超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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全員同じ顔だと髪色でしか見分けられないよね?

 一之瀬の加入から何日か。連携もかなり上手く行ってる。で、雷門からもう一つの準決勝の様子を見たが……世宇子中VSカリビアン中の試合は、開始10分でカリビアン中の試合続行不能により世宇子の勝利。ヤバくね?マジで。

 で、帰り道。オレは円堂、鬼道、豪炎寺と公園に寄っていた。

 

「円堂と十六夜は守備の徹底をしてくれ。相手はオフェンス重視で攻めてくるはずだ」

「おう!ディフェンスは忙しくなりそうだなぁ」

「他人事だなおい。ま、忙しくなるのは仕方ねぇか」

「こちらの攻撃はカウンター主体になるだろう。豪炎寺、攻守の切り替えのタイミングに注意してくれ」

「ああ」

 

 しかし、豪炎寺の反応は薄い。まぁ、元々のチームメイトが相手だからなぁ。戦いにくいか。

 

「よし!作戦会議は一旦休憩だ!来いよ」

 

 走り出す円堂。やれやれ、また勝手なことを。

 で、連れてこられた場所は駄菓子屋。

 

「ここだよ」

「駄菓子屋……」

「だな……」

「なんだよ?来たことないのか?」

「「「ああ」」」

 

 オレたち3人の声が揃う。いや、来たことないですが何か?

 

「こんなところがまだ残っているんだな。稲妻町には」 

「ああ。俺も初めて来た」

「オレもだな」

 

 子供たちや店員のおばあちゃんと話す円堂を見つつ、すぐ脇のベンチに座る。

 

「駄菓子屋か。まるで子供だな。純粋で真っ直ぐで。だからサッカーバカになれるのかもな」

「ああ」

「そういや、十六夜も始めてなんだな」

「まぁな。こっちに来たのは中学からだし、1年の頃は部活とクラスが同じだけで自主練ばっかだったし」

「なるほどな」

 

 と、3人で話していると、

 

「どけよ」

「あっ!割り込みはいけないんだよ!」

「お前ら順番守れよな!」

 

 中が騒がしいな。揉め事か?そう思ってみてみると、

 

「あんたたち。順番くらい守りなさい」

「3対1で俺たちの勝ち~みたいな」

 

 いや、お前らの目節穴なの?ダサいサングラス掛けてるから、数もろくに数えられないのかな?

 

「人数の問題じゃないだろ!」

「いえいえ、人数の問題ですよ」

「俺たちは常に三位一体なんだよ」

 

 もしかして、こいつらって馬鹿?三位一体って言ったのに……もういいや。馬鹿は円堂1人で十分だ。

 

「豪炎寺!」

「久しぶりだな。決勝戦から逃げたツンツン君」

「誰?知り合いか?豪炎寺」

「こんなのが知り合いとか豪炎寺に謝れよ」

 

 と、こっちの言葉をスルーして名乗り始めた。まぁ、おかしなポーズをとってたがスルーで。

 

「武方勝!」

「青」

「友!」

「ピンク」

「努!」

「緑」

「「「3人合わせて!武方三兄弟!」」」

 

 青と緑の手の上に立つピンク。やべぇ。駄菓子屋で組体操やってんのもやべぇが……

 

「どうしよう鬼道。コイツら髪色でしか見分けがつかねぇ…………!」

「いや、他にもあるだろ……髪型とかな」

 

 だめだ。モヒカンが2匹いる時点で見分けがつかない。

 

「で、コイツら誰?通報すればいい?」

「通報してやるな。そいつらは去年豪炎寺の代わりに決勝に出場した木戸川清修のスリートップだ」

「てことは豪炎寺の元チームメイト!?」

 

 今更かよ。普通分かるだろ。

 

「流石は鬼道有人。有力選手の情報は全てインプットされてるってわけか」

「ふっ、三つ子のFWが珍しかったから覚えていただけだ」

「うわぁ。自分で有力選手の情報とか言ったよ……えーっとそこの青いの」

 

 ダメだ。霧隠のときはふざけてあだ名付けたがこいつらはマジで分かんねぇ。

 

「お前ら今年の俺たちの活躍を知らないってか!」

 

 全く、全然、一切、聞いたこともない。

 

「豪炎寺なんかいなくても勝てるって証明したのに!」

 

 あ、ご苦労様です。 

 

「今の木戸川清修は史上最強と言っても良いでしょう。豪炎寺よりもすんごいストライカーが3人もいるんですからね」

「…………ただし、豪炎寺より知名度は低い」

「……十六夜。事実でもそれは言うなよ」

 

 いや、鬼道も事実って思ってんじゃん。

 

「ま、なんつーの?準決勝の相手が雷門中じゃん?軽~くご挨拶。みたいな?」

「ん?挨拶終わったの?じゃあ、帰っていいよ」

「「「話は終わってねぇよ!」」」

「えー早くしろよ。暇じゃねぇんだよ」

「宣言しに来たんですよ!」

「俺たちが豪炎寺修也を叩き潰すとな!」」」

 

 やれやれ、そんだけのために来るとか暇人かよ。

 

「どういうことだ!何でお前たちは」

 

 そこに反応してしまったのは円堂。やれやれ、あんなの無視すりゃいいのに。

 

「豪炎寺修也を叩き潰し、木戸川清修の、いや僕ら三兄弟の恨みを晴らしたい……」 

「それは……」

「それは……!」

「「「豪炎寺が知ってるから聞いてみて!」」」

 

 全員が豪炎寺の方を指さす。

 

「豪炎寺が?」

 

 で、結局武方三兄弟が恨みについて言ったんだが、内容としては去年の木戸川清修は豪炎寺のおかげで勝ち進み三兄弟はずっとベンチ。で、全国制覇の夢を豪炎寺に(勝手に)託した。で、豪炎寺が居れば必ず優勝できると信じていたが、決勝戦の日、豪炎寺は現れなかった。

 なるほどねぇ。で、英雄から一転、プレッシャーに負けて逃げた卑怯者扱い。あまりにも一方的すぎだな。

 

「違う!豪炎寺はそんな奴じゃない!その日豪炎寺は……」

「やめろ」

「でも!」

 

 どうやら訳ありのようだな。

 すると、青が鞄からボールを出した。

 

「ま、折角だし偵察に来たんだし。偵察してやるよ。今の豪炎寺クンの実力を見てみたいなーみたいな?」

「悪いが、その気はない」

 

 背を向けて帰ろうとする豪炎寺。だが、

 

「おやぁ?また逃げるつもりですか?やっぱりお前は臆病者の卑怯者だ!」

 

 そう言って豪炎寺に向かってシュートを打つ青。やれやれ。

 

「お前も何か言い返せよ」

 

 そう言いながら軽く蹴り返す。

 

「ああもう我慢できねぇ!俺がお前らの偵察とやらを豪炎寺の代わりに受けて立ってやる!」

「円堂」

「何言ってんの?」

「超意味わかんないんだけど~みたいな」

「アホかオメェらは」

「「「ああ?」」」

「そもそも、豪炎寺より優れてるってどう証明するつもりだよ?」

「それは」

「まさか豪炎寺がファイアトルネードを打ってそれを傍目に見て評価する。なんてくだらねぇことは言うなよ?無論その逆もだ」

「……じゃあ、どう証明すりゃいいんだよ」

「何でもいいが。お前ら試合でオレたちに勝つために偵察にわざわざ来たんだろ?だったらこっちのシュート力より、キーパーの力を見た方が有益なんじゃないか?」

「十六夜の言うとおりだ。それに、そうすればお互いに対等な条件で偵察できる。こっちはキーパー力、そっちはFW力を見せ合うんだからな」

「やるのか?やらないのか?どっちだ!」

 

 で、結局向こうはやるということで、

 

「ついてこい!」

 

 オレたち7人は円堂が先頭で河川敷に移動したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはまた面白くなってきたな」

「偵察っていうか決闘って感じ?」

「「「それなら武方三兄弟の力、見せつけてやりましょうかー!」」」

 

 まぁ、鬼道は言った。これが対等だと。だが、オレにとってはこれは対等では無い。圧倒的に雷門中が有利な偵察だ。

 理由は2つ。1つ目。向こうはFW3人組だがこっちはFW、MF、DF、GKと4人共の専門が綺麗に分かれてる。つまり、各ポジションから、多角的な視点で見られる。そして2つ目。アイツらのシュート技を予め見られれば、万が一ツッコミだらけでも本番で驚く必要がなくなる。

 

「行くぞ!」

「よし!」

 

 緑が回転しながら跳んだ。足には青い炎が。

 

「これは!?」

「ファイアトルネード!?」

「回転が逆だ!」

 

 なるほど。つまり、豪炎寺のファイアトルネードのパクリか。

 

「これが豪炎寺のファイアトルネードを超える技!バックトルネード!」

 

 ふむふむ。左足で踵落としを最後にする。いや、そのまんまだなぁ……こりゃあ偵察する意味はなかったか?

 

「爆裂パンチ!」

 

 そして、シュートを弾く……が。

 

『バックトルネード!』

 

 青と赤も立て続けにうち、円堂が反応できずにゴールに刺さった。

 

「何するんだよ!」

「はぁーい。ちょっとゴール奪ってみました。みたいな」

「ちょっと待てよ!そんなの止められるわけないだろ!」

「まぁ、落ち着けよ円堂」

「でも十六夜!3つもボール使うなんて反則だろ!」

「アホか、少しは考えろよ。あの三兄弟はボールを3つ使わないと、お前からゴールを奪えない卑怯者ってことが分かったじゃないか。じゃあ、卑怯者さんたち帰っていいよ」

「「「ちょっと待て!」」」

 

 やれやれ。

 

「黙って聞いていれば僕たちが卑怯者ですって?」

 

 事実そうだろ。

 

「なら、ボール1個でやればいい。みたいな」

「それで点を決めれば文句は無いんですね?」

「ああ、そうだな」

「「「フフフフフ……」」」

 

 あーあ。こいつらどんどん手の内晒してくれるわ。なんてやりやすい奴らだ。

 

「やってやろうじゃん!」

「やめろぉおおおお!」

 

 すると聞き覚えのある声がする。風丸だ。後、土門、木野、一之瀬、宍戸もいる。

 

「ストップ!ストップだ!喧嘩はマズイぞ!円堂」

「へ?喧嘩?」

「違うのか?」

「俺は決闘って聞いたけど」

「誰がそんなことを……」

「だって!やってやるとか、ついて来いとか!物凄い喧嘩になりそうな感じだったじゃないですか!」

 

 宍戸……お前かい。

 

「サッカーの勝負だよぉ。サッカーの……」

「え?サッカーの?」

「もう!慌てちゃったじゃないの!」

「ほーんと。人騒がせだこと。ま、いつものことだけどね」

 

 雷門……なるほど。お前もやはり来ていたか。

 はぁ。これでお流れ……になるわけないか。見たとこあの三兄弟は馬鹿。ギャラリー増えたからカッコよくキーパー円堂から点を取って力の証明……的なことでも考えてるんだろうなぁ。

 

「ギャラリーも増えたことだし」

「「「見せてやるぜ!武方三兄弟最強必殺技を!」」」

 

 アホだ自分から切り札を晒しに来た。

 青から緑にボールを蹴り、緑が上にあげ、ピンクが青の肩を踏み台にして跳び空中で蹴る。そして、

 

『トライアングルZ!』

 

 と言いながら最後に駄菓子屋で見せた傍迷惑な決めポーズをする。

 やべぇ。最後のポーズがだせぇこと以外記憶に残らんかった……ってのはさすがに嘘だが。いや、あのポーズのせいで突っ込みが全部飛んでいったのは事実だな。あえて、ツッコミをするとすれば……え?あのポーズださくね?

 

「爆裂パンチ!」

 

 しかし、1回パンチを繰り出しただけでボールは円堂の顔面に当たりそのままゴールへ。

 なるほど。威力は高いか。さすが最強の必殺技ってとこか。攻略法は見えたけど。

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