お辞儀 作:お辞儀は大事って古事記にも書いてある
あれは……まだ厳しい残暑の残る某日の事だったか。
俺の球がクリス先輩のタマタマにたまたまぶつけてしまったのは。
グラサンのつけた、見る人がみれば、確実に“そっち"の人が出てきたのはビビった。瞬間的に『あ、俺の命(タマ)取られるわ……』と覚悟したもの。
まぁ、結果的にはクリス先輩の自業自得で、プレー中の不幸な事故として処理されたし、何でもあの後故障が見つかったらしい。だからか、なぁなぁで済んだ。
さてさて、私は今、この青道高校の寮に入ります。
自宅通いも考えたけど、もしそうなったならば、栄養管理等々のせいで、冷凍食品万歳教のおかんの精神が破壊されるし、そうなったら、親子の絆で心が繋がってる俺の精神まで燃え尽きちゃう。
え?マザコン?
何のことかなぁ……
まぁ、そんなこんなで、四月のはじめ、夕暮れがすこーしばかり遅く感じる今日この頃。
私は寮に入るアル。
割り振られた部屋のプレートには名前が書いてある。
同室の人は……クリス先輩と御幸っていう人らしい。
クリス先輩が2年だから、御幸っていう人は3年の先輩だろう。
しかし、なんでクリス先輩と同部屋なんだよ。
たまたまにぶつけて以降、何をきっかけに会話をしていいかわかんないよ?僕。
ぜってー、寮のメンバー決まる人はドSだな。
しかし、棒立ちで居るわけにもいかない。息を飲んでドアを開ける。
「ちわっす!!滝川クリス先輩!御幸先輩!!よろしくお願いしやっす!」
30度のお辞儀をして、挨拶する。
クリス先輩は……不敵な笑みを浮かべ、強者の風格を匂わせる。
御幸先輩は…かなり線が細いし、やや小柄か?
「ああ、よろしく。知ってると思うが、俺が滝川クリス優だ。そして、そっちが御幸“先輩”」
最初に口を開いたのはクリス先輩。
「たははは…クリスさん、御幸先輩と呼ぶのはやめてくださいよ。俺も1年生なんだから…こう…むず痒いっす。」
へ?
「ああ、尾慈、ここにいた、1個上の先輩は退部したんだ。だから、この部屋の年長者は俺1人。まぁだから、人数の都合上、この部屋に1年生2人が入ることになった。だから、お前と御幸は同い年だ。」
ど、どおりで、3年にしては小柄だなと思ったわ…
「そ、そうなんですか……んじゃ、改めてよろしくお願いします。」
「ああ、よろしく。」
ああ、タマタマに球をぶつけた恨みはどこへやら、気さくに接してくれる良い先輩じゃないか。疑ってごめんなさい。クリスs「俺はあの痛みを忘れないからな」
ふぁっ!?
「面白いくらいに反応するな。まぁ冗談だ。あれは全面的に俺が悪い。」
「そ、そんな…人が悪いっすよ。」
「キャッチャーにとっては褒め言葉だな。」
クリス先輩は不敵に笑う
「ん?何かあったんすか?」
まだ御幸はまだクリス先輩のタマタマ事件を知らないのか。
後で教えてあげよう……
「尾慈。くだらない事は考えるなよ?
あと、明日の朝は早い。とりあえず今日は早めに寝とけ。
うちの監督は近くに厳しいから、早く寝るに越した事はないぞ。」
俺も御幸もすぐに寝た。
ピピピピピ……
「おい、朝だ。2人とも起きろ。とりあえず朝食までは時間あるから適当に捕食入れとけ。」
「「あざす!!」」
御幸はプロテインゼリーとヨーグルト。俺はバナナとヨーグルトを取って、とりあえず腹に入れた。
「今日は余裕がないだろうから俺が適当に今晩と明日の早朝の捕食分用意しとくが、明日からは自分で用意しろ。それから、カゴもな。誰が誰の分かわかんなくなるから。そん中に入れとくんだ。」
「「はーい」」
「後、そんだけで捕食は足りるのか?初日だからといって、青道は甘いところじゃないぞ。朝食まで時間あるし、もう少し食べとけ。」
クリス先輩は、俺らにカロリー●イトやスニ◯カーズを渡してきた。
凄く良い笑顔で渡してきてくれた。
出されたものはとりあえず食べるのが礼儀だ。