声を上げる円堂。しかし、シュートを腹に受けて吹き飛ばされてしまう。
「おいおい、何が起きているんだ……?」
「平和的じゃなさそうだね……」
「十六夜!それにフィディオたちも!?」
イナズマジャパンのメンバーと天使風の奴と悪魔風の奴がこちらに目を向ける。えっと……
「どういう状況?」
「うるせぇぞ人間!ガタガタ言ってると魂喰らっちまうぞ!」
「……あぁ?そういうテメェは何様だよ?」
「アヤトのお口が悪いねぇ」
「春奈!」
何言ってるんだコイツ……そう思っていると鬼道が悪魔っぽいヤツに突撃するが、こちらもシュートを腹に受けて吹き飛ばされてしまう。
「お兄ちゃん!」
「物騒だな……おい」
ドカーン!!!
次の瞬間、再び雷が落ちてきて辺りが光に溢れる。
光が消えたとき、浦部を連れた天使擬きと音無を連れた悪魔擬きが地上から消える。
「おい待てやコラ。よく知らんけど、うちのマネージャーと知り合いの観光客を勝手に連れていかれたら困るんだわ。つぅか、人様の友人たちに手を出しておいて逃がすかよ」
「な、なんだこの人間!?空を飛んでいるぞ!?」
「ハッ!追ってきたってわけか!」
そして、オレの姿も地上から消える。スカイウォークで彼らを追いかけて空を翔る。
「いいなおい!ここまで来てみろよ!」
「上等だコスプレイヤーども。地上に叩き落としてやるよ」
「こ、コスプレだと!?これは正装だっての!」
「そもそも何故だ!何故、人間如きが我々の動きについてこれる!?」
空を舞台にした鬼ごっこは熱を上げていく。左右前後上下……雷を避けながら大空という舞台を自由自在に飛び回り追いかける。一向に縮まらないこの距離……ヤツら、本当に飛んでいるみたいだな。一体、どういう原理だろうか?いや、空を走るオレが人のこと言えないか。
「お前たち!ソイツを捕らえろ!」
「お前ら!その人間を叩き落とせ!」
「ッチ……何だ、お前ら」
と、雲を抜けると次の瞬間、天使と悪魔みたいなヤツらに囲まれる。1、2、3……え?20体(?)も居るんだけど?おいおい、こいつらだけじゃねぇのか……
「キサマを捕らえさせてもらう」
「いいや、ここで地獄に堕ちてもらう」
「先に行って下さい」
「後で向かう」
「……ねぇ、邪魔なんだけど?どいてくれない?」
一方のイナズマジャパン宿舎前のグラウンドにて。連れ去られた音無、浦部、そして何故か消えた十六夜について話し合いが行われる。
「とにかく、そこら中捜すしかないですよ!監督!」
「闇雲に捜して見つかるものではない。何か手掛かりがないと……」
すると、一羽のペンギンが八神の近くに現れた。
「ペラ-……?どうしたんだ?」
『綾人が天使たちに連れて行かれて捕まった!』
「「「何だって!?」」」
看板には驚愕の文章が書かれていた。
「本当なのか!?」
『そうなんだよ!』
「十六夜のペンギンだな。春奈、十六夜、リカの3人が何処に連れて行かれたか分かるか?」
『えっと、綾人とリカって人はマグニード山の上の方。でも、春奈って人は多分マグニード山の下の方だと思う』
「マグニード山だと……?そう言えば、あの2人は伝承の鍵をしていたな」
伝承の鍵……浦部たちがショッピングで買っていたお土産の1つで、1つは浦部がもう1つは音無が身につけていた。ただ、伝承の鍵というのはあくまで伝説の1つで……真実ではないはずだった。
「でも、あんなの伝説よ?ただ、もしも本当だったら、マグニード山と言うのは伝説通り……」
と、イナズマジャパン宿舎に来ていた雷門がそう答える。彼女は私用で来ていたのだが、たまたま巻き込まれたのだ。
「伝説なんて関係ない!十六夜たちがそこに捕らえられたのは事実なんだろ!?それなら、助けに行くしかない!」
と、円堂がそう答える。
「当然だ。あんな奴らに春奈を連れ去られて、じっとしているなど出来ない」
「同意見だ。……十六夜を助け出す。大切な存在を二度と奪われてたまるか」
鬼道と八神が円堂に続く。他のメンバーも助けに行くと訴えかける。
「……分かった。キャラバンに乗り込め、急ぎマグニード山へ向かうぞ」
「「「はい!」」」
その思いに折れた久遠監督は、助けに行くための手配をする。
「すみません!俺たちも連れて行って貰えませんか!」
「フィディオ……!」
「目の前でアヤトが連れて行かれたのに、何もしないなんて出来ません!」
「それにレディーたちが目の前で攫われたのに、何もしないなんてナイト失格です」
「エドガーも……」
「だが、君たちはつい先ほど来た部外者だ。これはあくまで我々の問題……わざわざ首を突っ込む必要は無い」
「そんな大層なことは考えてねぇよ。何か偉そうなヤツらに連れて行かれたアヤトを迎えに行くだけだ」
「そうだね!それにユーたちはカズヤたちの友人なんだ!ミーたちにも救いに行く理由がある!」
「自分たちの身は自分たちで守ります!お願いします!連れて行ってください!」
「テレス……ディラン……マーク……!」
「……分かった。ただし、こちらの指示に従ってもらう」
「「「はい!(おう)(オーケー!)」」」
「ならアタシも!あの2人が連れて行かれて、十六夜が捕まったのは、アタシたちがアレを買ったのが原因だから……」
「ああもう……私も着いて行きます。これ以上、無茶する人が現れると困りますから」
そして、その場に居合わせた全員がキャラバンに乗り込むと勢いよく出発する。目指すはマグニード山……
「ねぇ、シスター……十六夜綾人、天使陣営に捕まったんだけど……?」
「…………」
「し、シスター……?」
「何で捕まってるの……一体、どういうことなの……!?」
「シスターが珍しく狼狽えている!?と、とりあえず落ち着いて?ね、一旦落ち着こう?」
「あなたが捕まってどうするの……!?そもそも、どうして……!?」
ちなみに、遠くで十六夜が捕まる一部始終を見ていたAとLは頭を抱えるしかなかったとか。
~NGシーン(ネタ)~
「お前たち!ソイツを捕らえろ!」
「お前ら!その人間を叩き落とせ!」
「ッチ……何だ、お前ら」
と、雲を抜けると次の瞬間、天使と悪魔みたいなヤツらに囲まれる。1、2、3……え?20体(?)も居るんだけど?おいおい、こいつらだけじゃねぇのか……
「キサマを捕らえさせてもらう」
「いいや、ここで地獄に堕ちてもらう」
「先に行って下さい」
「後で向かう」
「ねぇ、邪魔なんだけど?どいてくれない?」
そして、天使と悪魔たちに囲まれた十六夜はそのまま……
ボコッ
「き、貴様……!?人間ごときが天使に手を上げるなど……」
バコッ
「テメェ!?悪魔に手を出すとどうなるか……!」
十六夜の拳が天使の一人の顔に突き刺さり、逆の肘が悪魔の一人の腹に刺さる。
「……邪魔だって言ってるだろ」
「や、野蛮人め……!」
「大人しく投降しろ!」
「野蛮?大人しく?何でこっちがテメェらの言うことを大人しく聞かねぇといかねぇんだ」
バキッ、ドゴッ、グシャッ、ゴキッ
「来いよ。テメェらが手段を選んでねぇように、こっちだって穏便に済ませるつもりはねぇからよ」
「この人数に勝てるわけねぇだろ!」
「どうやら痛い目を見てもらう必要があるようだな……!」
「血が滾るな……久し振りの喧嘩、負ける気はねぇぞ」
数分後……
「十六夜!……ってえぇ!?何だその後ろの怪我と傷だらけの天使と悪魔たちは!?」
「気にしなくて大丈夫だ。ちょっと
「「「…………(コクコクコクコク)」」」
「「「…………」」」
(((絶対、何かやらかしただろ……)))
「ほら、2人は無事だぞ。さぁて……テメェらの処遇を決めようか?」
笑顔でそう言ってのける十六夜綾人。
(((…………何だろう。絶対に何かを間違えてる気がする……)))
ちなみに、遠くで十六夜が暴力で全てを解決するところを見ていたAとLは頭を抱えるしかなかったとか。
伏線回収ですね。さぁ、皆様の予想は当たりましたか?正解は、十六夜綾人、天使に捕まるでした。いやぁ、予想を的中させた方々も居ましたねぇ……いや、何してるんだよこの主人公。流石に男主人公で彼らに捕まるとか聞いたことねぇけど?そして、八神さんがしっかり助けに行くようです。
一応、AとLが関わらなかったノーマルモードの世界線だと、アニメみたく海外勢を加えたメンバーで練習中に雷落ちて連れて行かれて皆でマグニード山へって感じです。アニメ同様監督たち大人やマネージャーたちは居ませんし、十六夜くんも空を飛んで追いかけには行きません(少なくともスカイウォークを習得していないので)。
また、NGルートは十六夜綾人が暴力で全てを解決してしまうルートですね。きっと、記憶を全て取り戻し、力に目覚めていた世界線でしょう……多分。これは天使と悪魔に喧嘩を売った日(物理)ですね……と言うかもう解決してそうなのは内緒。もしかして、これがRTA界最速と噂の、天使と悪魔を物理的にボコして試合を行わせず解決するルート……?
次回、マグニード山へ
次回より、捕まった