「マギアレコード」 Pueri et puellae magicis   作:ゆっくりff

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8章が始まりました!
原作とはかなり変わります。ここからこの話オリジナルの展開に繋がります。
お楽しみにしてください!


戦いの序曲1

 ピチョン……ピチョン……

 定期的な水滴恩が響き渡るこの廃墟に一人の人間が足を踏み入れる。

 あたりを引っ切り無しに警戒し、慎重に一歩ずつ入っていく。

 このコンクリートの床でただの一つ足音が出ていないのは、その人物がよほどの手練れ…という訳ではなくもちろん魔法のおかげだ。

 月明かりすら差し込まない夜の暗闇の為、フードを深くかぶっている彼…カズキを視認することは不可能に近いだろう。

 

「さて…次はここだが…」

 

 すでに怪我の治療は終えていて、周りの反対を押し切り彼は即座に行動に移した。

 あそこまで大々的に動いたマギウス達が今まで以上に活動を活発にさせるのは予想がしやすいからだ。

 とはいえ…規模が大きくなってきたマギウスの翼をとらえるのは簡単だが、マギウスをとらえるのがなかなかできない。

 相手もさすがに警戒をしているようで、こうして…

 

「っち…罠か」

 

 あたりが突如として包み込まれる。魔女の結界とはまた違う。

 ダレカラキイタ…?モウキイタ?そんな奇妙な文字が空間をめぐり、先ほどまであった廃墟は一瞬にしてその様子を変える。ウワサと呼ばれる化け物だ。

 残念なことに現状カズキがウワサに対抗できる手段はない。

 そもそも一般人は認識すらできないのだ、彼が認識をしているのは、あの時いろはが教えてくれたからに過ぎない。

 …そして認識できても手は出せない。その場にいるのにわかるのに、干渉することができないのだ。

 つまりのこの状況は逃げることしか出来ない。

 

「さて…逃げ切れるか…」

 

 切り札級の使用も視野に入れて、カズキはこの場から逃げる算段を計算し始めた。

 

 

 ☆

 

 

「ふぁ~…おはようございます」

「あら、いろはおはよう。今日は遅かったわね」

「ごめんなさい、少し夜更かししちゃって…」

 

 朝食はすでにやちよが用意していたようだ。

 相変わらず居候よろしく朝からいる鶴乃を合わせてすでに3人は朝食を取りながら楽しく談笑しているようだ。

 

「あのゲームのアニメすごかったよな!」

「うんうん!すっごく燃えたよね!」

「て、展開がおかしすぎて…私にはよく…」

 

 いつだったか落ち込んでいた鶴乃も最近はこころから元気が戻っているようだ。

 …なんだかカズキへの絡みが異様に増えたのに目をそらしながら…

 

「そういえば…カズキ君まだいないの?」

「私も何度か連絡をしてるのだけれど、つかないわね」

 

 鶴乃の疑問にやちよは寂しそうに首を振る。

 

「まったく!何かやってるなら言って欲しいものだよ!ふんふん!」

「いつもの事とは言え…そうね。あれだけ魔女に痛みつけられたのに…困った人」

「やちよさん今日は作戦会議、でしたよね?」

「ええ、そのために十六夜に会いにいく手はずになっているから準備ができたらメイドカフェに行きましょう」

 

 鶴乃のウワサ化、みかづき荘の面々は知らないがカズキへの襲撃を皮切りにマギウスの活動が活発になってきている。

 被害は魔法少女にとどまらず、一般時にも回っているとあって、魔法少女の界隈では緊張が高まっている。

 

「カズキさんについてはどうするんですか?東で活動してるんでしたっけ?」

 

 さながなげかけた疑問にやちよ達は頭をかしげる。

 彼の行動理念や行動力からかかわりを持っていたとしても、何ら不思議はない。ただ…

 

「少なくとも…十六夜とカズキ君からは何も連絡貰ってないわね。

 カズキ君はともかく十六夜なら、魔法少女に干渉できる男性がいるならちゃんと報告してくれると思うのよね」

「うーん…確かに!でもカズキ君ならあの十六夜ですらも口だけで圧倒しそう…」

「あはは、そうかも……ちょっときになってきちゃった…」

 

 鶴乃の思わずな発言に十六夜とカズキを知る。

 十六夜はこの神浜で東側の魔法少女に慕われているリーダーだ。

 西のやちよ東の十六夜と昔は敵対関係にあったが、魔女の急激な増加とマギウスとの闘いのおかげで最近は冗談を言い合えるようなくらい仲のいい関係になってきた。

 やちよとどっちが強いのかと、2人を知っている人ならだれもが疑問に思う問題だというのは有名だ

 

「じゃあさっそく行こうぜ!」

「カズキさんの事どう説明しましょうか?」

「流れに寄るわね…まあ、私に任せて頂戴」

 

 こうしてみかづき荘の面々は準備を進めて十六夜が働くメイド喫茶へと向かった。

 

 

 ☆

 

 

「待たせたなご主人たち…これがはぁとふるオムライスだ」

「おお!これが!」

「おいしそう!…あ、ケチャップを…」

「ももこちゃん、ちょっときょろきょろしすぎじゃない?」

「ばっ!?そんなこと…ないよ?」

「目…泳いでるわよ?」

 

 途中で合流したももこ、レナ、かえでと十六夜の働くメイドカフェにやってきていた。

 重い話をやりに来たわけではあるが、そこは思春期女子。

 少しはこうして可愛いもので騒ぎたいというものだ。

 

「店長さん何か言ってた?」

「ん?いや、好きに使ってくれて構わないと言っていた。あらかじめ自分が許可を取っておいたのが良かったな」

「そう…悪いわね。十六夜」

「気にするな」

 

 少し笑みを浮かべて十六夜はコクコクとうなずく。

 たとえ許可を取ったとしても、ここが普段営業中の店であることには変わりない。

 年長者として、皆を集めて、作戦会議を始めようとするが…

「あら…こんな時に」

「あれ?やちよさん、電話ですか?」

「ええ。仕事は特になかったはずだし…誰かしッ!?」

 

 と、突然やちよは取り出したスマホを落としそうになってしまった。

 騒いでいた他の子は気が付かなかったが、近くにいたいろはと十六夜は怪訝そうな顔を見せる

 

「や、やちよさん?大丈夫ですか?」

「電話が来るだけでそんなに驚く相手だったのか?」

「…カズキ君からよ」

 

 その言葉に十六夜は首を傾げ、いろははハッと目を見開く。

 

「今まで連絡くれなかったからびっくりしたのよ」

「あはは…確かに唐突ですね。でも、カズキさんらしいです」

「カズキ?環君も知っているってことはみかづき荘共通の知り合いか?」

「はい、今度紹介しますね。」

「名前的に男…だろう?珍しいな」

 

 いろはと十六夜の事情を知っている人から聞いたらかみ合わないこの会話をよそにやちよは素早く電話にでる。

 

「もしもし?カズキ君?どうかしたのかしら?」

「……………」

「カズキ君?」

「……………」

「…?」

 

 通話がつながっているのに声がこない…というのは周りから見ている人でもわかる反応という訳で、2人はも声を聞きたそうに少しだけ近づく。

 そこから大きな爆発音のようなものが聞こえたのは同時だった。大きな音にやちよは思わず顔をしかめ、必死に声をかける

 

「カズキ君!カズキ君!返事をして!」

 

 その大きな声は騒いでいた他の面々にも聞こえたようで、カズキと言う名前を必死で叫ぶやちよにみかづき荘の面々は険しい顔をして近づいた。

 

「あ˝ー……ゴホッ!ゴホッ!…大きい声、出さないでくれ…頭に響く…」

「カズキ君!大丈夫…なのよね?」

「心配すんな…まだ、動ける」

「心配すんなじゃないわよ!…もう、いやなの…お願い、もっと自分大事にして、私を…安心させてよ…」

「…無理だ。気持ちはうれしいが、あきらめてくれ。」

「カズキ君……」

 

 やちよの語り掛けもむなしく、カズキは自分の考えを変えようとはしなかった。

 

「それより…伝えたいことがある。手短に行くぞ」

「まって、まってちょうだい!今作戦会議をしているの。マギウスの対策よ。

聞かせて大丈夫かしら?」

「…まあいい。スピーカーにしてくれ」

 

 カズキから了承を得るとやちよはスマホをスピーカーにして机の上に置いた。

 

「カズキ君からの連絡よ。マギウスについて大事な話があるみたい。」

「えーと、それより1つー」

「ごめんなさい。全部…この通話が終わったら説明するから、お願い、質問は後にして頂戴」

「あー…うん。分かったよ」

 

 ももこの質問は予想できた。カズキとは何者か。気になっている人は多いと思う。

 が、今はカズキの為にも早く予定を済ませてあげたかった。

 

「ありがとう。後でちゃんと説明するわ」

「ああ、頼むよ。やちよさん」

 

 リーダー同士が納得したため、ほかに声は上がるはずもなく、カズキは話し始めた。

 

 

 

 

 




※定期
ネタを募集しています。
この魔法少女と絡ませてほしいとか
この魔法少女とのこんなシーンが見てみたい
ありましたら是非感想や、メッセージにてリクエストしてください
なるべくお答えするように頑張ります!
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