超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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Q.ペンギンはどこからやってきますか?

 帝国との練習試合が終わった夜。オレは電話をかけていた。

 

『ほーい。ワシじゃ。何か用かの?』

 

 相手は神様だ。……まぁ、軽い口調だなぁと思うが。

 

「ああ。単刀直入に言うが……オレって必殺技使えるのか?」

 

 そう。元の世界では、あんな炎を出したりとか巨大な手を出したりとかは不可能だ。つまり、そんな世界から来たオレは何も体の構造とかを改造されてない場合、あんな必殺技は出せるはずもない。すなわち、この世界がもしあんなのがポンポン飛び交う世界なら、ここで戦っていくには相当な努力が必要になる。

 

『まぁ、使えるといえば使えるし、使えないと言われたら使えないな』

「……どういうことだ?」

『お主は良くも悪くも感性が元の世界基準ってことじゃ』

 

 だからどうしたの言うだろうか。

 

『それにお主は元は高校生。厨二病なんぞ卒業したじゃろ?』

「まぁ、入学すらしたか怪しいけどな」

『他の者がどうかは知らぬが、1つ言っておく。イメージじゃ』

「イメージだと?」

『そう。まずはイメージじゃ。どんな必殺技を使いたいか。それはどういうモーションが必要になるのか。身に着けるためにはどういう特訓が必要なのか……などじゃな』

「……なるほど」

『お主はゴッドハンドのイメージはある。じゃが、お主は感性が元の世界基準のためどんなに特訓しても巨大な手は出てこないと思ってしまう。それに、どんな特訓をすれば身につくかも分からない……まぁ、そう言うことじゃな』

 

 なかなか奥が深いなぁ……

 

『お主は元々この世界にある必殺技……と言っても、イナズマイレブンを知らなかったお主がどういう必殺技があるかは不明じゃな。ともかく、この世界に元からある必殺技にしろお主が新しく編み出すにしろ、大事なのはイメージ。それと、その必殺技を出す特訓じゃな』

「そうか……」

『安心せい。お主の仲間たちも時期に必殺技は身に着けていくし、お主もそうじゃの……まぁ、どこかで1つぐらいは頑張れば身につくはずじゃ。身につかなかったときは、ベンチウォーマーにでもなるとよい』

 

 なんて曖昧なのだろうか。

 

『ではの』

 

 ガチャ、という感じで切られる電話。……イメージか。

 

「って、イメージで炎が出てもなぁ」

 

 うーん。結局手詰まりか……今までのサッカーでは通用しないのが今日の試合でよくわかった。でも、対抗するための新必殺技を作るなんて考えてもなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イメージ……イメージ……」

「どうしたんだ十六夜。ずっとぶつぶつ言って」

「ああ、悪い悪い。気にすんな」

 

 うーん。頭の中に具体的なイメージかぁ……

 

「さてと、皆。帝国戦で俺たちの問題点が分かった」

 

 気付けば部室には部員全員が集まっていた。おっと、もう部活開始か。

 

「問題点も何もまず体力無さすぎ」

 

 マックスが痛いところを突いてくる。

 

「あ、ごめん。今の凹んだ?」

「まぁ、事実だけどな」

 

 さらに凹む雷門サッカー部の面々。

 

「円堂。話を続けてくれ」

「まぁ、体力作りはもちろんなんだけど、こんなフォーメーションを考えたんだ」

 

 円堂が書いたフォーメーション。ふむふむ。DFを5人から4人に減らすか……まぁ、普通だな。

 

「あの~キャプテン」

「ん?なんだ?」

「この間の豪炎寺さん呼べないんですかねぇ」

「結局のところあの1点。豪炎寺君のシュートだったんだからねぇ」

 

 宍戸と敵前逃亡を図った目金が言う。

 

「今の俺たちじゃ、あんな風になれないッス」

 

 壁山も続けて言う。

 

「あんなのは邪道だ……俺が本物のサッカーを見せてやる」

 

 染岡が豪炎寺のサッカーを邪道というが、オレからすればこの世界のサッカーは邪道というかなんというかだと思うけどな。

 

「豪炎寺はやらないんだろ?」

「それは分からないけど……」

「円堂までアイツを頼りすぎだ」

「そ、そんなことは」

「俺たちだって出来るさ。もっと俺たちを信じろよ」

 

 染岡は苛立ちからか言葉の節々に棘を感じる。

 

「皆お客さんよ……何かあったの?」

「いや、ちょっとな」

「ど、どうぞ」

 

 お客さんと言って木野が中に入れたのは、

 

「くさいわ」

 

 雷門夏未。理事長の娘だった。

 

「こんな奴。何で連れてきたんだよ」

「話があるって言うから」

 

 明らかに苛立つ染岡。まぁまぁ、落ち着けよ。

 

「帝国学園との練習試合。廃部だけは逃れたようね」

「お、おう」

 

 やべぇ……圧力がやべぇ……

 

「これからガンガン試合していくからな」

 

 いや、円堂。オレたち頼む側の人間だからな。

 

「次の対戦校を決めてあげたわ」

 

 微笑と共に告げられる。え?練習試合?

 

「次の試合……!」

 

 喜ぶ円堂を筆頭としたサッカー部の面々。うーん。そんな簡単な話かなぁ?

 

「話を聞くの?聞かないの?」

「ああ。で?どこの学校なんだ?」

「尾刈斗中。試合は一週間後よ」

 

 オカルト厨?オカルト好きが集まってるのか?え?サッカーとオカルト?

 

「オカルト厨?何処そこ?」

「尾刈斗中よ十六夜君。でも、ただ試合をやればいいってだけじゃないわ」

 

 あ、ですよね。というか大して絡んだことないのに名前を覚えられていたんだけど……え?どうして?

 

「どうせ、負けたら廃部だろ?」

「その通りよ」

「……またかよ…………」

「ただし、勝利すればフットボールフロンティアへの参加は認めましょう」

 

 へぇーそういうことか。

 

「精々頑張ることね」

 

 そのまま去っていく雷門。フットボールフロンティア……日本一の中学サッカー部を決める大会か……。これに参加できるということで盛り上がるサッカー部部員。

 

「喜ぶのは早い。俺たちは次の試合に勝たない限り出場できないんだぞ」

「染岡の言う通りだよ。そもそも負けたら廃部だし」

 

 あれ?引き分けはどういう扱いになるのだろうか?

 

「皆。この1戦絶対に負けられないぜ。練習やろう」

『おー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜になった。昼間はラグビー部が雷門中のグラウンドを占拠してるため、河川敷に場所を移して練習開始。しかし、染岡が焦りのせいか強引で荒っぽい、ラフプレーが目立った。

 そんな中、帝国学園戦でいた新聞部の音無が練習の見学ということで見に来ていて、尾刈斗中には怖い噂があるとかでそれを教えてくれた。

 

「どうした十六夜。足が止まってるぞ」

「あ、悪い八神。ちょっと考え事」

 

 今は八神とパス練習をしている。まぁ、基礎は大事だからね。

 今のサッカー部は豪炎寺という存在を知ってしまったが為にバラバラになりかけてる。どうせ、豪炎寺は入部するんだろうが、うーん。

 

「なぁ、八神」

「何だ十六夜」

「必殺技って何だと思う?」

「必殺技?」

 

 そう言うと、ボールを持ってこっちにやってくる八神。

 

「なんだ。てっきりお前なら1つぐらい必殺技が使えるもんだと思ってたんだが……」

「いいや。1個も使えないよ」

「そうか」

 

 うーん。何だろうなぁ……

 

「そうだな……とりあえず軽く炎とかを出してみたらどうだ?」

 

「八神って実はバカなのか?」

 

「よし、ゴール前に立て。本気でシュートを撃ち込んでやる」

 

 いやいや、普通の人間は軽くで炎は出ませんからね。ね?聞いてる?

 

「喰らえ!」

「ふぎゃあああああああああ!?」

 

 あ、アイツ……本気で撃って来やがった。というか、何であの帝国の必殺シュートより威力高いんだよ!おかしいだろ!

 

 

 閑話休題

 

 

「そうだな……じゃあ、口に手を当てて吹いてみたらどうだ?指笛って言うのか?」

「吹いたらなんか出て来るのか?」

 

「地面からペンギンが出てくるらしい」

 

「アンタ真顔で何言ってんの?」

 

 いやいやいや?指笛吹くだけで、地面からペンギン出て来くるとかねぇから。そんなことしたら、水族館のペンギンコーナーの存在価値がなくなるから。

 

「いいからやってみろ」

「はーい」

 

 やれやれ。仕方ないなぁ。あ、でもイメージが大事だからね。ペンギンをイメージして……

 

「ピー」

 

 まぁ、どうせ、やっても出てこな──

 

 ザッ(ペンギンが頭を出す音)

 

「……え”!?」

「やれば出来たじゃないか十六夜」

 

 ……おかしいと思うのオレだけ?

 

「中々に可愛いペンギンじゃないか。まだ子どもか?」

 

 撫で始める八神…………え?そういう問題?

 

「十六夜も撫でてみろ。中々に手触りがいいぞ」

「そうか?」

 

 八神の言うままにオレは地面から生えたペンギンを撫でようとする。

 

 ぺしっ(ペンギンの手で払われる音)

 

 ん?拒否された?……まさかな。

 

 ぺしっ

 

「……」

 

 ぺしっぺしっ

 

「…………」

 

 ぺしっぺしっぺしっ

 

「おかしくね!?」

 

 何故オレはダメで八神はオーケーなんだ?おかしくね?

 

『そんな汚い手で触んないでくれる?ご主人様』

 

「ペンギンが喋ったぁぁあああ!?」

「脅かすなよ十六夜。それに何を言ってるんだ?」

「今コイツ喋ったよね!?」

「やれやれ。ついに頭がおかしくなったか」

 

 あれ?もしや聞こえてない?

 

『その通りだ。オレの声はご主人様にしか聞こえてない』

 

「そ、そうか……」

「さっきから1人で何を言ってるんだ?」

 

『じゃあ、オレは帰るわ』

 

 そう言って消えてくペンギン。え?消えた?

 

「うーん……」

「どうしたんだ八神」

「いや。私の知ってるペンギンは大人で大体5匹とか何匹かで出てくるモノなんだが……」

 

 いや、その時点でおかしいから。

 

「まぁ、なんでもいいか」

 

「なんでもよくねぇよ!?」

 

 結局この日の練習ではオレが何故か1匹だけ何故か子どもの何故か意思疎通可能なペンギンを呼び出せることが分かった。これ、どうなってんだ?




主人公は皇帝ペンギン(子ども)を呼びだせるようになった。
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