超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

33 / 254
理事長の祝福……そして悲劇

『炎の風見鶏!』

 

 放課後の練習。風丸と豪炎寺の炎の風見鶏が綺麗にゴールに決まった。 

 

「すげえ!息ピッタリだ!」

「こりゃドラゴントルネードも負けてらんないぜ」

 

 全員無事に補習を回避した。一部怪しいやつはいたが、これで心置きなくサッカーに集中できる。ふぅ。もうまもなく始まるんだな。

 

「どうだ影野!?」

「完璧!」

「お前のおかげだよ。影野!」

 

 影野のアドバイスにより、炎の風見鶏を習得した風丸と豪炎寺。そんな2人に影響され一層練習を張り切るオレたち雷門イレブン。

 そんな中、雷門中のグラウンドの前に車がやって来た。高そうな車だ。すると車から1人のおじさんが出て来る。

 

「なぁ、あのおじさん誰?」

「ああ、雷門の親父でうちの理事長。知らなかった?」

「転校生だし、知らないって」

「豪炎寺は知ってた?」

「知ってるさ」

「おーい土門」

 

 と、目を逸らした土門を置いといて、

 

「なんで理事長が?」

「さあ……」

「分かった!理事長も元イナズマイレブンなんだな!」

「なんでそうなるのよ……父はね、中学サッカー協会の会長。しかもフットボールフロンティア大会実行委員長でもあるのよ」

 

 え?雷門の親父さんってそんな偉い人だったの?マジ?

 とりあえず、そんなお偉い人がきたのでオレたちは整列する。

 

「諸君、全国大会出場おめでとう」

「「「ありがとうございます!」」」

 

 理事長からの労いの言葉に礼を言うサッカー部一同。

 

「監督、夏未()から聞いた時は驚きましたよ。まさか伝説のイナズマイレブンがチームを率いているとは……」

「よして下さい。昔のことですよ」

「いやいや、よく戻って来て下さった。そして!君たちのおかげでフットボールフロンティアは大きな盛り上がりを見せている。全国大会でも熱いゲームを期待しているよ!」

「はい!皆!優勝目指して頑張ろうぜ!」

「「「おおぉーっ!」」」

 

 まぁ、ここまで来たら優勝以外満足する気はねぇな。

 

「おお。頼もしい!」

「理事長も応援して下さい!」

「任せておきたまえ!」

 

 へぇ、この理事長。円堂みたいに熱い人だな。意外だ。雷門お嬢様があんなだから。

 その後、理事長を部室に案内する。聞くところによればこの部室は響木監督の代かららしい。うっわ。40年以上の年期物かよ。よく崩れないなこの部室。

 で、理事長やサッカー部員と共に中に入って、響木監督が部室の物をどけ、壁を見るとあらゆる落書きが出て来た。

 

『俺たちは逃げたんじゃない!』

『必殺技完成』

『強くなりたい』

 

 後は円堂のおじいさんが書いたと思われるものも発見したが相変わらず読めない。

 

「しっかし、気が付かなかったな」

「ずっと使ってたのに……」

「ほんとな……」

「正に影の存在……」

「あはっ!こいつはじいちゃんのだな!」

 

 やっぱ、お前のおじいさんのかよ。

 

「何もかも、あの頃のままさ」

「ここにはイナズマイレブンの全てがあるんですな。選手たちの血と汗と涙を感じます」

 

 すると理事長はボールを手にし、リフティングを始めた。へぇ、これは中々。

 

「中々のもんだろう?こう見えても昔からサッカーが好きでね」 

 

 しかし発言の最後でコントロールをミスって、ボールは円堂の顔面に綺麗に直撃する。 

 

「すまん……」

 

 一瞬で空気がいたたまれない感じになった。

 

「だが、これからサッカー部員が増えて来ることを考えると、ここはもう狭いのではないかね?」

「そう言われれば……」

「確かにここは懐かしい。しかしいつまでも古いものに拘っていても仕方なかろう。新しい部室を用意したいのだが……どうかな?サッカー部復活のお祝いと全国大会出場のご褒美と思ってくれたまえ」

 

 その言葉に特に1年生組は喜ぶ。

 しかし、円堂は少し考えた後、その提案を断った。そして、そのことに驚く面々がいる中、語り始めた。

 

「この部室は試合も出来なかった俺たちのことも。昔のイナズマイレブンのことも。皆知ってる。それにこうして仲間も増えてきた。この部室は雷門イレブンの歴史そのものなんだ。俺たちの大事な仲間なんだよ!」

「部室は仲間……お前らしいな。円堂」

「ああ。円堂の言う通りかもな」

「この部室に全国優勝のトロフィー飾ってやろうぜ!」

「おっ。それ良い考え!」

「キャプテン!分かったでやんす!」

「俺たちもこのままで良いです」

「皆!ありがとう!」

 

 ……やれやれ、少しずつ円堂の影響を受け始めたのかねぇ。オレも大分影響を受けてきた気がするな。

 理事長との話も終え、再び練習の為グラウンドに向かうオレたち雷門イレブン。その途中で校舎の方から生徒たちの声援が送られてくる。

 

『頑張れー!』

『頑張れよー!』

『応援してるからなー!』

 

 少し前とは大違いだな。そういや、いつの間にかグラウンド使えるようになったんだな。ラグビー部はどうしたんだろう?

 

「風丸さーん!」

「宮坂か。久しぶりだな」

 

 そんな中、すれ違ったランニング中の陸上部のうちの1人が風丸に声をかける。そのまま風丸は、円堂に声をかけ陸上部の方へと向かった。

 しばらくして戻ってきた風丸。しかし、何があったかは分からないが1度も炎の風見鶏はこの日、成功することは無かった。うーん。陸上部に戻ってこいとか言われたんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、円堂の話によれば風丸はあの宮坂っていう1年に陸上に戻らないかと聞かれているそう。で、どっちか悩んでいる。

 オレとしては戻ろうが残ろうが最終的に風丸が後悔しなけりゃそれでいいって思ったら、円堂も似たような感じの答えを出して伝えてたそうだ。流石だな。そして、その事は既に1年生を始めとする部員にも言っておいた。

 風丸(当の本人)は昨日よりも炎の風見鶏を精度を上げてきた。どうやら、一旦区切りはついたようだな。が、そんな中で雷門にかかってきた1本の電話。そのためにオレ、円堂、木野、雷門の4人は病院に来ていた。

 

「バトラー!……お父様は?」

 

 息を切らしながらも必死に問いかける雷門。

 

「あれだけの傷を負いながらも、気を失うまでフットボールフロンティアの成功を願っておりました」

 

 ……どうやら、ただ熱い人だけではなさそうだ。ただ、その事実に雷門は涙を溜めながら手をギュッと握る。

 

「何があったんですか?」

「ええ、教えていただいてもよろしいですか?」

「全国大会会場となるフロンティアスタジアムを下見した帰りに、事故に遭われたのです。同乗していた関係者の皆さんも傷を負われましたが、最も重いのが旦那様でして……」

 

 ……怪しいな。雷門に対し、声をかける円堂と木野。対照的にオレは声を掛けることなくただただ、この状況に不信感を抱いていた。

 

「明日の一回戦は俺たちに任せておけ!」

 

 何とか気を持ち直す雷門。オレはあることを聞く。

 

「ねぇ、バトラーさん。この事故()()()()()()()()()

「と、おっしゃいますと?」

「下見した大会関係者。明日から始まる全国大会。全員が少なからず負った傷。……出来すぎじゃねぇのか?」

「俺も同意見だ」

 

 そう言って入って来たのは。

 

「刑事さん!?」

「理事長が事故だと聞いてな。気になって来てみたんだ。十六夜(コイツ)と意見は同じ。だが、今のヤツに手が出せるわけがない」

 

 なるほどな。

 

「…………円堂。お前は練習に戻れ。明日から全国大会だ」

「お前は」

「ちょっと気になることがある。なぁに、心配すんな。ヤバいことには首を突っ込むつもりはねぇよ」

 

 ほんと、こういうとこだけ精神的に発達しちまってるのか、はたまた純粋に知りたいただのガキに戻ったのか。それはともかくこの事故の裏に潜むのが誰なのか。どうにも気になるな。

オーガとアレスルートをやってほしいか。

  • 両方やってほしい
  • オーガだけは
  • アレスルートだけは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。