超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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十六夜の決断

 ジェミニストームは傘美野中を破壊した。

 あの後、オレ1人を除く雷門のフィールドに居た奴らが倒れていた。結局、試合は敗北。オレ1人じゃ、サッカーはできない。オレ1人がフィールドで唯一ほぼ無傷で残り、ディフェンスもオフェンスをこなせていたとしても、サッカーというスポーツとしては敗北している。

 個人として勝ててもチームとして勝てなければ意味がないのだ。サッカーは。

 

「で、十六夜。お前は私と共に来るのか。それとも来ないのか」

 

 夜。オレは呼びだされたわけでもなく河川敷にやってきた。目の前にはいつも通りの八神が居る。

 そして、八神は手を再びオレに差し伸べてくる。

 

「ああ、オレは…………」

 

 オレは差し伸べられた八神の手を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。オレは雷門中に来ていた。あの試合の後、半田、少林、宍戸、影野、マックスの5人が入院したそうだ。ただあんな試合プラス校舎破壊の余波で、5人で入院するやつが済んだと考えれば運がよかったのかもしれない。まぁ、それでも結局、よくはないだろうが。

 

「やっぱりここに居た」

 

 破壊された部室前に、オレ、円堂、豪炎寺、鬼道、木野、音無、雷門が集結する。

 

「めちゃくちゃって分かっていても気になるわよね」

 

 雷門がサッカー部の立札の汚れを払いながら言う。

 

「俺はエイリア学園を許さない!……サッカーを何かを壊したりするのに使うものじゃない。宇宙人に本当のサッカーが何か教えてやる!」

「俺もだ。やろう円堂!」

「俺もそのつもりで来た。もう一度奴らと戦おう。そして勝つんだ!」

「たく。ほんと、お前ららしいな」

 

 どうやら心までは折れてないようだな。よかった。

 

「俺たちもいるぜ!」

 

 すると、入院組以外の面子がそこにはいた。

 

「全く、今回の相手は宇宙人だぞ?いつもの調子でやろうぜはねぇだろ」

「どんな相手でも1歩も引かない。それこそが円堂だよな」

「雷門イレブンの新しい挑戦だね」

「入院しちまった奴らの為にもな!」

「俺たち本当に宇宙人と戦うでやんすね」

「うぅ……」

「どうした壁山?またトイレか?」

「こ、これは武者震いッス!」

「ただ時間はないわよ。怪我してる人たちの回復を待ってる時間はない」

「戦うメンバーが足りてないんだよ。補充しなきゃいけないぞ」

 

 雷門の言う通りだ。時間はずっとあるわけじゃない。だから、怪我してるやつらの復帰を待ってたら手遅れになる。

 そう思ってると響木監督と校長先生がやって来た。連れてかれたのはイナビカリ修練場。そのさらに下だ。

 

「これは、理事長!」

 

 そこには巨大なモニターがあり、その前に理事長は立っていた。

 

「君たちが無事でいてくれて良かった。もはや一刻の猶予もない!奴らはこれからも破壊活動を続けることだろう。何としても欠けたイレブンを集め、地上最強のチームを作らねばならんのだ!」

 

 宇宙に対抗するには地上最強。理にはかなってる……のか? 

 

「地上最強のチーム……か」

「そしてあのエイリア学園を倒す為には」

「理事長!俺たちにやらせて下さい!」

 

 やれやれ。話をぶった切んなよ。円堂。

 

「俺たちがやります!」

 

 全員表情を引き締めている。

 

「皆!やろう!日本一の次は宇宙一だ!」

「「「おぉー!」」」

 

 いや、仮にエイリア学園倒しても宇宙一になるわけでは無いと思うのだが。

 

「準備が出来次第、出発だ。円堂、頼んだぞ」

 

 響木監督がそう言う。

 

「頼んだぞって、監督は?」

「俺は行かん」

「「「えぇぇっ!?」」」

「響木監督には今回、頼んでいることがある。これもエイリア学園と戦うには必要なことでな」

「そんな……じゃあ、監督無しで戦うの……?」

 

 口々に響木監督が居ないことによる不満をもらしている。そんな中後ろの扉が開いた音がする。

 

「紹介しよう。新監督の吉良瞳子君だ」

「ちょっとがっかりですね。理事長。監督がいないと何も出来ないお子様の集まりだったとは思いませんでした。本当にこの子たちに地球の未来を託せるんですか?」

 

 おっと、ドストレートな物言いだ。

 

「それに、彼らは1度エイリア学園に負けているんですよ?」

「だから勝つんです!1度負けた事は次の勝利に繋がるんです!」

 

 全員の目を見た後、

 

「頼もしいわね。でも私のサッカーは今までとは少し違うわよ?覚悟しておいて!覚悟がないなら降りてもらって構いません」

「円堂」

 

 オレは持ってきていた紙袋を円堂に押し付ける。

 

「悪い。じゃあな」

「「「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」」

 

 オレは監督たちに頭を下げてから、そのまま、エレベーターの方へと向かい、乗り込む。

 

「ま、待てよ十六夜!どうして降りるんだ!負けて悔しくないのか!?」

「頑張れよ。お前ら」

 

 言い切った直後。重いドアが閉まり、上昇する感覚。

 ……そう。これでいいんだ。これで。

 

「……お別れは済んだのか?」

 

 扉を開き、修練場を後にし、雷門中を出ようとするところで呼び止められる。

 

「ああ、行こうか」

 

 そしてオレたちは光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イナズマキャラバンに乗り込み、奈良に向けて出発している円堂たち。

 

「キャプテン。本当に、十六夜さん来なかったっスね……」

「何で十六夜さんが……」

「勝ち目がなくて諦めたわけじゃないんだよね?」

「ああ。ジェミニストームに唯一互角以上に渡り合っていたからな」

「円堂。十六夜から何を渡されたんだ?」

「これだよ……」

 

 そこには16番のユニフォーム……つまり十六夜が着ていたユニフォームだ。

 

「アイツは何を考えてるんだろうな。絶対行くと思ったのに……」




大半以上の人が予想していたでしょうが、十六夜は皆と日本を巡りません。
かと言って豪炎寺の様に人質を取られて身を隠すわけでもなく、エイリア学園に行きます。

あえて補足をするのであれば、十六夜がジェミニストーム戦でああやって感じたのは自分が雷門イレブンと同じレベルか少し上だと思ってたからです。実際はジェネシスの副キャプテンであるウルビダにほぼ毎晩鍛えられましたからね。今更ジェミニストーム相手に彼が負けるのは流石におかしいでしょう。
まぁ、本人から本編にて『何故エイリア学園に行ったか』は語ってもらいますが(と言っても語るほどでもないかな?)。

さて、次回からですが、まず円堂サイドの話は全部アニメ等と変わりません。まぁ、どの要素も増えても減ってもないですからね。
というわけで、次回からほぼオリジナル。十六夜中心のエイリアでの生活です。
でも、必要な話だけやると恐ろしいスピードで最後のジェネシス戦まで行ってしまうので何かやって欲しい内容とか話があったら、いつも通り活動報告に欄を作っておきますね。
ちなみにオーガはこのエイリア編の途中で挟みます(決して案を貰ってから書き上げるまでのつなぎではありません。決して)

活動報告URLです。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=214248&uid=129451
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