超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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出会い

 河川敷で1人でボールを蹴ること2時間が経過した。

 

「はぁーやっぱり1人だとつまんねえぇな」

 

 そもそも練習できるのがキックとドリブル、後はダッシュぐらいだ。しかし、オレの本職はディフェンダー。一応、ミットフィルダーとフォワードもこなせるが、やっぱり、ディフェンス練習したい。というか、1人だとパス練習すらできない悲しい現実。……って言ってもこの悲しい現実は今まで何度も見てきたから今更だが。

 

「こりゃ、鉄塔広場に行った方が良かったかもな……流石に円堂のヤツは帰った頃か」

 

 そう思いながらリフティングをしている。

 転生してから分かったことだが、とりあえず、身体能力が上がってる。後は神様の事を言うんじゃないが、足から炎ぐらいなら出ても不思議じゃない感じはしてきた。意味が分からんけど。というか、跳躍力が1番上がってる気がする。いや、元の世界で垂直跳びで1m跳べたらかなりのものだと思うのに、ここだと、2mぐらいは普通に跳べる。自分の背丈より高いぞ?

 

「それにキック力も多少は上がったんだよなぁ」

 

 そう思いながらボールを蹴る。……あ、やべ。気を抜きすぎて、思い切り外したよ。

 

「ごめんなさい。そのボール取ってください」

 

 ボールは転がって青い髪の女の子の下へ。歳は同じくらいか?少々大人びいてる感じはするが。

 すると、ボールを蹴って返してくる……あれ?

 

「ありがとうございます。ボール蹴るのうまいですね。サッカーでもやってたんですか?」

「ああ。今もやってる」

 

 へぇ~

 

「あの、練習相手になってもらえませんか?」

「ああ、構わないぞ」

 

 よし、練習相手ゲット。

 

「あ、オレ、十六夜(いざよい)綾人(あやと)って言います」

「私はウル──八神玲名だ」

 

 八神玲名……ねぇ。というか、その前に何て言おうとしたんだろう?まぁ、いいか。

 

「じゃあ、よろしく。八神」

「こちらこそよろしく」

 

 そう言ってとりあえず、パス練習から始めて、次に1対1で練習。

 

「じゃあ、八神。オフェンスでお願い」

「わかった。行くぞ十六夜」

 

 ドリブルをし始める八神。それにしても、練習相手も見つかってよかった。しかも、パス練習をしたけど、そこまで下手じゃない。きっと、ドリブルも下手ではな……

 

 ザシュッ

 

「……っ!?」

 

 今、何が起きたんだ?分からない?いや、見えなかった?気付いたら八神はオレの後ろに……は?

 

「どうした?そんな立ち尽くして」

 

 いやいや、待て待て。オレが反応出来なかった?そもそも動きが見えなかっただと?こんなことがあるのか?

 

「なぁ、八神。ちょっと本気でシュート撃ってくれないか?」

「まぁ、いいが。急にどうした?」

「いや、ちょっと。キーパーの視点からシュートを見たくなった」

「なるほど。十六夜はディフェンダーだから、シュートを見る感覚を養いたいと」

「そうそう」

 

 そう言うことにしておこう。……あれ?オレ、ディフェンダーなんて言ったっけ?

 

「分かった。私も本気で撃とう」

 

 ということでオレはゴール前に立つ。今度は一挙一動に神経を張り詰めて……

 

 ザシュッ

 

「……は?」

 

 今、何が起きたんだ?八神がシュートを撃ったのは分かった。でも早すぎないか?撃ったと思った時にはゴールに入っていた。いくら、PKの位置からとはいえこんなことがあるのか?

 

「もう1本撃とうか?」

「ああ、頼む」

 

 おいおい、もといた世界だとこんなのあり得ないぞ?そんなシュートが見えないぐらい速いなんて。もしかして、アレか?このイナズマイレブンの世界において八神って、ボスキャラ的な存在の1人なのか?いや、中ボス?それにしても、オレの何倍もスペックがあるのだが……え?嘘だろ?だとしても、ここまで差があるのかよ。

 

「なぁ、八神。頼みがある」

「何だ?」

「オレを鍛えてほしい」

「……初対面の相手に頼むことか?チームのメンバーは?」

「いや、オレはお前に頼みたい。お前はオレの何倍も何十倍も強い」

 

 恐らく元の世界でも、この世界でも今まで会った中では群を抜いて、現段階では強い。

 

「凄く迷惑な話かもしれないが、頼む」

 

 頭を下げる。まぁ、元の世界ではこんな頭を下げたくらいじゃ頼まれてもくれないだろう。というか、女子に頼んでるんだな。この際何でもいいけど。

 

「顔を上げてくれ。分かった引き受けてもいい」

「八神……!」

「ただ、チームメイトには言わないでくれ。今後厄介なことが起こる可能性があるからな」

 

 厄介なこと?ふむ……あーもしも本当に敵だった時にあれか。面倒なことになるのか。

 

「分かった」

「なら、明日も今ぐらいの時間に私はここに来る。じゃあ、また明日な。十六夜」

「ああ、また明日、八神」

 

 こうしてオレは八神に鍛えてもらうことになったのだ。

 というか、見えないぐらい速いシュートって何だよ。動体視力を鍛えろと言うのか?もしかして、本当に炎を纏ったシュートが……ってないない。さすがにそれはあり得ない。

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