「マギアレコード」 Pueri et puellae magicis   作:ゆっくりff

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始めまして、ゆっくりffと申します。今回は初めてこのサイトで投稿をさせてもらいます。書きたいものを書いていくスタイルで語彙力等は全然ないと思います。
メインストーリーとサブストーリーを自分のやりたいようにやって
ちまちま進めていければと思います。なるべく長く続けていきたいので
感想や評価などもらえるとうれしいです。

2018/12/8現在
ストーリーが一区切りついたので、読みやすい用に
1話から編集を行っていこうとおもいます




またこれを読むうえでいくつかの注意点がございます。
※この作品はマギアレコードの第7章までと気分でいくつかのイベントの設定を参考に作成しています(この話自体を書こうと思って
設定を集めたのはだいたい2018 5月ごろのことです)本編のネタバレがあるのと、この話を読むうえで知っておいたほうがいい情報があるので、
先に本編を進めることをお勧めします。
これからも使えると思った設定は取り入れていこうと考えていますが、基本的には7章までの設定でやっていくつもりです。
※オリジナルキャラクターが主人公です。そして男性です。神聖な百合環境破壊します。私自身女性は男性と絡んでなんぼ!と考えている人です。
苦手な方は読むのを控えてください。
(とはいえ男なら一度くらいは妄想したはず…な内容だと思っています)
※独特な解釈、設定&、間違った解釈があると思われます。まあそこは2次創作なのでそういうものなのか~と思っていただければと思います…


神浜に流れし新たなウワサ1

「はあ…最近は史乃沙の活動ちょっと

減っていやになるわね」

 

 そういいながら水波レナはいつもの登校ルートどこかぼんやりしながら歩いている。

 追っかけているアイドルが最近少しだけ活動を減らし、イベントに当たる機会なくなってきた。

 さらに当たったとしても道中で魔女と遭遇し、開演時間に間に合わない、なんてこともあった。

 

「よっ!レナ辛気臭い顔してるじゃん。

 どうしたの?」

「レナちゃんおはよう」

 

 そういいながら二人の女性が歩いてくる。レナと同じ赤と白の制服を着た同級生であり同じ魔法少女でもある。よくチームも組んでいてレナの友人でもある、十咎ももこと秋野かえでだ。

…恥ずかしいから言ったことはないけど

 

「ああ、おはようかえで、ももこ」

「おはよう!でどうしたの?何か悩み事?」

「別にー…ただ最近ちょっと最近つまらないなーって。

あーあー、何か面白いことでもあればいいんだけどなー」

「面白いこと…面白いこと…」

「かえで、何かあるの?」

 

 とかえでに聞いてみたが、ちょっとかえでの様子がおかしい。

なんというか何かに恐れているような、そんな感じだ。

 

「……なにかあったの?」

「えっ?な、なんでもないよ!」

「…本当に?」

「本当本当!だからか近づけてこないで!レナちゃん怖いから!」

 

 とかえでは私がグイっと近づけた顔を手で押してくる。

 

(なによもう…せっかく人が心配してあげたのに…)

 

 もともと不機嫌だった私はさらに不機嫌になってくる。 

 かえでも不安そうな表情を変えずにいつもみたいに接してくるから私も反応に困り、少しの間お互いに沈黙する。

 

「あ!そういえばこんな噂知ってる?」

 

 沈黙を破ったのはももこだった。まあ、いつものことだ。

 さすが、魔法少女の間でも頼れるお姉さんとして名を

知られているだけのことはある。

 言う気のなさそうなかえでを見て要点をずらしながら長く話せそうな話題を持ってくる。

 

「ウワサ…また、やちよさんがもってきたの?」

 

 と私は少し怪訝そうに聞き返す。

 ただ普通の噂なら、馬鹿話で終わるしそんなに長く話せるような話題ではない。

 しかしこの地…神浜市に住む一部の魔法少女に取っては、取分け重要な案件となっていた。

 普通の「噂」とは違う「ウワサ」。

 やちよとかかわりを持つレナたちはウワサについても

知っているし、危険性もよく知っている。

 ちなみにやちよは神浜市最古参の魔法少女で、ウワサファイルみたいなものを作っていて、神浜市のウワサを集めている。

 レナたちはウワサについてはよくわかないけど、助けられた恩もあるし一応協力しているといった感じだ。

 ウワサとは…まあ、魔女と似た人々を迷わせる悪しき存在…とでも思っていればいいと思う。

 

「ああ、違う違う「ウワサ」じゃなくて「噂」魔法少女にだけはやっている。今大流行の噂だよ」

 

 ももこは手をブンブン振り回して私の疑問を提示する前に否定する

 

「ふーん?噂…ねぇウワサじゃないって確信はどこから来てるの?」

 

「あーいや…私も気になって人に聞いて回っていただけだから、確信っていうのはないんだけど。

 でも人々に一切ウワサされてないし、魔法少女にも特に害があるってわけじゃないから、普通の噂なのかなって」

 

 人々を迷わす存在…とだけあって基本的にウワサの出どころは一般人からだ。

 

「ももこちゃん。それどんな噂なの?」

「お?かえでもやっぱり気になる?じゃあちょっと聞いててね。

 もしかしたらもう知ってるかもだけど…2人は最近魔法少女を助けてくれる謎の存在がいるっているのは知ってる?」

 

私は首をかしげる。かえでを見ても?が浮かんでいる知らないようだった。

 

「例えば穢れがたまって魔女化しかけた人にグリーフシードを売ったり、例えば苦戦している時に突如として

矢が突き刺さったり、なんかトラップがあったりって、とにかく魔法少女を助けてくれる存在なんだよ」

 

魔法少女にいい噂とあってももこの話し方は少しテンションが上がったようなしゃべり方をしている

 

「それだけだったらどこかの魔法少女がやってるのかなってなるんだけど…どうやらその人…男の人らしいんだよ!

 だから魔法少女たちはその謎の男を探すのに夢中なんだって」

「……………」

「……………」

「ん?…どうしたの二人とも」

 

 ももこの噂を耳にしてレナはいつだったかの出来事が頭によぎる

 

「あーーーいやー…ちょっと身に覚えがあって…」

「えーと…実は私も…」

 

どうやらかえでにも何か心あたりがあるみたい。

 

「へえー!ってことは噂じゃなかったんだね」

「でもレナ別に姿見てるわけじゃないから…なんとも言えないけど…」

 

 とレナは数日ほど前に起こったことを思い出す。

 

 

 ☆

 

 

「はあはあはあ…」

 

 レナは器用に槍を使いながら、立ちふさがる使い魔を倒しつつ後退している。

 

「くっ!うっとおしいのよ!」

 

 持っている槍に水の力を付与し、近くにいる使い魔に上から振り下ろす。

 声にならない悲鳴を背に即座に反転、すぐ後ろに迫ってきた使い魔に槍を突き刺し走り出す。

 

(この使い魔…頭よすぎなのよ!なんでレナの逃げる方向ピンポイントで妨害してくるのよ!

 もしかして…あいつがいるから…?)

 

そう思いレナは離れたところで高見の見物を決め込む魔女をにらみつける。

 神浜市でよく見かける魔女ではあるが、今回は使い魔のおまけつき。

 しかもこっちは1人、最近複数で戦うことが多かったためか、変なミスが多発する。

 ソウルジェムにもゆっくりと穢れがたまり、次第に焦りが見え始める。

 使い魔の数は着々と減ってきてはいるが、相手の連携がなかなかに厄介で、魔女に対してはまだ一度も攻撃を

与えていない。

 

「ああ!もうまた邪魔して…」

 

 魔女に一撃加えようと考えていたところを使い魔の遠距離攻撃で邪魔されるが、攻撃を防いで立ち止まり、槍を構えなおす。

 使い魔は私を囲むように、きれいに散開している。

 

(これ以上やってもいたずらに魔力を減らすだけ…なら、多少の攻撃は覚悟して使い魔を倒し切る!)

「…………っ!」

 

 中腰になり、床をすべるように、突撃する

 水の魔法が使える魔法少女が好んでよく使う戦法だ。

 水の力で推進力を得て一直線に突き抜け刺突する。

 敵が一列に並んでいれば一気に倒すことが可能だ。

とはいえ現在は使い魔は散開している倒せたの1体だけ。

 使い魔の横で急停止をして即座に槍を右に払う。

 払った勢いを利用して半回転、いまだに状況が理解できていない使い魔に槍を突き立てる。

 

「痛ッ!」

 

 やっぱり少し無理があったか、対処しきれず後ろから攻撃を受ける。

 このまま攻撃を受けたらあっという間にバランスを崩す。

 でも突っ込んだおかげでこれは好機と使い魔がレナのほうに殺到している。

 しかし全方位をカバーできるような技をレナは持っていない。

 前方に続けざまに槍を突き立てながら、気配と風切り音だけを頼りに、後ろの敵の攻撃を読み取る。

 

(いまっ!)

 

 都合よく後ろの敵から攻撃が来た。

 望んでいた通り、横へ薙ぎ払うような攻撃だ、ここから回避はまず不可能。

 でもこれが狙い。敵の攻撃を受けて大きく吹っ飛び、私は大幅に狭くなった包囲網から逃れられる。

 

(ふふっ都合よく集まったわね…)

 

 なんとなくではあるが、攻撃がくるのはわかっていたので、レナは水を使い勢いを殺して受け身をとり、中腰になる。

 先ほどと同じ突進の構えだ。

 殺到してた使い魔はきれいに並んでる。

 

「はああぁぁぁ!」

 

 渾身の魔力を込めて地面をスライド、使い魔を巻き込みながら反対側に抜ける。

 そして右足を軸にその場で反転、勢いが殺し切れてないため思いっきりバランスを崩すが、無理な姿勢から

再度突撃をくりだす。

 だがそんなことをして無事に着地できるわけがない、

地面に身を投げて思いっきり転がる。

 痛む体を鞭打って起こし槍を構えなおす。

 けがは即座に回復するがそろそろ穢れをとらないとまずそうだ…

 とはいえ思い切った行動が功を奏した。

 使い魔は壊滅のこりは魔女だけとなった。

 

(一度撤退したほうが・・・よかったんだけどね…)

 

 高みの見物を決めていた魔女がいつの間に近くにいたことに今更気が付いた。

 ここまで近づかれては、態勢を立て直すために後退することもできないだろう。

 

「ああ、もう…本当に最悪ね。こんなんじゃイベント間に合いそうもないわね…」

 

荒れた息を整えて、濃厚に感じるようになってしまった、死の気配を振り払うかのように大声をあげる。

 

「ふん…あとはアンタだけよ!覚悟してよね!」

 

 まるでそれにこたえるかのように、魔女は声にならない叫びをあげ、攻撃を開始した。

 その距離からの攻撃なら、よけてカウンターを決められる………だが結果的にその目論見がかなうことはなかった。

 

「きゃっ!?」

 

 突如としてだれかに後ろからのしかかられた。

 力なく乗りかかる感じで振りほどくのは難しそうもないが、それでも致命的な隙となる。

 急いで後ろを見てみると、先ほどの使い魔が肩に乗っているのがわかる。

 

(うそ!倒し切れてなかったの!?)

 

 ちゃんと確認しておけばよかった…と後悔するが後の祭り、体の自由はきかずに、目の前迫ってくる魔女の攻撃はよけれない。

 

(やられるっ!)

 

 レナは目をつむり死を、覚悟した…

 

「………………………………ん?」

 

 覚悟していた衝撃がやってこない。

 おそるおそる目を開けてみると、突如背中に小さな衝撃が走る。

 

「きゃっ!な、なに?」

 

 矢だ、後ろにしがみついてきた使い魔に矢が突き刺さっている。

使い魔はその攻撃がとどめとなったのか、そのまま消滅

してしまった。

 矢もそのままカランと地面の落ちる。

魔法を使用しないタイプの武器だろうか、珍しいけど前例がないわけじゃない。

 そして見てみると魔女のほうにも矢が突き刺さっている。

 ドスッとまた鈍い音を立てて矢が突き刺さる、魔女の攻撃はその矢によって防がれたようだ。

 防がれた…という言い方は正しくない、実際には第2謝を警戒して攻撃を中断したといったところだ。

 攻撃から逃れようと、必死に手を動かすが、それをあざ笑うかのように隙間を正確に狙撃していく。

 その様子をぼーっと見ていた私だったけど、

 

(ッ!何やってるのよ!チャンスじゃない!)

 

 使える魔力凝縮する。

 ここで決めなければどうあがいても私には倒すことはできないだろう。

 インフィニットポセイドン…私が持つ必殺技。

 鏡を敵の周囲に展開。

 それを駆使して四方八方から斬りつけ、魔力を載せた槍を投げつけフィニッシュ…もちろんそんな芸当をすればかなりの魔力を持っていかれる。

 失敗をすればそのまま動けずただやられるのを待つのみとなる。

 現状まさに諸刃の剣と化した技だ。

普段は仲間との連携や予備のグリーフシードをで魔力を賄うわけだが、あいにくどちらも持っていない。

だが、それに見合う戦果を出せる自信があるほどのまさに必殺技にふさわしい威力を持っている。

 

「これで……とどめ!」

 

けだるげな体を懸命に動かし魔女に最後の攻撃を仕掛ける。

 これでレナの手持ちは空…これで倒れてくれなければ…と、いろいろ考えていたが、杞憂だったようだ。

 今攻撃で魔女は消滅代わりにグリーフシードが落ちている。

結界も消滅し、元の裏路地に戻る

 

「・・・・・・」

 

 一刻も早くグリーフシードに手を伸ばしたいところではあるが、レナは周りを見渡す。

 もちろん先ほど矢を射ってくれた人を探すためだ。

 同じ魔法少女だしグリーフシードも狙っているに違いない。

 そこのところも含めていろいろ話をしたかったのだけれど…

 

「おかしいわね…いない?」

 

 周りを見渡しても、誰もいない。

 いやたった今裏路地から抜けていった黒いパーカーを着た男はいた。

 背中には弓と矢筒背負っている。

 判断材料は学校の弓道部で見たことがあるから、って

理由で確信があるわけじゃないのだけれど…男と判断したのも体格と身長を見てだ。

 もしかしたらその人が魔法少女かもしれないけれど…その人以外に年ごろの女の子はおろか人いない。

 

「…?まあ、グリーフシードいらないならいらないでそれでもいいんだけど…」

 

 レナはグリーフシードを持って穢れを払い、急いで大通りを出た。

 あのパーカーの人はいない、たくさんの人込みに紛れて

どこかにいなくなってしまったようだ

 

「あの人…いったい何者…?」

 

 レナの声にこたえてくれる人はいなく、レナもそのことはすっかりと忘れていたのだ

 

 

 

 

「ってことがあったのよ。…今まですっかり忘れていたけれど…」

「レナ…とりあえず無事でよかったよ…」

 

 ももこはふぅ…と安堵の息を吐き出す

 

「本当に…よかったよぉ~」

 

 とかえではレナに駆け寄って思いっきり抱き着く。

 そのまま強く力を込めているせいか、少し痛い。

 

「ちょ、かえで!熱いから離れてよ!」

「………………」

「かえで…?」

「あのね…レナちゃん、ももこちゃん。ちょっと聞いてほしいことがあるの…」

 

 かえでは少し涙声だった。

 少し様子がおかしいな…抱き着いて離れようとしない彼女の顔からは魔法少女の真実の話を聞いたときと、似たような感じがした。

 

 

 

 

 かえでは地面に突っ伏していた。

 こんな真昼間からそんなことをしていたらさすがに声をかけられる…それが普通の場所ならば。

 そうここは魔女の結界の内部、魔法少女がたまたま通りかかるのを祈るしかない。

 しかし、そんな悠長なことを言ってられないのは自分が一番よく分かっている。

 地面に突っ伏しているのはソウルジェムに穢れがたまったからだ。

 

(うう………体が、重たい…)

 

 善戦したが倒し切れなければ意味はない。

 すでに魔法や回復はおろか、体を動かせるような魔力も残っていない。

 

(ここで倒れたら…私…)

 

 ももこからすでに魔女化の話は聞いている。

 大切な友達がいるから何とかそのことからも乗り切って、今こうして活動ができるが、その恐怖が消えたわけではない。

 私は涙を流しながらいろいろと後悔をしたなんであそこでこっちに曲がっちゃんだろう。

なんでレナちゃんたちと合流することをしなかったんだろう。

 グリーフシードの変えくらい用意しておけばよかった、あそこで攻撃をしてなかったら…きりがない、それでも浮かばずにはいられない。

 しかしそんなふうに考えていても意味がない、何とか逃げるようにと頭を回転させるが脳から出る結論はここで死ぬ、不可能、の一点張り。

活路は一つも出てこなかった。

 

「しにたく………ない、よぉ…」

 

 死にたくないか

 

「助けて……だれ、か」

 

 質問の意味になっていない死にたくないか

 

「死にたく、ない………よ……なんでも…………する、から…たす、け…て…」

 

 どんどん意識が遠のいていく中、私は何者かの呼びかけに必死で応じていた。

 いや応じていたというよりかは、半ば無意識に答えていたというほうが正しいだろうか。

 

「ッ!!」

 

 突如私は意識を覚醒させる。バッと頭をあげて、周囲を見渡す。

 

(どうして…?私、いったい…)

 

 眠りから覚めたみたいに前後の記憶が飛んでいてすぐに状況が把握できない。

 

(そう…だ、私魔女と戦って、でも逆に追い詰められちゃって…それから…)

「そ、そうだ!魔女…」

 

 かえでははっと息をのみ急いで周りを確認する。

 あっさりと魔女は発見できた。

しかし魔女は何やら拘束されて身動きが取れない状態のようだ。

 棘のようなものが全身に巻き付いている。

さきほどの猛攻はいったいどこに行ったのやら、よっぽど強い力で締め付けれられているのだろうか、魔女はピクリとも動かない。

 

「い、今のうちに…」

 

 と魔女にとどめを刺そうと思って気が付く魔力が回復している?そばには穢れの溜まったグリーフシードが置いてあり、誰かが助けてくれたのであろうことは容易に想像がつく、でも近くにはいない。

 

「…?」

 

 この棘は間違いなく魔法少女の物のはずだから近くにはいるとは思うのだけれど…しかし、私は途中で考えるのをやめて魔女と向き合った。

 棘がいつまでもつかわからない以上、早期決着をつけるべきだ。

 撤退のことも頭によぎったが、不思議とこの棘が信用出来て、今なら倒せると思えたのだ。

 自分も似たような魔法を使っているからだろうか?

 

「…いきます!」

 

 杖を握り直しかえでは植物を呼び出し魔女に突き立てる。

 結果から言えばさっきの惨敗はどこへ行ったのかというほど圧勝だった。

 まあ、相手は文字通り身動き一つとれないので当たり前といえば当たり前だったのだが。

 

「はぁ…はぁ…はぁ………よ、よかった…」

 

 とりあえしばらくは一人で魔女とは戦わないと心に誓い、かえではあたりを見渡す。

 魔女がいなくなり、人気の少ない住宅地に景色は戻る。

 結界が解けたのだ。近くにいれば会えそうだとおもったのだけれど、残念なことに助けてくれたであろう魔法少女はどこにもいなかった。

 

「お礼くらい…言いたかったな」

 

 そうポロリと口に出しながら、今回の戦いでゲットしたグリーフシードをポケットに収める。

 そこで彼女はようやく自分のポケットに何かが入っているのに気が付いた。

 

「なんだろう…これ?」

 

 丁寧に折りたたまれた紙にはグリーフシードの支払いは再来週の土曜日朝10時新西区公園の北入り口から3つのベンチで…最初は何を書いてあるのは理解出来なかったが、それでもすぐに理解できた。

 私を助けるために使ってくれたグリーフシード、これの代金を要求しているのだ。

 

「あ、え……あ…」

 

 先ほどの感謝の気持ちはどこに行ったのかかえでの心は不安でいっぱいになってしまった。

 軽く呼吸を忘れていたようで、苦しくなってからようやく頭が回り始める。

 

「ど、どうしよう…私、お金なんて全然持ってないのに…」

 

 かえではそんなふうに慌てていたが、そのあと親からの連絡でいくらか冷静になって、とりあえずはいったん家に帰ることにした。

 帰ってしばらくはこの手紙を見て心臓が飛び出るのではないかというほどバクバクなっていた。

 が、誰にも相談できず、紙は机の奥のほうにしまって、見ないようにしていると自然とそのことが頭から離れていった。

 落ち着いたら話そうと思っていたのだけれど、突然の展開過ぎて脳の処理が追い付かなくて、あれも夢だったのかな?と忘れるようになってしまった。

 さっきの面白いことというふうに聞かれて記憶をたどっていくうちに完全に思い出してしまったということだ。

 

 

 

 

「…………あー、あれだ…とりあえず、二人とも無事でよかったよ。

 もう一人で戦うことは極力避けてな」

 

 ももこは私たちを力強く抱きしめてくれた私たちよりも大きな体が、優しく、零れ落ちないように、包み込んでくれる。

 

「………………」

 

かえではさらに、レナとももこにくっ付いて、コクコクとうなずく

 

「ちょっと、ももこもかえでも熱いんだけど…」

 

 それでもまんざらでもないレナの顔を見てももこは満面の笑みを浮かべた。

 さて…と、レナは一度区切り、先ほどの話を追求する。

 

「それで、そのふざけた請求書に再来週の土曜日って書いてあったみたいだけど、いつのなの?」

「えっと…あ、明日」

「すぐじゃない!もう、どうしてもっと早く言わないのよ」

「ごめんなさい…」

「べ、べつに謝ってほしいわけじゃ…」

「ほら、その辺にして、とりあえず放課後にまた集まろうよ。ね?」

「ありがとう…」

「泣かなくていいんだよかえで。アタシ達はチームだからな!」

「そうよ、勝手にグリーフシード渡てきたのにお金要求するなんてありえないわ」

 

 不安にさせないように笑顔を振りまいてくれるももこと、腕を組みながらこちらを心配そうに、そして助けてくれた人を責めるように虚空をにらむレナ。

 二人の親友を頼もしいと思いながら私たちは学校に向けて足を進める。

 二人に話したおかげでだいぶ気持ちは軽くなった、けれども一度は忘れてた不安がよみがえり、今日の授業は

頭に入ってこなかった。

 

 

 

 

「じゃあ、本当にそれでいいの?」

「正式な請求書でもないんだし無視してもいいんじゃない?」

 

 レナとももこはかえでが考えていたことを否定する。 

 ここは新西区にあるカフェ、おいしいコーヒーとケーキが手ごろな値段で食べられておいしいと若い女子に人気のあるスポットだった。

 お店も静かな雰囲気で居心地がよく、座席がきれいに分かれていてほかの人からしゃべってるところが見えにくいうえに、店内に流れているBGMの音量が少し大きいことから、音量に気を付ければ、ほかの人にも聞かれない。

 私たちはよく外で魔法少女のことを相談する時に使っていた。

 

「うん…持ってないものは渡せないし…公園だったら人目もあると思うし…」

「じゃあ、普通に無視でいいんじゃないの?わざわざ足を運ばなくても…」

「で、でも…私のこと助けてくれた命の恩人でもあるから」

「律儀だな…」

 

 ももこはそう言ってため息をつく、みんなはその人が悪いみたいなことを言っているけれど、その人がいなければかえでは死んでいたし、最悪魔女化してみんなを襲っていたのかもしれない。

 こんなふうに代金を求められたのにはびっくりしたけれど、それでも、会ってお礼くらいはしたかった。

 

「まあ、そういうことなら私もついていくよ、1人より2人、2人より3人だ」

「えっ?でも…」

「ここまで話しておいて一人で行くなんて言ったらレナ本気で怒るわよ?」

 

 レナは少し不機嫌そうにかえでをにらむ

 

「レナちゃん…」

「その手紙には一人で来いなんてかかれてないだろ?大丈夫だよ。

 それにもし悪人だったらあたしたちが守れるし、もし善人ならあたしからもお礼は言いたいからさ」

「ももこちゃん…」

「そういうことよ。だからさっさと行ったりしちゃだめだからね」

「…二人ともありがとう…」

「一応、念には念を入れておいたほうがいいかもしれないね」

「ももこ?何かするの?」

「もちろん、この手のことに置いては一番頼れそうだと思う人だよ」

 

 ももこが言うその人というのを私はすぐに理解できた。

 この手の問題というよりかは普通にどんなことでも困ったら相談に乗ってくれそうな人だ。

 前と比べて、交流も多くなり、年上の魔法少女で

近寄りがたい存在ではあったけど、ある事件からかなり丸くなり、今では気軽に頼れる先輩だ。

 

 

 




ピクシブですでに3話分くらい投稿してるので次はすぐに投稿できると思います。
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