魔法少女とチートな次元犯罪者達   作:R.H.N

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魔法使いと魔法少女。

 

「え?え?え?魔法?ちょっと待ってどういうこと!?」

 

 

「どういう事も何も、そのままの意味だよ?」

 

永次郎の絶叫の後、困惑を隠せず問いただしてくる金髪の少女。

 

「え、えーっと・・・・魔法、って」

 

(えーっと、えーーっと・・・・もう魔法が使える、なんて言えないなぁ・・・・どうしよう?)

 

 

「すずかちゃん、アリサちゃん、なのちゃんちょっとタイム良いかな?」

 

 

「…………あ、永次郎おじさん」

 

「お久しぶりです、永次郎おじさん」

 

「永次郎おじさん、お元気でしたか?」

 

「ふぐおっ!」

 

三人の事を知っていたのか、永次郎がそれぞれを名前で呼んで話を中断しようとする。

 

……が、そうしようとする前におじさん呼ばわりされて勝手に精神ダメージを受ける始末である、なにやってんの。

 

「ところでおじさん、タイムってなんで?この人の言ってることとなにか関係あるの?」

 

 

「あら、私としたことが自己紹介もまだだったわ、ごめんなさいね」

 

 

「そ……その辺も含めて三人に話があるんだ、ちょっとこのバカ含めた五人だけで話せる場所無いかな?」

 

 

「永次郎…………バカは無いでしょバカは」

 

「知ってる人間からしたら大バカ以外の何もんでもねぇわ!話を端折りすぎだ!」

 

「端折って無いわよ!ってか端折れる所無いわよ!これ以上どう説明しろと言うのよ!」

 

「小学生に魔法だの何だのレベルが高すぎるわ!」

 

 

(ワーギャーワーギャーザワザワボコスカ)

 

 

「えっと…………奥の部屋使いますか?」

 

 

「なのちゃん!?」

 

「他ならぬ永次郎おじさんが言うんだし……何か重要なことなのかなって思ったんです」

 

「確かに永次郎おじさんがここまで慌てるのは初めて見るけど…………」

 

「おじさん、その怪しい人っておじさんの知り合い?」

 

「…………………………私の親友だ、かなり長い付き合いになる」

 

 

そいえば、自己紹介してなかったなと思ったら話をぶった切って場所を移そうとする永次郎。

 

序でにバカと言われたので反論したらそこから口論に発展し、暫く永次郎と低レベルな罵りあいをしたが、なのちゃん(永次郎の言葉から)の提案で家の中に上がり、話をすることとなった。

 

 

序でに、最後の永次郎の言葉は、不本意そうな口調ではないけど、永次郎の言葉の端に「これ言っても良いのだろうか」と言う雰囲気が漂っていた。

 

言葉の通り永次郎と私は随分古い付き合いであるが、実は翠屋の店主である士郎さんにはその期間で負ける。

 

それでも覇天達と比べると私と永次郎とは随分長い付き合いになのだが、まぁ、私の気分で随分振り回していたと言う側面がある。

 

故に回答の歯切れが悪かったのだろうな、と思いながら、なのちゃんに連れられ部屋に連れられる。

 

デザートは後回しだが、家に上がること自体は高町夫妻からさらりと許可が降りた。

 

永次郎は随分古い付き合いだと昔いっていたが、さらりと許可してくれる辺り相当である。

 

 

 

 

 

 

 

 

結果。

 

せっかく話す機会ができたので、最初からぶっ込む事とした。

 

 

 

「それじゃあ話を再開したいのだけど…………お嬢ちゃん達、名前は………ムギュッ!」

 

 

「まずは彼女の紹介をしておこう、彼女の名前はアウドムラ・ノードレッド、なのちゃん達には世界を又にかけたマジシャンとして話している奴だ」

 

「えっ、この人があのアウドムラ・ノードレッドなの!?」

 

「凄い・・・テレビで見たことはあるけどまさか本人と出会えるなんて…………」

 

彼女達の名前を聞こうと思ったら先に口を塞がれて、私の紹介を勝手にし始めた、後でやろうと思ったのに。

 

 

「あっ、私、高町なのはと言います、アウドムラさん、よろしくお願いします。」

 

「アリサ・バニングスよ」

 

「月村すずかです、あ、あの!、後でサインお願いできますか?」

 

「・・・なるほどね、喜んでさせてもらうわ、サイン書いて欲しいものを後で渡してくれればね、」

 

「あ、ありがとうございますっ!」

 

彼女達の反応を見て、やっと永次郎が口を塞いだ理由に気がついた。

 

彼女達は私の表の顔をよく知っていたのだ。

永次郎がここに来る度に話していたらしいから当然のはずなのだが、それを失念していた。

 

ついでに言えば、なのはちゃん達の事も、翠屋から帰って来た永次郎が土産話に話してくれていた子だと言う事に今更気がついたのである。

 

まぁ、結局この後やることに変わりはないのだが。

 

 

「それじゃあ改めて、なのはちゃん、すずかちゃん、アリサちゃん、魔法使いに興味ある?」

 

「結局言うこと基本変わらんのな…………」

 

「…………ダメ?」

 

「……………………まぁ、いいか、それとは別の話もあるし、一挙に処理してしまおう。」

 

「ねぇねぇおじさん、アウドムラさんって…………」

 

「その前に話さなければならんことがある、アウド、【実演】頼む、まぁ、名刺でいいかな?」

 

「任せなさいっと」

 

諦めたかのように手を振る永次郎、未だに状況が掴めてない三人に対し、説明を含めるためか、私に魔法の実演を頼んでくる。

 

 

私はその言葉に軽く返すと、さらりと魔法を発動させ、私のポケットにしまっていた小さな白の厚紙3枚といくつかのペンを空中に浮かせ、その場で名刺を書き上げる。

 

ついでにサインを求められたすずかちゃんには、裏にマジシャンとして使っているサインを足して、そのまま三人の目の前に乗せてあげた。

 

「わぁ!ありがとうございます!アウドムラさん!」

 

「…………凄いわね、ほんの数秒で名刺を複数枚、それも機械を使わず紙とペンだけで1度にだなんて」

 

「まぁ今のこれを見てくれたから多少は解るかなと思うんだが、この世界に魔法は存在している、ついでに言うと魔法使いもね。」

 

「確かに今のを見せてもらったらそう納得せざるを得ませんけど…………でもどうして私たちなんですか?」

 

「そうだな…………まず、魔法のかなーり分かりやすい問題点としては、そもそも魔法は使える人と使えない人が存在している才能の問題があることだな、すずかちゃん達はその才能があるが、私はそれを持ち合わせとらん、」

 

「じゃあアウドムラさんはその才能を持っているから魔法が使えたと言うこと?」

 

「大まかに言えば間違いない、が、アウドは例外だ、ついでに言うとさっき席にいた残りの二人、あれはなのちゃん達には「流浪の武人」と「偽善怪盗」の名前で話していた当人なんだけど、魔法が使えるのは「偽善怪盗」の方だけで、更に言えば魔法使いとしてはアウドほどじゃあない、魔法がどれだけ上手いのかも、魔法の方向性も又当人の才覚に大きく左右されるんだよ」

 

「それと……今のうちにアウドを援護しておくと、アウドがテレビで使うマジックの類いは、魔法を一切使用してない正真正銘のマジックだ、「奇術怪盗」直伝の、と言うただし書きがつくけどね」

 

「・・・・一瞬、アウドムラさんのマジックって魔法を使ったインチキなの?と問い詰めそうになりました、ごめんなさい」

 

「アリサちゃん!?」

 

「ふふふ……そんなに思い詰めなくて結構よ、むしろ、私としてはいきなり信じ込まれる事の方が困るからね」

 

なのはちゃん達に魔法を見せた後は、永次郎の話は順を追って滞りなく進められていった。

少なくとも魔法と魔法使いにの実在性に関しては難なく受け止めて貰えたようである。

 

(尚、話にある「流浪の武人」は覇天を、「偽善怪盗」は優樹菜の事を指している、要するに私が地球上で活動するに辺りやっているマジシャン活動のタネは、そのすべてを優樹菜から教えてもらったもので賄ってるのだ、私の人にはあまり言えない秘密である。)

 

「でも、何で私たちに魔法を教えようとしてくれたんですか?、それこそ素質だけなら他の人にも持ってそうなのに?」

 

 

「いくつか私の知る現状からすると見逃せないことがあるからね、なりふり構わず動くのもアリかなと思ったのよ。」

 

「なりふり構わず?」

 

「…………それじゃあ、そこで固まってるなのはちゃんも含めて、1つ問題を出しましょうか?」

 

 

「………………ふにゃっ!?」

 

(そっちのフェレット…………ああ、成る程ね)

 

「……どうしたの、なのはちゃん?」

 

「おおかた、おじさんの話が本当で、しかも目の前にいるなんて事になったからビックリしてたんじゃない?と言うかちゃんと話聞けてた?」

 

「にゃ……にゃはは……そんなところだね……大丈夫、一応話は聞いてたから…………」

 

 

「それはホントなの?…………大丈夫かしらねぇ?」

 

実は私たちが魔法の事を話始めた辺りからずっと呆然としていたなのはちゃん、私も永次郎もその理由に関しては見当がついてるのだけれども、訳あって今までそれをスルーしていた。

 

んで、そろそろいいかなと思ってなのはちゃんに話を振ったわけだが…………目が泳いでたり焦りが見えたりと隠しきれていない。

 

おもいっきりアリサちゃんに怪しまれる始末である。

 

まぁ、その辺は後でフォローできるし、そろそろ話したクイズを出そうと思ったら、私の目の前に浮遊する携帯端末のパネルみたいなものが小さな筒をぶら下げつつ、いきなり出現した。

 

 

「うわわっ!?なによコレ!?」

 

「びっくりした…………いったいどこから?」

 

「ああ、これはあいつの……ロゴないけど分かりやすいわね」

 

「あのバカいきなりなにやってんだか・・・どれどれ……?ああ、現物確保してたのか、丁度良い、クイズにコレも出しとけ」

 

永次郎がパネルと筒の中身を手慣れたように探ると、そこから1つの石を取り出し、私に投げ渡してきた。

 

それを見て私は其が何かにすぐ気がつくのだが、それと同時になのはちゃんの顔がひきつったのも見逃さなかった。

 

 

「さて、ここで三人にクイズです、今手に入れたこの石を含めて、今この場に4つ、透明なケースにいれた物を置きました、実はこの内1つ以上は、本来子供に絶対触らせちゃいけない危険な物です、さぁどれでしょう?」

 

私はさっき渡された青色に輝く菱形の宝石をその場に召喚した円筒形をした透明の筒に入れ、その他に紫色の金属で出来たメダル、淡い緑色に近い色で発光する「T」の字をした白い金属、透明感のある青い涙滴型の結晶を、それぞれ同じ形のケースに別々に入れ、なのはちゃん達に見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時のなのはちゃんは、もはや焦りを隠せない領域に至っていた。

 




クイズの答えはそれぞれが何なのかを想像すれば解る筈…………
ネタは多方面から引っ張ってくるのでマイナーメジャー問わず、知ってるネタがコレから出るやもしれません。

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