だって、こうしないと原作(アニメ)のパクリというかそのままになっちゃうんだもん。
十六夜がエイリア石の力と戦っていた一方で、雷門VSイプシロン改の試合は大海原中で行われることになった。
土方雷電の放送の元、観客は集まり、いつもよりも賑わった状態でスタートする。
ボールはまずイプシロン改が持ち攻め上がる。前回よりも身体能力や技術が上がった彼らはゴール前、前回よりも威力の上がっているガイアブレイクを放つ。
それを円堂は究極奥義、正義の鉄拳で完璧に弾き返す。
この円堂のワンプレーにより、雷門陣営も火が付き、イプシロン改の攻撃を防ぐ事に成功。ボールは浦部に渡り、必殺技ローズスプラッシュを放つが、これはデザームのワームホールの前に敗れてしまう。そして、
「お前だ!お前が撃ってこい!」
デザームは吹雪へボールを渡しシュートを打てと挑発する。挑発に乗った吹雪は、エターナルブリザードを放つも、デザームのドリルスマッシャーによりはじかれてしまう。
「なんだ?今のは」
吹雪のシュートに違和感を感じるデザーム。対して再びエターナルブリザードを放つ吹雪。デザームも再びドリルスマッシャーで弾き返し、
「そういうことか」
何かを確信する。3度目のエターナルブリザード。それに対して前回敗れたワームホールで応戦するデザーム。結果はワームホールの勝ちでシュートを止めることに成功する。
放たれる4度目のエターナルブリザード。これに対してデザームは片手で止めてしまう。
あまりの出来事に雷門や観客は驚きを隠せないでいた。
「バカな……」
「楽しみにしていたのに、この程度とはな。お前はもう必要ない」
その一言と出来事により倒れ込んでしまう吹雪。円堂たちが声をかけるも一切の反応がない。
喪失状態の吹雪は戦線離脱を余儀なくされる。代わりに入ったのは目金。
そこからは防戦一方となった雷門。攻めの中心である吹雪が抜けたために攻撃力が落ちてしまっている。
円堂を中心にシュートを防いでいるものの次第に疲れがたまり単純なミスが増える。辛うじて前線にボールをあげてもシュートまで至らない展開が続いた。
『バタフライドリーム!』
そんな苦しい展開が続いた中、ようやくボールが浦部に渡り、塔子と共に必殺技を放つも、ワームホールの前に止められてしまう。
ボールはデザームから鬼道へ。
『ツインブースト!』
鬼道と一ノ瀬の必殺技。しかし、これもデザームのワームホールに止められてしまう。
ボールはデザームから一ノ瀬へ。
『ザ・フェニックス!』
一ノ瀬、土門、円堂の必殺技。やはり、これもデザームのワームホールに止められてしまう。
「もはやお前たちのシュートに興味はない」
そう言ってボールをフィールドの外へと出すデザーム。
「審判。私とフォワードのゼルとポジションチェンジだ」
フィールドプレイヤーとゴールキーパーのポジションチェンジ。滅多に行われることのないそれに対してやデザームがフォワードに来たことに驚きを隠せないでいる。
そしてデザームは円堂の元へと行き宣言する。
「正義の鉄拳を破るのはこの私だ」
ボールを持ったデザーム。ディフェンス陣を蹴散らしてゴール前へと進む。
「グングニル!」
そして、デザームの必殺技がゴールに迫る。
「正義の鉄拳!」
正義の鉄拳とシュートがぶつかり合う。そのシュートは無情にも正義の鉄拳を破りゴールへと刺さった。
そしてそのまま前半が終了する。
ハーフタイムも終わり後半。イプシロン改は雷門を潰すことに決め、ディフェンス陣を吹き飛ばしながら進み、
「グングニル!」
2度目のグングニルを放つ。
「ザ・タワー!」
「ザ・ウォール!」
塔子、壁山のダブルディフェンスがシュートの威力を多少落とすも、
「正義の鉄拳!」
円堂の正義の鉄拳は再び破れる。そのままゴールと思いきやシュートに飛び込んだ、この試合から加入のディフェンダー綱海によって防ぐことに成功する。
しかし、ボールはデザームに獲られてしまう。そして、
「グングニル!」
「正義の鉄拳!」
3度目の激突。これもまたグングニルが正義の鉄拳を破ることに。
ゴール前に木暮、土門、立向居、鬼道の4人が人の壁となりシュートをかろうじて弾き返す……がそのボールはデザームに渡ってしまう。
雷門イレブンが全員倒れてしまった一方、ある人物たちが動き始めていた。
場面は試合から山道を歩く2人の少年に。片方は大柄の、片方はフードを被った少年だ。
その2人を付け狙うは3人の男たち。十六夜を脅迫した3人組である。
3人組の追跡に気付いていた2人は、山道の途中、二手に別れて林の中へと走って行く。
一瞬、見失った3人組。しかし、運良く目的のフードを被った人物を発見する。
「久しぶりだね。と言っても、君も我々が見張っていたことを知っているからそんな挨拶も不要か」
話しかける3人組の内の1人。
「事情が変わってね。君の意思に関わらず協力してもらうことにした。一緒に来てもらおう」
そして、肩に手を置き連れて行こうとする……が。
「誰だお前!」
咄嗟に離れる男たち。
「現行犯だ」
フードを外し、現れたのは鬼瓦刑事。見れば男たちを警察の人たちが取り囲んでいた。
「諦めろ。逃げられはせん」
「妹がどうなってもいいのか!」
男たちはフードの少年──豪炎寺の姿を見るなり脅そうとする……が。
「彼女は我々が安全な所へと移した」
既に手は打たれていた。
「クソっ。作戦失敗か」
エイリア石の力で逃げようとする男たち。
「させるかよ!」
が、ここに1人の少年が何の前触れもなく現れた。
「なっ……!貴様は……!」
「よくもやりやがったなクソ野郎ども」
現れた少年──十六夜の手により、触れられたエイリア石は力を失っていき粉々となる。
「貴様!あのお方を裏切るつもりか!」
「あぁ?オレはテメェらにむかついたから、報復に来ただけだ。大人しく捕まりやがれ!」
逃げる手段を失った3人組。呆気なく警察の手により捕まった。
「……十六夜……!お前……なんでここに」
「もうこれでお前を縛るものはない。そうだろ?いけっ!アイツらの元に!」
「……っ!ああ!お前も一緒に──!?」
十六夜と共に向かおうとした豪炎寺。しかし、既に十六夜の姿はなくなっていた……。
「はぁ……はぁ……」
「お疲れ様だ」
大海原中グラウンドの観客席の一画にて、こちらもフードを被り息切れしている少年と隣で帽子を被りサングラスを掛けた少女がいた。
「流石に……イビルズタイムの……長時間使用は……キッツ」
少年──十六夜は、イビルズタイムを使うことによりここまで帰ってきていたのだ。
「試合は?」
「デザームの奴がキーパーが立ち上がるのを待っているおかげで、お前がいなくなってから一切動いていない」
少女──八神は十六夜の疑問に答える。
あのあと2人は変装道具を取った後、すぐにここまでワープしてきた。試合自体は後半から見ている。
(正義の鉄拳……確かに拳が飛んでいくすごそうな技だが……イマイチ何かに欠けている)
後半に入り、2度破られた円堂の新たな必殺技にどこか疑問を持つ十六夜。
「グングニル!」
そんな疑問を余所に試合は動き出す。
後半3度目のグングニル。今度は先2つと違い雷門の他の面々が倒れているせいで破られた後のフォローは効かない。
「正義の鉄拳!」
それに対して、何かに気付いた様子の円堂。放たれた正義の鉄拳は先ほどよりパワーアップし、グングニルを跳ね返した。
「へぇ……」
(パワーアップ……進化し強くなり続ける必殺技ってとこか。なるほど……ただ、まだグングニルを弾き返せる程度のレベルじゃ、オレたちには通用しないぞ)
内心でもはや悪役としか言い様がないことを思っている十六夜。
弾かれたボールはコートの外にいたあるフードを被った少年の足下に行った。
その少年はボールを止めると同時にコートの中へ。
「あれは……!」
フードを外し現れたのは……雷門のエースストライカー豪炎寺修也である。
「豪炎寺さんが帰ってきたッス!」
「監督!」
「選手交代!10番、豪炎寺修也が入ります!」
沸き立つ観客と雷門イレブン。
「流石豪炎寺ってとこかな。この歓声は」
「奴1人が加わったところで我らには敵わない」
「さぁね。まぁ、どれだけパワーアップしているのか」
一方、この展開になることが予想できていた十六夜とジェネシスの八神は対称的に落ち着いていた。
試合再開。マキュアのスローインからデザームにボールが渡る。
「見せてみろ!お前の実力を!」
豪炎寺に向かい突撃するデザーム。
そんなデザームからボールを軽々取った豪炎寺。そしてそのまま、
「ファイアトルネード!」
必殺技を放つ。
「決まったな」
進化したファイアトルネードを見て十六夜は、確信する。あれはゼルでは止められないと。
「ワームホール!」
一瞬止めたかのように見えたが、その炎はワームホールを焼き尽くし、ゼルごとゴールへと押し込んだ。
そして、今のを見てデザームはキーパーに戻ると宣言する。
「ファイアトルネードではドリルスマッシャーは破れない……ただ、まだ隠し玉があるな」
「これはイプシロン改の負けだな」
早々にイプシロン改の負けを悟った2人。
試合はイプシロン改のキックオフで始まったものの一ノ瀬のフレイムダンスにより、一ノ瀬がボールを奪う。そのまま鬼道に渡り、豪炎寺にボールを出そうとするも、豪炎寺にはケイソンとタイタンのマークが付いていた。
鬼道は一度うなずくと豪炎寺に向かってパス。しかし、そのボールは2人の正面。パスミスと思われたが、ボールはケイソンとタイタンの前で大きく曲がり豪炎寺の元へ。
「流石。そこまで計算に入れていたか」
この器用さには十六夜も舌を巻く。鬼道はあの2人がつられると分かってあのパスを出している。一緒に何度か練習して癖を見抜いている十六夜ならともかく、数度試合をしただけでそこまで計算に入れられる鬼道には賞賛しかない。
ボールは豪炎寺のもとへ。ゴール前、デザームと1対1である。
「来い!」
すると、豪炎寺の背後に炎の魔人が現れ、その手の上に豪炎寺は1度乗る。そしてそのまま回転しながら跳躍し、
「爆熱ストーム!」
左足でボールを叩き込んだ。
(……え?豪炎寺の背後に炎の魔人が見えたんだけど……え?遂に君も魔神出しちゃったの?というかうわぁ……あの炎の熱量エグいなぁ……絶対これ、グレントやベルガでも止められないだろ)
一目見てそのやばさを実感する十六夜。
「ドリルスマッシャー!」
デザームのドリルスマッシャーがボールと激突する。最初こそ拮抗しているように見えたものの段々と押されはじめる。そして──
(凄いな豪炎寺の奴。決まると分かってもうゴールの方を見ていない。格好いいねぇ)
──ドリルにヒビが入り、ドリルをシュートが粉砕した。
ピ、ピ──
ゴールにボールが刺さり、試合終了の笛が鳴る。勝ったのは雷門中である。
「行こうか」
「そうだな」
それを見届けた十六夜と八神はそのまま観客席から姿を消すのだった。