超次元サッカーへの挑戦   作:黒ハム

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雷門VSカオス ~元神の力~

 フィールドに舞い降りた元(自称)神ことアフロディ。

 試合は一時中断という形で、雷門側のベンチに行くアフロディと雷門メンバー。

 

「どうするよ。アレ」

「世宇子中の元神様……ねぇ」

 

 こっちもオレたち3人は様子を見ている。他?連携などの確認をしているよ?この数分のプレーで、問題があるところは調整しに行っている。

 一方のアフロディであるが、彼曰く雷門と共にエイリア学園と戦いたいとのこと。

 

「まぁ、誰が加わってもいいと思うよ。ただ、アフロディはちょっとマズいかもな」

「はぁ?世宇子中なんて神のアクアに頼っていたチームだろ?」

「ドーピング頼りの勘違いチーム……というのが我々の評価だが?」

「うーん。そうだね。でもさ、アイツは神のアクアなんてない方が脅威かもしれないよ」

 

 はっきり言うなら、今までのエイリア学園との試合を見てきて、自ら力になりたいと志願する奴が弱いわけがない。

 と、ここで瞳子監督がこちらにやってくる。

 

「アフロディ君を私たちのチームに加えます。この試合にも出場してもらいますが」

「文句はありませんよ監督さん。お好きなように」

「えぇ。そうするわ」

 

 そしてそのまま帰って行く瞳子監督。

 さて、これで言い訳もできなくなったが……

 

「皆。少し聞いて。おそらくだけど──」

 

 オレはカオスの面々を集めてあることを告げる。

 

「……なるほどな」

「ああ、あり得る話だ」

「だろ?だからここで追加点を取りに行く」

 

 雷門側がポジションに着き始めたのでこちらも自分のポジションに戻る。どうやら浦部とアフロディを入れ替えたようだ。

 1点差のこの状況。点は取りたいけど守備を薄くするわけにはいかない。考え得る限り最善の選択だろう。

 

「さてと……」

 

 正直な話、アフロディは打たれたら止められるとは思えん。警戒人物の1人だ。だが、最初は大丈夫だろう。

 サイデンのスローインで試合再開。ボールはバレンに渡り、そのまま攻め上がる。

 

「させるか!ボルケイノカット!」

 

 しかし、ここは土門のボルケイノカットに阻まれる。

 

「こっちだ!」

 

 土門がボールを持ったところに、フリーのアフロディがボールを要求する。

 しかし、土門はパスを出すことを躊躇した。

 

「甘いぜ!」

「しまった!」

 

 その隙を突いてバーンがボールを奪い去る。

 

「通さないッス!ザ・ウォール!」

「ハッ!そんなのじゃ止められるかよ!」

 

 バーンはザ・ウォールよりも高い位置にボールをあげる。そして、そのままシュート体勢に入った。

 

「行くぜ!アトミックフレア!」

 

 上空からの強襲。ザ・ウォールよりも高い位置からのシュートは誰にも阻まれずにゴールへ向かった。

 

「正義の鉄拳!」

 

 円堂が正義の鉄拳を繰り出すも、バーンの必殺技の威力に負け、そのままゴールへ。

 

『ゴール!試合再開早々!バーンがシュートを決めた!雷門の連携の隙を突かれたかぁ!』

 

「ナイスシュート。バーン」

「あぁ、お前の言ったとおり、連携は完璧じゃないようだ」

 

 そう。元々敵だった相手だ。いくら円堂が認めたとは言え、彼らの心の中には本当に信用できるか?と言った疑いの心が出て来る。その心は彼へのパスを躊躇させ判断を鈍らせる。そこを付けばあっさり点が取られるって話だ。

 まぁ、こんなことがこれからずっと通用するとは思えない。だが、今はそこを付くのがベストだということに間違いはない。

 

「よし、もう1点取るぞ!」

「「「おぉ!」」」

 

 雷門ボールでキックオフ。ボールは豪炎寺に渡り、

 

「行かせねぇよ」

「通さない」

 

 3度目の正直って言うべきか今度はバーンとガゼルの2人が素早くマークに付いた。

 

「こっちだ!」

 

 鬼道がバックパスを要求し、そのままパスする。鬼道から塔子にパスが回り、攻めてくるが、

 

「貰った!」

 

 ボニトナがカットし、レアンへとパスを出す。レアンはそのまま攻め上がる。

 

「ザ・ウォール!」

 

 しかし、順調に行くことはなく壁山のザ・ウォールに阻まれる。そのままボールを持ち込む壁山。

 

「壁山!アフロディがフリーだ!」

「え!?でも……」

「パスするんだ!」

「は、はいッス!」

 

 鬼道に言われてパスを出す壁山。しかし、そのパスはアフロディの遙か前へ。明らかなパスミス。

 

「サトス!」

「おう!」

 

 そんな隙を逃すほど甘くはない。

 あと少しでラインを割るといったところでサトスがボールを大きく前線へと蹴り上げる。

 

「マズい!戻れ!」

 

 そのままオレたちのカウンター。ボールはバレンからバーンへ。

 

「やらせねぇ!ボルケイノカット」

「あめぇよ!」

 

 土門が必殺技を放つも、素早くガゼルにパスを出すことで躱す。

 

「止めてやる!」

 

 綱海と一騎打ちになるガゼル。軽くボールをあげてジャンプすると綱海も続けて跳ぶ。

 

「フン」

 

 だが、すぐさまヘディングでボールを地面へ向かわせることでそのまま綱海を抜き去る。

 

「行くぞ!ノーザンインパクト!」

 

 そしてそのまま必殺技を放つガゼル。

 

「正義の鉄拳!」

 

 放たれる正義の鉄拳はまだオレたちに通用するレベルではなく、破れてゴールに刺さった。

 

『ゴール!なんとこれでカオスの3点目だ!』

 

「ナイスパスだ。バーン」

「はっ。決めて当然だよな」

「2人ともナイス連携。サトスもよく追いついた」

「はい!」

「さぁ次だ!気を抜かずに行くぞ!」

「「「おう!」」」

 

 いやぁ、あのバーンが強引突破せず冷静にパス出すとは予想外だったけど……いっか。あれでオッケーだし。

 

「監督……」

「えぇ。この2失点は間違いなくアフロディ君への不信感から起きているもの」

「十六夜君ね。彼は間違いなくそのことを分かって指示を出しているわ」

「彼を敵に回すとここまで厄介とは……」

「なら監督!ウチを戻してや!そうすれば……」

「それは聞けないわ。カオスから点を取るにはアフロディ君の力は必ず必要になるもの」

 

 この状況が作られているのは単純にアフロディを仲間と認め切れていない、言ってしまえばチームの一部の人間がもたらしているもの。

 ならこの状況を向こうが変えるには?単純だ。アフロディがチームに認められればいい。そのために手っ取り早いのは何かしらの形でチームに貢献すればいい。

 ただ、今のアフロディにとってはある意味無理ゲーな状況だろうな。彼が信頼されるには仲間と連携して点を取るとか、認められるようなプレーをしないといけない。しかし、信頼されていないために連携ができていない。矛盾しているのだ。

 

「だからこそカギは──」

 

 オレの中でカギは鬼道、豪炎寺そして綱海だと考えられる。彼らなら躊躇なくボールをアフロディへと出せるだろう。彼らを基準にプレーに繋げられるかがカギとなってくる。

 

「うーん。そろそろかな」

 

 というか、流石にこの状況でチームメイトへの不信感とか言ってる場合じゃないと思うんだけど。まぁ、まだ連携とれないのであれば容赦なくそこをつくだけだ。

 雷門ボールで試合再開。ボールは鬼道から一ノ瀬に渡った。攻め上がる一ノ瀬。

 

「さぁ、君はどうする?」

 

 豪炎寺にはアイキューとアイシーがマークをしている。サトスには豪炎寺とアフロディのケアができる言わば中途半端な位置にいるため、アフロディがフリーに近いのだ。

 誰の目から見てもアフロディに出すのが正解のこの状況。一ノ瀬が選んだのは、

 

「豪炎寺!」

 

 豪炎寺へのパスだった。あーあ。外れだ。

 

「アイシー!サトス!」

「うん。フローズンスティール!」

 

 すかさず、アイシーのフローズンスティールが豪炎寺を襲う。これを跳ぶことで回避するものの、

 

「イグナイトスティール!」

 

 その着地を狙って容赦なくサトスのイグナイトスティールが炸裂する。これには豪炎寺も反応できずボールを奪うことに成功する。

 

「バレンへパスだ!」

「おう!」

 

 そしてバレンにパスが繋がる。持ち込むバレン。そこに木暮がブロックに来て、

 

「旋風陣」

 

 彼の必殺技の前にボールは獲られてしまう。

 

「うっしっし。どんなもんだい」

「調子に乗るな!」

 

 本当にそうだよ?ボールを奪ったくらいで調子に乗ってもらっては困るよ?

 

「うわぁ!」

「おい!遠いぞ!」

 

 迫るガゼルに対して木暮が慌てて綱海へとパスを出す……が、そのパスは遠い。

 

「パスが乱れた!奪え!」

 

 バーンの指示により、ボニトナとレアンのコンビがボールへと向かう。

 綱海がボールに追い付くも、2人のディフェンスの目の前。選択肢はほぼないに等しいこの状況。

 

「ちょうどいいぜ……アフロディ!」

 

 綱海は2人のディフェンスの間に見えたアフロディへとパスを出す。

 

「行くよ」

 

 パスを受け取ったアフロディはそのままこちらに攻めてくる。

 

「アイキュー!アイシー!サトス!」

 

 攻めてきているのはアフロディのみ。3人がかりでブロックに行くも……

 

「ヘブンズタイム!」

 

 次の瞬間には呆気なく抜かれてしまう。ッチ。これがあるから厄介だよ本当に。

 

「堕落したものだな。アフロディ」

「お前を神の座から引きずり降ろした雷門に味方するとはなぁ?」

 

 何とかガゼルとバーンの2人が追いついて、アフロディの前に立つ。

 

「引きずり降ろした?違うな。彼らの、円堂君の強さが僕を悪夢から目覚めさせた。新たな力をくれたんだ」

「はぁっ!新たな力だ?」

「神のアクアなしじゃ何もできない!」

 

 ガゼルとバーンが2人がかりで奪いに行く。

 

「そんなの必要ない」

 

 アフロディは落ち着いて、すぐ隣を走る豪炎寺へと軽くパスを出し、そのまま2人を抜き去る。豪炎寺はダイレクトでアフロディに返す……初めてとは思えない連携だ。

 

「見せてあげよう……生まれ変わった僕の力を!」

 

 するとアフロディの背中から羽が……ってマズい!感心している場合じゃねぇしあれは!

 

「ゴッドノウズ!」

「させるか!ロケットペンギン!」

 

 ペラーを呼び出し、拳から何匹ものペンギンが飛んでいくが、

 

「これは!」

「前よりもパワーアップしている!」

「クソッ!熱血パンチ(という名のただのパンチ)!」

 

 ペンギンたちが悉く跳ね返されたのでパンチを放つも弾き飛ばされ、ボールはゴールに刺さった。

 

『ゴール!アフロディのゴッドノウズが決まったぁ!雷門1点返しました!』

 

 ハイタッチする豪炎寺とアフロディ。

 

「いいぞ!皆!このユニフォームを着れば気持ちは1つ!皆で同じゴールを目指すんだ!」

「「「おぉっ!」」」

 

 一連のプレーを見て、アフロディへの評価が変わったようだ。

 

「ははっ……!」

 

 ヤバい。心の底から湧き上がるこの熱量……やっぱり最高だ。お前らとのサッカーは。

 

「楽しくなってきたな!お前ら!こっからが本番だ!カオスの力見せてやるぞ!」

「「「おう!」」」

 

 前半も折り返し地点に突入した。スコアは3ー1とカオスリード。アフロディが本格的に機能し始めた以上、まだまだ勝負は分からないな。

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