超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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VS秋葉名戸 ~空気読めない?知るか~

 そして秋葉メイド戦当日。

 

「これを……私に着ろと……!」

 

 メイド服を片手に持ち、震える雷門。

 どうやら秋葉メイド学園で行われる試合。マネージャーはメイド服着用が義務らしい。いや、何だソレ。

 ちなみに木野と音無にも渡された。

 そして、色々あって着替えて着た3人。あはは、もう死んでる雷門が想像に難くない。ん?オレは見ないのかって?そんなの。

 

 ゴゴゴゴゴ……!

 

「どうした十六夜。顔真っ青だぞ」

「あはは……すげぇ悪寒がするんだ」

 

 1人だけ殺気を放つ奴がいる。ヤバい。誰か助けて。オレ殺される。この前余分なこと言ったからか……いや、気のせいということにしておこう。そうだ。考えすぎだ。

 

「で、豪炎寺の代わりは……」

 

 基本いつも通りのフォーメーション。現時点でベンチは影野、土門、目金。この3人から誰かフォワードに……

 

「さて、誰を出そうか」

「正直、土門でよくね?」

「いいえ。ここは切り札の出番でしょう!」

 

 すると、目金が円堂の前に立つ。

 

「切り札?…………ああ、そうか!」

 

 すると何かを察した円堂と、眼鏡をクィっとあげる目金。

 

「十六夜をフォワードに持っていって、土門か影野をディフェンスに置くか!そうか、その手があったか!」

「は?」

 

 いや、無理ですけど?行けなくはないけど無理ですけど?

 

「違います!メイド喫茶に行ったおかげで、彼らのサッカーは理解出来ました」

 

 どうやって理解したのかすげぇ気になる。

 

「僕が必ずチームを勝利に導いてあげましょう!」

「ベンチから?」

「フィールドからです!」

 

 とまぁ、こんなにもやる気な目金君がいるので、そのやる気に豪炎寺や土門、円堂が賭けてみよう!ということで目金がスターティングメンバーに選ばれた。

 

「ふっ、大船に乗ったつもりでいて下さい」

 

 その船、泥船じゃね?

 と思いながらもフィールドに立つオレたち。

 

 ピー

 

 雷門のボールで試合開始。すると、なんかよく分からんことを向こうが言ってる間に取られ、そのまま御影専農の前半最後の時のように攻めてこない。ずっと自陣でボールを回すだけだ。しかもボールを取りに行くとき、また意味不明な言葉を羅列する。

 となると、オレや円堂はどうなるか?答え。

 

 ピー

 

「暇だったな」

 

 気付いたら前半終了していた。走ってないし、ボールに触れてない。

 

「まるで攻めて来ないなんて……この僕にも予想外でしたよ」

 

 おいコラ理解できてねぇじゃねぇか。はぁ。後半は動くか。目金に任せて前半は休んでいたが。

 

「それにしても何でボールが取れないんだ?」

「あいつらの妙なノリに調子を狂わされたからだ」

「得体が知れない」

「……お前もな」

 

 向こうは向こうでゲームしてるし。なんなんだアイツら。

 

 ピー

 

 で、後半開始。すると、向こうは全員で攻めてきた。

 

「動きが変わった!?」

「……なるほどな」

「何がわかったんだ!?」

「アイツらは体力ゼロなんだわ。簡単に言えば1試合フルで走れる体力がねぇ。だから前半で言葉巧みに相手のモチベーションを下げさせ、後半最初に奇襲する。当然、この急な変化にオレたちには対応できないってわけだ!」

 

 オレがダッシュでよう分からんスカーフを巻いたやつにチェックに行く。

 

「変身。フェイクボール!」

「は?」

 

 何事もなく奪えたボール。ふと足元を見ると、

 

「スイカ!?」

 

 スイカだった。

 

『ああっとアクシデント!フィールドに入ったスイカと入れ替わってしまった!』

「ざけんなよ!どう考えてもあの監督が食ってたスイカだろうが!審判!あのクソ監督退場もんだろ!」

 

 が、審判は見向きもしない。

 

「クソが!」

 

 スイカを相手チームのベンチに蹴りつけ自陣ゴールに戻ろうとする。

 スイカはクソ監督の頬を掠め壁に激突したが知らん。

 

「ペラー!」

『はーい』

 

 ペラーを呼び出して乗る。そして全速前進だ。

 何かスカーフを巻いたやつがセンタリングをする。ゴール前には眼鏡をかけた漫画家をバッドのように構える9番が。

 

「ド根性バッド!」

 

 そして漫画家の顔面でボールを打つ!何人間野球してんだよ!サッカーをやってんだぞこっちは!

 

「クソガァ!」

 

 そのまま蹴り返して、どこかへ飛ばす。

 

「すまん十六夜。反応できなかった」

「いや、点は入ってない。気にすんな」

 

 さて……と。

 

「人をバッドのように持てる筋力がありながらこんなクソなことをしてくれたんだ……!」

「お、落ち着け十六夜」

「スイカとボールを入れ替えるだと?舐めた真似しやがって……!」

「ご、ゴールはあの監督じゃないぞ」

「隙アリだ!もう一丁、ド根性バッ」

「へし折ってやるよそのバッドをな!」

 

 ド根性バッドと蹴りがボール越しに衝突する。結果。

 

「な、なんて強さだ!?」

 

 ド根性バッドとやらをしていた2人諸共ボールを蹴り飛ばした。あれ?こんなにキック力あったか?ま、何でもいいか。あと、勿論ボール越しなのでファールではない。

 

「十六夜さん!」

 

 こぼれ球を宍戸が拾い、パスを出す。

 

「行け!染岡!」

 

 そこから染岡へロングパス。

 

「よし!決めてやるぜ!」

 

 ドリブルで相手ディフェンスを突破して行く染岡。そして、

 

「五里霧中!」

 

 ゴール前に立ちはだかった3人が砂煙を上げた。うっわ。全然ゴールが見えねぇ。

 

「目くらまし程度で俺のシュートが止められるかよ!喰らえ!ドラゴンクラッシュ!」

 

 染岡のシュート。煙が晴れ、ボールはゴールの中……ではなく、ゴールの真後ろにあった。キーパーがゴールポストの横でぶっ倒れているが……

 

「何かの技か?ゴールの真後ろにボールがある……」

 

 さっき何かが変だったよな……うーん……あ、そうか。

 

「円堂。ちょっとシュート打ってくるわ」

「おう!ゴールは任せておけ!」

 

 向こうの速さもそう速くないし、シュートも威力的にそう驚異ではない。油断さえしなければ、大丈夫だ。その点、あの円堂が試合中に油断するとも思えない。

 

「少林!ボールくれ」

「は、はい!」

 

 少林からボールを受け取ってドリブルで上がっていく。

 

「無駄だ!五里霧中!」

 

 前提としてこの土煙には終わりがある。さっきの動きを見る限り、ゴール前に立ちはだかってるディフェンス陣とキーパーが足を動かして土煙を上げてるだけ。それだけなら終わりはいずれ来る。それにこの土煙の中では、相手からもオレの姿は捉えられない。なら、

 

「このまま正面切って突き進むのみ」

 

 ドリブルで正面突破。これが確実だな。

 そしてドリブルをし、土煙が消えた。そこは、

 

「やっぱりか」

 

 ボールは足元にある。だが、オレの立っていた位置はゴールの真後ろだ。ゴール横では再びキーパーが倒れている。

 

「なっ!」

「どういうことだ!」

 

 狼狽える敵味方。敵が驚いているのは、何故オレがここに立っているのか、だろうか。味方は言うまでもない。

 ボールは相手のキーパーへ。ゴールキック扱いだな。とりあえず、円堂のとこまで戻る。

 

「今のって?」

「ああ、さっきの染岡のシュートが入らなかったのは恐らく、ゴールがずらされていたからだ」

 

 我ながら突拍子もないことを言っているのは重々承知している。だが、こうとしか考えられない。そうでなければ真っ直ぐ土煙の中を前進したオレが、ゴールの真後ろに立っていた理由が説明できない。いや、実はゴール前にワープゾーンがあって、ゴール後ろへ行けるとかなら別だよ?でもそんなアホくせぇことあり得るわけないし、それならわざわざ砂煙を起こす必要はねぇ。

 

「ゴールをずらしていた!?」

「ああ。だが、ここからどう点を取ろうか」

 

 今ので向こうもシュートが入らないトリックを見破られたことぐらい分かったはずだ。だが、所詮トリックを見破ったところでどうやって点を取るかが問題だ。

 あの土煙はカモフラージュの意味もあっただろう。だが、実際はあんなのはなくていい。いいが、あると、何処へゴールをずらされていたのかが分からない。さて、どうやって点を取ろうか……。

 

「僕に任せて下さい!」

 

 するとオレと円堂の会話が聞こえていた(別に近くで小声ではなく堂々と話していたが)のか目金が何とかすると宣言した。

 

「そうか……分かった!皆!ボールを取ったら目金に回せ!」

 

 相手チームからボールを奪った半田が目金にボールを回した。

 そこからの目金は一味違った。スイカとボールを入れ替える技を使うヒーロー(自称)にヒーローがそんな欺くような技を使わないとか言って不発に終わらせたり、シルキーナナ?とかいうのの原作者2人に説教しながら突破したり、ロボットの動きする奴に説教中に攻撃する奴はロボオタ失格と言ったり、五里霧中を使おうとしたディフェンス陣にゲームのルールを捻じ曲げるような奴にオタクを名乗る資格はない!とか言って五里霧中を中止させたり、何か何言ってんだこいつ。と思ってたら気付けばキーパーと1対1になっていた。

 そして、染岡に回す目金。一方相手キーパーはゴールポストの横に立っていた。

 

「染岡君!ドラゴンクラッシュを!」

「だが!十六夜の言ったようにゴールがずらされたら……!」

「僕に考えがあります!」

「分かった!ドラゴンクラッシュ!」

 

 必殺技を放つ染岡。

 

「ゴールずらし!」

 

 相手キーパーは腹でゴールを押し、ゴール1個分横にずらした。てか名前そのまんま!というかよく腹で動かせたなおい!

 そのままシュートが外れると思った時、シュートを前にして目金が飛び込み、シュートに眼鏡(本当はヘディングしたかったのかな?)を合わせ、軌道を変え、ゴールにシュートを押し込んだ。

 

「こ、これぞメガネクラッシュ……」

 

 お前も名前そのまんまかよ!本当に眼鏡(メガネ)粉砕(クラッシュ)してんじゃねぇか!というか倒れたし!

 

 その後のことを簡潔にまとめよう。結論から言えば雷門中が勝った。

 あれから、目金が負傷で土門と交代。タンカで運ばれる最中、目金のプレーで目が覚めた秋葉メイドたちが正々堂々と戦うことを宣言。染岡のドラゴンクラッシュでキーパーごとゴールの中へボールを押し込み追加点。そのまま試合終了って感じだ。

 

 後、試合後には目金と秋葉メイドたちがお互いに認め合い、秋葉メイドたちの夢──フットボールフロンティアの優勝特典のアメリカ遠征にて、向こうの限定品を買う──を勝手に目金が引きついでいた。

 

 1つ言おう。フットボールフロンティアにまともな理由で参加しているチームはねぇのか!おかし食べ放題の次は限定品のオタクグッズかよ!

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