「マギアレコード」 Pueri et puellae magicis   作:ゆっくりff

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描写を細かくしよう、しようとして読みにくくなっているような…
ま、まあこれが楽しいのでやめられないというか自分の妄想が少しでも
皆さんに届けたいと思っているからこうなっちゃんですけどね…


ウワサの男3

男は弓を構えるのをやめると凸凹斜面を

危なげなく滑り、こちらに向けて

走ってくる。魔女の方も、矢の位置から

敵を予想したのか、1本の触手を

男に向けて、高速でのばしてくる。

 

「あ、危ないです!」

 

思わず叫んでしまったが、男性は自身の

武器である弓をあっさりと手放すかの

ように弓で受け流す。弓は思いっきり

曲がって、もう引くことはおろか

修理すら出来ないだろう。

壊れた弓をそのまま捨てて攻撃後の

隙で動けない触手に向けて

背負っていた矢を突き刺す。

硬い岩で覆われているはずの

その体にあっさりと矢を突き刺したのも

驚きだが、その矢の突き刺さった場所

から徐々に氷ついていくのも驚いた。

この時点であの男が普通の人ではない事

が確定したようなものだ。

触手を防いだ隙に男はこちらに向けて

走ってくる。

 

「おい大丈夫か?」

 

「え?あ、はい…なんとか」

 

何ともなっていないが急に

話しかけられてつい嘘をついてしまった

 

「どう考えてなっているようには

見えないが、まあいいだろう。」

 

嘘はあっさりと見破られた

 

「それよりお前これからどうするつもり

だったんだ?」

 

「え?えっと…治療して…」

 

「治療できるのか?」

 

「は、はひ!」

 

男が少しトーンを上げて話してきたのと

急に割り込まれてびっくりして変な声を

出してしまった。

 

「彼女たちを助けたいんだろ?

なら協力しろ、彼女を助けてやれる」

 

私の答えを聞いてからたっぷり悩んだ後

男はこう答えた

 

「は、はい!」

 

やちよさん達を助けるという事は

魔女を倒すという事。

素性は分からないし、敵かもしれない。

この男の強さも分からない。

怪しさしかないが今はこの人に

賭けるしかない。男は少し驚いたような

素振りを見せてから

 

「よし治療ができ次第戦線に

復帰してくれどっちの魔女と戦うか、

それはお前たちに任せる。

俺はあっちのクラーケンを抑える」

 

そう言い残すと矢筒を無造作に放り投げ

シースベルトから大型のナイフを

取り出す。シンプルなデザインで

若干反りの強い、ガラスのように

磨き上げられたそれは市販でお目に

かかることはないだろう。

あれは間違いなく武器目的で作られた。

いろはは治療の魔法を使いながら、

改めて男を観察する。

 

「------!」

「---」

 

クラーケンの注意を引きながら

鶴乃と何やら口論をしている。

少ししたら鶴乃がしぶしぶといった

顔をして戻ってきた。

 

「どうしたんですか?」

「あはは…体力の限界見抜かれちゃって

治療してから戻ってこいって」

 

少し眺めてて分かったことだけれど

男の身体能力ははっきり言えば最低だ。

いや正確には魔法少女と比べてだけれど

魔法少女でもあんなに遅い脚の人は

いないし、攻撃だって跳躍で回避すれば

いいものをわざわざ受け流しをして

回避する。この身体能力にいろはは

心当たりがあった。そう一般人だ。

魔法少女の超人的な力を見慣れたせいで

忘れていたが、彼の能力は

一般人のそれとなんら変わりない。

あれでは魔女を相手にすることは

出来ない、そう思っていた。

 

「すごい…」

 

彼の戦い方を見ていろはは思わず

口にする足払いを仕掛けてきた触手に

彼は絶妙のタイミングで飛び、

その振るってきた触手に着地する。

そして即座にそこから跳躍、

第2波を高跳びの要領で回避する。

残った最後の触手の攻撃は、

体をひねって回避する。

ちなみに当然といえば当然だが、

落下中に体を攻撃を回避できるほどに

ひねるなど常人には不可能である。

その後も彼は本当にギリギリの

タイミングで回避を続けた。

手持ちのナイフと身体能力だけを

頼っているようだが、本当に回避しよう

のない時だけなぜか超人的なパワーが

出たり、魔法…?のようなものを

使っているように感じた。

 

「いろは?」

 

「フェリシアちゃん!?目覚めた?」

 

治療を続けていたら、フェリシアが

目を覚ました。ソウルジェムも

安定している。穢れもたまっていない

これなら戦線復帰も可能だろう。

 

「よかった…」

 

「よかねーよ…痛ててあいつ、

どうなった?」

 

「あそこで…」

 

フェリシラが顔を魔女に向けると

怪訝そうな顔を浮かべる

 

「誰だよあいつ?」

 

「今朝…話あったでしょ?

多分その人かなって」

 

なんだそれと言わんばかりに、頭に?を

浮かべるフェリシアに少し苦笑しながら

 

「ほら魔法少女を助けてくれるっていう

謎の男性の話だよ」

 

「……ああ!てことはあいつ、

味方なのか?」

 

「う、うん」

 

噂の男性と決まったわけでもなく、

味方だとわかったわけでもないけれど、

それでも悩みの種を増やすよりかは、

味方だと信じるほうがいいといろはは、

判断した。彼がいなかったら鶴乃が

やられていたし、今こうして、話して

いることはないだろう。

 

「フェリシラちゃん動けそう?」

 

「まだ、無理そう…」

 

「私も、状況変わったから少し休憩

したいかも」

 

魔法で強引に治療を行ったがための

後遺症のようなもの、感覚がまだ麻痺

しているのだ。鶴乃は戦線離脱

したばかり、となれば…

 

「私たちであの人を援護しよう」

 

「は、はい!任せてください」

 

いろは胸の前で拳を握りさなは

改めて盾を構えなおす。

手短に作戦会議を終わらせた二人は

クラーケンのほうに攻撃を開始する

やちよよりもあの人のほうが弱い

と判断したためだ。

 

彼の邪魔にならないように慎重に

狙いを定めて掃射を開始する。

残りの3本の触手はすべて彼と

さなが引き受けてくれるため、

私は伸び伸びと射撃を行える。

触手の攻撃動作がこちらに向いたら

彼はその触手へ攻撃を行い妨害する。

こちらの攻撃をやめて彼に攻撃を

行おうとすれば今度はアンカー…

さなの盾から飛び出た物がそれを

阻害する。

 

「緑髪の!後ろだ!」

「!」

 

彼の叫び声に戸惑いながらも反応する

彼の武器は目で見えるもので短剣。

当然ながら射程は無いに等しい。

なので彼の攻撃が届かない所から

攻撃が開始されればいろは以外

防ぐ手立てはない。

いや、正確には彼にもできると思う

のだけれど、まだ私たちは詳しい事

は理解していないだけだと思う。

 

「あ、当たって!」

 

彼の忠告で触手の攻撃に反応できた

さなは、アンカーを勢いよく飛ばして

正面からぶつける。アンカーと触手は

衝撃で、速度を落として明後日の方向

に吹っ飛ぶ。

 

「次がくるぞ!後ろだ!」

 

後ろを向いたことで、さなの背後は

逆になった。その無防備な後ろから

また攻撃を仕掛けてきたようだ。

さなは、自由落下を開始するアンカー

をもとに戻さず、モーニングスターの

ようにアンカーを振り回して、

触手に攻撃を行う。

私はそれに合わせて本体に向けて狙撃

攻撃後の硬直をしている触手が消滅

する。これで残り2本。

 

「くたばれ」

 

さなの攻撃で硬直していた触手へ

彼が手のひらを向けると

業火に包まれる。逃れようと

バタバタ暴れまわるが、それを

あざ笑うかのように追尾する。

力尽きたかのように暴れるのを

やめると、ようやく残り1本と

いろはは安堵をする。

 

「わっ!?」

 

しかし彼は攻撃の手をやめず

流水で作られた刃…やちよさんが

使っていたのと同じような魔法…?

を使い触手をめった刺しにする。

触手はそこでようやく虚空に消える

 

「ぼさっとするな、1度見ただろう」

 

「あ…は、はいすみません…」

 

そうだ、さなは先ほどそれでやられた

 

「しかし、これでラスト…

次で決める。合わせるから全力で

やってくれないか?」

 

「私が合わせなくていいんですか?」

 

気の知れた相手ならともかく、初対面

でのペアだ。前衛の彼より後衛の

自分が彼の動きに合わせて、攻撃を

行うべきだろう。

 

「心配するな、うまくやるさ」

 

しかし、彼は自信満々に告げる。

 

「わかりました、後…私はいろはです

そう、呼んでください」

 

「いろはか…よし、わかったよろしく

頼むぞいろは」

 

名前を名乗ったらそっちも名乗るのが

基本…って思っていたが、

彼は名乗らずそのままナイフを構えて

走り去っていった。仕方なくいろは

は攻撃を開始する。

 

~sideさな~

 

先ほどまではあれほど苦しめられた

クラーケンだが、触手の数が1本

となれば戦況はこちらが優勢となる

現状本体が一度も攻撃を行って

来ないため、あれが最後の攻撃

手段になる。

彼の攻撃も先ほどとは打って

変わって、攻め寄りに転じていた。

 

「ふっ!はっ!」

 

流して、斬りつけ、受け止めて、

斬りつけて、斬りつけて、

流して…彼は1点を軸に動かず、

襲ってくる攻撃のみに対抗している

 

「いきます!」

 

しかし、攻撃をやめて後退したが最後、

私といろはちゃんの攻撃が待っている

私の攻撃はアンカーだけではない。

開いた盾の虚空から今度はギロチン

を思いっきり射出する。

物体の斬れる、鈍い音が結界内部に

響き渡る。

 

「さなちゃん!」

 

「はい!」

 

本体に攻撃が入ったことで触手の

攻撃が鈍くなる。触手の攻撃が

鈍くなればそれだけ彼の攻撃を

防げなくなる…パターンにはまれば

大したことはない。ほどなくして

クラーケンは倒れる。

 

「ふう…終わりました、よね?」

 

開いていた盾を閉じてようやく気を

下ろせた。よかった…なんともなく

終わってよかった。安堵でため息と

一緒に瞳が閉じる。そういえば、

彼は…と意識を向けようとした。

彼女の意識はそこで途絶えた。

 

 

~sideいろは~

 

 

「さなちゃぁん!!!!」

 

ものすごい勢いで視界を横切る

さなちゃんを目で追いかける。

ズドン!と大きな音とともに、

その抑えきれない衝撃が地面を

揺らす。さなちゃんが高台に

激突したのだ。

 

「え、え、えっと…ど、どうすれば

そうだ!や、やちよさん」

 

まずはやちよさんに指示を…と

思った所で、さなちゃんが何に

飛ばされたのかを思い出す。

そうだ…ここには魔女は2体しか

いない。つまり…

 

「ぱ、パペット!」

 

パペットの相手はやちよさんが

していた…つまりパペットがこっち

に攻撃を仕掛けてきたということは

 

「や、やちよさん?どこですか!」

 

一瞬先ほどまで戦ってた場所を

見るが見当たらない

やちよさんか、さなちゃん…

どっちを助けに行けばいいのか?

もちろんそんな究極の選択に

即座に答えが出るわけがない

 

迷っているうちに彼女の視界の端

にこちらに向けて走ってくる、

彼の姿を目撃する。彼はまっすぐ

さなちゃんに向けて走っている。

そして横切る瞬間に、彼の

左薬指についていた指輪が

光を放つ。

 

すると彼の周りに魔方陣が現れ

虚空から鎖が飛び出す。先端部分に

矢じりのような物が付いていて、

それらがまるで意思を持っているかの

ようにさなちゃんに向けて繰り出される

ん…?

 

「ちょ、ちょっと何してるんですか!?」

 

流れるような動きだったから疑問に

思うまで少し時間がかかっちゃったけど

ここからじゃ確認できないけど、

おそらくさなちゃんは意識を失っている

なので当然さなちゃんはよけられない。

そして、彼の鎖の軌道に魔女はいない。

まさか…彼は私たちが疲弊するのを

待っていたのだろうか…?

どちらにしろ、今の私はあまりの出来事

で脳が追い付かず行動を起こせない。

鎖がさなちゃんに接触する…同時に

その辺りが猛烈な砂ぼこりと強烈な衝撃

に見舞われる。

 

「ぱ、パペット!」

 

さなちゃんを狙っていたのは彼だけでは

ない。パペットも追撃をしようと、

準備を進めていたのだ。

 

「さな……ちゃん!?」

 

砂ぼこりで見えないが、視界の端で

何かが高速で上に上がっていくのを目に

する。それはさなちゃんだった。

彼女の武器である、盾はなく鎖に

繋がれてどんどん上にそして、魔女から

離れていくように吊り上げられていく。

そのまま、彼女に繋がっていた鎖が

離れてさなちゃんが空中に放り出される

 

錐もみ回転しながらさなちゃんは重力に

したがって落下していく。体制を

整えようとしていないところを見るに

彼女はやはり気を失っているようだ。

このままじゃ彼女はそのまま落下、

いくら魔法少女といえど傷を癒すのに

あっという間に魔力を使い切ってしまう

だろう。だが…彼はさなちゃんを

助けようとせずそのままパペットの方に

向かっていった。

投げとくだけ投げといて無視!?

と思ったが、彼のおかげで魔女の攻撃

から守ることができたので強く言えない

今度こそ私が…と足に力を入れた

ところで私はありえない言葉を

耳にする。

 

「お前に任せるぞ!やちよ(・・・)!」

 

そう、彼がやちよさんの名前(初対面の人の名前)

呼んだのだ。しっかりと大きな声で。




ここだけ見ると主人公強く感じますね…
一応そこまで強い設定はないはずなんですけどね。
話を進めていけばわかると思いますので、お楽しみにしてください
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