天空の使徒のキックオフで試合再開。パスを回してイナズマジャパン陣内へと攻めていき、ゴール前でセインがボールを持った。
「来い!」
「この島の平穏を乱す下界の人間よ!天界の裁きを受けるがいい!」
そういうセインの周りには金色のまるで天使の羽がいくつも舞い落ちている。
「ヘブンドライブ!」
セインがボールを蹴ると聖なる光のオーラを纏ったボールは空へと舞い上がる。ボールの通った跡には金色の天へと続く階段が現れる。
「なんやあの技!?」
雲の上へと到達したボールは眩い光を放ち、雲の上からゴールへと向かって堕ちていく。
「円堂!」
「ゴールは割らせない!」
対する円堂は右手に力を込めると跳びあがり、そのまま地面にぶつける。
「真イジゲン・ザ・ハンド!」
現れたのは半球のオーラ。そのオーラにシュートが激突する。
「セインの必殺シュートは人間ごときじゃ止められないね」
「これでまずは1点だねー」
天使たちは得点を確信していた。自分たちのリーダーの放ったシュートを人間に止められるわけがないと。……だが、
「うぉおおおおおおおおお!」
「「「なっ……!?」」」
シュートは半球に沿って進んでいき、ゴールの上を飛んでいく。
「に、人間ごときが……私のシュートを止めた……だと!?」
あまりの光景に驚きを隠せず、現実を受け止めきれないセイン。そんなセインに対して……
「いいシュートだな!セイン!」
ボールを取って戻ってきた円堂は笑顔を向けた。もちろん、その笑顔には嘲笑なんて一切無い、純粋な笑顔だったが……
「今のは何かの間違いだ……次は決める!」
さも余裕だと言わんばかりの表情を向けてきたと錯覚し、セインの中で怒りの感情が募る。
「……今のシュート……もしかして、そんなに強くない?」
「そうね。彼らは知らないかもしれないけど、あれくらいのシュート、撃てる人間は世界に何人も居るわ」
「え?そ、そうなのか?」
「うん……多分、十六夜くんの方が強いシュートを撃てると思う」
「一緒に来ているエドガーくんやフィディオくん、ディランくんもあれくらいなら余裕で撃てるでしょうね」
「はぁ……あれ?アイツらって、もしかしてそんなに強くないのか?」
「フィディオ!」
ボールは円堂からフィディオに渡った。
「さぁ、見せてくれ。イタリアの白い流星の力をね」
「そうだね……うん、やってやろうか」
そう言ってフィディオは1人で攻め上がっていく。
「人間が……1人で突破できると」
「遅いよ」
「なっ!?」
「速っ!?」
2人の選手がブロックに行くが、その間を軽々突破していく。
「うまっ!?映像越しでも上手かったけど、直接見るとマジで上手いな!?」
「当然よ。彼のレベルは世界トップクラス。彼を止めるのは一筋縄ではいかないわよ」
「この前の試合も、あの十六夜くんですら満足に勝てない相手だからね」
「いやぁ……そんな相手にあと一歩のところだったって、そりゃ皆予想以上に強いわけだ……」
その後もたった1人で相手の守備を切り開いていく。あまりにも圧倒的な差。天空の使徒の選手たちがまるで相手になっていない。
「行くよ!」
そう言ってフィディオは足元に紋章を生み出し、ボールに力を溜めていく。
「ロッキングソード!」
そして、チャージし終えたシュートは剣のオーラを纏いながら進んでいく。
「ホーリーゾーン!」
相手キーパーの必殺技が発動する。だが……
「嘘……だろ?」
「一度ならず二度までも……!?」
相手キーパーの生み出した聖域を切り裂いて、ボールはゴールへと突き刺さる。得点板のところではイナズマジャパン側の得点が1から2へと変わっていた。
「すげぇ……フィディオ!今のは……」
「うん、君たちとの試合で最後に決めた必殺シュートだよ」
「ロッキングソード……どうやら彼らとの試合で一段階進化しているようですね」
「エドガー、君こそ予選リーグで成長しているんだろう?」
「えぇ、もちろんです」
「くぅ……すげぇ!すげぇよ!エドガー!フィディオ!」
盛り上がるイナズマジャパン側。それとは対照的に天空の使徒側は困惑を隠せなかった。
「に、人間ごときが……何故ここまで……!?」
「我々が……彼らに劣っているというのか……?」
「おいおい……何てたちの悪い冗談だよ……!」
「悪夢なら早く醒めてくれ……!」
「……私にボールをくれ。次こそ決めてみせる」
天空の使徒のキックオフで試合再開。ボールは……
「悪いが、簡単には行かせない」
「くぅ……!?」
セインが持ち、マッチアップするのはエドガー。
「先ほどのプレーで確信した。君たちのプレーはそこそこ上手く、そこそこ速い。……だが、到底私たちに通用するレベルではない」
「何だと……!?舐めるなよ、人間風情が!」
「挑発に乗っちゃダメだセイン!一回戻せ!」
「くっ……!」
パスを出すセイン。理性が残っていたため、正しいプレーを判断することが出来たが……
(な、何なんだこの人間たちは……!特に点を決めた2人が別格……!こいつらは他の人間よりも強い空気を感じる……!それだけじゃなく私のシュートをあっさり止めてしまうキーパーまで居るとは……!あの空を飛んで追いかけてきた怪物といい、こいつら一体……!?)
動揺を隠せず、内心では人間たちへの怒りとそれ以上の困惑が襲いかかる。
「確かに。こいつらのレベルは十六夜に比べれば低いな」
「しまっ……!?」
別の選手が突破を試みるも、相対した八神にあっさり奪われてしまった。
「ここで止める……!」
「止めるだと?やってみろ。悪いが、今の私は虫の居所が悪いんだ」
「なっ……!?」
半ば強引に攻め上がり、立ちはだかる相手たちを1人で突破する八神。
「すげぇ……前より強くなっている!八神ってあんなに凄い選手だったんだな!」
「うっ……立向居との特訓を思い出して頭が……」
「だ、大丈夫ッスよ……余計なことを言わなければ俺たちに矛先は向かないッス……」
「あ、相手には同情するね……あの人怒ると怖いもん」
自陣ゴール付近では感心する円堂と、前の出来事を思い出して若干怯えている壁山と木暮の姿があった。
「ここで止める!」
「ヒロト!」
「うん、反応しているよ!」
ディフェンダーがやってくるも、ヒロトとのワンツーで突破していく。
「まさか、あのレディーがここまでの強さを持っているとは……」
「彼女も相当なレベルだね……試合で戦えなかったのが残念なレベルだ」
「全くです」
「こっちだ!」
「分かってる!行け、染岡!」
ボールは八神から染岡へと渡る。
「お前らに頼ってばかりじゃイナズマジャパンのストライカーの名折れだな!行くぜ、吹雪!俺たちの進化した技をやるぞ!」
「分かったよ!やろうか、染岡くん!」
染岡と隣には前線へと上がってきていた吹雪の姿があった。
吹雪はボールを軽く上げると右足で蹴り込む。ボールには三本の爪で何回も引っかくようにしてパワーが注ぎ込まれ、黄金と氷の力を纏う。
「うらぁあああああああっ!」
そのまま吹雪が着地し吠える。するとボールは3つに分裂し、金のエネルギーとして染岡の下へと飛んでいく。
「受け取って!染岡くん!」
「受け取ったぜ!吹雪!」
染岡は地面からワイバーンを呼び出すとそのまま走り込んでボールを更に蹴り込む。
『レジェンダリードラゴン!』
すると、ワイバーンはボールの力を受けたのか氷を思わせる白色へとその色を変える。
「ホーリーゾーン!」
キーパーが必殺技を放ち、空からは光が差し込む……が、
「うぐぁあああああ!?」
冷気を纏ったワイバーンはその程度では止まらない。キーパーをなぎ倒して、ゴールへと突撃した。
「よし!決まったな!」
「うん!僕たちの進化した連携技だね!」
ハイタッチをする染岡と吹雪。
「我らが……3点差で負けているのか……!?」
「どうして……!?何故……!?」
勝てる……そう思って疑っていなかった天空の使徒の面々。だが蓋を開ければどうだろう?キーパーの必殺技は相手の必殺技でのシュートを防げない。こちらの必殺技でのシュートはキーパーに止められた。それどころか、あっさりボールを奪われ、ディフェンスを突破され……
「もしかして……こいつらって弱いん?」
人質にされているリカがそう言葉を漏らす。イナズマジャパン側の圧倒という予想外の展開に、どうしていいか分からない。
「なんと言うか……ここまで来ると……」
「可哀想になってくるな……」
土方と風丸も憐れみの目を向ける。これでも
「アレをやるしかない……」
「セイン?」
「勝つにはアレをやる。皆、いいな?」
「「「はい」」」
そんな哀れみを受けてかセインはあることを決めた様子。
3-0……天空の使徒はイナズマジャパンに一矢報いることが出来るのか?
オリジナル必殺技紹介
レジェンダリードラゴン 属性 風 進化タイプ G 使用者 吹雪、染岡
こちらのオリジナル技として豪炎寺と染岡の合体技であるドラゴントルネードRという彼らの進化が見られる技がありましたが、吹雪と染岡の技であるワイバーンブリザードが割と不遇に見えてきたのでこちらもパワーアップ案を出します。一応ウルフレジェンドのレジェンドとドラゴンスレイヤーのドラゴンをかけていますが、次に示すモーションを見るとワイバーンが出る感じになります。
モーションは吹雪が跳び上がってボールを引っ掻くように蹴るとそれが爪で次々と引っ掻かれていき、黄金と氷の力を纏う。そのまま吹雪が着地して吠えるようなポーズを取るとそれが三つに分裂して金のエネルギーとして染岡へと飛んでいき、今度は染岡が地面からワイバーンを呼び出すとそのまま走り込んでボールを更に蹴り込むとワイバーンがボールの力を受けて白へと変化。冷気を纏った龍となって突撃する感じです。
BURNING様より頂きました。ありがとうございます。
次回、神の加護