超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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ムーンVS円堂 ~福岡へ~

 イプシロンと雷門の試合から何日が経ったある朝。

 

「で?グランは何で集めたんだ?」

「さぁな。アイツのことだから分からん」

 

 ガイアのキャプテン以外のメンバー11人は、グランから急遽集まるように言われていた。場所はミーティングルーム。で、集合時間5分前くらいには、既にグラン以外全員が集まっていた。

 

「やぁ。しっかり集まったようだね」

 

 と、ようやく呼び出した本人が入ってきた。いや、時間ピッタリに来たけど……ねぇ。え?時間ピッタリに来ただけマシ?マジ?

 

「君たちに報告することがある」

「何だよ。改まって」

「明日、俺たちザ・ジェネシスは試合をすることにした」

 

 …………はぁ?

 

「相手は何処だ?」

「雷門中だよ」

「雷門?……この前イプシロンと引き分けていたあの?」

「うん」

 

 相手を聞くなり周りの反応は様々。だけど誰1人としてやる気を出した様子はない。

 

「……実力差がありすぎるから、簡単にこっちが勝って終わると思うのだけど?」

「ははっ、ムーン。君の前のチームのことなのに評価が厳しいね」

「知るか。現状を見たら誰もがそう思うだろ。オレたちが戦う意味を見出せないって」

 

 皆、静かではあるがオレの意見には肯定的らしい。うなずく様子が見られたし。

 

「確かにね。エイリア学園最強の俺たちからしたらそうかもしれない」

 

 グランもそこに関しては同意するようだ。

 

「でも、彼らには、円堂君には可能性があると俺は思う。きっといい試合になるよ」

 

 まぁ、円堂の可能性には否定はしないが……ねぇ。

 

「はぁ。どうせお前のことだから今更変える気はないんだろ?場所と時間は?」

「今、彼らは福岡の陽花戸中というところにいる。時間はお昼の12時からかな。あ、後、ゲイル。君は来なくて大丈夫だよ」

 

 ゲイルが来なくてい………………?ん?ちょっと待って。それってまさか……?

 

「ムーン。君には試合出てもらうからよろしくね」

 

 だよなぁ……はぁ。

 

「へいへい」

 

 全く……自由人というか何というか。でもこんな形とは言えあいつらとサッカーするのは久しぶりだなぁ……。……もっとも、試合になればいいんだけど。

 

「じゃあ、解散していいよ」

「お前は?」

「彼らの様子を見てくるよ」

 

 そう言ってさっさと出て行ってしまうグラン。

 グランの行動には、ガイアのメンバーも慣れているようでさっさとどっか行ってしまった。

 そうして、ミーティングルームにはオレとウルビダだけが残された。

 

「相変わらず自由なやつだ」

「そうなのか?」

「ああ。まぁ、ウォーミングアップになればいいな」

「ウォーミングアップって……」

 

 おそらくだけどウォーミングアップにすらならないんじゃないかな。

 どうしよう。円堂たちに逃げるように言いたい。言いたいけど……どうせ、向こうは試合を受けざるを得ないんだ。じゃあ、言うだけ無駄か。

 

「ああ、そうだ。どうせならお前の新必殺技のお披露目でもしたらどうだ?」

「ははっ。そんなチャンスがあったらな。それにまだ完成していないし」

「それは今から完成させればいい……まぁ、お前がそもそもボール触る機会があるかすら分からんか」

「ディフェンダーはのんびり観戦でもしてますよ」

 

 ほんと、試合といいながらディフェンス陣は何も仕事がないだろう。それが分かっていたからゲイルも快く(本当に快くかは知らない)オレに譲ってくれたんだ。

 立ってるだけとか暇なんだけどなぁ……まぁ、そこは彼らの成長に期待しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにぃ!?グランたちがザ・ジェネシスと名乗って雷門と試合するだと!?」

 

 オレはさっきの集合についてバーンとガゼルから聞かれたのでそのまま答える。

 

「何を驚いている。それより試合する意味はあるのか?」

「ない」

「試合とかはどうでもいいんだよ!そんなのよりグランが俺たちカオスを差し置いて、ジェネシスを名乗るのが問題だろ!」

「それもそうだな。勝手に名乗ってもらっては困る」

「それは知らん」

 

 やれやれ。まぁ、彼らがジェネシスの称号に執着するのも仕方ないと最近思い始めた。いいや、彼らが執着しているのは最強という言葉か。ジェネシスはその最強という言葉を表しているだけに過ぎない。

 結論から言えば負けず嫌いなのだ。バーンもガゼルも、おそらくグランも。彼らはお互いのチームに負けないように日々チームで強くなっている。今でこそ3つから2つに減ったがそれでも、特にカオス側のモチベーションは高い。……高いのはいいんだがオレを巻き込まないでほしい。心の底からそう思います。

 

「こうなったら練習だな」

「ああ。連携ももっと仕上げていかないとな」

「おいムーン。これから練習だ」

「お前たちガイアは今日は休みのはずだ。いいよな?」

 

 ……おかしい。オレに休みを与えないらしい。ここはブラックか?ブラック企業か?…………まぁ企業じゃないけどね。

 

「分かってるよ」

 

 ……今更だが2つのチーム掛け持ちってきつくね?

 この後、この2人の熱に当てられたカオスのメンバーの練習はいつもよりハードだった気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日……雷門と試合する日がやって来ました。昨日は結局、夜遅くまでカオスの練習に付き合わされ、午前中はウルビダとの練習である。

 

「ふぅ……」

 

 ユニフォームを着るのは初めてではないが、やっぱりエイリア学園のユニフォームは何というか……そうジャストフィットなのだ。何というか……もっとゆったりしている方が好きである。

 ついでに言えばこの顔に巻いた包帯暑苦しいんだけど。絶対に激しい運動するのに向いていない。

 

「緊張しているのか?」

 

 ユニフォームに着替えたウルビダが問いかけてくる。

 

「いいや。むしろ早く試合がしたくてウズウズしている」

 

 前に試合をしたのは傘美野でのジェミニストーム戦だからなぁ。凄い久しぶりでワクワクしている。

 

「それに初めてだからな」

「初めてだと?」

「ああ。円堂と真正面からやり合うのは」

 

 今雷門に居るメンバー……鬼道以外は敵として戦うのは初めてだ。

 だから凄い楽しみだ。味方としてあそこまで頼もしい男が敵としてどう見えるのか。

 

「だとしたら残念だな。お前の望む展開にはならないだろう」

「かもな」

「ウルビダ、ムーン。そろそろ時間だよ」

 

 グランに呼ばれたので、会話を終わらせ、皆の元へと向かう。

 

「そうだムーン」

「何だよ」

「好きにやっていいよ。なんならシュートを決めてもいいし」

「まぁ、ボールに触る機会があったら考えるよ」

「そっか」

 

 ほんと、ボールに触る機会があったらの話だ。かと言ってこの前の吹雪みたく、味方からは奪う気一切ないけど。

 

「じゃあ皆。行こうか」

 

 こうしてオレたちは光に包まれる。

 そして、光がやんだとき、

 

「やぁ、円堂君」

 

 目の前には雷門のメンバーが。本当に便利だなぁ……このボール。一瞬で着いたよ。

 

「まさか……ヒロト!?」

 

 おいグラン。お前、円堂にいつの間に接触していたんだよ。そしてヒロトの方で接触したのね。

 

「なんやこいつら。この前の奴らとちゃうやんか」

「エイリア学園にはまだ他のチームがあったってことか」

 

 その通りです。……まぁ、後君たちが見ていないのはカオスだけなんだけどね。

 

「これが俺のチーム。エイリア学園、ザ・ジェネシス。よろしく」

 

 あーあ。これバーンとガゼルが怒るやつだ。

 

「ジェネシス……お前。宇宙人だったのか?」

「どういうことだ……円堂」

「ヒロト……」

 

 えぇ……グラン。お前のせいで何か妙な雰囲気になってるじゃないか……。

 

「さぁ円堂君。サッカー……やろうよ」

 

 1つ言えること。

 もしかしてオレたちって悪役?

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