超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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人間頑張れば不可能はない

 八神との特訓に加え、やる気を出したサッカー部員との練習に明け暮れること一週間ぐらい。ついに帝国との練習試合本番を迎えた。

 あれから、風丸、影野が入部、松野が助っ人に入ってくれることになり、部員も無事11人揃った。

 グラウンドに出ると、大きなバス(?)のようなものが校門の前に止まり、何かレッドカーペット(?)が敷かれ、その上を歩く帝国学園のスタメンたち。脇には残りの選手が立って道を作っている。……うん。何これ。ただ、練習試合に来たって感じじゃないんだけど?

 円堂が向こうのキャプテンに挨拶に行くと、向こうはウォーミングアップをしたいって言ったそうだ。うん。何か個人個人のレベルが高く、元の世界ではあり得ない事が起きてる凄い練習光景なのに……

 

「八神のせいかな……」

「何か言ったか?十六夜?」

「何でもないよ円堂」

 

 ここ連日、八神のプレーがもうオレの知る領域から逸脱していることに気付き、それに比べると何故か帝国のプレーは劣って見えた。おかしいな。この辺で帝国学園は最強と言われてるはずなのに、そのプレーが劣って見えるほどだなんて……八神って何者?

 そう思っているとゴーグルを掛けた向こうのキャプテンが円堂に向かってシュート。円堂は辛うじて止めるも、受け止めたボールと円堂のグローブは軽く焦げた。……うん。ちょっと待って。いくら何でもボールとグローブが焦げるって、あり得ないよね?この時点でいろいろツッコんでいい?

 

「面白くなって来たぜ!」

 

 ちょっと待って。何で、誰もグローブが焦げたことに驚かないの?ボールとの摩擦でだよ?いやいや、この時点でおかしいから。

 

「よぉし、一週間の練習の成果!こいつらに見せてやろうぜ!」

「「「えぇっ!?」」」

 

 コイツってアホだよな。去年から思うけど、こんな奴らに一週間で勝とうとしているとか意味分かんないじゃん。いやいや、流石に色々と次元が違いすぎて無理だと思うんだが……

 

「あのーキャプテン。俺……トイレ行って来るっス!」

「壁山!?」

 

 敵前逃亡を図る壁山。

 

「ちょ……待てよ!」

 

 追いかけるオレ。ってアイツ速くね!?これが超次元サッカーか!?

 

「おーい!壁山ぁー!」

 

 やべぇ、校舎に入ってから完全に見失った。うーん。アイツを見つけねぇと10人しかいなくてサッカー出来ねぇしなぁ。

 

「壁山ぁー!居るなら出てこぉーい」

 

 うーん。どこに行ったんだろう?

 

 ドンッドンッ

 

 ん?教室からか?何の音だ?

 

 ドンッドンッ

 

 このロッカーからか?

 

「まぁ、こんなロッカー壁山が入るわけないよな」

 

 でも、一応開けてみると……

 

 ドンッ

 

「十六夜さん……どうもっす」

 

 ……壁山がいた。いや、ロッカー開けた衝撃で吹っ飛んだんだけどオレ。

 

「あーさっさと出て来いよ」

「出られないんっスよ!」

「は?」

 

 え?嘘だろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、はい。分かりました」

「その必要はないぞ。円堂」

 

 冬海先生に急かされ、壁山とオレを探しにいこうとする円堂たちを引き留める。

 

「十六夜!どこに行って……え?その担いでいるロッカー何だ?」

「壁山だ」

「……はい?」

「壁山が中に入ってる」

 

 ドンッ!と置くと……

 

「あ、キャプテン。みんなも……どうもっす」

「「「か、壁山ぁ!?」」」

 

 扉が開き、壁山と円堂たちのご対面。

 

「とりあえず、出て来いよ」

「それが出られないんだと」

「はい?」

「出してほしいんす!」

「よし、蹴り壊すか」

 

 ロッカーを倒して、ロッカーの底を蹴り上げる。

 

 ガンッ

 

「あぁ!??凄い痛いんですけどぉ!?」

 

 無事壁山は出ることに成功。ロッカーは原型を止めず、オレの足には激痛が走った。

 

「あ、出られたっす」

「流石だな十六夜。……足大丈夫か?」

「あ、ああ。大丈夫大丈夫」

 

 ちょっと痛いけど。

 

「すいません。俺ちょっと怖くなったんす」

「壁山。逃げたら何も始まらない。一度逃げたらずーっと、逃げ続けることになる。そんなのカッコ悪いだろ!」

「きゃ、キャプテン……」

 

 弱気になる壁山を円堂は熱く語りかける。

 

「俺、やるだけやってみるっす」

「その意気だ壁山」

「十六夜さんも迷惑かけてすいません」

「気にするなって」

 

 さぁ、これで試合が始められるね。……ん?

 

「……あれ?君は誰?」

「フッ。僕は目金欠流」

 

 目金?うーん。何か聞き覚えがある気がするけど……

 

「まぁ、いっか。眼鏡」

「何か発音が違う気がしますが何でしょう」

「キミベンチね」

「あれぇ!?僕11人目ですよね!?」

「え?キミ12人目だよ」

「何でですか!?僕が颯爽と11人目になって弱小サッカー部を救うはずが……!」

「うーん。まぁ、何でもいいけど。キミベンチ」

「いいのですか!?僕をベンチにおいていいのですか」

「イエス!」

 

 まぁ、見た目からして運動音痴だよね。後、何か上から見下されてる感があって嫌な感じ。

 

「フッ。後悔しますよ」

「大丈夫。君の出番もきっとあるからさ!」

 

 本当にあるかは知らない。

 さぁ、とりあえず、試合開始だね。

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