それはブレイドとギャレンの変身による『オリハルコンエレメント』です。本来、オリハルコンエレメントが装着者を接近し、通過するのは新型のレンゲルだけです。
しかし、今作のブレイドとギャレンのオリハルコンエレメントは装着者に接近し、通過します。
「運命の切り札をつかみ取れ!!」
【学年別個人トーナメント:前編】
《『バレット』、『ラピット』、バレットショット》
『バレットアルマジロ』と『ラピットベッカー』をラウズし、『バレットアルマジロ』で弾が強化され、『ラピットベッカー』で連射速度を強化し、高速で弾を撃つ。
撃った弾が全て相手に吸い込まれる様に当たる。
『試合終了。―――勝者、神碕 裕』
ビーーッ、とブザーが鳴るとアリーナ内に勝った俺の名前が呼ばれた。
今日は『学年別個人トーナメント』、その一日目。俺は無事に一回戦を勝利して二回戦に駒を進めた。
「お帰り、ゆっくん」
ピットに戻ると既に二回戦に駒を進めたカナが迎えてくれた。
『ただいま』
俺は答えた後にギャレンの変身を解く。
「二回戦は明日だから今日はもう終わりだよ」
「解った。それじゃ制服に着替えないとな」
俺とカナは着替えるためにアリーナの更衣室に向かう。
「それにしても織斑先生には驚かされたね。『ライダーで出場しろ』だなんて」
そう、今朝千冬さんからライダーシステムで出るように言われた。
「全くだよ。データを録るためなのか、見せつけるためなのかは解らないけど。加減が難しいんだ」
千冬さんの突発的な発言には困ったもんだ。
「とりあえず今は着替えようよ。ゆっくん」
カナは俺の手を掴んで自分の手の指を絡める。所謂『恋人繋ぎ』だ。
「…………」
俺もカナの手に指を絡める。
歩いて数分で更衣室に着いた。この更衣室は俺とカナの『二人』で使っている。
アリーナの更衣室はAピットとBピットの近くに一つずつの計二つだ。
俺とカナはAピットの方の更衣室を使っている。そしてBピットの方は俺とカナ以外の一年生全員が使っている。
人口密度に圧倒的な差があるが『男子』と『女子』との壁はどうすることもできない。
もっとも、カナはその壁を平気で突破してきたけど。そして、誰にも逢うこと無く更衣室に到着した。
そして当然更衣室の中には誰もいない。いるのは今入った俺とカナだけだ。
「ゆ〜〜っくん♪」
更衣室のドアが締まったら、カナが正面に廻って抱きついてきた。
かなりの力で抱きついてるからカナの豊満な胸がグニュと形を変えて押し宛られている。
「ど、どうしたの? いきなり……」
「かなりドキドキしてるね♪ ゆっくん」
カナは俺の胸に耳をあてる。
「……この状況でドキドキしない方がおかしいよ」
お互いに着ているのはISスーツ一枚だけ、だからカナの体温が俺に伝わってくる。
「だよね。ドキドキしてくれなかったら、女として自信無くしちゃうよ」
カナは俺の胸にあてていた耳を離して、俺の顔をジッと見てくる。
「……ねぇ、ゆっくんは……私のこと、好き?」
「そんなの当たり前だろ」
カナからの質問に答える。……だけどその意図が解らない。
どうしてカナはそんな当たり前のことを訊いたんだ?
「私もゆっくんのこと、好きだよ。……でもね―――」
カナの表情からはどこか『不安』を感じる。
「―――ゆっくんは今まで一度も私のことを好きって言ってくれてないよね」
カナがそう言った。
「もちろんゆっくんも私のことを好きなのは解ってるよ。……だけど少し不安になるの」
(……あー、そうか。そうなのか……)
俺はカナに「月が綺麗ですね」と言ってからずっと一緒にいた。だからカナには『形』で伝わっていると思っていた。
だけど、カナは「月が綺麗ですね」と同じで好きってことを『言葉』で表してほしかったようだ。
「……カナ」
「何? ゆっく――ん!?」
カナにキスをした。カナは驚いたのか体を硬直させる。
「好きだ。刀奈」
キスを止めて唇を離してカナに、刀奈に好きと言う。
「〜〜〜〜っ!!」
カナは顔を真っ赤にして俺の胸に顔を埋める。
「ズルイ、卑怯だよぉ。裕」
顔を胸に埋めながらカナが言った。
ISスーツ越しにカナの体温を感じる。さっきより熱くなっていた。
「酷い言われようだなぁ……」
心を込めて言ったのに卑怯やズルイ、か。
「ねぇゆっくん」
「なに?」
「もう少しこのままでいさせて、それと出来れば……頭も撫でて」
カナからの要望というか、願望がきた。
「……解った」
断る理由がないから承諾し、左手はカナを抱き締めて、右手でカナの頭を撫でる。
するとカナは両腕を俺の背中に廻して抱き返してくる。
(……カナって大人びてる感じがするけど、年相応っていうより。なんか甘えん坊って感じがするかな? それにしても……)
カナの髪はフワッとしてて撫で心地が良い。その上なんだか甘い感じの匂いもする。
(これは癖になりそうだなぁ)
そんなこんなで一日目が終わった。
◇
学年別個人トーナメントは順調に進み。いよいよ最終日の決勝戦となった。
一年の個人トーナメントの決勝カードは、在学生唯一の国家代表の『更識 楯無』と男で唯一のIS操縦者であり、仮面ライダーの『神碕 裕』のこの二人で行われる事となった。
この決勝戦は在学生や教師だけではなく、各国政府関係者、研究所員、企業エージェントもこの決勝戦を注目し楽しみにしている。
都市伝説でしか知らないライダーシステムを目の当たりにし、しかも現代最強とされているISに勝ち、決勝戦まで進んだことでライダーシステムはISにも引けをとらないと判断し、今までの第二世代型の訓練機ではなく、第三世代型の専用機にどこまで対抗出来るのかを注目している。
そしてまもなく決勝戦が始まる時間となり、楯無は既に専用機『ミステリアス・レイディ』を展開してフィールドに立っていた。
そして裕は歩いて出てきた。裕は楯無から十メートル距離をおいて立ち止まる。
裕はギャレンバックルを出し、ダイヤのカテゴリー
「変身!」
《Turn Up》
掛け声と共にターンアップハンドルを引き、電子音声と共にリーダーが回転し、オリハルコンエレメントが裕の前面に放出され、エレメントが裕を通過した事でギャレンに変身する。
さらに裕は左腕のアームズシェルに装着されているラウズアブソーバーのカードトレイを開きカードを抜く。中央部の〈インサート・リーダー〉に
《『アブソーブ』クイーン、『フュージョン』ジャック》
アブソーバーが起動し、ギャレンがフォームチェンジする。
ダイヤのカテゴリーJ『ピーコックアンデッド』の力を纏い、マスクとアーマーの各部がディアマンテゴールドに変化し、胸部はダイヤのカテゴリーJの孔雀の紋章が刻印されたハイグレイトシンボルとなる。
そして背中に装備された翼・オリハルコンウイングを展開して飛行可能となる。
楯無と裕は飛翔し、地上から約十メートルの所で静止する。
そして互いに武器を構える。楯無は四連装ガトリング・ガン内蔵ランス『
『それでは――――試合開始!!』
決勝戦が始まった。
「始まりましたね」
「…………」
場所は変わり観察室。部屋には真耶と千冬、そして数名の職員がいる。
「……織斑先生、訊いても宜しいですか?」
「なんですか、山田先生」
「神碕くんは最初、『IS』で出場予定でしたが、何故『ライダー』で出場を?」
真耶は遠慮がちに千冬に訪ねる。
「……クラス代表戦の時の事件は覚えているな」
千冬は真耶の問いかけに対して表情と声色を変えることなく言う。
「はい。忘れろと言う方が無理ですよ」
真耶は深刻な顔をして答える。アンデッドを見て、しかも裕が戦っていた姿は、脳裏に鮮明に刻み込まれていた。
「あの時に来ていた各国家政府が『ライダーシステム』の情報を要求してきたのだ」
「……ですが、答える必要が無いのでは?」
IS学園は日本にある。しかし、日本がIS学園の情報を独占させないために、どこの国にも属さないものとされている。
そしてIS学園はどこの国からの干渉を受けない。なので情報の開示は通常はする必要がない。
「確かにそうだ。しかし、特記事項にあるのは『生徒』と『IS』の情報は本人の同意がなければならない……だ。そして奴らが欲しがっているのは『ライダーシステム』だ」
IS学園の特記事項で『生徒』と『IS』を学園で守ることは出来る。しかし、裕のブレイドとギャレンの『ライダーシステム』は完全に対象外となっている。
「そして学園長と話した結果、『情報を開示は出来ない。しかし神碕をライダーシステムで学年別個人トーナメントに出場させる』と返答したのだ」
「……つまり、知りたければ自分たちの目で確めろ……と」
「そうだ。それにISと戦うのが見れれば文句も出ないだろうからな」
大人たち、各国家の都合で裕はライダーで出場となった。しかし、もし裕がIS学園に所属していなかったらこの程度では済まない。それこそ誘拐などもあり得る話である。
「さて、話は以上だ。私たちも『ライダーシステム』のことはあまり解っていないのだ。見逃さないようにしなくてはな」
「……はい」
え〜、更新が物凄く久しぶりになってしまって申し訳ありませんでした!!
内容を考えたら結構な文字数になりそうだったので、このまま全部するか。前編、後編にするか悩んだり、したらこんな久しぶりになってしまいました。
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