それでも彼は惰眠を貪る   作:夜無鷹

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特別訓 もーいーくつ寝ーるーとー……あれ、もう正月じゃね?

冬の定番スタイルと言えば、炬燵(こたつ)にミカン。

人の睡眠欲を鷲掴み、堕落へと引きずり込む『オフトゥン』と同列の魅力を放つ。

人心を絡めとる、まさに魔神(サタン)の道化……。

 

「何だァ?前説が中二感フルスロットルじゃねーか」

「仕方ないネ。久々の更新で作風が吹っ飛んでるヨ」

 

そしてここに、魔神『炬燵ミカン』の餌食となった者達が四人と人ならざる者が一匹。

天の声に対し『中二』と(のたま)った銀髪の堕落人間、坂田銀時と負の領域に侵食されつつある少女、神楽。

 

「あ~もう、これ手遅れですね。軌道修正する気ないんすよ」

「別作品に逃避行してたからな。分からんようになったんだろ」

 

茶の注がれた湯飲みに口をつける、呪われしギトギトの眼鏡が本体の志村新八と、睡魔に取り憑かれた爪弾(つまはじ)き者、黒瀬景明。

 

「銀ちゃん」

「あ?」

「爪弾き者って、何の言い回しアルか」

「オリ主ってことじゃね?」

「面倒すぎるくらい遠回しですね」

「これさァ、紹介される方が恥ずかしいってパターンだな」

 

年が明け、炬燵の上には怠惰の果実ミカンの他に、白の誘惑『餅』を黒き衣『海苔』で巻いた『海苔餅』が、机上の陣地の半数を占めていた。

 

「海苔餅の表現ですらこの様だよ。どーすんの、銀さん知らないよ?北斗◯拳みたいな世界になっても知らないよ、銀さんは」

「全員モヒカン化か。冗談じゃねェ」

「一回作者(アイツ)シめてくるヨ!」

 

神楽は自身の髪のみならず、天の声すらをも血だるまにせんと、細い腕を覆う袖を(まく)る。

 

「待って待って神楽ちゃん!そんな事したら、本編が中途半端なまま強制終了になっちゃうから!」

「ほぼ更新停止状態だったんだ。今さら消えたところで変わらん」

「ちょっ何言ってんスか黒瀬さん!作者抹殺を助長するようなこと言わないでください!」

 

……じゃあ、もうセリフだけで回してよ。天の声とか疲れるんだよ意外と。

それでいいな?介入しないからな。

はい、じゃあどーぞ。あ、台本形式で。

 

 

新「完全に丸投げして逃げたよ、あの作者。新年早々、大丈夫なのかな……」

 

 

銀「大丈夫だよ、ぱっつぁん。世界観も緩い、設定も緩い、更新速度も緩い。そーやってゆるーく自堕落に書いて、そのうち自然消滅していくんだよ」

 

 

新「あれ?大丈夫なのかそれ?大丈夫じゃないですよねそれ」

 

 

神「細かいこと気にしてるから、いつまで経っても眼鏡が本体なんだヨ。ギトギト眼鏡なんだヨ」

 

 

新「誰がギトギト眼鏡が本体だァァァ!」

 

 

黒「ま、自然消滅の可能性があるのは、避けられん事実だよなァ。だからって、俺達がどうこうできる訳じゃねェんだがな」

 

 

新「そんな、不吉なこと言わないでくださいよ……。年明けで心機一転ってことも……」

 

 

銀「無いね。ナイナイ」

 

 

神「作者、夏休みの宿題とか期限オーバーするタイプなことは、間違いないアル」

 

 

黒「実際に何回か踏み倒してるからな。テストはボロクソだったが、一教科だけほぼ百点をとったことがあるらしい」

 

 

新「頭が良いのか悪いのか……ほぼ百点というのは?」

 

 

銀「採点ミスだとよ。運が良いんじゃねーの?」

 

 

黒「先生に言ったらしいが、減点されなかったらしい。それが他に一回あったそうだ」

 

 

新「丸投げするわりに正直なのかよ作者。意外ですね……。ところで、別作品ってなんです?」

 

 

神「サラッと宣伝して、怠け作者に媚び売るつもりアルか。駄メガネのくせに。駄メガネのくせに」

 

 

新「眼鏡関係なくない!?どーして遅くなってるか知りたいでしょ!?」

 

 

銀「俺が簡単に分かりやすく説明してやらァ。《ピー》が《ピー》して《ピー》なもんだから、《ピー》に《ピー》で《ピー》なんだとよ」

 

 

新「すんません、ピー音ばっかで結局なにも分かんなかったんスけど……」

 

 

黒「分かんなくて良いってことなんじゃねェんか?こことは全く関係ねェからな」

 

 

神「世界観も全く別物アル。ゲームからズズッ、思い出してムグムグ、書きモチャモチャ、始めたゴクゴク、らしいネ」

 

 

新「神楽ちゃん、食べるか喋るかどっちかにしようよ……」

 

 

神「黙れ新八。新八のくせに偉そうネ」

 

 

新「どこが!?」

 

 

銀「去年から変わらねーってこった。新八の眼鏡も、眼鏡が本体ってことも、新八が新一じゃねーってことも」

 

 

新「八になんか不満でも!?」

 

 

黒「八に不満ある訳じゃねェ。新八が新一じゃないってことに不満なだけで」

 

 

新「結局同じじゃねーかドチクショォォォ!!」

 

 

ガタッ、ゴトッ。

 

 

神「窓から何か投げ込まれたアル」

 

 

銀「んだよこの箱……あ?新年のご挨拶?」

 

 

新「随分と雑な挨拶ですね……」

 

 

黒「横に何か書いとらん?」

 

 

神「本当ネ!ちっさい字で書いてあるヨ!」

 

 

新「えーと……?」

 

 

拝啓、読者の皆様。

 

サボり気味ながら無事、新年を迎えることができました。

ありがとうございます。

 

地道に更新を頑張っていきますので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

銀「……真面目じゃね?」

 

 

神「毛ほども面白くないアル。少しはボケろヨ」

 

 

PS.切り餅詰めときました。

 

 

神「早く雑煮に入れて食べるネ!アホでもたまには役に立つアル!」

 

 

黒「変わり身早いな」

 

 

銀「これだから、食い気だけのガキは……新八ィ、あんこ頼むわ」

 

 

新「はい?」

 

 

黒「じゃあ、俺は砂糖醤油」

 

 

神「雑煮早くしろヨ」

 

 

新「あーもう……はいはい、分かりましたよ。その前に、皆で新年のご挨拶をしましょう」

 

 

銀「ケッ、仕方ねーなァ」

 

 

神「さっさと終わらせて、餅食べるアル」

 

 

黒「年始くらい、ちゃんとしねェとな」

 

 

新「それじゃあ、せーの……」

 

 

 

万事屋一同

『今年も、よろしくお願いしまーす』

 

 

定「ワンッ!」

 




急遽、用意しました。
季節ネタをやってみたかった、それだけ。

今後もよろしくお願いします。

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