超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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円堂の苦難と伝説への挑戦

 翌日の朝。そいつの一言はその場にいたオレ、豪炎寺、木野、雷門を震撼させた。

 

「今度の日曜の朝にイナズマイレブンと練習試合を組んだぁ!?」

「あぁ!響木監督が召集をかけるってさ!すっげぇ楽しみだよな!」

 

 あの後、優勝浮かれムードからやべぇ勉強してねぇよムードに早変わりした雷門サッカー部は、円堂を残して全員まっすぐ家に帰った。

 で、唯一残ってた円堂は、イナズマイレブンの浮島さんに出会いかくかくしかじかで、練習試合をすることになった。

 

「……はぁ。円堂君。分かっているの?」

「分かっているって何が?」

「来週の月曜なのよ。テストは」

「……どういうこと?」

「練習試合の翌日はテストなんだ」

「…………ああああぁぁぁぁっ!?ど、どうしよう!どうすればいいんだ!?」

 

 おそらくだが折角の申し出を断るわけにはいかない。いや、どうしてくれるんだこの野郎。

 

「そんなの簡単よ」

「な、夏未……!」

「今日から5日間で仕上げればいいのよ」

「無茶言うなよ!?」

「おーい円堂。いつもの精神論根性論はどーしたー」

 

 いつもなら無茶ぶりもやれば出来るというのに、てんでダメだなコイツ。

 

「はぁ……まぁいい。まずは円堂。お前朝、昼休み、部活前、帰り道は全部勉強な。無論家でもな」

「お、おう……」

 

 目が泳いでる円堂。やべぇかもコイツ。

 

「で、どうせお前1人じゃ変わらないだろうからマンツーマンじゃないが教える形式で行こうと思う。雷門、豪炎寺、木野。勉強は出来るか?」

「誰に聞いていると思ってるの?」

「問題ない」

「大丈夫だよ」

「よし、この4人を中心に円堂を教える」

 

 初戦がどこであれ、ぶっちゃけ、うちにサブキーパーがいない以上円堂が居ないのは非常にマズい。オレもキーパーできないわけではないが、それでもキツいものがある。

 

「で、他に不安のあると言っていた部員は主に目金や風丸あたりに任せたいと思うが」

「あの2人なら大丈夫だろう」

「目金君は運動はともかく、勉学はそこそこ出来るそうだから問題ないわ」

「あのぉ。なんで俺だけ4人もついてる……あ、何でもないです」

 

 コイツの成績の悪さは普段の言動からもだが、去年から目の当たりにしている。オレは、向こうの世界で中学生だった時でも普通に優秀な部類にいたぞ?コイツ、高校はスポーツ推薦じゃないと入れないんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから1週間が経過しました。皆、まるで勉強のストレスを発散するかの如く、部活にはより一層熱が入っていました。……君たち、勉強嫌いなんだね。いや、好きな奴の方がもしかしたら少ないかもしれないけどさ。

 そして日曜日の朝……響木監督が連れてくるイナズマイレブンの人たちとの試合当日。オレは……

 

「でも、いいんですか?十六夜先輩。ベンチスタートで」

「まぁ、いいんじゃね」

 

 帝国戦では響木監督がスターティングメンバーとかフォーメーションを決めていたが、この練習試合やそれまでの試合は円堂やオレ、豪炎寺とかで決めていた。まぁ、だからオレというのは割と発言力がある立場だったりする。

 で、今回何故ベンチスタートかというと……まぁ、集まってる人があれなんだよ。

 

「イナズマイレブンと試合が出来るんだぜ」

「ああ、40年ぶりの伝説復活だ」

「何が飛び出るか楽しみだぜ」

 

 と、皆は盛り上がっている。というかイナズマイレブンが割と身近に多いのだが?うちの学校の生徒指導部に駅前の紳士服店や理髪店の人など、本当に1度は会ったことある人がほとんどだ。

 

「おはよう皆さん」

「「「お、おはよう」」」

 

 執事を従えて、日傘を刺してもらいながら来たのは雷門だ。

 

「お嬢様。今日は休暇をいただきます」

 

 そして燕尾服を脱ぐと下にはユニフォームが……わーお。

 

「皆!今日は胸を借りるつもりで全力でぶつかっていこう!」

「「「おう!」」」

 

 本日の審判、鬼瓦刑事がホイッスルを吹く、と同時にイナズマイレブンのビルダーさんって人がシュートを打とうとするも空振り。そのまま攻めて、豪炎寺の優しいシュートをバトラーさんがヘディングで弾こうとして失敗し、そのままゴールへ。

 そう。問題はこの人たちは40年前が最強なだけでイコール現在も最強ってわけじゃないと言うことだ。確かに、何年かボールを蹴ってなくてもそこそこは出来るかもしれないが、結局はそこそこ。()()あの人たちは、オレたちにとって相手として()()()()()。だからオレは出ない。

 試合が進み、雷門中イレブンも次第にオレと同じように思い始めたころ、

 

「なんだお前たち!」

 

 キーパーである響木監督が声を出した。

 

「俺たちは伝説のイナズマイレブンなんだ!そしてここに!その伝説を夢に描いた子供たちがいる!」

「……監督!」

「俺たちにはその思いを背負う責任があるんだ!その思いに応えてやろうじゃないか!本当のイナズマイレブンとして!」

 

 その言葉に目覚めたイナズマイレブン。プレーが見違えるように変わり、

 

「クロスドライブ!」

 

 ……足から衝撃波?ボールを中心に衝撃波の十字架が円堂に襲いかかる……あれってやっぱり衝撃波?この世界って足を振るうと衝撃波出せるの?マジ?

 

「熱血パンチ!」

 

 そして円堂の熱血パンチが一瞬で破れた。

 

「ドラゴンクラッシュ!」

 

 試合は進み、染岡のドラゴンクラッシュを、

 

「ゴッドハンド!」

 

 響木監督の元祖ゴッドハンドが完璧に止めた。

 そして響木監督の投げたボールを浮島さんとビルダーさんの2人がそれぞれの足で挟み、同時に上に蹴り上げる。そのボールにビルダーさんはジャンプしてそのまま、浮島さんはオーバーヘッドキックを同時に蹴り込み、

 

『炎の風見鶏!』

 

 ……火の鳥?あれ?今、鳥が鳴く声がした気がするんだけど気のせい?というか、何あの鳥?炎の羽を羽ばたかせて飛んでいた気がするんだけど。炎ってそんな都合のいいものじゃないと思うんだけど。え?嘘でしょ?

 円堂が止めにかかるもゴールに突き刺さる。そして、ボールから黒い煙が……焦げた?うっそマジで?……いや、逆だ。今までファイアトルネードとかで焦げないボールがおかしいし、オレのシュート技でパンクしないボールがおかしいんだ。そうだ普通なんだ。……でも普通なら灰と化していてもおかしくないと思うのだが。

 あんな必殺技を見たが為に絶賛頭の中パニック状態のオレ。そんな中、

 

「審判さん!タイム!タイムお願いします!」

 

 サッカーにタイムはねぇよ、円堂。

 とまぁ、ツッコミを入れたものの練習試合ってことと円堂の熱意によってタイムは認められた。

 皆を集めた円堂。開くは秘伝書……やっぱ読めねぇよ。

 

「あったぞ。『炎の風見鶏』だ」

「解読出来たのか?」

「ああ。その上、今日はお手本が目の前にある」

「で?誰がやるの?」

「えーっと『この技はスピードがビューン。ジャンプ力がビヨヨーン』か」

 

 ふざけんな。国語力無さすぎだろ。

 

「スピードとジャンプか……陸上部の出番だな!」

 

 流石陸上部……あれ?そう言えば、風丸ってどういう扱いなの?他部活からの助っ人?それとも兼部?よく考えれば、オレって風丸は入部したモノだと思っていたわ。

 

「後は豪炎寺でよくね」

 

 空中でオーバーヘッドキック打つのって、絶対に豪炎寺の役割だと思う。

 

「よし!絶対ものにしようぜ!」

 

 そう言って試合再開。豪炎寺と風丸が何度試しても上手くいかない。

 

「浮島!もう1度見せてやるか!」

 

 そんな中、もう1度お手本を見せてくれるイナズマイレブン。

 

『炎の風見鶏!』

 

 へぇ、なるほどねぇ。

 

「そうか!」

 

 隣では影野が声を上げ、そのままゴールのとこまで歩いていった。まぁ、影野(アイツ)が言ってくれるならいっか。

 

「ゴッドハンド!」

 

 炎の風見鶏はゴッドハンドを軽く破った。

 

「この技の鍵は……2人の距離だよ!」

「え?」

 

 気付いていたか。ただ、円堂はそれを聞いて、何言ってんだ的なことを思っていたらしい。 

 

「2人がボールを中心に同じ距離、同じスピードで合わせないと駄目なんだ」

「なるほど!」

「そういうことか!」

「よく気が付いたな!」

 

 その後、無事に豪炎寺と風丸は炎の風見鶏を放ち、ゴールを決めました。

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