みんなで Sdorica の小説、書こう!(提案)
存在するのは一匹の巨大な龍「スドリカ」、そしてその玩具「人類」のみであった
なんか色々あって龍は死んで人類は自由を手に入れた
千年の時が流れた平和な今、暗躍する誰かもいるっぽい
そんな壮大な物語と関係のない私たちの日常こそが、ここに綴られる物語なのだ
ここはとある森の奥地、密かに佇む秘密の城。資格なき者には姿を拝むことすらできない神秘の殿堂。複雑に絡み合う異常に発達した植物が天を突くように伸び、その先に私たちの居るルーン学院は存在している。
この学院には外の世界では見られないような不思議な光景があふれている。
まず、物理的な制約を無視した建築は外界との乖離を強く意識させる。手すりもなく空中に浮かぶ立体的な廊下には壁などなく、不規則に位置する講義室には歪曲した本棚が無数に乱立し、何も支えず好き勝手に生えている巨大な柱は果ての見えない天井に向かって無意味に突っ立ている。
空中には重力を無視した多種多様な実験器具が浮かんでは上へと落ちていき、宙に浮かぶ魔術的文様は空に浮かぶ雲のように流れたかと思えば、七色に瞬いてどこかへと消えてゆく。
そして特筆すべきは、視界いっぱいに広がる本の山だろう。床に天井に空中に、無造作に転がっている無数の本は学院の最大の特徴といっても過言ではない。
ここには古今東西のあらゆる本が存在し、我々は心行くまで自らの知的探求心を満たすことができる。常人には理解できない神秘的な秘密が記されたルーンの書、東国の不老不死の法を書き綴った胡散臭い宗教書、果ては冒涜的で宇宙的な生命との邂逅を記した人皮装丁本までありとあらゆる知識が手に入る。
学びは何物にも代えがたい。そして、学びを生かして新たな知見を生み出す研究は学院の生徒にとって至上の喜びだろう。
この学院に入学してきた学徒たちは、ルーンが奏でるマナの神秘に魅了され、真理に至る道を夢見て日進月歩しているのだ。優秀な教授陣や無数にある書物から学ぶ知識は伝統的なものから革新的なものまでさまざまであり、我々の蒙を啓いてくれる。日々繰り返される議論も実に脳味噌を刺激してやまない。
本は素晴らしいものだ。それは私を新しい世界に導いてくれる。時に古さゆえの偏見や誤りがあっても、愛嬌すら感じる。古い書物を紐解き、啓蒙的真実に脳を震わせ、そして新たなる知見を求めて探究を進める。探究の果てに見つけたものに意味を見出せなくとも、そこまで歩み続けた過程はこの上ない達成感を与えてくれる。
研究は素晴らしいものだ。温故知新を旨とし、確かな事実から考え得る推論を重ね、仮定を組み立てる。仮定を証明する理論を構築し、そして帰納的、あるいは演繹的に真理を示すための条件を吟味する。ペンと羊皮紙と頭しか必要としない作業を終了したら、その綿密な実験計画を実行するのみだ。マナを収集し、計画通りに実験を進める。思いがけぬ結果でも、予想通りの結果でも、観測した事実から考察を繰り返す。長い期間をかけて得られた知見を、一つの知識に凝縮する。それを論文に編纂して多くの有識者と議論を重ね、そしてまた新しい研究の種を生み出す。
私は研究を退屈に思ったことはない。私は研究成果を論文にまとめることが嫌いではない。私にとっては既に過ぎ去った知的探求とて、私の歩いた足跡を誰かがたどると思うと誇らしい気分になるからだ。
故に、この学院で研究に励みながらも憂鬱にさいなまれている理由は明白だ。
「アルディラ、書類が溜まってしまいました。よろしくお願いいたします。」
来る日も来る日も、敬愛すべき学長の無意味な雑用に追われているからだろう。
***
悠然と読書をしながら、積まれた書類に目を通しもせず私に無茶ぶりをしてくる彼こそ、このルーン学院の学長であるシエル・セレスその人だ。彼はルーン魔術に誰よりも精通しており、そして誰よりもルーン魔術を愛している。穏やかでユーモアもあり、常に微笑みを湛えているイケメンフェイスという完璧超人のような彼はいつも女子生徒を魅了してやまない。20代といっても通用する若々しく精悍な学長であるが、実年齢は結構いってる。ルーン魔術で若作りしているだけだ。そのせいで若者とのジェネレーションギャップに悩まされている姿をよく見かける。
ちなみに若作りしている理由も、研究には体力がいるから肉体年齢が若い方が良い、という根っからの魔術バカな人間である。実生活ではドジで、よく物をひっくり返したりしているし、研究に没頭しすぎて食事を忘れてしまうこともしばしばという有様。真面目に研究に取り組んでいるときとのギャップがありすぎて、逆に引く。
そしてセレス学長は学院の一番の権力者であるため、私は彼の頼みを断れない。一学徒に押し付けるような雑用じゃなくね?という仕事を山のように私に放り投げてくるのだ。時に、これはお願いではなく強迫なのではないか、と感じることがしばしばあるために精神的な苦痛をこの上なく享受している。これが噂のアカハラなのではないだろうか。
セレス学長が確認すべき研究予算の申請書や学会発表のプログラム作成などの雑務を進めながら、学生が処理していい書類じゃないと思うのになーとか、辺境に住んでいるクロヴィス教授のところに逃げ込んでしまいたいなーとか本気で考え始めていると、いつも通りのニコニコ顔でセレス学長が話しかけてきた。
「アルディラ、あなたはティカ・シュヴァリエという新入生は知っていますか?」
学長の口からでた名前は、昨今のルーン学院を賑わせているものだ。聞いたことがあるに決まっている。
曰く、数十年に一度の逸材であるとか、新入生にもかかわらずルーンの扱いは教授陣に引けを取らないだとか、美の女神も裸足で逃げ出す可憐さであるとか。
鳴り物入りでやってきた彼女は実際、噂にたがわぬ能力の持ち主であった。むしろ噂以上に彼女は優れていた。複雑なルーンを臆せず操る度量、それを制御する才能。知識不足のためか粗削りな部分が目立つものの、彼女は誰が見ても間違いなく天才であった。彼女はセレス学長に並ぶ、それどころかいずれ学長を超える逸材であると、学院中で噂になるほどであった。学長自身も、彼女の才能を高く買っているらしい。美しさについては、美の女神には負けるが相当な美少女らしい。
これには学院も大盛り上がりであった。なにせ、ルーン魔術の分野に大きな風を吹かせるであろう存在が舞い降りてきたのだから。きっと彼女はルーン魔術の発展に著しく寄与するだろう。ティカ・シュヴァリエという少女はシエル学長と並んで生ける伝説として名をはせ、長い歴史の中でもひと際輝く綺羅星として語り継がれるだろう。かくいう私も興奮を隠せないでいたものだった。
「知っていますよ、親愛なるセレス学長。噂のティカ・シュヴァリエは随分大物みたいですね。廊下を歩いているだけで勝手に彼女の情報が耳に入ってくるぐらいですよ。
ところで学長。無駄話をしながら読書に勤しむ余裕があるならば、どうか私に丸投げする雑務の一つや二つを片付けて欲しいものですが。」
比較的ストレートな嫌味を言うも、学長は笑って流すだけだ。
「親愛なるアルディア少年、話が速くて助かるよ。
そしてアルディア。この読書は研究のためだよ。君に仕事を頼むのも、君の実力を信頼しているからさ。きっと君ならできるってね。」
そういう学長が手にしている本には、"誰でもできるガーデニング入門"というタイトルが書かれていた。このおっさんは碌な死に方をしないと確信した。いつかそのにやけ面をぶん殴ってやると心に決めながら、ティカ・シュヴァリエに関する最近の噂を思い出していく。
期待の新人は大物である。しかし、《最近ではその意味が変わってきているのだ》。
彼女のルーン魔術の素養は確かに素晴らしいものであった。誰もが望んでやまず、しかし後天的に得ることはかなわない垂涎のギフトであることは疑いようがない。彼女は確かに可憐な美少女であった。流石に女神も逃げ出すほどに美しいわけではないが、それでも人目を引くには十分の愛らしさであった。能力にも外見にも問題はない、だとすれば残るところは一つだろう。
彼女の素行に問題があった。
学院に入りたての大人しかった時期は、ただの様子見だったのだろう。ティカ・シュヴァリエは次第に問題児としての本性を露わにしていった。
知識豊かな教授陣の有難い講義を無断で欠席するのは当たり前。ルーンを扱ううえで重要なルールは馬耳東風と言わんばかりに聞き流し、大味な術の行使で学院の至るところを破損させる。先日も学院の壁に巨大な穴をあけたそうで、あの温厚なセレス学長が「素敵なリフォームですね」と皮肉をこぼした位だ。
学院の外の魔術師にとって喉から手が出るほど欲しい貴重な魔術書は彼女にとっては丁度いい枕の様で、学院の本を管理する司書が涎のついた書物を必死に拭きながら涙している姿をしばしば見かける。
ティカ・シュヴァリエは原石である。この学院でルーンの基礎を学び、多くの学友とともに切磋琢磨すれば、自ずと輝きだすに違いない。
しかし、彼女は一向に学ぶ意欲を見せず、ルーンを使って好き放題している。なまじっか力があるため、並みの学生では鎮圧は不可能であり、時には教授ですら怪我を負ってしまう。本人には全く悪気がないため、いくら注意しても改善の兆しは見られなかった。
これには学院も頭を抱えた。彼女が才能あふれる人間であるため学院としては惜しい人材であるが、そのままにしておけば百害あって一利なし。彼女が更生するのが先か、学院が崩壊するのが先かのチキンレースが盛大に開催されてしまうに違いない。
そして、そんな問題児が野放しになっている今、セレス学長が次にいうセリフは決まっている。今までの経験で常套句が分かっているのだ。セレス学長、あんたは次に、アルディラ、あなたにお願いがあります、と言う。
「アルディラ、あなたにお願いがあります。」
予想通りのセリフを告げ、シエル学長はにこりと微笑んだ。優し気に細められた瞳からは断ることは許さないという無言の圧力を感じた。
そして、次に何を言うかも予想できる。しかし、一学生である私に断る権利などないのだろう。
私は、死刑宣告を前にした囚人の気持ちで学長の言葉を賜った。
「ティカ・シュヴァリエが卒業するまで、彼女の面倒を見てください。」
Sdorica の世界観とキャラ設定がわからなすぎて書くのが辛い。
もう適当に書いてるので、自分でも何かいてるかよくわかりません。
でも、せめてティカが出てくるまでは書きます。
あと、ティカよりリーちゃんのが好きです。
リーちゃんが一番かわいいって、それ一番言われてるから。