ハーフタイム。雷門優勢だが浮かれた雰囲気はない。
「みんな頑張って!あの三兄弟と中盤の連携を崩せているわ」
「だが、奴らも後半は修正してくるだろう」
「それにまだあの技を出していない」
「トライアングルZか」
「このまま終わるはずがない」
バックトルネードが通用しないと向こうが分かった現状。あの技を打つのも時間の問題だな。
「どんなシュートだろうと俺が必ず止めてみせる!」
「さすが円堂。まぁ、オレも協力させてもらうよ」
ピ──
雷門ボールでキックオフ。だが、木戸川清修に取られボールは青に。三兄弟であがってきて……
「そろそろ見せてやろうじゃん!」
「僕たちの最強の必殺技を!」
「これでゴールをぶち抜く!みたいな!」
そして、ボールはドリブルしていた青から緑へ。そして、緑からピンクへ行こうとボールを上げたところで、
「はぁぁあああああっ!」
蹴ったのはピンク──
「「「はぁぁぁああああああ!?」」」
──ではなくオレ。
「トライアングルZ!……みたいな?」
決めポーズには参加せず、ボールの行く末を見据える。トライアングルZの攻略法。ぶっちゃけ、最後ピンクが打つ前にこっちが打てばトライアングルZの威力で相手ゴールにシュートを打てる。そう。3人同時のシュートじゃない。3人が順番に、しかも順番を変えずに蹴ってくれたから出来た技。
そして再び呆気にとられる敵味方。また、キーパーは反応したが、皇帝ペンギンOより癪だがトライアングルZの方が威力が高いので、
『ゴール!ま、まさかの展開!十六夜のトライアングルZの最後だけ撃ってそのままゴールに決めたトリッキープレイ!相手チームと連携技を打つなんて前代未聞!雷門中更に追加点だ!』
「ナイスアシスト!緑!青!」
「「「じゃねぇよ!」」」
おかしいな。ここはハイタッチをする場面では?うーん。じゃあ……
「よし、トライアングルZでもう1点決めてこうぜ!」
「決めるか!」
「何、いいとこどりしてる!みたいな!」
「貴方は何なんですか!?」
いや、だってねぇ。河川敷とか駄菓子屋であんだけ言ってこっちでも啖呵切ったんだ。
「本気で無失点で抑えてやるから覚悟しな」
オレは聖人君子じゃねぇ。あの時は円堂に任せてたが、仲間がぼろくそ言われまくって笑顔で居られるほどお人好しじゃねぇんだわ。だから、ぶっ潰す。
『さぁ、雷門中の3点リード。木戸川清修。円堂、十六夜を中心とした雷門ディフェンス陣を突破してゴールを決められるかぁ?』
木戸川清修ボールで試合再開。ピンクがボールを持った。
「マックス!一之瀬!コースを塞げ!」
そしてピンクは青にボールを出す。そこを、鬼道がスライディングでカットしようとし、青は不安定な体勢でシュートを打つ。これには円堂も余裕でキャッチ。
「一之瀬!土門!トライペガサスだ!」
わぁお。まだまだ攻撃の手を緩める気がないよ。
ボールを一之瀬に投げ渡し、上がっていく円堂。オレはカウンターで点が決められないようゴール前で仁王立ちする。
向こうでは、3人が走って交差しようとする中、
「俺の目の前で何度もやらせない!スピニングカット!」
西垣が足を青く光らせ振るう。すると、地面から放物線状に青い炎が噴き出て3人を弾き飛ばし、ボールをラインの外へ……えぇっ!?地面から青い炎の壁!?しかもそれで3人吹き飛ばした!?…………ん?あれをロングシュートにぶつけられたらまずくね?やっべ。どうしよう。
「ペガサスの羽が折れたな」
あーうん。何も知らない人が聞いたらコイツ大丈夫か?ってなるよね絶対。
「さすが西垣。凄いディフェンスだ」
「トライペガサスが止められるなんて……!」
「焦るな円堂。こっちがリードしている。次成功させればいい」
「ああ」
「って会話はいいけど戻ってこい!円堂!」
シュートを外したら戻る。それくらいしてもらわないとマジで困る。
そしてスローイン。相手チームに渡り、そのままMFから青にパスを出そうとするが、戻ってきていた豪炎寺が空中でカット。そのままドリブルで駆け上がる。
「染岡!」
そして染岡にパス。
『ドラゴントルネード!』
今度ばかしはキーパーにも時間的にも精神的(?)にも余裕があったのか。
「タフネスブロック!」
腹を突き出した。そして、腹でドラゴントルネードを上に弾いた。………………え?アレが必殺技?腹を突き出しただけだよね?え?え?……というか痛そうだしぽっちゃり限定の技かな?オレがやったらめり込みそう。
で、弾いたボールに豪炎寺が、
「ファイアトルネード!」
反応してシュート。これにはキーパー届かず4点目。
『ゴール!1度弾かれたボールに豪炎寺が素晴らしい反応で喰らいつき、必殺ファイアトルネードを決めたぁ!雷門中追加点!木戸川清修を圧倒しているぞ!』
そこからは一進一退の攻防だった。シュートを打つも弾かれ、そもそもシュートまで行けないことがほとんどで、刻々と試合終了が近づいている。……って言うとオレたちが4点リードしているように見えないのが不思議。
「このまま負けるとかありえないでしょ!」
「俺たちは負けない!」
「絶対に決める!」
って考えていると、しまった!出遅れた!
「絶対に!」
ボールは青から緑へ。
「俺たちは!」
緑はボールを上に蹴り上げピンクへ。
「勝つんだ!」
ピンクはそれをゴールに向かって蹴りつけ、いつものポーズを決めながら、
『トライアングルZ!』
ヤバッ!急いで戻らねぇと!
「円堂!」
「ゴッドハンド!」
右手だけで押され始めて、すぐに左手も加えたが、それでもどんどん押されていく。だが、時間は充分稼いでくれた。
「このゴールだけは絶対に守って見せる!ゴールを背負うということはそういうことだ!」
「その通りだ円堂!」
「俺も一緒に守るッス!」
円堂の右肩を壁山が、左肩をオレが支える。
「お前たち!」
「行くぞ!円堂!壁山!」
「はいッス!」
「「「はぁぁぁあああああああああああああっ!」」」
そして、トライアングルZは円堂の手に収まった。
『止めたぁ!3人がかりの必殺技でトライアングルZを阻止!木戸川清修ゴールならず!』
「よっしゃぁ!」
「やったな!」
「止めたッス!」
「円堂!こっちだ!」
「おう!」
そして豪炎寺へのロングパス。そのまま上がっていくが、
「やらせねぇぞ!」
三兄弟が止めにかかる。すると、豪炎寺は一之瀬へバックパス。
「トライペガサスだ。決めろ」
「「「おう!」」」
そして、円堂、土門が上がっていく。
「決めさせない!スピニングカット!」
3人の交点のところに放たれるスピニングカット。それを、円堂、一之瀬、土門の3人は突き破り(!?)、空中に上がったボールは炎の色を青から赤に変え、ペガサスではなく巨大な鳥へと変化した。ああいうのを進化と言う…………のか?
「「「はぁぁああああああああ!」」」
そのまま放たれるシュート。ディフェンスに来た武方三兄弟とキーパーを吹き飛ばし、ゴールへ。
『ゴール!雷門中!五点目だぁ!』
「「「やったぁ!」」」
ゴール前で三人でハイタッチをする。
「ペガサスが……フェニックスになって……飛んだ」
ピ、ピ──!
『試合終了!雷門中が40年ぶりの決勝進出を果たしたぁ!』
勝った喜びに浸る中、西垣が一之瀬たちに近づく。
「やられたよ。完敗だ」
「西垣……」
「素晴らしい技だった。あれはお前たちと円堂の技。ザ・フェニックスだな。一之瀬が不死鳥になって帰ってきたんだから」
「不死鳥か……」
うわぁ。凄い必殺技になったな。
一方で座り込んでいる三兄弟に豪炎寺が歩み寄る。
「もしかして笑いに来たか?みたいな」
豪炎寺は手を差しのべるも三兄弟によって払われた。
「僕たち兄弟は貴方を超えてみせると誓い合った!」
「トライアングルZは最強のはずだ!なのに敵のゴールは決めれず味方のゴールを決めるアシストをしちまった!」
「なんで勝てねぇんだよ!」
そんな三兄弟に二階堂監督が話しかける。
「確かにお前たちはこの1年必死に練習した。ただ、お前たちは3人で豪炎寺を、雷門中を倒そうとした。でも彼らはチーム全員の力で戦った。豪炎寺1人がいるというだけで、勝ち負けが決まるようなもんじゃないのさ。サッカーはな」
いいこと言うね。あの人。
「豪炎寺1人で勝ち負けは決まらない……」
「僕たち3人だけじゃなくて……」
「チーム全員の力……」
笑顔になる二階堂監督に豪炎寺は頭を下げる。
「二階堂監督……」
「豪炎寺。この1年で大きく成長したな。先生は嬉しいよ」
どうしよう。あんないい監督響木監督以外に見たことがない。あんな善人がいたんだぁ。
「うぅっ」
「どうした十六夜!うれし泣きか?」
「ああ。この世界にもまともな監督はまだいたんだな」
尾刈斗も野生中も御影専農も秋葉名戸も帝国も戦国伊賀島も千羽山も。どこも監督が頭おかしかったりしたからなぁ。
「去年のこと。チームのみんなに迷惑をかけてしまい、すいませんでした」
「……妹さんの事故のことなら知っていたよ。しかしどんな理由も言い訳にならないと思ったんだろ?だから黙っていなくなった。そうだな?でも今日の試合でお前が逃げ出したりするような奴じゃないって分かったはずだ!こいつらにも」
「監督……」
「もういいんだ。気にするな」
それを聞いた三兄弟は豪炎寺に頭を下げる。
無事和解出来たな。いい話だった……。
「次は世宇子との決勝戦だ」
「ああ!」
「気を引き締めて行こう」
主人公習得技(?)
トライアングルZ
シュート技
パートナー 三兄弟の青と緑
ピンクが打つ前に十六夜が撃ったことで、完成した。
いいとこどりにも程があるが致し方なし。
トリプルディフェンス
キーパー技
パートナー 円堂と壁山
円堂の両手でのゴッドハンドを壁山とともに支えた。
本人たちは必殺技の自覚なし。
主人公の初の連携技のパートナーが木戸川の武方三兄弟の二人ってある意味前代未聞ではないでしょうか。
十六夜君の二つ名アンケート
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