気付けば転生してから一年以上が経ちました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
前世の記憶は一応あるけど、神様の言ってた必殺技と呼ばれるものは未だ見たことがございません。……やっぱり嘘だよな?あんなの。一応、雷門中に入学し、サッカー部に入部しましたが、そもそもサッカーをやるための人数すら揃ってないというね。しかも部員もやる気ないしね。いやー、ある意味新鮮なサッカー部だよ。
「さぁ、練習だぁ!」
勢いよくドアを開け、暑苦しく宣言する男は円堂守。一応このサッカー部(仮)のキャプテンである。
「さぁ、練習……」
しかし、残りの部員は一切そんな事聞いてない。無論、オレを含めてだが。
「どうしたどうした。ずーっと、練習してないんだぞ」
別に部活では、という話だけどな。
「グラウンド借りられたのかよ」
「これからまた、ラグビー部に交渉して」
「だと思った」
「どうせ笑い者になるだけでやんすよ」
「8人ぽっちならテニスコートだけでも十分だろうって」
「グラウンドが空いてる日にやればいいんじゃないの」
「そうそう」
「空いたことないけど」
各々が勝手なことをいう部員。
「俺たちはサッカー部だろ!」
あまりの酷さに当たり前の事を言い出すキャプテン。
今年こそフットボールフロンティアに出ようと言い出すも、部員たちの心には響かず、
「サッカー部がサッカーをやらなくてどうすんだよ!」
正論を言って部室から出ていってしまった。
さてと、
「じゃあ、オレもっと」
部室から出ると、一人ボールを蹴る円堂の姿が。
「十六夜!お前も一緒に練習するか!」
「悪いな円堂。オレはこのチームで練習するより、一人の方が向いてるわ」
まぁ、自己練習は怠らずにやっているけどね。でも、さすがにグラウンドがない、部員も足りない、皆のやる気もない。このチームではオレもチームで練習するやる気が起きないよね。
「はぁああああああああ」
次の日のホームルーム。転校生である豪炎寺修也が入ってきたと同時に叫ぶ円堂。おい目立ってるぞ。とりあえず座れ。
「何だ知り合いか?」
「いやぁ~知り合いってわけじゃないんですけど」
なら、騒ぐな。
「とりあえず、座りなさい」
担任の説明によると豪炎寺は木戸川清修っていうところから、うちに転校してきたそうだ。
「席はあそこ、十六夜の後ろな」
「はい」
ん?オレの後ろ?まぁ、どこでもいいか。
そして昼休み。円堂が豪炎寺の席、つまりオレの後ろの席にやってきた。
「豪炎寺、昨日自己紹介してなかったからさ。俺、円堂守。サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー」
おいおい、昨日会ったばっかの人かよ。
「お前も入らないか?木戸川清修ってサッカーの名門だもんな」
え?そうなの?いやー他校の情報とか一切調べてないわ。知ってる中学が雷門中しかないって言う情報力のなさ。ある意味すごいわ。というか転生されてこっち来た時には、既に雷門中に入学決定してたし。もっと言うなら転生した日が入学式前日だったし。
「どうりであのキック。凄いはずだぜ!」
しかし、豪炎寺の顔は浮かない。
「サッカーは……もうやめたんだ……」
「やめたって、どうして」
「俺に構うな」
やれやれ、訳アリって感じだな。
「円堂。冬海先生がお前を呼んでる。校長室に来いってさ」
冬海先生……あー名目上はサッカー部の顧問の先生か。
「校長室?」
「大事な話があるらしい。俺、嫌な予感がするんだ。例えば、廃部の話とかさ……」
「廃部ぅ!?」
「私もそんな噂聞いたけど……」
ちなみにオレも。
「冗談じゃないぞ。廃部になんかさせるもんか!」
校長室に向かう円堂。
「……やれやれ。廃部って決まったわけじゃないのに、せっかちな奴だね」
「でも十六夜。それ以外に何の話があるんだ?」
「さぁ?」
さすがにそれは想像がつかないが……試合とかだったら笑うな。ウチと試合してくれるようなところがあるんだってね。
はい、練習試合が決まりました~パチパチパチ。しかも、負けたら廃部という条件付き。
「やるさ!きっちり11人揃えてやる」
加えて、スタートがここからってね。そもそも8人でもやれないことはないがまぁ、キツイね。
後、相手は帝国学園ってところで、この辺だと最強らしい。
「やれやれ。部員勧誘もだけど、練習もしろよな」
「あれ十六夜さん。もう帰るんすか?」
「ああ。どうせ今日は練習ないんだろ?まぁ、アイツは勝手にやってるとは思うが」
さてと、どうせ鉄塔広場に行くだろうからオレは河川敷で練習でもしますか。