その日、雷門中サッカー部は河川敷で練習していた。
各々の用時の為に、十六夜、豪炎寺、一之瀬、土門の4名は遅れて来る予定でいた。
練習中。突如、黒い流れ星のようなものが雷門中を直撃。その衝撃は稲妻町全体に響いた。
当然、円堂たち雷門サッカー部もそれには気付き、急いで学校に向かった。そこで見たのは、
「なんてこと」
「ひでぇ」
「何が起きたんだ」
崩れ落ち、瓦礫の山と化した雷門中の校舎。
「君たちなのか」
雷門中の火来校長が円堂たちを見つけ声を掛ける。
校長が言うには宇宙人が攻めてきたという。それを否定しようとした円堂たちが次に見たのは、
「古株さん!」
キーパーのユニフォームを着て、倒れている古株さんを始めとし、全員がボロボロになっているイナズマイレブンの人たち。
彼らが言うには宇宙人がサッカーで挑んできて、自分たちは手も足も出なかったとのこと。
そんな中、3つの黒いサッカーボールがどこからともなく現れ、中から人みたいなのが現れる。で、そいつらがサッカーを挑んできたらしい。
「お、お前たちが宇宙人なのか!?」
「……我々は遠き星エイリアより舞い降りた星の使徒である。我々はお前たちの星の秩序に従い、自らの力を示すと決めた。その秩序とは……サッカー」
十六夜から『何でだよ!』と言うツッコミが聞こえてきそうだが、生憎彼はいない。
で、星の使徒によると、サッカーで自分たちに勝たなければ地球が存在できなくなるとのこと。
円堂たちは自分たちの学校が壊されたことに怒り、嘆き、宇宙人に挑もうとするも、3人の中のリーダー的存在の奴は「その必要はない」と言って、黒いボールを蹴った。そのボールは円堂たちを吹き飛ばし、まだ無事な状態で残っていたサッカー部の部室を破壊した。
「なんてことを!?」
響木監督が問いただすが、宇宙人たちはボールから発せられた光によって姿を消した。
部室の前に集まる雷門サッカー部。黒いボールのシュートは世宇子のソレを大きく上回るものだと実感してしまう。
そんな時、木野と雷門の電話が鳴る。木野には一之瀬から木戸川清修でも宇宙人が現れたこと。雷門には理事長から傘美野に宇宙人が現れたことをそれぞれ告げられた。
バスに乗って傘美野に。そこでは、傘美野のサッカー部と宇宙人たちが会話をしていた。
「……そうだな。学校を守る為なら棄権だって……よし、僕たちは棄権します!試合はしません!」
傘美野のキャプテンはそう宣言した。どうやら彼らは出来たばかりのまだまだ弱小。勝てないと思い、降参を選んだ。だが、宇宙人は黒いサッカーボールを傘美野の校舎に向ける。
「弱き者め……」
彼らが言うには棄権するというのは、自身を弱きものと認め、敗北したも同然だそうだ。
「よって、破壊する!」
リーダーっぽいのが蹴ろうとしたその瞬間。
「待てっ!」
その声は響いた。蹴るのは中断され、雷門中が宇宙人の前に並び立つ。
円堂が言うには雷門が傘美野に変わって戦うと。宇宙人もそれを承諾し、普通のボールを持ってこいと要求。黒いボールじゃないのか?と聞いた円堂だが、上から目線でレベルを合わせてやると言われ苛立った様子だ。
「何っ!?」
「落ち着け円堂。奴らのペースに飲まれるな」
「監督……」
「豪炎寺君、十六夜君、一之瀬君、土門君、4人もいないのよ!?現状では染岡君のワントップになるわ。大丈夫なの!?」
「問題ねぇよ」
「ああ、バックアップは任せろ」
「頼むぞ!皆」
雷門中サッカー部と宇宙人たち、エイリア学園のジェミニストームとの試合。雷門ボールで試合は始まった…………
「十六夜!着いたぞ!準備はできてるな!」
「ったく!何が起きてんだよ!」
学校につき、すぐさまグラウンドへ。得点は15ー0。おい、テニスの試合か……って冗談はおいといて、
「「選手交代だ!」」
コートに入っていき、そう告げる。
「豪炎寺!十六夜!」
「立てるか?宍戸」
「来てくれたんですね。豪炎寺さん。十六夜さん」
宍戸は怪我……か。世宇子の時以上の怪我か?
「豪炎寺君!十六夜君!」
「目金。宍戸を頼んだ」
「はい!」
「交代だ宍戸、影野。豪炎寺、十六夜が代わりに入る」
とりあえず、ベンチにジャージを置く。
「皆!反撃開始だ!」
雷門ボールで試合再開。
「イナズマブレイクだ!」
円堂も上がり、鬼道、円堂、豪炎寺の3人のシュート。
『イナズマブレイク!』
そのシュートを相手キーパーは、あくびしながら、軽々と片手で止めてしまった。…………わーお。
「なんだぁ?今のシュートはぁ……」
そのまま怠そうに、11番に投げ渡すとそこからオーバーヘッドキックでシュートを撃つ。それを、
「…………あれ?思ったより弱くね」
普通に足で止めてしまった。あれれ?
「……ほう」
そのまま、猛スピードでボールを取りに来るが、
「よっと。ダッシュストームよりは風来ないな」
まぁ、ボールが風で流されかけたが余裕で避ける。
「てか円堂!お前キーパーだろ!?何でまだ相手ゴール前に突っ立ってんだよ!お前の守るゴールはこっちだろうが!」
「あ、ああ!悪い!」
半田にパスを出しておこう。うーん。でもあの円堂から15点取ったんだ。恐らく、軽々とマジン・ザ・ハンドを打ち破るシュートを撃たれたんだろう。それか超スピードで出す暇を貰えなかったか。ただ、にしてはやられ過ぎなような……なんだこの感じ。
「豪炎寺!」
半田から染岡に。何か向こうの動きが一瞬固まったけど気のせい?
『ドラゴントルネード!』
すると、ドラゴントルネードを余裕な顔で蹴り返す向こうのキャプテン。そのボールの向かう先は、
「あー返すよ!」
オレだったので返しておく。軸足がほんの少し後方に下げられたが普通に蹴り返せた。
そして、そのままボールは呆気にとられる相手を通り抜け、キーパーを弾き飛ばしゴールへ。
「あれ……?」
何が起きてるんだ?というか何なんだこの感覚。今のシュートはかなりの威力だとは思う。でも、脅威に感じるほどじゃない。普通だ。だってこれより強いのを普段蹴られまくってたから。あれ?じゃあ、何で……。え?一体何が起きてるんだ…………?
「十六夜」
「あ、監督」
向こうの選手のボールで試合再開。そんな中、響木監督に呼ばれたのでそっちまで行く。
「何ですか。監督?」
「質問だ。お前にはあの動きがどう見える?」
「あの……動き?」
ドリブルの風圧で突破したり、パス回しでこっちの選手にぶつけたりして、シュートがあっさり決められてしまったが。
「別に普通じゃないですか?」
「あの速さが見えてるというの?」
「は?だって、お嬢様。こんなの見慣れたスピードですよ。あのシュートも、パスも、ドリブルも、ディフェンスも。ああ、でもこの前の世宇子よりは少し速いかな」
流石にあのスピードには付いていくのが……あれ?出来る?そんな気しかしない。というか、雷門メンバーが遅くなってる?あれ?どういうこと?本当に……何が起きてるんだ?
「十六夜。一回落ち着け」
「は、はい」
「…………」
「監督?」
(おかしい。何故十六夜だけはこのスピードを普通のものと捉え付いていけている。あのディフェンスも他のメンバーなら反応すらできずに取られていたはずだが、あっさり躱していた。シュートに関してもだ。あのシュートの威力、速度共に世宇子以上。なのに十六夜は特に何も思わず蹴り返すことが出来ていた。一体、この男に何が起きているんだ?)
「お前はあのチームをどう見る。強いと思うか?」
「???まぁ、世宇子よりは強いと思いますよ。でも、何というか……拍子抜け?って感じはしますよね。あ、戻りますわ」
うーん。確かに世宇子よりは必殺技なしで強いとは思うけど、雷門が15点取られた、って思うと、何かそうでもない相手な気がする。あ、さっき決められて16点か。でもあれ?この感覚は間違ってないよな?え。なら、何が起きているんだ?
「……監督!十六夜君の発言はどういうことなのですか!?」
「…………恐ろしいことにアイツは、全くジェミニストームを脅威に感じていない」
「「「えぇっ!?」」」
うーん。まぁ、いいか。何か向こうのキャプテン風向きを確認してシュートを撃って、仲間たちが吹き飛ばされていったけど……
「あれ?」
普通に足で止めれた。あれ?何で?
「何がどうなってるんだ……」
何故オレはこいつらの動きが見える。何故お前らにはこいつらの動きが見えない。
何故オレはあのスピードについて行ける。何故お前らはあのスピードについて行けない。
何故オレはこいつらのシュートが止められる。何故お前らには止められない。
何故……何故…………何故?アレ?じゃあ、何故オレはお前らと違うんだ?何故……
困惑する十六夜。
ただ、絶対レーゼたちの方が困惑してそうなのは内緒。