超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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北海道へ

 エイリア学園のボールって便利だよね?だって、富士山から一瞬で北海道だよ?もう飛行機もバスも電車も何もいらないじゃん。というか、

 

「やっぱ、北海道は寒いなぁ……」

 

 てか雪積もってるし。マジかぁ……。

 

「ここが白恋中か」

 

 見ると既にレーゼたちがサッカーの準備を始めている。へぇ。予想通りというか、

 

「あいつら来ていたんだな」

 

 対戦相手としてウォーミングアップをしているのは雷門中。あの時から豪炎寺が抜けて、代わりに女子選手とマフラーの男子選手が入ってる。

 

「変装してきて正解だっただろ?」

 

 隣では防寒具を来たウルビタ……八神の姿が。

 一応ここではウルビタではなく八神と呼んでほしいらしい。曰く、取材とか白恋中の生徒っぽく、観戦に来た一般人と思わせるために。…………まぁ、正直どっちでもいいだろうけど。

 

「ああ……変装のクオリティは低いがな」

 

 オレはスキーとかのゴーグルに、ニット帽、マフラーと顔を頑張って隠している。変装というのは正しいようなどこか間違ってるような……なんかよく分からん感じだ。

 変な装いって意味では合ってるか。ただ、絶対怪しいだろ。隣に八神がいなければ本当にただの怪しい人だ。しかも堂々とではなく陰から見ているあたりもな。これ刑事さんに見つかったら職質は不可避だろう。まさか、中学生の身でありながら職質を受けることになるなんて……っと。そんなことはいいや。

 

「塔子に吹雪……か」

 

 雷門イレブンに加わった女子の方は塔子。男子の方は吹雪か。なるほど。あれから頼もしそうな仲間を加えたわけか。

 

「作戦会議を見る限りは瞳子監督。あんまり信用されてないな」

 

 監督の指示に疑問や不満を持つものが直談判するも軽くあしらわれている。その事に納得をしていない様子を隠しきれていない面々。

 

「そうだな」

 

 あの監督の作戦のカギは吹雪。さてさて、監督の狙いはどうなんだろうな。

 

『さぁ、両チーム共に気合いは十分。天は人類に味方するのか、それとも見放すのか。運命の1戦。まもなくキックオフ』

 

 というか角間。お前、どうやって北海道まで来たんだ?反応からお前。雷門イレブンの皆と来てないだろ。おっそろしい行動力だな。

 

「皆!ファイトだ!」

 

 …………こっちはこっちで相変わらずだな。お前は。

 

 ピ──!

 

 雷門のキックオフで試合開始。鬼道から染岡にボールが渡り、レーゼを躱す。だが、ペナルティーエリアに入る前にボールを取られて、レーゼに渡る。そしてディアムが前線へとダッシュで上がって……へぇ。

 

「ナイスカット!土門!」

 

 走った先にパスを出すレーゼ。が、コースを読んでいた土門がカットしてボールを奪うことに成功する。

 

「今の動きを捕らえられたか」

「成長した……ってことだな」

 

 少なくとも傘美野での時ならあの動きを見ることはできなかったはず。

 しかも土門だけじゃない。風丸、一ノ瀬、鬼道……皆ジェミニストームのスピードを捕らえられている。見ていない間に成長したのだろう。

 

「ただ、見えるだけでは意味がない」

 

 見えることができても問題は得点力とキーパー力。動きが見えたところでシュートが入らなければ勝てないし、シュートを決められたら負ける。

 まだ不明な吹雪や塔子の実力と染岡、円堂の2人を中心とした個々の成長度合い。なんだ。結構面白くなってきたじゃねぇか。

 と、ここでボールはパンドラに渡る。相対するのは塔子。

 

「ザ・タワー!」

 

 はぁあああああああ!?塔子の足下から何重かは知らんけど塔が出て来たぁ!?ていうか雲から電気が塔子の挙げられた両手に……ってあれ雷だろ!?そしてその雷をパンドラの所に落とす。いや待て。雷を操るのも問題だがあのバカ高い塔の意味は!?空に近い方が雷を集めやすいってか!?

 

「疾風ダッシュ!」

 

 ボールは塔子から風丸へ。わぁー前見たときと比べものにならないくらい速くなってるなぁ。…………でも、なんか見慣れたスピードな気がするのはスルーの方向で。

 そして、そのままボールは染岡へ。

 

「ドラゴンクラッシュ!」

 

 威力は上がっている。だが、

 

「ブラックホール!」

 

 キーパーゴルレオの必殺技の前には無力だった。

 いやね。あの技も大概おかしいと思うんだ。なに右手にブラックホールを形成してんの?というか君、ボールを握りつぶしたよね?ね?

 

「はぁ……」

「どうした十六夜」

「お前らの必殺技はツッコミどころ多過ぎなんだよ……」

 

 試合形式の練習中に発狂死するかと思った。ほんと、見ていてツッコミどころ豊富すぎる技の数々だ。まぁ、味方の必殺技にツッコミを入れる必要をなくさないといけないしなぁ。仕方ないか。今死ぬのは。未来のためだ。うんうん。

 そしてボールはレーゼに渡った。

 

「右だ!」

 

 レーゼの高速ドリブル。しかし、このスピードを円堂は見ることができ、ディフェンスの吹雪に指示を出す。指示通り走って行く吹雪。

 

「アイスグランド!」

 

 アイススケートを思わせるような空中回転。着地と同時に氷で道を作っていく。道はドリブルしていたレーゼの前を横切るように続き過程でボールを上にあげる。そのボールを胸トラップの要領で受け止めながら鮮やかに氷の上を滑っていく。

 氷が生み出されたことに驚きを隠せないが、アイツだけやってるスポーツが違う気がしてならない。君はサッカーをやってるの?それともアイススケート?

 

「……にしても吹雪か」

 

 その後も主にアイスグランドを使いジェミニストームがシュートを撃てないように立ち回っている。風丸以上の足の速さ。間違いなくあの中では強い…………が。どうにもまだオレの知らない面がありそうだ。流石にあの監督もバカじゃないだろう。豪炎寺が抜ける穴を埋めるのにただ強いディフェンダーたちを仲間にしても意味がない。

 とそんな中で、ボールはセンターライン付近のレーゼに渡る。吹雪は監督の指示だろうかディフェンスはするもののあくまで自陣エリアのみ。ボールも奪ったらそのまま味方に渡している。

 

「ここまでだ」

 

 ボールをパンドラに預ける。パンドラには鬼道と一ノ瀬のチェックがすぐに入るも、左サイドから攻め上がるイオにパスが通る。そして、イオから再びレーゼへ。

 

『おっと!この位置からシュートを撃つつもりか!?』

 

 レーゼはシュート体勢に入りそのまま、

 

「アストロブレイク!」

 

 必殺技を放つ。いやね。このシュートも中々エグいですよ?だって直訳で『星壊す』だからね。とりあえず地面が抉られて進む光景はやばいとしか言い様がない。

 そんなシュートとゴールの間に立つ2人の影。塔子と壁山だ。

 

「ザ・タワー!」

 

 塔子のザ・タワーが立ち塞ぐもアストロブレイクはタワーをぶち壊して進む。

 

「ザ・ウォール!」

 

 壁山のザ・ウォールも少しは抵抗するも呆気なく崩れ去る。

 

「爆裂パンチ!」

 

 円堂の爆裂パンチ。徐々に押し込まれていき、円堂ごとゴールに突き刺さった。

 

 ピ、ピー

 

『ああっと!ジェミニストームの先制点で前半終了だぁ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「十六夜。この試合はどう見る?」

 

 選手たちが各々のベンチで休む中、八神が問いかけてくる。

 

「9:1で雷門が勝つだろうな」

「ほう。それは見捨てた元チームへの情か?」

「はっ、違うね。そんなの考慮してねぇよ」

 

 別に雷門だったからこの試合は勝てるとみてる訳じゃない。ただ、前半のプレーだけでも雷門が勝つ可能性が高いのが分かるってだけだ。

 

「ジェミニストームが今まで多くの学校に勝ててこれた最大の要因は、あのスピードだ」

「スピードだと?」

「ああ。あいつらは相対する者からするととにかく速い。だからそのスピードについて行けなく、しかも動きすら見えない。だから対処できない」

 

 最初の雷門としてジェミニストームと戦った試合で大差がついたのも、結局はジェミニストームのスピードに雷門がついて行けなかったから。必殺技を出す前に気付けばボールが取られたり、突破されたり、ゴールが決められていたりってことだ。

 

「だが、今の雷門はジェミニストームの動きが見えている。それに加えて雷門イレブンはスピードを中心に個々人のレベルが上がっている」

 

 ジェミニストームのスピードに適応できている。適応さえできれば後は純粋なサッカー勝負になる。

 

「ジェミニストームはサッカーの技術としてはそんなに高くない。スピードがあるだけで個人技が卓越してたり、用いる戦術が強かったりするわけではない」

 

 ジェミニストームは技術レベルは低い。仲間との連携、個人技、戦術、ボールコントロール……間違いなく雷門に劣る。

 圧倒的なスピードの差。埋められてしまった以上、ジェミニストームは雷門にサッカーで勝てない。

 

「ジェミニストームのシュートは雷門には通じない。さっきのようにして2人がシュートの威力を落とし、円堂があの技を出せば止められる。反対に雷門のシュートがジェミニストームには通じないと決まったわけではない」

 

 ジェミニストームのキーパーゴルレオはオレよりも素では強くて弱い。今のオレでも片手でイナズマブレイクを止めれるとは全く思わないが、それでもキーパーとしてはオレより弱い。

 まぁ、仮にストライカーがいなくとも点を取る方法はある。絶対にな。だからそれにさえ気付けば点は取れるだろう。何も必殺シュートでキーパーの必殺技を破って点を決める必要はどこにもない。

 

「なるほどな」

「だが、それでもイプシロンには及ばない。まぁ、まだまだ弱いのには変わりないってことだ」

 

 少なくとも円堂のマジン・ザ・ハンド。あれは今のままではデザームたちに通用しない。

 

「とりあえず……」

 

 休憩を挟む彼らを見る。

 

「サッカーは最後まで何が起きるか分からないからな」

 

 オレの予想が当たるのか外れるのか。答えは蓋を開けてみないと分からない。オレとしては当たっていてほしいが。

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