超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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デートと言う名の……

 カオス(あの後バーンとガゼルが選抜チームの名前を決めていた)のスパイに何故か任命されてしまった次の日。オレは八神とイタリアに来ていた。

 

「こちら注文のブルスケッタとマルゲリータです」

 

 ところで質問いいかな?イタリアで話されている言葉って何でしょう?

 答えイタリア語。

 まぁ、観光地ということで英語を話せる人も多いんだけどね。じゃあ、この店員さんが話していたのは何語でしょう?

 答え日本語。

 

「…………?」

「どうした十六夜。食べないのか?」

 

 ま、まぁ。この人が凄い親日家で、日本語が流暢だったならまだいいだろう。

 

『やはり、このレストランは美味しいね』

『えぇ、とっても』

 

 周りに居る一般客を始め、ここに来てから日本語しか聞いておりません。

 ここイタリアだよ?日本にあるイタリア風の所とかじゃないよ?

 

「…………?」

「やっぱり、本場は違うな」

 

 そんな違いを一切気にすることなく食べ進める八神(今は宇宙人笑として活動してないためこちらで呼んでる)。あらら?中学生で習わないのかな?イタリアではイタリア語が主要で日本語がこんなに行き交う光景はおかしいってことに。

 

「………………?」

「どうした?さっきから手が進んでないぞ?」

 

 まさかな。まさか、この世界。実は日本語で全部通じるのか?いやいやそんなわけないない。そんなんだったら、学校で英語という科目は消えてるだろうし、国語じゃなくて世界語とかそんな風に変わってるはずだうん間違いない。

 

「……なぁ、八神」

 

 オレは外の景色を見ながら、目の前で食べ進める彼女の名を呼ぶ。

 

「なんだ?」

「……この世界は素晴らしいな」

「…………はぁ?」

 

 何言ってんだこいつ。頭わいたのか?と言う感じの目で見てくる八神。

 旧約聖書の創世記、第11章に登場するバベルの塔の物語を聞いたことはあるだろうか。詳しくは語るつもりは毛頭ないが、もともと地球上にいる人々は同じ言語を話す1つの民族だった。人々は技術を手に入れ、あるものをつくろうとする。それが天上、神が住まう所へと届くような高い塔である。そのことに怒り、恐れた神は人々が意思疎通を図れないように言語をバラバラにしたという。

 恐らくこの世界は神の怒りに触れず、言語をバラバラにされなかったという世界なのだろう。あぁ、そうか。そうだったのか。この世界では人々と神が…………?

 とここで、オレは自称神様のあの爺を思い出す。ふむ。

 

「やはり、神様って碌でもないだろ」

 

 少なくともまともな神様はあんな軽いノリでオレを転生させないだろう。というか、この世界はよく考えたらオレの第2の生きる世界だったな。

 ちなみに、考え事しすぎて、気付けば目の前の八神はデザートまで食べていたことを記す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ。おいしかったね」

「それはいいが、ずっと考え事していたようだが」

「ああ、気にするな」

「そうか?まぁ、お前はよく考え事をするからな。一々聞いてもキリが無いな」

 

 現在イタリアはトリノを散策中です。いやぁ、あれです。エイリアボールって便利だね。外国へも一瞬で行ける。あれ?もしかして電車とか交通機関系いらないのではないだろうか?

 ただ、難点があるとすれば意外と重い。ずっと鞄に入れてるけど割としんどい。

 

「ところで十六夜」

「なに?」

「どうして今日は私をデートに誘ったんだ?」

「うーん……」

 

 特に考えていなかった……というのは嘘になる。ただ、これを聞いていいかは分からないし、もしかしたら自覚していないかもしれない。でも、一応は聞いてみるか。

 

「質問の答えに繋がるか分からないけど……八神。お前、今楽しいか?」

「楽しいかだと?」

「そうだね」

 

 きっと八神──ウルビダはあの人への忠誠が高いメンバーの1人だ。グランは最近円堂の面白さに気付いたらしく、今度試合でも申し込もう的なことを言っていた。バーンやガゼルはそんなグランたちを引きずり下ろすために動き出そうとしている。デザームも特訓を続けているが、何か楽しみを感じている模様。他の面々も挙げたら止まらないが今の状況でも生き生きしている。

 何が言いたいかと言われると今のウルビダは死んでいる。こいつが尊敬するお父様のためを思っている。

 

「何故今そんなのが必要なんだ?」

 

 だから、こいつはエイリア学園の中で1番貢献しようとしている。そのために、全てを犠牲にしている。そんな感じがした。

 こいつをはじめとして多くのエイリア学園の選手は中学生。もっと楽しむべき時期だろうにだ。

 

「さぁ。何でだろうね」

「はぁ?意味が分からんぞ」

 

 恐らく、この計画が失敗すればウルビダには何もなくなってしまう。全てを犠牲にしてきた代償と言うべきか。

 何もなくなるだけならまだいいかもしれない。ただ、今まで抑えてきたもので彼女が壊れてしまうのではないか。暴走するかもしれないし塞ぎ込むかもしれない。どうなるかは分からないがほぼ確実に壊れるだろう。

 そして、オレはそれが怖いと思ってしまっている。とても怖いのだ。

 

「じゃあ、もう1個。何でオレたちは海外に来たのでしょう?」

「来たのでしょう?ってお前が誘ったんだろう?」

「うん。だから何でわざわざ海外に来ているのか。その答えは分かる?」

「そうだな……」

 

 少し考える八神。

 

「……今後の計画のための偵察か?」

 

 うん。予想通りの返答だ。そして、その返答が来たと言うことはこいつの頭の中にはエイリア学園の……彼女たちの言うお父様の事しか入ってない。

 

「まぁ、そうだね」

 

 オレはその答えにYESと答える。ここでNOと答えるとそれは嘘を含んでしまうからだ。

 

「でも、それもあるけど今は楽しもうよ」

「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、場所と時間は変わってとある小さなサッカーコート。

 

「この勝負……勝つよ」

「ああ。分かってる」

 

 オレは何故かこのコートの使用権を賭けた戦いに巻き込まれていた。

 

「はっ。ガキどもが」

「調子に乗るんじゃねぇぞ」

 

 目の前には高校生らしき人が5人。うん。どうにも、現地の人っぽいのに日本語なんだよねぇ。…………すごい違和感。

 

「頑張れーお兄ちゃんたち!」

「負けるなよ十六夜」

 

 ベンチで応援してくれるのは小さな子どもたちと八神。

 ここで何故この状況が起きているかについて簡単に。

 

 まず、隣の少年とちびっ子たちがここを使っている。

 オレたちもサッカーコートがあったので見に行く。

 高校生たち絡んでくる。

 サッカー勝負になる。

 

 ふむ。よく分からんな。ちなみに、ルールは15分のミニゲーム。必殺技禁止でこっちのキックオフで最終的に点を多く取った方が勝ち。

 そして、重要なのは選手の人数だ。こっちは2人に対し向こうは5人。…………ああ、八神様。なぜあなたはベンチに居られるのでしょうか?

 

「じゃあ、始めよーぜ」

 

 ピ──!

 

 あと、何かホイッスルの音が聞こえた。どうやら審判を引き受けてくれている人がいるらしい。スコアボードにも立っている人が……じゃないよね?ねぇ?明らかにこっち人数足りないよ?何で誰も助っ人に入るとかないの?ねぇおかしくない?おかしいよね?

 

「行くよ!アヤト!」

「ああもう!分かったよ!フィディオ!」

 

 こうしてオレとフィディオによるサッカーバトルが幕を開けたのだった。




~重大な(?)お知らせ~

この度、ネタとノリでイナイレの別の二次創作を投稿し始めました。
興味のある方は作者ページからどうぞ。
ヒロインは……タイトルで察してください。
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