「マギアレコード」 Pueri et puellae magicis 作:ゆっくりff
モチベーションという意味でももちろんそうなのですが、オリジナルの小説を作りたくて
ずっと設定を練っていたりしていました。
しかしながら、こうして始めた作品を終わらせずに別の作品を始めるのは
見てくださる皆様に失礼だとおもい、こうして戻ってまいりました。
更新頻度は今までと変わらずになるかもしれませんし、また開く可能性ももちろんありますがアニメも無事好評で終了したみたいで、2期もどうやらやるみたいなのでこうした2次創作で作品を盛り上げていったらいいなと言うふうに考えておりますので、よろしくお願いします
~屋上sideカズキ~
月夜のほうは今の爆発で手を滑らせたのか、手にもっていた笛が、転がっていった。
月咲はサイドステップで一度距離をとり、再度笛を吹いているようだ。
ただ、なぜか分からないが先ほどの全身を蝕む痛みは襲って来ない。
共鳴…といったかもしかしたら、2人でやらないと効果が発動しないのかもしれない。
月夜が笛を落とした今、戦えるのは月咲のみ。ならその仮説を確かめるためにも、ここは月咲を攻撃したほうがいい。
「くらえっ!」
先ほども使った爆発の魔法を使う。直接は狙わずに後ろ、右、右、左、となるべく正面を開けるように爆発させる。
まだ痛みで狙いが定まっていないかのような仕草で相手をだます。
案の定彼女はこちらの体制が立て直される前に、仕留めに来ようと考えたようだ。
月咲は吹いた笛を握りしめてこちらに走ってくる
「月夜ちゃん!今のうちに!」
彼女の声にこたえるように月夜は落ちた武器の回収に向かう。
「させるかよっ!」
月夜も同時に相手をすることで、さらに場を狂わせる。
恐らく月咲の目にはもう俺が何に目を向けているのか分からなくなっているだろう。
つまり…
「っ!?」
そう、先ほど不発に終わったトラップが発動するという事だ。
仕掛けたものは非常に簡単なもので、踏みつけると、軽い電撃を浴びせるというもの。
軽いという名は伊達ではなく、せいぜい一瞬行動を縛れるくらいににしかならない。
「グッ、あ?ぁぁぁぁ!」
普通に攻撃を仕掛けようとするならば、魔法少女である彼女の身体能力を前に一瞬と言う時間は全く意味をなさないだろう。
それでも、弾速と言うのならば話は変わる。
いくら何でもこの速度で繰り出される物体を見切るほどの動体視力は魔法少女になったからと言って変わらない。
心臓を狙い狙撃したところ運よく、ソウルジェムをかすったようだ。これでかなりの痛みを彼女は味わったはず。
これで…と考えたところで強烈な衝撃が俺の頭を襲う。
「がっ!?」
痛む体をなんとか起こしてせっかく攻撃をしていたのに、その衝撃のせいで、フェンスに再度激突する。
衝撃を受けた頭はもちろん痛むが、それ以外も痛みすぎて、正直どこがどのくらい負傷しているのか全然分からない。
遠くでカランと小さな音が聞こえた。
かすむ目で何とか確認してみるとそこには月夜の使っていた笛が転がっていた。
なるほど、確かに一般人なら魔法少女の力を使って笛をぶん投げればそれは致命傷になるだろう。
考えつかなかったわけではないが、正直なところ俺一人で、すべてを賄うのは不可能だ。
「月咲ちゃん。大丈夫!?」
「う、うん…ごめんね月夜ちゃん…」
月咲は月夜の手を借りてゆっくりと立ち上がる。投げつけた笛も回収されて、これで完全に勝ち目がなくなった。
比喩ではなく文字通り、である。
「さて…一般人にしてはなかなか善戦したほうですが…ここまでです。大人しく投降していただけるのなら楽に殺してさしあげます」
「いーよ月咲ちゃんこんな奴さっさと殺しちゃおうよ」
ゆっくりとこちらに近づく2人の和服の少女は、完全に自分たちが形勢逆転したとあって、声のトーンを上げて会話をする。
実際それは正しいし、全身を強打して、ゆがむ視界と痛みで麻痺した脳では彼女達に勝つことはできない。
…そしてそれは逆に言えば、そうなる前の俺だったら一矢報いることができるという事だ。
「うごくなっ!」
彼女達が目的の場所に来たところで大きく声を張り上げる。
勝ちを確信していた姉妹は腹の底から出てきたその大声に驚き、その足を止める。
「…今更、何ができるというのでしょうか?」
「今は、無理だな。だがその前なら…?」
「!?」
その声に月咲が足元をサッと見降ろす。そこにはさっきまでは確実になかったはずの四角の物体が置いてあった。
ピッピッと、リズムよく赤いランプが点滅し、むき出しのコードや、液体の入った小さいビンがついていて、これが何なのか知識がなくてもわかることができた
「つ、月夜ちゃん、これ…」
「ええ、おそらくこれは」
「爆弾だよ」
月夜がそれが何なのかを当てる前に、正解を割り込ませる。
無事だった時の俺が仕掛けたラストチャンスだ。この流れを制するために、まずは会話のイニシアチブを制する必要がある。
「さっきも言ったが、動くなよ。この手元にあるスイッチを押したらここら一帯が吹き飛ぶ。いくら魔法少女と言えどお前たちの位置ならばソウルジェムも消し飛ぶだろうな」
「くっ…」
俺の言葉に彼女たちは遠くから見てもわかるくらいに慌てていた。なるべく動かないようにしながらしかしそれでいて、あたりを見渡し打開策を考えている
「でも、いいの?こんなところで爆発したらあんたも巻き添えくらうじゃない。ここそんなに広い場所じゃないでしょ?」
今の状況を再確認した月咲が自信ありげに声を上げる。
「確かにその通りだな。だが、お前たちは爆心地の中心俺は離れているうえに、背中には脆いフェンス…あとは分かるな?」
「…なるほど、私達は戦闘不能となり、あなたは落下するだけ…普通の人なら助かる術はありませんが、あなたは違う」
と、月夜は納得したように苦虫をかみつぶしたような顔をしているが実際のところは違う。
チェックを掛けられているのは天音姉妹の方ではなく俺の方なのだ。
これは簡単な話で、まずこちらの状態はおおよそ最悪。フェンスから落ちて落下の事はどうにかできるが、落下した後はどうすることもできない。
そして…魔法少女の脚力をもってこちらがスイッチを押す前に跳躍でもしてしまえば、彼女達も助かる可能性が大いにある。
だから彼女達がそれに気が付いたらそれで終わり…
「……」
だが、彼女たちは沈黙している。こちらを睨みつけながらこちらの行動を待っているようだ。どうやらばれることはなかったらしい。
さて次は…と考えていると、下の方から人の声が聞こえ始めた。
ここは魔女の結界内部ではない。戦えば音は丸聞こえだし、遠くから爆発の1つ見えたのかもしれない。
「…どうだ?ここはひとつ痛み分けという事で下がってくれないか?お前たちも人にばれることはしたくないだろう?」
「……」
「ここで大人しく下がってくれるなら、その爆弾は爆発させないでおく。そのまま下がって離れろ。ああ、悪いがトラップはそれだけじゃないそのまま回れ右をしてくれよ?」
「クッ…!」
彼女たちはしばらく悩んでいた。だが、口元にもっていった笛を下ろして、緊張からくるであろうため息を吐く
「分かりました。どうやら私達の想像以上にあなたは厄介な相手なようです。次の対策を考えると致します」
「ふん!命拾いしたね。」
彼女達もどうやら一般人に見られるのは避けているようだ。一般人もろとも…という過激な考えは持っていなかったようだ。
そのまま反転して、ビルからビルへと飛び移る。
それを薄れゆく瞼で見送ったあと、葉巻を取り出し火をつける
「…とりあえず、命は無事だな…体のほうは、いつ治るか…また魔法に頼る必要があるな」
今回の戦いは勝利と言っても差支えないだろう。マギウスの事情を把握して、敵の実力も理解できた。
代償は大きかったが、それを差し引いても十分な戦果だと言えるだろう。
「みかづき荘のやつらに、なんていえばいいんだか…」
一緒に住んでいる以上、自分がボロボロになった事を隠すのは不可能だろう。やちよはもちろん最近は他の人も優しい人ばかりだ。きっと心配させる
「痛ッ…クソ、回復してる暇はない、か。」
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。爆発音を聞いた人が連絡をしたのだろう。
警察か、消防か遠くてどちらかは分からないが、どっちでも面倒なことになる。
痛む体を引きずって、廃墟を後にする。
~みかづき荘~
あたりにいる人間にこんな血まみれの姿を見せるわけにはいかない。
魔法も駆使して、他の人間に見つからないように、みかづき荘には普段以上警戒しながら道を選ぶ。
いつも通っている道を使っているのに、みかづき荘に到着するのに、2倍以上の時間がかかってしまった。
道路などに血が付着していると流石にDNA検査などでばれてしまうため、これまた事故処理が楽になる魔法を使いそもそも血をなかったことにしてある。
止血もすでに澄ましてあるが、だからといって失った血液が戻ってくるわけではない。
「はぁ…畜生、めが…」
病院に駆けこむ選択肢ももちろんあるが、それは最後の手段となる。
何故怪我をしたのか?その説明ができないからだ。流石にこの傷の深さはごまかしがきかない
ゆえに、今彼が頼ることができるのは、魔法少女のみである。
長い道のりを、引きずるように足を動かして、何とか視界に飛び込んできたみかづき荘。
正直今まで、居を構える事はある理由からしなかった。
やちよの誘いに乗ったのも、やちよだったからというのとこの神浜の状況が異常だから、信頼できる味方がほしかったというのがある。
それでも…やはりこういった状況では、安全な拠点と言うのはたどり着くだけでも安心感が全く違う。
「フゥ…」
彼は自分自身でも気が付かないうちに小さく笑うようにため息をつき、みかづき荘の呼び鈴を鳴らす。
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「カズキ君!本当に大丈夫なの?」
「問題ない…と言いたいところだが、すまんがしばらくは回復に専念する」
帰ってくると案の定みんなに心配されたが、マギウスに関してはしゃべれらないでおいた。
確証の得られる情報は何もなかったし、おそらくこれくらいなら彼女達も知っているだろうと思っている
もし、仮に知らなかったとしても、やちよの敵に彼女の親友がいるという事を知るだけだ。
「ほんとに大丈夫かよ!」
「魔女…なんですよね?」
「私達を呼んでくれればよかったのに…」
マギウスと戦ったという事を伏せた代わりに、魔女によってやられたということにしておいた。
まあ、日常的にという訳ではなが、魔女と戦ってこうなることもあるときはある。
「悪かった。ただ魔女の口づけを持った奴が何人かいてな、行けると思ったんだが最後にしくじった」
「ほら!質問攻めしたいのもわかるし、私も文句言い足りないけど、今は回復に専念してもらいましょう。いろは一緒に来てくれる?」
「は、はい!」
さすがに、階段を上がるのにこの体は不安と思ったのかやちよといろはにもたれ掛かるように移動する。
自分が思っている以上に体が衰弱していたようだ。
「カズキさん本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫ではないが、初めてではない。死にはしないから安心してくれ」
納得いかないような顔をしているが、本人がいいといっているからか、おとなしく引いてくれた。
部屋に運ばれた後、ベッドにもたれかかってぐったりとしている間に、やちよといろはがいろいろと治療の準備を進めてくれたようだ
「はい、これ包帯とかもろもろ…いろはの治療とかは使わないのよね?」
「ああ、人体に強引な治療がどうなるかわからないからな。今までが大丈夫でも次がダメかもしれない。自然治癒能力を上げる魔法は使うが、それだけだ」
「カズキさんとりあえず、手伝いますから上は脱ぎましょう…血もついちゃってますから…」
血や砂等で汚れたTシャツに汚れる事も構わずに、やちよといろはは着替えの手伝いをしてくれる。
包帯も自分で巻こうとしたが、頼れるうちに頼っておきなさいとやちよに取り上げられたので大人しくその治療を受けることにした。
「カズキ君…本当に無茶はやめて頂戴…あなたの帰ってきてた姿を見た時、心臓が張り裂けそうに感じたわ」
「大げさな…と言いたいところだが、そうだったな。まだ失ってから1年、慣れるわけないか」
「それだけじゃありませんよ!カズキさん。やちよさんはチーム再形成したばっかりですから。あんまり心配させないでください!」
包帯を巻くのをやちよに任せたいろはは、濡らしたタオルを使って手や顔といった汚れた位置をきれいにふき取りながら力強く言った。
「痛ッ…もうちょい優しくやってくれ…」
「あ、すみません……でも、本当に無茶しないでくださいよ。私も…心配しちゃいますから…」
「悪かった。悪かったからもう少し優しくしてくれ」
降参とばかりに、カズキは空いた手をヒラヒラと振る。
その後は正直疲れも相まって、カズキは無言に、それを察した二人も無言で彼の治療を続ける。
…多少、誰かさんが安全を身近に感じたいためか、頬を赤らめながら彼の裸体をなでたりしたが、何とか治療は終わった。
「慣れることはないな…」
「カズキさん、どうしました?」
「いや、悪い何でもない。助かった」
「いえいえ、皆心配してます。早く治してくださいね」
いろはが部屋を出て、静かになった部屋でカズキは今日の出来事を思い出す。
いつになっても慣れるわけがない。仲間が敵になる瞬間など、慣れるはずもない。
けれど、それで情けをかけるつもりはない。それをして勝つことができるほど強くもないし、今はこちらにも新たな仲間がいる。
いつまでもうじうじしているわけにはいかない。年長者として、一番の年上として、一緒にいる以上彼女達は間違いなくこちらの背を追うことになる
「だが…それでも今は…」
今くらいは、こんな運命になったこの世界を呪う事くらいの弱音を見せるのはいいだろう。
次回か次々回でいよいよ第8章。原作では第2回目のマギウスとの全面突撃となります。
ここからオリジナルの展開やキャラが混じってストーリーが進んでいくので、ぜひ楽しみにしていただけると幸いです
※定期
ネタを募集しています。
この魔法少女と絡ませてほしいとか
この魔法少女とのこんなシーンが見てみたい
カズキの使う魔法など、
一人で考えるのも楽しいですが、皆様の
発想はおそらく私にはないものですので
ぜひ、ご意見いただけると幸いです。
よろしくお願いします