超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

41 / 254
アメリカからの訪問者

 翌日。オレは病院に行ってから練習に来ていた。まぁ、遅刻だな。うん。とりあえず眼の方に異常はなし。あぶね。これ後遺症とか残ったら最悪じゃん。

 で、いつも通りの練習。そこに、ギャラリー?が1人いたけど……

 

「知り合い?」

 

 鬼道と豪炎寺に問い掛けるが首を横に振る。と、そんな中その観客の人の足元にボールが。するとその人はドリブルを始め、ディフェンスにきた、半田と栗松をあっさり躱した。

 

「すっげぇ……よし、来い!」

 

 すると、ボールを前に逆立ち。そのまま回転しながら竜巻を起こして、

 

「スピニングシュート!」

 

 なんでここの人たちって簡単に竜巻起こせんだろぉ。というか、あの技隙だらけじゃね?シュートを打つ前に取られないのかな?

 

「ゴッドハンド!」

 

 円堂のゴッドハンドが押されたが、何とか止めることに成功する。

 

「君の勝ちだ」

「ペナルティーエリアの中からシュートを撃たれてたらそっちの勝ちさ」

「素晴らしい技だったね。あーあ、アメリカの仲間に見せてやりたいなぁ」

 

 アメリカ?日本人だよね?この人。

 

「アメリカでサッカーやってるのか?」

「うん。この間、ジュニアユースチームの代表候補に選ばれたんだ」

「聞いたことがある。将来アメリカ代表入りが確実だろうと評価されてる天才日本人プレイヤーがいると」

 

 始めて聞いたわ。

 

「でも、どうして日本へ?」

「会いたい友達がこの学校にいるんだ」

 

 へぇ。会いたい友達かぁ。

 

「ねぇ。何してるの?」

「あ、木野。こっち来いよ今サッカーのすげぇ上手いやつが」

 

 次の瞬間。木野に抱き着くアメリカ帰りの帰国子女。アメリカ式の挨拶かな?

 

「お、お前何を!……って」 

 

 土門は怒鳴ろうとしたが、木野に抱き着いたのが誰かを理解し、怒るのをやめて固まる。

 

「久しぶりだね。俺だよ」

「……一之瀬君!」

「ただいま。秋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、何かを3人で話していたのか知らないが、円堂が一之瀬に一緒にサッカーしようと声を掛ける。

 

「一之瀬……鬼道と互角?いや、それ以上に渡り合えるとは……」

「へぇ。凄いね。彼」

「十六夜。お前なら止められるか?」

「え?……うーん、自信はない」

 

 流石にこういうテクニシャンを止めるのは苦労するんだよなぁ。

 

「よぉし!今度は俺とPK対決だ!」

 

 と、ゴールに向かって喜々として走っていく円堂。そして、

 

「15対15だ!」

 

 かれこれ1時間以上やっている。全く、というか。

 

「あの2人ってなんか似てね?」

「ああ、きっと一之瀬も円堂と同等以上のサッカーバカなんだろうな」

「にしてもアメリカか……」

 

 円堂に影響されたのか知らんが、この世界に来てから考え方が変わった気がする。前の世界では、サッカーは……まぁ、楽しいからしていたな。でもそれだけ。ここではそれだけじゃない。もっと凄い奴らと戦いたい……色んな奴らと戦いたい。そんな気がする。

 

「世界には一之瀬レベルがうじゃうじゃいるのかな?」

「かもな」

 

 世界か……ま、そんなこと考える前にこの日本だな。全国大会を見据えないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、八神」

 

 その日、一之瀬は円堂の家に泊まることになった。

 あの後、円堂、土門、一之瀬の3人はトライペガサスという必殺技の練習をしていた。が、一向に上手くいかない。曰く3人がトップスピードで1点で交わらないといけないらしいが、その1点で交わるってのが上手くできていないらしい。そのため、今日は完成することが出来なかったそうだ。

 

「どうした?十六夜」

「オレはもっと強くなりたい」

「急にどうした」

「いや、今日アメリカから来た奴が居てさ。そいつに勝てるビジョンが見えなかったんだ」

「ほう。消極的な発言だな」

 

 まぁ、お前に勝てるビジョンの方が見えねぇけど。

 

「純粋な力不足。まだまだ上には上がいるんだ」

「それはそうだろう」

「だから八神。協力してくれ」

「何を今更言ってるんだ。ずっと協力してるだろ」

「そうだったな」

「そういや、目は大丈夫か?」

「病院に行ったが異常なし」

「そうか。よかったな」

 

 と、ここでケータイに電話がかかってきた。

 

「はい、十六夜です」

『おぉ十六夜か!』

「その声は円堂か。で、何の用だ」

『今さ、鬼道以外のサッカー部全員で一之瀬の話を聞いてんだよ。お前も来るか?』

「誘ってもらったとこわりぃな。オレはパスにさせてくれ」

『そうか。用事か?』

「そんなとこ」

『なら、残念だけど仕方ないな』

「悪いな。じゃ、切るぞ」

『おう!また明日な』

 

 全く。

 

「行かなくていいのか?」

「別にいいさ。アイツの話に興味がないって言ったら嘘になる。だが、今はそれよりもお前との時間が大切だ」

「……誤解されても知らないぞ」

「誤解?」

「はぁ。何でもない。なぁ、十六夜」

「何?」

「仮定の話だぞ。身につけるだけで身体能力を飛躍的に向上させられる道具があったら……お前は使いたいか?」

「いいや、全く、微塵も」

「ほう。即答か」

「いや、道具に頼ってるなんてつまらないじゃん」

「面白い意見だな。さ、ほら、強くなりたいんだろ?行くぞ!」

「おう!」

 

 こうして今日も八神との特訓をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一之瀬が来てから数日後。今日の午後の便で彼はアメリカに帰ってしまうそうだ。

 で、トライペガサスなんだが、

 

「惜しい……」

 

 3人の交わった付近から青い炎のペガサスらしきものが見える。初日でも薄っすら見えたが、あの時は視界が完全じゃなかったから幻覚だと思っていたんだが。どうやら本物らしい。

 何度も練習していると、木野が動いた。

 

「マネージャー?」

「思い出したの。ペガサスが飛び立つには乙女の祈りが必要だってね」

 

 そして、木野自身が目印となって立つことを宣言。1歩間違えれば大怪我で済まないが……で、結論から言うとトライペガサスは出来た。幻だと思っていたペガサスは幻なんかじゃないことも分かってしまった。

 で、夕方。一之瀬は既に空港に行った。

 

「あの飛行機に乗ってるのかな」

「多分ね」

 

 雷門中のグラウンドで話している。

 

「一之瀬!また一緒にサッカーやろうぜ!」

 

 空に向かって叫ぶ円堂。

 

「うん。やろう!」

 

 すると答えが後ろから帰ってきた。え?

 どうやら、円堂ともっとサッカーがしたいがために残ったらしい。マジかぁ……すげぇ行動力。雷門中に来てくれるらしいが、わーお。本当にすげぇや。

 

「これからよろしく!」

「ああ、こちらこそよろしく!」

 

 円堂と一之瀬の握手。その上からオレたちは手を乗せる。ま、これからよろしくな。

 そして2回戦の結果によって、準決勝。オレたち雷門イレブンが戦う相手が豪炎寺の前の学校、木戸川清修だと判明した。去年の準優勝校か。気を引き締めないとな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。