超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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VS千羽山 ~ブレイク!~

 ハーフタイム。オレはベンチに座る。

 

「大丈夫か?」

「監督……はい。ある程度は回復してきました」

 

 ぼやけているがまだ何とか見える。さっきまでに比べたらマシだ。

 

「後半は染岡のワントップで行こう」

「「「え?」」」

「分かった。鬼道が言うならそれでいい」

「でも、ワントップで?」

「無限の壁は驚異だが弱点はある」

「弱点?」

「それは無限の壁が3人の連携技であること。染岡。攻撃すると見せかけて出来るだけ5番のディフェンダーを4番のディフェンダーから引き離すんだ」

 

 なるほど。3人集まらなきゃ無限の壁は使えない。なら、そもそも3人集めさせない気か。てか見えなくて結局どんな技かわかんねぇよ。

 

「待てよ!豪炎寺を下げるって本当にそれで良いのかよ!そんなの俺たちのサッカーじゃない!豪炎寺と染岡のツートップ。それが俺たちのサッカーだろ!」

「それはそうでやんすが……」

「分かってないな」

「そもそもがちげぇよ」

 

 鬼道とオレが半田の意見に反論する。

 

「いいか!ここはフットボールフロンティア!全国の強豪が雌雄を決する全国大会!そして、そのピッチにお前たちは立っている。もうお仲間サッカーなどしている場合じゃない。お前たちはもう全国レベルなんだ!」

「それに、オレたちのサッカーってのはおかしくねぇか?染岡と豪炎寺のツートップはあくまでベースにあるだけだ。絶対のルールじゃない。この前だって円堂を含めたスリートップにしただろ?ケースバイケースで対応する柔軟性も大切だ」

 

 まぁ、豪炎寺本人が反論したらどうしようかと思ったが、豪炎寺は鬼道の意図を組んでくれてるようだ。

 

 ピ──

 

 後半戦開始。千羽山のキックオフで始まった。

 

『後半戦開始です!雷門中が無限の壁を打ち破り初得点を決めるのか?はたまた千羽山中が雷門のディフェンス陣から先取点を取れるのか!注目の対決です!』

 

 壁山を既に走らせ、シュートを狙う。ボールは8番に対してパスを出された時に鬼道がカットした。

 鬼道がボールを上げる。そして、

 

『イナズマ落とし!』

 

 しかし、ゴール前には既に3人集まっていて、無限の壁を発動していた。わーお。あれが無限の壁か……どこに無限要素があるんだろ……でもまぁ、なるほど。イメージとは違うが正面突破は難しいか。

 ただ、作戦は失敗。引き離したつもりがそんなに離れていなかった。いや、離してもすぐに戻って使われてしまう。

 続いて炎の風見鶏を打つも失敗に終わる。

 ……でも待てよ?

 

「鬼道!1回オレにやらせてくれ!」

「分かった!」

 

 ディフェンスラインから前に飛び出してパスを貰う。まだ、完全復活とはいかないが、

 

「なにぃ!?」

 

 普段、やべぇ奴に鍛えられてるから突破くらい余裕だ。で、4番がディフェンスに来たが、それを振り切り、シュートを放つ!……が。

 

「まき割りチョップ!」

 

 チョップで弾き飛ばされた。え?チョップ?って、よくよく思えば名前そのまんまじゃね?

 弾かれたラインを割ったが、オレは戻りながら考える。引きつけるのが無理なら突破した後にシュートを放てばいいと思ったがダメだったか。クソッ。コイツ1人でもそこそこ強い。

 スローインでマックスにボールが渡る。

 

「円堂!」

 

 呼ばれたのが誰か、円堂本人は首を振って探している。

 

「おめぇだよ。行ってこい」

「ああ!」

 

 ダッシュで前線に駆け上がる円堂。マックスからのバックパスをもらい、

 

『イナズマ1号!』

『無限の壁!』

 

 しかし、無限の壁に阻まれて、ゴールラインの外へ。

 ッチ。イナズマ1号でも無理、おそらく皇帝ペンギンOはやるまでもなくあの壁を破れねぇし、それどころか今の視力であの技がやれるか分かんねぇ。

 

「おい!皆!どうしたんだよ!」

 

 気付けば皆の表情が暗い。ただ、点を取られない限りPK戦に持ち込めるが、PKであのキーパーから点を取れるかと聞かれたら分からない。てか、PKって必殺技アリ?それともナシ?

 

「何凹んでんだ!まさか諦めたとか言うんじゃないだろうな!まだ試合は終わってないぞ!」

「でも、無限の壁を破れないんじゃ……」

「やっぱり必要なんだよ。新しい必殺技が……」

「必殺技ならある!」

 

 はぁ?どこに?

 

「俺たちの必殺技は炎の風見鶏でも、イナズマ1号でもない!俺たちの本当の必殺技は最後まで諦めない気持ちなんだ!」

 

 諦めない……気持ち……か。

 

「帝国の時からずっとそうだった!尾刈斗中の時も、野生中の時も、御影専農の時も、秋葉名戸の時も、戦国伊賀島の時も!諦めなかったからここまで来られたんだろう!俺は諦めない!諦めたら俺たちのサッカーじゃない!俺たちのサッカーは諦めないこと!だったらやろうぜ!最後まで!俺たちのサッカーを!」

 

 乗った。やってやろうか。ぶち壊してやるよ。その壁を。

 

「残り5分!行くぞ!」

「「「おう!」」」

 

 さぁて、始めようか。

 半田からのコーナーキック。染岡がヘディングで合わせようとするもそのまえに相手キーパーが弾く。それを跳ね返してマックスにパス。マックスがシュートを打つも、弾かれてしまう。さすがに無限の壁がなくてもかてぇなおい!

 

「鬼道!」

 

 鬼道にボールが渡り、鬼道が囲まれる中、いつの間にか上がってきていた円堂が声を上げて鬼道の方へと走る。

 鬼道はそれを見て、空中にボールを蹴るとそれは雷雲となり雷を纏ったボールが落ちてくる。それを鬼道、円堂、豪炎寺の3人が同時に蹴り飛ばす。

 

『無限の壁!』

 

 そのシュートは無限の壁を正面から突き破りゴールに刺さった。

 …………やべぇ。

 

 ピ──!

 

 会場が静まり返った。どうしよ。破ったことにも驚きだが、何なんだあのシュート。今までのとは次元が違う。雷雲がどっから出たとか色々疑問は尽きないがな。

 

『無限の壁が破られた!千羽山ついに失点!無失点記録が途絶えたぞぉ!』

 

 ピ、ピ──!

 

『そして、ここで試合終了!1対0!雷門!無限の壁を破っての勝利だぁ!』

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