インフィニット・ブレイド   作:ケヴィス

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更新がかなり遅くなってしまって申し訳ありません。


第08話

   【叶った願い】

 

 

 

 私がゆっくんと逢ったのは小学校一年生で隣になったから。先生が「隣の人に名前を教えましょう」といって私とゆっくんは互いに自己紹介をした。

 

『かんざき ゆう! よろしく!』

 

『わたしは、さらしき かたな』

 

 刀奈(かたな)

 

 当時、私はこの名前はあまり好きじゃなかった。幼稚園の時、他の皆は綺麗とか可愛いって言われるような名前で、私は一度も言わなかった。正直私は羨ましいと思ってた。

 

『かたな。いいなまえだね』

 

 だから私はゆっくんからそう言われた時、すごく嬉しく感じたのを今でも覚えている。

 

 多分私はこの時からゆっくんを好きになっていたのかもしれない。その一年はゆっくんと一緒に遊んで、とっても楽しくかった。

 

 私たちが二年生になった時に、私はお互いにあだ名をつけようと言った。当時、どうしてそんなことを言ったのかは知らないけど、今なら解るような気がする。皆が『ゆうくん』や『かんざきくん』と呼んでいて、私も『ゆうくん』と呼んでいた。

 

 多分私はゆっくんとだけで呼び合う名が欲しかったのだと思う。

 

 そして私が裕くんを『ゆっくん』と呼んで、ゆっくんは私を『カナ』って呼んでくれた。初めて呼ばれた時は身体の中がすごい満たされて暖かく感じた。

 

 それから二年生になってから少し経ってから、一夏くんと箒ちゃんに逢った。簪ちゃん、虚ちゃん、本音ちゃん達と一緒に遊ぶようにもなった。だけど、私は楽しかったけど同時に少し嫌だった。なんでそう思ったのかは解らないけど、そう思った。

 

 それから時間が経って私とゆっくんが四年生になった。その時から私の中が変わった。

 

『ゆっく………』

 

 ゆっくんを見つけて声をかけようとしたらクラスメイトの女子と一緒に歩いていて楽しそうに話していた。その子とゆっくんは日直だから仕事で一緒にいたのは解ってた……解ってたけど、胸の中がもやもやしてとにかく嫌だった。見たくなかった。だから私は逃げるように離れた。

 

『……私、なんでいやだったんだろう?』

 

 それから家に帰って母に話したら……。

 

『そう……刀奈も、もうそういう年頃なのね』

 

『?』

 

 母は嬉しそうな顔をしながらそう言って、私の頭を撫でてくれた。

 

 それから時が経って、私のゆっくんへの気持ちが大きくなっていき、それが恋心だと気づいた時には、小学校卒業が迫っていた。

 

 私は更識家の長女、更識家を継ぐために中学はISのカリキュラムを入れた進学校に進まなければならなかった。それが凄く嫌だった。私はゆっくんと同じ中学に行きたかったけど、当時当主の父がそれを許してくれなかった。

 

 そしてその事も母に相談した。

 

『それなら方法は一つよ、刀奈』

 

『……なに?』

 

『それはあなたが当主になることよ。当主になれば裕くんに逢えるようになるわ』

 

 私はこの答えを聞いてゆっくんと逢えなくなるのは寂しいけど、当主になること選んだ。

 

『それと今言う言葉を卒業式の日に裕くんに言ってあげなさい』

 

『なに?』

 

『それはね。『月が綺麗ですね』よ』

 

 私も最初は意味が解らずに母に訊いて、『愛しています』って意味を知ったら顔から火が出そうなほど、熱を帯びたのを今でも覚えている。

 

『あらあら、顔がトマトみたいに真っ赤になってるわね』

 

『んぁあああ〜〜〜!!』

 

 私は恥ずかしさのあまり母の部屋から逃げるように出た。

 

 そして卒業式の日に、私はゆっくんに『月が綺麗ですね』と告白をした。当然ゆっくんは意味を知らなかったから、次に会う日までの保留にした。

 

 それから私は当主になるために猛勉強した。世界状勢、特に更識家は裏の情報が多く入ってきた。

 

 また私は次期当主としてパーティーにも出席をするのが増えた。そこで色んな男性が交際を願ってきたけど、全て断った。

 

 それから二年経って、中学三年生になって自由国籍を取得してロシア国家代表となって私は十七代目更識家当主となって、名前が『楯無』になった。

 

 目的の当主にはなれたけど、当主になったら今まで以上に忙しくなってゆっくんに会う時間が無く、全然会えずにいた時、ある情報が入ってきた。

 

 

『ゆっくんの家族が謎の化け物によってなくなった』

 

 

 私はしていた『亡国機業(ファントム・タスク)を調べる』仕事を放棄してでもゆっくんの所へ行きたかったけど、だけどすぐに『ゆっくんの父親の知り合いに預けられた』という情報が入った。

 

 その事を調べたけど、どういうわけか場所が解らなかった。だけどゆっくんはちゃんと学校に通っていたらしい。

 

 それから私はIS学園に入学した。入学したことで仕事がいくらか楽になって一ヶ月経った五月の朝、ゆっくんと再開した。その日の朝は都市伝説の『謎の化け物』が二体いて、専用機持ちの私は避難させるために戦っていた。

 

『い、いや……』

 

 私もさすがに三体目がいるとは思わなかった。その時にヒーローみたいに出てきたのがゆっくんだった。しかも都市伝説の『謎の化け物と戦う。剣を持つ青いパワード・スーツの剣士』の正体がゆっくんだった。 

『……ゆっくん……?』

 

 再会したゆっくんは大人びていて最初は解らなくって半信半疑だった。でもどこかゆっくんの面影があった。

 

『……ひょっとして、カナ?』

 

 ゆっくんは私を見てそう言った。ゆっくんが私のことを呼んでくれて、ゆっくんだと解ったら私の中で嬉しさが溢れてきた。

 

『やっぱり、ゆっくん! ゆっく〜〜ん!』

 

 私は呼ばれたのと三年ぶりの再会の嬉しさでISを解除するのを忘れて抱き着いた。

 

『ちょっカナ! 痛い、痛い! せめてISを解除してくれ!』

 

 私が抱き着いてる間ゆっくんが何か言ってたけど、私の耳には入らなかった。

 

 その後、一年一組の副担任の山田先生に引き剥がされた時はちょっと残念だった。そしてすぐに一年一組の担任の織斑先生が来て、その場にいた生徒は慌てて教室に向かった。出来ればゆっくんと離れたくなかったけど私も教室へと向かった。

 

 教室に行ってからすぐに山田先生がきた。

 

(……あっ)

 

 山田先生が開けたらゆっくんが立ってて目があった。それでゆっくんと同じクラスなのが解って嬉しい。そして、ゆっくんが自己紹介したらソニックウェーブが起きた。

 

 

 

 

 

 それから時間が経ってお昼休み、ゆっくんにIS学園の中を案内してたら丁度山田先生とあった。ゆっくんは山田先生に男性が使えるトイレの場所を訊いて一人で行っちゃった。

 

『……あっそうでした。更識さんにお話がありました。更識さんは今部屋は一人でしたよね』

 

 山田先生が思い出したように言った。私は入学者の人数の都合で二人部屋に一人で居る。

 

『はい。そうですよ』

 

『実は神碕くんを更識さんと相部屋にすることになりました』

 

『……………えっ?』

 

 私も流石に思考が一時停止した。

 

『更識さんと神碕くんは幼なじみなのですよね。織斑先生から聞きました』

 

 織斑先生とは一夏くんと幼なじみで昔からよく知ってるけど、まさか織斑先生経由でゆっくんと同じ部屋になるとは思わなかった。

 

『男女が同じ部屋と言うのは問題かも――』

 

『そんなことは微塵もありません』

 

『そ、そうですか……。それでは、私はもういきますから』

 

 話が終わって山田先生は職員室に行って、私はゆっくんを待った。

 

(……ゆっくんと同じ部屋………)

 

 私は放課後が待ち遠しくなった。

 

 

 

 

 

 そして放課後、ゆっくんは山田先生に言われて職員室に行って私は部屋に行ってゆっくんのお出迎えの準備をした。

 

 お出迎えした後は一緒に学食で夕食を食べて、シャワーを浴びて寝た。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「ぱっとした振り返りはこんな感じかな」

 

「私から訊いてなんだけど、すっごい惚気話だね」

 

 私は今、新聞部の黛 薫子ちゃんと一緒に学食カフェいる。その理由は整備室で専用機の調整をして行き詰まってたら薫子ちゃんからアドバイスをもらって整備の手伝いをお願いしたら……。

 

『神碕くんと更識さんの関係を話してくれたら手伝ってあげる』

 

 そう言われて話した。一緒に寝たのは言ってないけど。

 

「それと噂で聞いたんだけど、二人が付き合ってるってホント?」

 

「本当だよ」

 

 ゆっくんからの返事はこの前だったのにどうして噂になってるのかな?

 

「それじゃ、ちゃんと私とゆっくんの関係話したからちゃんと整備手伝ってね」

 

「解ってる約束は守るから……そういえば神碕くんは?」

 

「『買いたい物がある』って言って出かけた」

 

「一緒に行かなくて良かったの?」

 

「出来れば行きたかったけど、クラス代表戦が明日だからISの最終調整をしなきゃいけないから」

 

「それもそうね。それじゃとりあえず手伝うのはクラス代表戦が終わってからね」

 

 これで私の専用機、『モスクワの濃い霧(グストーイ・トゥマン・モスクヴェ)』の完成が近づくかな。

 

「それでこのことは記事にするの?」

 

 してくれたら私とゆっくんがカップルって全校生徒に行き渡ってゆっくんを取られる心配は無くなる。

 

「どうしようか悩んでる。ネタとしては十分だけど、惚気話過ぎて載せる気が薄れちゃった」

 

「そう」

 

 その後は薫子ちゃんとちょっと話して、夕食は帰ってきたゆっくんと私と薫子ちゃんの三人で食べた。

 

 その日の夜、ゆっくんが寝たのを確認してからまた布団に潜り込んで添い寝した。三年間ずっと逢えなかったからそれを埋めるように一緒にいるって言うのもある。

 

(ゆっくんと一緒にいると安らぐ)

 

 私は更識家の当主として生きなければならない。このIS学園ではみんな私を『楯無』として見ている。だけどこの学園ではゆっくんだけが私を『刀奈』、『カナ』として接してくれる。だから甘えられる。私としていられる。

 

「ゆっくん、ずっと一緒にいてね」

 

 




無い文才で頑張りました。
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