ISfA~インフィニット・ストラトスフォーアンサー   作:穴掘り屋の妖精

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第十二話 イレギュラー

アリーナの中では―

 

「くっ……!」

 

必殺の間合い。だが、俺の斬撃はするりとかわされてしまう。

 

これで合計四回目のチャンスを逃したことになる。

 

「一夏っ、馬鹿!ちゃんと狙いなさいよ!」

 

「狙ってるっつーの!」

 

普通ならかわせるはずのない速度と角度で攻撃している。けれど、敵ISは全身に付けたスラスターの出力が尋常ではないのだ。零距離から離脱するのに一秒とかからない。しかも、どれほど鈴が注意を引いても俺の突撃には必ず反応して回避行動を優先する。

 

(これじゃレイを相手にしてるのと変わらないぞ…参ったな)

 

「一夏っ、離脱!」

 

「お、おうっ!」

 

敵は攻撃をかわした後必ず反撃してくる。しかもその反撃の方法が無茶苦茶だ。でたらめに長い腕をぶん回してコマみたいに接近してくる。しかも、ビーム砲撃までしてくるのでたまったものじゃない。

 

「ああもうっ!めんどくさいわね!」

 

鈴が焦れたように衝撃砲を放つが敵の腕は見えない衝撃をたたき落とす。これももう七度目にのトライだった。

 

「…鈴、あとエネルギーはどのくらい残ってる?」

 

「140ってところね」

 

「ちょっと厳しいわね、今の火力じゃあいつのシールドを突破して機能停止させるのは確率的に一桁台ってところじゃない?」

 

「なぁ、鈴」

 

「なに?」

 

「アイツの動きってなにかに似てないか?」

 

「コマみたいっていうんじゃないでしょうね?」

 

「そりゃ見たまんまだろ…あれだよ、昔自動車メーカーが作った人型ロボットいたろ?」

 

「いたっけ?」

 

なんだ知らんのか?ア○モだよ。アシ○

 

「いや…なんか動きが機械じみてないか?」

 

「ISは機械よ?」

 

「そうじゃなくてだな…あれ、ほんとに人が乗ってんのか?」

 

「は?ISは人が乗らなくちゃ―」

 

とそこまで言って鈴の言葉が止まる。

 

「そういえばアレ、私たちが話してるときってあんまり攻撃してこないわね。まるで、興味があるみたいに聞いてるような…」

 

思い返すように鈴が今までの戦闘を振り返る。その顔はいつになく真剣だ。

 

「仮に、仮にだ。無人機だったらどうだ?」

 

「なに?無人機なら勝てるっていうの?」

 

「ああ、人が乗っていないなら全力で攻撃しても大丈夫だしな」

 

≪雪片弐型≫の威力は、零落百夜と含めて恐らく高すぎる。訓練や学内対戦で全力を使うわけにはいかないが、無人機なら最悪の事態を想定しなくていい。

 

―それに、一つ策がある。

 

「全力も何もその攻撃自体が当たらないじゃない」

 

「次は当てる」

 

「言い切ったわね。じゃあ、そんなこと絶対にあり得ないけど、アレが無人機だと仮定して攻めましょうか」

 

「一夏」

 

「ん?」

 

「どうしたらいい?」

 

「俺が合図したらアイツに向かって衝撃砲を最大威力で撃ってくれ」

 

「?いいけど、当たらないわよ?」

 

「いいんだよ、当たらなくて」

 

そう、策があるのだから

 

「じゃあ、早速―」

 

俺が突撃体勢に入ろうとした瞬間、アリーナのスピーカーから大声が響く

 

「一夏ぁっ!」

 

キーン…とハウリングが尾を引くその声は、箒のものだった。

 

「な、なにしてるんだ、お前…」

 

「男なら…男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」

 

大声。またしてもキーンとハウリングが起こる。

 

「………」

 

―まずい!気がつくと、敵ISは今の館内放送、その発信者に興味を持ったようだtった。俺たちからセンサーレンズをそらし、じっと箒を見つめている。

 

敵ISはビーム砲口を箒へと向け

 

「箒、にげ―」

 

ドガァアアン!

 

まさにビームを箒にむけて放とうとした瞬間、その黒い体躯に一条の光が直撃した。

 

「レーザー?セシリアか?」

 

キュイイイン!ズガン!ズガン!ズガン!

 

さらに3本のレーザーが敵ISを穿つ

 

上を見上げてみるとそこには―

 

「レイ!?」

 

敵ISが破ったアリーナの天井の穴からレーザーライフルを構えて狙撃をしているレイがいた。

 

「とっととそこの馬鹿を退避させろ!こいつは俺一人で倒す!」

 

レイからオープン回線で通信が入る。

 

「一人でって…」

 

「いいから早くしろ!今のお前らじゃ足手まといなんだよ!」

 

敵ISはレイの姿を確認すると急上昇して接近、ビームを放つがレイはそれを身を逸らすだけでかわす。

 

「足手まといって、そんな言い方ないだろうが!」

 

「一夏、レイの言うとおりよあたしたちの火力じゃどの道倒せない。まかせましょ」

 

鈴がそういって窘める。

 

「…っ」

 

中継室に向かい箒とのされている審判とナレーターを安全なところに逃がすのが先決なのは確かだ。

 

 

 

 

 

一方レイは―

 

「来い。お前の相手は俺だ。ぶっ壊れた人形が!」

 

ハイレーザーライフルHLR01-CANOPUSと遠距離戦用レーダーを格納してスプリットムーンの装備を展開する。

 

どうやらゴーレムⅠの注意は完全にこちらに向いてくれたようだ。

 

「よそ見すんなよ!」

 

MOONLIGHTの出力リミッターを解除しキルモードにする。

 

MOONLIGHTを含めホワイトグリントにインストールされているエネルギー武装は出力が高すぎて最大出力での使用した場合、一撃でとはいかないが連続で攻撃を当てた場合、相手のISの絶対防御が防ぎきれず貫通、操縦者を殺害してしまう。そのため束にリミッターを付けてもらった。だが、相手は無人機、そして束の情報が漏れる可能性があるので頭部にあるAIを内蔵した端末は完全に破壊する必要がある。

 

OBを起動させ突撃、MOONLIGHTを一閃し、ゴーレムⅠの右腕を斬り落とす。すぐさまクイックターンで振り向きスラスターをマシンガンで撃ち破壊する。

 

主要なスラスター6つの内4つを破壊されたゴーレムⅠの機動力は著しく低下した。だが補助スラスターをフル稼働させ、低下した機動力を補い反撃をしかけてくる。

 

「やはりシステムのバグか…同じ行動パターンを繰り返している。決めるか」

 

マシンガン03-MOTORCOBRAを格納、MOONLIGHTを呼び出しQBで接近する。

 

「喝っ!」

 

ビームを放ちながら腕を振り回して接近してくるゴーレムⅠの左腕を斬り落とし―

 

刹那の内に両足と頭部を斬り飛ばす。

 

「終止…」

 

地上に降り、斬り落としたゴーレムⅠの頭部を回収、破壊する。

 

「ふぅ、これで一件落着か…」

 

「レイ!終わったのか?」

 

「ああ、だが同じ行動を繰り返すだけの無人機に手こずっているようでは、まだまだだな。」

 

「あれってやっぱ無人機だったのか?」

 

「見りゃ解るだろ。動きが完全に人の関節の動きを無視したものだった。人が乗ってたら見るに耐えないスプラッタになってる」

 

「そうか…」

 

「お前にはまだまだ強くなってもらわんとな、クラス代表としても。今回みたいなイレギュラーはそうないだろうが、今後一切ないとも言い切れんしな」

 

「お、おう」

 

「そうね。確かに今のまんまじゃ弱すぎだもん」

 

鈴が追い打ちをかける

 

「鈴もまだまだ未熟だがな」

 

「なっ」

 

「未熟だからこそ、ここで学ぶ意義があるんだ。俺とて技術はあっても知識がないんだ。だからここで学んでいる。みんな同じさ」

 

「そうだな」

 

一夏も同意する。そしてピットに戻ろうとする―

 

ピピピピピ

 

「なっ!?一夏っ!鈴!ロックされてる!逃げろ!」

 

「えっ!」

 

「ウソだろ!」

 

ズガァァァアン!

 

各自散開すると、いままでいたところにビームのような光が突き刺さる。

 

「これは…コジマ粒子?」

 

光が穿った地面の周囲には緑色の粒子が浮遊していた。

 

(間違いない…これはコジマ兵装を使用した時特有の現象)

 

コジマキャノンなどのコジマ兵装を使用した際、着弾地点に集束が解けたコジマ粒子が残存する。センサーで確認したところ、やはりこれはコジマ粒子だった。

 

「なぜコジマ兵装が!」

 

上を見上げるとそこには3機の白い全身装甲タイプのISがいた。

 

「002-B…無人ネクストか」

 

(俺が飛ばされて来たんだ…他にもやってきててもおかしくはない)

 

「一夏、鈴…お前たちは下がれ」

 

「なんでだよ!」

 

「あれは…不味い。さっきの奴とは比べものにならないぐらいやばい」

 

「それなら尚更!」

 

「今のお前たちがアレと殺りあえば間違いなく死ぬ!俺に任せろ…」

 

「死ぬって…」

 

「何か知ってるみたいね?」

 

俺の口ぶりから鈴が俺が何か知っていることに感づく

 

「ああ、だが今は話せない…時が来たら、その時に話す。いつになるかは解らんが…とにかく今は逃げろ」

 

「…解ったわ。一夏、退避しましょう。」

 

「いいのかよ?レイを置いて!?」

 

「ここはレイに任せるのが得策よ…彼の戦闘能力ならきっと大丈夫よ。信じましょう。」

 

「…っ」

 

しぶしぶ二人はアリーナから出ていく。

 

「なんでアレがいるのかは知らんが、あれは恐らくリミッターが付いてない。プライマルアーマー無しじゃ防げないだろうな。汚染を広げないためにもとっとと片を付けなければ…」

 

無人ネクストもPAを展開している。このままでは周辺にコジマ汚染が広がってしまう。一機たりとも逃がすわけにいかない。そして跡形もなく破壊しなければ

 

(リンクス戦争時の遺物か…AIの限界はそれほど高くないと聞く、OBも使用しては来ないそうだしロジックも改良されてるとは言え所詮AI、底が知れてる)

 

「来いよ…3機まとめて相手になってやる。」

 

武装をホワイトグリントカスタムのものに切り替えすべてキルモードにする。

 

無人ネクストも目標をこちらに定めたらしく戦闘体勢に入る。

 

「行くぞ!」

 

OBを起動させ無人ネクストに目がけて飛翔した―

 

 

 

 

 

 

 

 




まさかのイレギュラー…無人ネクストまであらわれてしまいました


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