いったいどんな毎日が待っているのかな?
ジョウトと言えばエンジュシティを代表とした有名な観光地が幾つもある地方だ。
しかしその反面、観光資源の無い町の経済状態は良くはない。
だからそんな町の1つであるワカバタウンは手を打った。
アローラ地方から連れて来たサンドやサンドパン達を近隣の離島に放ち、珍しいサンド達を観光資源へと変えようと目論んだのだ。
当初は珍しいサンド達を見ようと、カントー地方やジョウト地方から観光客が押し寄せた。
赤字覚悟でワカバタウンが仕掛けた博打は成功した。
サンド達が送られた場所は草木のない小島だった。
草も虫もなく、サンド達が口にするものは観光客の投げるエサだけだった。
観光客の投げるエサを必死に求める蒼いサンド達の姿は人気を博した。
観光客が来ればエサにありつけると学んだサンド達は非常に人懐っこく育った。
しかし観光客が台風などで来れない日が続いても、泳げないサンド達には逃げ場は無かった。
観光客が来てくれる日を願いながら彼らはずっと待っていた。
当初50匹もいたサンド達だったが、数年経ち人々が飽き始めた頃になるとその数は半分ほどになっていた。
サンドよりもサンドパン達の方が多く減少していたことから、親達の愛が感じられる悲劇であった。
…共食いの痕跡が無いのが唯一の幸福であろう。
更にその数年後、カントー地方とジョウト地方以外の地域のポケモンを持ち込んではならないという旨の法案がカントー地方とジョウト地方で可決された。
それまでは元々カントーやジョウトにいるポケモンであれば姿が違っても問題は無かったが法律改正により不可となった。
その結果、アローラから来たサンド達をどうするかという話が出てきた。
アローラから鳴り物入りでやって来たサンド達だが、アローラでは珍しくない。
購入した時の金額では買い取っては貰えるはずも無かった。
タダ同然でアローラに返すのでは、輸送費の方がコストが大きかった。
故にワカバタウンは毒による殺処分を検討した。
ワカバタウン周辺では珍しい雪が降った日、サンド達の島に人間達がやって来た。
人間達は普段よりも遥かに多い餌を持って来た。
サンド達は喜び、それに飛び付いて頬張った。
サンドパン達はまずサンド達に食べさせた後、残っている餌を食べ始めた。
これ程お腹いっぱいになったのは彼らにとっては初めてだったのかもしれない。
満腹になれば動きは鈍くなり眠くなる。
サンド達は眠りに付き、…そして二度とその目を開くことは無かった。
かつてサンド達が連れて来られた島、
此処では今日も哀しい風が吹いている。
モンスターボールに閉じ込めておけばOKだったというのは秘密
鋼に毒は効かないのも秘密