超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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VS天使と悪魔 ~開戦~

「見えてきたぞ」

 

 鬼道たちと別れてヘブンズガーデンを目指す円堂チーム。山道を登っていくと、山の上にあるとは思えない景色が見えてくる。

 

「アレがヘブンズガーデンッスか……」

「本当に天使が住んでいるみたい」

「感心している場合かよ」

 

 見えるのは芝生とその上にある建物。ただ見える建物は、どちらかと言うと遺跡とか神秘的なものに近いが。

 

「あそこにリカと十六夜が居るんだな」

「あと少しだ。行くぞ、お前たち」

「「「はい!」」」

 

 そして、そのまま山を登りきり、見えてきた建物へと近付いていく。

 

「セイン!」

 

 と、近づいていくと建物の上に立っているセイン……天空の使徒のリーダーにして、リカを連れ去った人物を見付ける。

 

「何をしに来た?ここは下界の人間が来るべきところではない。すぐに立ち去るがいい」

「何がすぐに立ち去るだ!仲間を取られたままで黙って帰れるかよ!」

「リカを返してもらおうか!」

「後、捕まった十六夜もな」

「それは出来ない。平和をもたらすための捧げ物と、平穏を脅かすあの怪物を返すことは出来ない」

「捧げ物?」

「どういうこと?」

 

 十六夜のことはともかく、リカのことを捧げ物と言っていることに疑問が生まれる。

 

「ちょっ、放してや!」

 

 と、そこに何処からか声が聞こえる。

 

「リカだ!あそこに居るぞ!」

 

 塔子が指差す先には天使たちによって連れて行かれるリカの姿が。

 

「リカ!」

「円堂……塔子……!はよ助けてや!ウチ、花嫁なんてなりとうない!」

「花嫁……?」

「このお方には千年祭にて復活する魔王の花嫁になってもらう」

「「「魔王の花嫁!?」」」

 

 セインが言うには、復活した魔王は伝承の鍵によって選ばれた花嫁を娶り、そして再び深い眠りにつくと言う。一方で魔界軍団Z側は、音無を生贄として魔王に捧げることでその悪の力を巨大化させようとしているとセインは続ける。

 

「お前らがやっていることはどっちも一緒だろうが!」

「魔界の民が生贄を手に入れた以上、魔王を封印するには花嫁を捧げるしかない」

「片や力を増すため、片や封印するため……どちらにせよ、私たちの仲間を勝手に捧げないで欲しいわ」

「そうだ!リカも音無も、生贄なんてさせない!」

「儀式の邪魔だ!すぐにこの地から立ち去れ!」

「だから帰らねぇって言ってるだろうが!」

「ああ!リカは花嫁なんかにさせない!そして十六夜も返してもらうぞ!」

「……どうやらこれ以上の言い合いは無駄のようだな。だったら、我らの力で下界に叩き落とすまでだ!」

 

 そして、セインは芝生の上に降り立ち……

 

「ついてこい」

 

 先導するように歩いていく。

 

「よし、行くぞ!」

 

 その言葉を受けて円堂を先頭について行くことに。

 

「って……サッカーゴール?」

 

 そのままついて行って、建物の裏手に見えたのはサッカーゴール。フィールドも書かれており……

 

「サッカーは下界の人間にとって力の優劣を決める手段だろう?我らの力を示すにはうってつけだ」

「つまり、お前たちにサッカーで勝てば2人は返してもらえるってことか?」

「そういうことだ。もっとも、勝てればの話だがな」

 

 そのままベンチに案内され、建物へと戻っていくセイン。

 

「……まさか、本当にサッカーで勝負をしようとしてくるとはね……」

「だが、こちらはそれを想定していた。問題はない」

 

 何で想定していて当たるんだよ……そんな野暮なことを言う人間はこの場に誰1人としていない。皆が真剣な表情を向ける。

 そんな彼らを見渡すと久遠監督は告げた。

 

「FWは基山、染岡、エドガー。MFは風丸、フィディオ、八神。DFは吹雪、土方、壁山、木暮。そしてGK兼ゲームキャプテンは円堂。異論はないな?」

「「「はい!」」」

「この混成チーム……エドガーとフィディオの2人は他の選手と連携が取りにくいかもしれないが、お前たちなら大丈夫だろう。私たちの事情に巻き込んですまないが、君たちの力を貸して欲しい」

「もちろんです。彼らとは正面から戦った戦友……私の力、勝利のために捧げましょう」

「マモル、皆……必ず勝って彼らを取り返すよ!」

「八神、お前はアドバイザーとして皆の実力は分かっているはずだ。連携に関しては今までのデータを基に頼む。そして、存分にその力を発揮してくれ」

「言われなくとも」

「いいか?相手の実力は未知数。気を引き締めていけ」

「「「はい!」」」

 

 と、久遠監督が話をしている間に11人揃った天空の使徒のメンバーはフィールドの中央で整列している。

 

「主審はワシが務めよう」

「ってまたアンタかよ!」

 

 そして主審は分かれ道で会った、伝承の鍵を渡してきたじいさんの1人がやることになる。

 

「よし整列だ!行くぞ!」

「「「おう!」」」

 

 円堂たちもフィールドの中央に整列し、握手を交わすとポジションにつく。

 

「皆!リカのためにも絶対勝ってよ!」

「おう!任せろ!」

「一応、十六夜くんが捕まっていることも忘れないであげて」

「そう言えば……リカさんは見ますけど十六夜くんは見てませんね」

「牢屋で捕まっているみたいだから、見える場所には捕らえていないんじゃないかしら」

「でも、あの人たちが試合している今なら助けにいけるんじゃ……?」

「やめた方が良いわね。相手が11人だけとは限らない。もし見張りがいたらおしまいよ」

「リカも足枷みたいなのつけられているしな……あっちはもっと厳重に捕らえられているんだっけ?アタシたちだけで救出は難しそうだな」

「そう言えば、何であの天使は十六夜くんのことを怪物って言うんだろう?」

「さぁ?でも、十六夜くんだから不思議ではないわね」

「そっか。そうだね」

「……2人の中の十六夜のイメージってどうなってるんだよ……いや、アタシも関わり少ないわりに、その言葉を否定できそうにないけどさぁ……」

「うーん……何でも出来るけど凄く不器用で、人になりたいけどなれないバケモノ?」

「マイペースでトラブルメーカーでバーサーカーでサッカーバカな神話生物」

「…………それ、本人聞いたら泣くんじゃないか?」

 

 ベンチにいる塔子、夏未、冬花は別動隊として動くのは諦め、大人しく試合を観ることにする。

 

 ピー-!

 

 イナズマジャパンのキックオフで試合開始。ホイッスルの笛と同時に巨大な砂時計は反転し時間を刻み始める。

 ボールはヒロトから染岡を経由してエドガーへと渡った。

 

「何してんねん!?ゴールは逆方向や!」

「何だ?あの人間。何故自陣ゴールへとドリブルをしていくんだ?」

 

 ボールが渡ったエドガーは何故か円堂の守るゴールへとドリブルを始める。

 

「ちょっ!?えっ!?」

「大丈夫よ。彼は奇行に走ったわけじゃない」

 

 イナズマジャパン側の選手たちは、エドガーのプレーの意図に気付き道をあけていく。一方の天空の使徒のメンバーは彼の奇行に対し、疑問を抱くだけで特に動くことはしなかった。

 

「レディーと友は私がこの足で救う!」

 

 エドガーはゴールラインに到達すると反転、足を振り上げる。

 

「エクスカリバー改!」

 

 その足に現れた巨大な剣を振り下ろし、ボールは相手ゴールへと向かっていく。

 

「フン、そんな離れたところからの必殺シュート。決まるわけがない」

 

 そうセインは分析する。決まるわけがない……天空の使徒のメンバーは誰もがそう思っていた。

 

「ホーリーゾーン!」

 

 キーパーが逆立ちのような姿勢で拳を地面に当て、空から光が差し込む……が、

 

「ぐぅうううっ!?」

 

 そのキーパーの顔面を直撃してボールはキーパーごとゴールに突き刺さった。

 

「なっ!?ど、どういうことだ!?」

「に、人間がホーリーゾーンを破っただと!?」

 

 得点はイナズマジャパン側に点が入り1を指す。あまりの光景に動揺する天空の使徒のメンバー。

 

「言っただろう?私がこの足で救うと」

 

 そんな動揺している彼らの下へとエドガーはゴールラインから歩いて行き、彼らに告げる。

 

「この試合、私たちが勝たせてもらうぞ!」

 

 開幕からのワンプレーで得点は1-0に。イナズマジャパンと天空の使徒の戦いはエドガーの先取点により幕を開けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方のデモンズゲート側。こちらも、鬼道たちとデスタたちの試合が始まった。

 

「必殺タクティクス、ブラックサンダー!」

 

 魔界軍団Zのキックオフと同時にデスタが必殺タクティクス、ブラックサンダーを発動させる。フィールドに落ちる黒い雷。それらが一頻り落ちた後、デスタが1人で駆け上がる。

 

「み、皆!?」

「どうして動かないんですか!?」

 

 ベンチでは鬼道たちについてきた木野と目金が何故か動けない皆を見て動揺を隠せない。

 

「え?」

 

 そして、デスタは立向居の後ろに居た。そこに来てようやくフィールドの選手たちが反応を見せる。だが、そんなことお構いなしな悪魔はそのままゴールに向かってポンっとボールを押し込んで1点。僅か試合開始30秒の出来事だった。

 

「な、何が起きたの……?」

「もしかして皆の時だけ止めた……ということですか?」

「恐らくそうだろうな。十六夜やアフロディと同じ事をあのデスタもやったと言うのが有力な考えだろう」

 

 必殺タクティクスで、文字通りフィールドに居る選手の時を止めてしまう。十六夜のイビルズタイムやアフロディのヘブンズタイムと同じような事をやってのけたのだ。

 

「これは……厄介な相手だな」

 

 時を止める……そんなプレーを見せられ動揺を隠せない鬼道たち。

 

「豪炎寺さん……今、何が……」

「……恐らく時を止めたんだろうな」

「と、時を!?そんなことが出来るなんて……!」

「人間に出来ることくらい悪魔に出来るってことかもしれないな」

「ケッ、そんなこと出来る人間がおかしいんだけどな」

「ヘイ、キドウ!」

 

 何処か苦い顔で今の状況を確認する鬼道たち。そんな中、ディランの声が彼らの下に届く。

 

「何だ?」

「次のキックオフ、ミーにボールを頂戴な」

「な、何をするつもりなんですか?」

「そうだね……ストライカーなりのお返しってとこだよ」

「分かった。任せるぞ」

「おう!」

 

 そして、イナズマジャパン側のキックオフ。ボールはディランに渡った。

 

「行くぜ!構えなキーパー!」

「フッ、そこから撃とうと言うのか?バカバカしい」

 

 キーパーは腕を組んだまま動かない。そんな中、ディランはボールを上にあげて身体を捻りながら利き足を限界まで振り上げる。

 

「折角の忠告を無視するとはな……アイツ、終わっただろ」

「決めてしまえ、ディラン。あのすまし顔をぶち抜いてこい」

「オフコース!トランザムマグナム!」

 

 振り上げた足が落ちてきたボールを捉える。瞬間、ボールは圧倒的なスピードでゴールへと向かって飛んでいく。

 

「ジ……ぐふっ!?」

 

 満を持して空いてキーパーが手を前に差し出したとき、ボールはすでに彼の顔の前にあった。そして、顔面を撃ち抜くとそのままゴールへと突き刺さる。

 

「なっ!?な、なんだあの人間!?」

「あんなところからゴールを決めちまった!」

「なんて速さのシュートだよ……!?」

「ヘイ!ユーたちに1つ言っておくことがあるね!」

 

 そう言うとディランはビシッと魔界軍団Zの方に指をさして……

 

「ユーたちが何をしようと、この試合はミーたちが貰う!ミーたちがこの試合に勝つ!」

 

 そう宣言した。

 試合が開始して僅かな時間で1-1と両者の点が動く。イナズマジャパン側の一撃は、リードしたと思われた悪魔たちに呆気なく追いつくことになったのだ。

 

 

 

 

 

 そして、両試合で思い知ることになる。天使と悪魔は人間たちの圧倒的な強さを……




 未強化天使悪魔VS強化イナズマジャパンプラス助っ人の試合開始ですね……この試合、天使や悪魔たちはどこまで抗えるのでしょうか?
 ちなみに魔界軍団Z側はほとんどカットです。仕方ないね、だって試合に出ているメンバーはアニメと変わらないんだもの。

 一応補足(もとい本作品の設定)として、魔界軍団Zの使うブラックサンダーは使用者以外のフィールドに居るモノ(雷が落ちた範囲にいた選手とか)の時を一定時間止める、としています。なのでベンチなどのフィールド外には影響を与えません。

 次回、想定以下
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